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成人式にネクタイを締めなおす

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0901_2 お 正月が開けると1月のもうひとつつの行事、成人式が各地で開催されます。以前は1月15日でしたが、現在では1月の第2月曜日が成人の日と定められていま す。女の子達は煌びやかな振袖を纏い、男の子達はスーツや羽織袴で参列します。既に20歳を越していてもひとつの節目、成人としての心構えを新たにする儀 式。時折、ハメを外す「成人」も居ますが、この日を境に素敵な大人に成長してもらいたいものです。

大 人のアイテムのひとつにネクタイが有ります。発生の地はどこだかご存知ですか。紳士の国イギリスを想像する方が多いのではないでしょうか。実は、アドリア 海に面したクロアチアが発生の地なのです。激動の17世紀、フランスのルイ13世を守る為に出征したクロアチア兵が、無事帰還するようにと恋人や妻から贈 られたスカーフを首に巻いていたのが始まりと言われています。これがルイ13世の目に留り、フランスでも流行するようになりました。クロアチア兵士が巻い ていたことから「クラバット」と呼ばれています。ネクタイというのは英語圏だけでしか使用されず、他は現代でもクラバットと称されています。

成 人男性の正装として世界的に定着したネクタイ。日本で初めてネクタイを締めたのは、ジョン万次郎とのこと。アメリカ帰りの荷物の中にネクタイが有ったそう です。維新後、明治政府は列強各国に並べるよう、洋装を推奨しました。官僚の多くがスーツにネクタイという現代と同じようないでたちで、仕事に励んだそう です。

ネ クタイは服飾から見ると、ただの装飾品のひとつです。しかしキュッと結ぶことで心が引き締まり、大人としての自覚が芽生えるのではないでしょうか。昔は帯 を結びなおすと言われていましたが、今はネクタイを締めなおし、立派な大人として社会に貢献してもらいたいものです。大騒ぎをする「新成人」さん、ネクタ イをキュッと締めたら大人の仲間入りですよ。忘れないでくださいね。

(コラムニスト 朝比奈うろこ/絵:吉田たつちか)2009.01

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