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飛行機雲でわかる天気

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0811_2天高く馬肥ゆる秋も本番を迎えましたね! 青く広がる高い空を、細い糸を引くように飛行機が飛行機雲を走らせながら飛ぶ様子は、とても美しいものです。しかし、この飛行機雲、いろんなことを示しているのです。

どうして飛行機雲ができるかという説明に入る前に、水蒸気の性質について説明しておきます。私たちが暮らしている空気中にも、水は水蒸気として存在しています。「湿度」と呼ばれるもので現されるのが空気中に含まれる水蒸気の割合です。この水蒸気は、気温が下がるとともに、水滴、氷へと変化していきます。水蒸気が水滴に変化するとき、水蒸気はその温度に対して「飽和している」というのですが、大気中にはこの「飽和」を早くさせる分子が多く飛散しています。身近なところでは、排気ガスや工場の煙もそうです。

さらに、飛行機が上空を飛ぶときに飛行機が排出するチリやほこりもその要素になります。だから、上空に水蒸気が多ければ多いほど飛行機雲はできやすいのです。つまり、どんなに空が晴れていても、飛行機雲が何本もできてなかなか消えないときは、上空が湿っているので、お天気は下り坂だと思ってください。

また、水蒸気が水滴に変化するときにはわずかな熱を発生させます。だから、飛行機雲の発生も地球温暖化に影響を与えていると言われています。

さらに、飛行機雲が長い時間上空に留まっていると、上空の風に流されて形がぼやけてきます。以前テレビでそれを地震学者の方がまことしやかに「これが地震雲です」と言って写真を見せていて、驚きました! 気象の方の考えでは、「地震雲」なぞはないと思われています。確証があるわけではないので、惑わされないでくださいね。

(文:気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

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