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イチョウの由来はアヒルの足

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1011_3a 青々と茂っていた葉が赤や黄に色づき私達の目を楽しませてくれる季節がやってきました。紅葉の代表格はなんと言ってもモミジですが、今回は黄金色に輝くイチョウにスポットライトを当てたいと思います。

 イチョウの葉の形を思い浮かべて下さい。先端に浅い切り込みがあり、葉が二つに割れたような形になっています。それを動物の足にたとえるとしたら、どんな動物が想像できますか?

 その昔、中国ではイチョウの葉をアヒルの足にたとえていました。ですので、イチョウの木のことをイーチャオ(中国語でアヒルの足)と呼んでいました。木が日本に伝来した時に、その言葉が変化して「イチョウ」になったと伝えられています。イチョウの名前の由来がアヒルの足であったなんて、なんともかわいらしいですよね。

 そのイチョウの葉ですが、ドイツでは医薬品として使われているのです。なんでもイチョウの葉には脳の血流を良くする成分が含まれているとか。よって痴呆症の改善、脳機能障害の改善に役立つそうです。健康な人でもイチョウ葉エキスを摂取すれば記憶力が増大したという実験結果が報告されています。

 けれども我が国では医薬品として認可されていません。健康食品としてイチョウ葉茶やサプリメントなどが販売されているぐらいです。健康食品では医薬品ほどのイチョウ葉エキスが含まれておらず、同等の結果が得られるとは期待できません。だからといって過剰に摂取したり、イチョウ葉茶を濃くして飲んだりするとギンコナール酸という成分によってアレルギー性皮膚炎を引き起すことがあるそうです。頭痛や下痢といった副作用もあるようですから注意しなくてはなりませんね。

 脳梗塞や動脈硬化の予防にもなると研究されているイチョウの葉。黄金色に染まったイチョウが私達の目を楽しませるだけでなく、将来は痴呆症をはじめとした成人病の治療薬に使われる頼もしい新薬になるよう研究を進めていって欲しいものですね。   

(コラムニスト 華山 姜純/絵:吉田たつちか)

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