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袋鉢で夏野菜

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(絵:そねたあゆみ)

 自動車の保有をやめたため空いた駐車場跡の庭で家庭菜園を行っているが、鉢植えだと今一元気がない。そこで、今年の夏野菜は袋鉢で育てることにした。とっておいた培養土の空袋に古い土にボカシ肥料を混ぜた土を3分の1ほど入れ、その上にホームセンターで購入した培養土(ペーハー調整済、必要な元肥入りのもの)を3分の1加えて、苗を植える。こうすると、残った袋3分の1が風防の役目をしてくれるので、苗の定着もいい。袋は土を入れたプランターの上に置いているので、土の深さは十分ではある。入れる前に、袋の底部にナイフで穴をあけておくことで、根張り範囲が広がる。
 ただ、この方法だと、畑の見栄えはあまりよくなく、先日、家に来た次女からは「まるでゴミ屋敷みたいだ」と叱責された。
 混栽することで互いの成長によい影響を与え共栄しあうとされる野菜のことをコンパニオンプランツ(共栄作物・共存作物)という。
トマトにはニラ=青枯れ病や立ち枯れ病を防ぐ。ナスには枝豆=元気に育つ。ピーマンにはシソ=味が良くなる。キューリにはニラやネギ=蔓割れ病・青枯れ病を防ぎ、アブラムシなどを防ぐ等。
 夏野菜として、キュウリ、ナス、トマト、ピーマン類は主菜になり、ニラ、ネギ、枝豆、シソ、三つ葉があれば、酒の肴にも、冷やしソーメン、冷や汁なども、庭から採ってきてすぐに作ることができる。老夫婦には小さな家庭菜園で必要十分な食材がそろう。夏野菜は成長が早く、採れる期間が長いし、このような袋鉢栽培でも十分な収穫が得られるので便利だ。
 最近はかっての大規模公営住宅などでも、住民の高齢化が進み買い物弱者の問題がクローズアップされている。老朽化した公営住宅の建て替えで高層化したため、かっては家庭菜園で夏野菜を自給できた人も、庭がなくなってしまった。ベランダでも栽培可能な袋鉢菜園にチャレンジされることをオススメする。
(ジャーナリスト 井上勝彦)2017-07

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