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夏の終わりに現れやすい五臓の虚労

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カラー31,心虚労タイプ(Aさん30代女性)=夏の内は、とにかくダラダラと流れるほどの汗をかき、1日に何度も着替えても追いつかないほどで、夜中も熟睡することができなかった。少し涼しくなったら、疲れが出たのか、少し動いても動悸がして、立ちくらみなども起こるようになった。
♪この方は、汗のかきすぎと睡眠不足により、心を傷め、気(元気、気力)と陰(血液や体液)ともに消耗しました。この場合は、心を養う漢方(コルマータQ10,生脈紅景天)などとともに、らっきょう、棗、ぶどう、ハスの実、ハツ、小麦などを摂ります。
2,肺虚労タイプ(Bさん60代男性)=会場を移動する仕事のため、1日に何度も暑い車の中と、冷えた会場での座り仕事を繰り返していた結果、喉が乾燥したり、そうかと思えば痰が絡んで息苦しくなったりを繰り返すようになった。いつも風邪をひいている感じで、低気圧が近づくと喘息になりやすい。
♪この方は、激しい温度変化と、クーラーによる湿度の変化、そしてクーラーのカビなどの影響も考えられますが、鼻から肺にかけての粘膜が疲れています。粘膜を潤して炎症を収める、長芋、蓮根、納豆、もずく、大根おろし、里芋などのネバネバ食品、そして肺を養う豆腐、銀耳、ゆりね、梨などの食材を補います。状態がひどい場合は、漢方(通竅やスーパー紅景天など)を併用するとよいです。
3,脾虚労タイプ(Cさん40代女性)=夏場は、食欲がなく冷や麦や、素麺などばかりで過ごしていた。やっと涼しくなって楽になるかと思いきや、手足がだるく、疲労倦怠感が強くて何をやる気もなくなってしまった。
♪この方は、夏場の食事のアンバランス+冷麺の摂りすぎにより、脾を傷めてしまったようです。鶏肉のささみ、いんげん、長芋、棗、かぼちゃ、ねぎ、生姜などを具材にして、温かいお粥を作っていただきましょう。胃腸が冷えて重症のときは、お腹を温める漢方(大熊柳、発酵紅参、補中益気湯など)を併用します。
4,肝虚労タイプ(Dさん50代女性)=ここのところ、運転しているとやたらと目が眩しい。強い光を受けたあと、目眩や立ちくらみ、のぼせ感を感じて気分が悪い。目が乾き疲れる。
♪ここのところの太陽光線はとても強いです。強い光や長時間のパソコンの画面の光などは、肝の穴である目を傷めます。肝血を補う、レバー、しじみ、ウナギ、枸杞の実黒木耳、小豆、プルーン、ブルーベリーなどを取入れ夜間のパソコンやスマホは制限しましょう。気候の変動が激しい時期は、それだけで肝に負担がかかるので、要注意です。解毒を促すタンポポ茶(ショーキT!)等で肝の働きを助けてあげましょう。
5,腎虚労タイプ(Eさん60代男性)=夏うち、あまりの暑さで熱中症を恐れ毎日クーラーの中で涼んでいたら、最近足腰がだるく、おまけに夜中に3回くらい、お小水に目がさめて、熟睡できない
♪夏の間に冷えが生じて、腎を傷めた症状です。つま先の上げ下げで、ふくらはぎや太ももの筋肉に刺激を与えましょう。エビ、くるみ、黒豆、黒胡麻、山芋、小豆、松の実、栗など補腎の食材を取入れ、腰まわりを温めます。漢方では、(地黄丸製剤や骨砕補)などを用いてゆきます。冷えと虚弱体質は、夏に作られやすいです。早めの養生とお手当てで、臓の力を回復させ、寒い冬に備える体を今から作りましょう。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2016-08

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