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星座になったギリシア神話「ヘルクレス座」

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0905-01「ヘラクレス」というとどんなイメージをお持ちでしょうか? 強く賢い男性なのですよ。ヘラクレスも星座になったギリシア神話の中の人物です。五月になると陽が沈んだころから東の空で「ヘルクレス座」と呼ばれる星座が見られるようになります。(星座では「ヘルクレス」なのです)あまり目立った星はありませんが、八十八個ある星座の中で五番目に大きな星座です。
さて、ヘラクレスの父は好色家で有名な大神ゼウス、母はルクメネという人間でした。ゼウスの妻のヘラは嫉妬深いことで有名で、特にゼウスが愛した人間の女性やそれが生んだ子どもに対しては非常にひどいことをしました。ヘラクレスもその例にもれず、ミュケーナイの国王エウリュステウスのもとに仕え、後に「ヘラクレスの12の仕事」と語り継がれる偉業を成し遂げます。
そして、多数の求婚者を打ち負かした末に、美女デイアネイラと結婚し、しあわせな生活を送ります。それでもヘラクレスはあるとき戦利品として連れ帰ったイオレという少女に心を移します。嫉妬したデイアネイラはヘラクレスの上着に秘薬を染み込ませました。その服を着たとたんヘラクレスの体には秘薬がにじみ、激しい苦しみに襲われて、周りにいたあるものやそこにいた人々までもを海に放り投げました。ヘラクレスはその怪力で衣服をひきはがそうとしましたが肌にへばりついて離れません。ヘラクレスは友人のピロクテテスに自分の弓矢を託し、自分は松明に囲まれた火葬台に棍棒を枕にして横たわり、友人の矢に打たれて息を引き取りました。
英雄の死を嘆いた神々は、四頭の馬が引く二輪の馬車に乗った意気揚々とした姿で、彼を大きな星座として天空へ迎え入れたのだと言われています。
(文:気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)2009.05

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