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お手当ての意義と順序

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(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:そねたあゆみ)2017-1

 痛みをとる、解毒を促進させる、体質を変えてゆく・・・などの養生の一つに手当てというものがあります。

 手当ては文字通り、手を当ててさすったり、ツボ押しなどの刺激をしたり、温めたりするもので、小さい頃お母さんがやってくれた”痛いの痛いの飛んでけ~”

とさすってもらうと、楽になった体験は、多くの方がされていると思います。

 一般的に痛みがある箇所は気の流れ、血の流れが滞っており、鬱滞状態にあります。また、解毒できていない体というのは、気の流れが塞がり、臓器の力が低下して代謝も落ちています。

 元気な方の指先には温かいエネルギーがあり、その手でさすったり、温めたり刺激を加えることで、気血の鬱滞がとれて巡りがよくなります。気血が流れ鬱滞がとれれば、痛みも解消します。

 次にお手当ての手順についてですが、全身から部分に向かう順序で手当てをします。

 例えば、足のむくみや、痛みを取りたいときに、足のふくらはぎをマッサージしたり、足にお灸をしたりするのは最後です。

 まずは、入浴したり、全身生姜罨法、あるいは手足温浴などで、末梢の血流を良くしておくと、うんとよく効き目が現れます。

 また、例えば痛みがある方、体がだるい方は、その箇所を温めたりさすったりする前に、腰浴をしたり肝腎のこんにゃく湿布やビワ葉こんにゃく湿布をしたりして、解毒の2大臓器である肝臓と腎臓に血液を集めます。血液が集まるということは、そこに酸素と栄養が届けられ、臓器力が高まるということです。

 すると、その後患部をピンポイントでお灸したりする手当てをしたときに、スムーズに痛み物質等が解毒されてゆきます。この前処置がなく、患部のみを温めると、返って痛みが増して辛いことがあります。痛みは治癒反応の一つといえど、あまり痛みが強いと不安になりますので、なるべく痛みを起こさない方がよいかと思います。

 まとめてみますと

●入浴、ウォーキング、ストレッチ、全身生姜罨法、半身浴、手足温浴等で末梢まで気血の流れをスムーズにしておく

●ビワの葉こんにゃく罨法、腰浴等で肝腎の解毒促進手当てを行う

●気になる患部のマッサージ、温灸、お灸等のピンポイント手当て

●痛みが出そうな場合は、さらにその後、里芋、そば、豆腐等各種パスタを当てる

 最後に耳の温灸等でリラックス。どうぞご参考ください。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2017-01

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