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彼岸花・相思花

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11-09-01 川岸にぎっしりと咲く彼岸花。秋の観光名所となり、毎年カメラを持参した人々でにぎわう様子がニュースで報道されています。一般的に彼岸花と言えば真っ赤な花が思い浮かびますが、色の種類としては白や黄もあり、赤い彼岸花とは違った趣をかもしだしています。
しかし、なかには彼岸花を不気味と感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか。それもそのはず、彼岸花はよく墓地に咲いています。よって死のイメージと結びつけられます。なぜ、彼岸花はよく墓地で見られるのでしょう。その理由は、昔は土葬だったことに関係しています。過去、墓はネズミや狐などの小動物に荒らされることがありました。その対策に使われたのが彼岸花。彼岸花には毒があり、その毒で爪や口を使って掘り起こす小動物たちを殺そうとしたのです。
よって、墓を守るために積極的に植えられました。火葬となった今でも彼岸花の根は絶えることなく、そして毎年自然に開花し、あちらこちらで赤々と咲き続けているのです。
彼岸花の名の由来も死のイメージと結びつけられます。開花は九月中旬。それがちょうどお彼岸の頃なので彼岸花と名づけられました。お彼岸、イコール墓参りですからどうしても死のイメージがぬぐえませんね。
このような悪いイメージを嫌って、彼岸花ではなく曼珠沙華という別名を使ってイベントが開催される場合があります。ちなみに曼珠沙華とは元々は仏教の世界の言葉であり、それを見た者はおのずと悪事から離れて改心するという素晴らしい天上の花のことを意味していました。その花の色は白だったのですが、現在では色は関係なく赤や黄でも曼珠沙華と呼んでいます。
韓国では、花が枯れた後に葉がでる性質を男女の恋愛に例え、『会えなくともお互いを慕い合う相思花』と呼んでいます。所変われば良いイメージが持たれる花なのに、日本では悪いイメージが定着してしまって、ちょっとかわいそうかもしれませんね。
(コラムニスト 華山 姜純/絵:そねたあゆみ)
2011-09

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