おもしろコラム通信9月号 2012.9.01 No.101

 

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おもしろコラム通信発行月の前月によせられたコラムの内、採用されたものを絵入りで掲載しています。

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暑さ寒さも彼岸まで

 

 9月の二十四節気は、まず7日に白露、朝の気温が下がって露を結び始める意味です。初候「草露白 くさのつゆしろし 草に白い露が降りる」、次候「鶺鴒鳴 せきれいなく セキレイが鳴き始める」、末候「玄鳥去 つばめさる つばめが南へ去っていく」。

 歳時記では露や、この時期に道端に青く可憐にさく露草は、秋の季語になっています。セキレイも秋の季語で、「白セキレイ」というと冬の季語ということです。

 次に22日、秋分。昼と夜の長さが同じになる日です。この秋分の前後三日間が「彼岸」です。そして秋分の日に一番ちかい戊(つちのえ)の日を「社日(しゃにち)」といいます。今年は24にちが「つちのえ・ね」に当たり、社日になります。秋の社日は穀物が獲れたことに感謝をする日だとされています。

 秋分の初候は「雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ 雷が鳴らなくなる、次候「蟄虫坏戸 むしかくれてとをふさぐ 虫が土の中に閉じこもる」、末候「水始涸 みずはじめてかるる 水が凍り始める」。

 8月31日が、立春から数えて「二百十日(にひゃくとおか)」、9月10日が「二百二十日(にひゃくはつか)」で、いずれもこの時期よく本州にやってくる秋台風への注意、農作物への注意を促す雑節が設けられています。そのちょうど二週間後が同じく雑節の社日にあたっていますか

ら、昔の人たちは、台風シーズンを無事に乗り越えてたくさんの収穫を得られたことを社日に感謝した、という暦の流れが感じられます。また今月のお月さまと旧暦について。1日が旧暦7月15日で満月、16日が旧暦8月1日で新月、30日は旧暦8月15日

でまた満月です、仲秋の名月です。

 9月の気象で気を付けないといけないのは、台風だけではありません。最近では9月の終わりまで残暑(俳句で言うところの「秋暑(しゅうしょ)」が続く年が多く、なかなか「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざのとおりには

季節は進んでいないように感じられます。しかしこの時期は、やはり何と言っても季節の変わり目。北の秋の空気と南の夏の空気とが日本列島付近でぶつかって秋雨前線となり、しとしととした長雨を降らせます。そしてそこを台風が通ることが多いので、積算雨量が増えて、土砂災害につながることがあるので、充分に気を付けましょう!

(気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

 

脳内ホルモン低下の原因

 

 老化の原因のひとつに、脳内ホルモンの低下があります。100才を越えても元気に活動しておられる方の脳内ホルモンを調べたところ、DHEA-Sという副腎アンドロゲンの濃度が、高いことが報告されています。DHEAーSの生理作用として

①免疫賦活作用②抗糖尿病作用③抗骨粗鬆作用④抗動脈硬化作用

⑤抗肥満作用⑥中枢神経作用

などがあげられ、体を若々しく保つ働きと関連があるのもうなずけます。

 このように大切な働きがある、DHEA-Sですが、特に努力なしに、漫然と過ごしていると、どんどん減っていってしまうようです。

 それでは、DHEAーSが低下する原因をみてみましょう。

1、大きな病気、手術などによる免疫力低下

2、副腎網状帯のリポフスチン沈着 (甘い物脂質、炭水化物の  摂りすぎ)

3、ステロイド剤、高脂質血症のお薬の使いすぎ

4、慢性ストレス、神経症的性格パターン

5、過労、寝不足、による解毒不全

6、インスタント食品、加工食品などを摂る機会が多く、正しい  栄養が不足

7、更年期に伴う肝血、腎陰、腎精(脳髄の栄養)の不足

    

 これらが原因で、脳の元気物質が不足すると、脳細胞の修復力が低下したり、脳細胞同士のネットワークが断絶され、次第に意欲が低下し、物忘れ、集中力がなくなる、根気がなくなる、生きていても何だか楽しくない・・・・等の精神的な老化現象が始まるのです。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

朝食こそが一番の健康の源

 

 朝ご飯は食べていますか? また、ご家族の皆さんはどうですか?

 厚生労働省の平成十六年の調査によると、朝食を食べない人の数が年々増え続けているとの事。年代別だと最も欠食率が高いのが二十代。次いで三十代、四十代となっています。性別で比較すると女性より男性の方が多く、二十代男性では三十四%、三十代では二十六%、四十代では十九%が欠食するという結果。それに対して女性は、二十代で二十二%、三十代で十五%、四十代で八%となっています。しかし、朝食を食べない女性の数は、最近のダイエットブームにも乗って急激に増えているのです。

 朝食を食べないと、どうなるのでしょう。人は食事をして『おいしい』と感じた時にセロトニンという物質を分泌します。セロトニンは脳を覚醒させる作用があります。よって朝飯を食べないとセロトニンが不足し、午前中から集中力に欠けたり眠くなったりします。学生やサラリーマンにとっては大打撃なのではないでしょうか。学業や営業成績に、知らぬうちに影響が出ているのですよ。

 では、朝食を抜くと、本当にダイエット効果があるのでしょうか。一時的に体重は減るかもしれませんが、逆に昼食時に食欲が増して太ってしまった、なんて話しをよく聞きます。

 なにより、朝食を食べないと腸への刺激がなくなり排便活動が低下します。その為、新陳代謝も低下して痩せにくい体質になるだけではなく、肌荒れも生じます。

 更に悪いことに、朝食の欠食が睡眠不足を引き起こすのです。セロトニン不足が睡眠に欠かせないメラトニンをも不足させるからです。不規則な食生活と睡眠不足が続き、脳がセロトニン不足になっている時に過剰なストレスが加わると、うつ病を引き起こすと医学的にも考えられています。

 私達は安易に「朝ご飯いらない」と言ってしまいがち。しかし朝食こそが一番の健康の源。健康な体と心を保つため、毎日家族全員でおいしく朝ご飯を食べましょう。

(フードアナリスト 愛川いつき/絵:吉田たつちか)

 

 

児玉大将の地図を持たない人々への喝!

 

 明治期、医学界の権威だった医師の回想として、「今まで、色々な政府高官を診てきたが、地位が上がるに連れて能力も比例して上がっていった人は少ない。多くが、地位と能力は反比例している」というようなことを言い、続けて、「地位が上がるに連れて能力も上がっていったのは児玉源太郎大将と陸奥宗光元外相の2人だけだった」と言ったとか。

 なるほど、児玉も陸奥も、確かに、人一倍、聡明な頭脳の持ち主ということは知っていましたが、地位が上がるに連れて能力も上昇していったという話は少々、意外でした。この二人は、あるいは、非常な努力家であったのかもしれませんね。

 そのうちの一人、児玉大将ですが、私の好きな映画に二百三高地というのがあり、この中で、とても教訓に値する場面がありました。

 104年前の日露戦争開戦前夜、遂に開戦を決意した明治政府は、事に臨まんとして、児玉源太郎陸軍大将を内務大臣から格下に当たる総参謀長(事実上の陸軍の作戦指導責任者)に転任させました。(ドイツは、この人事で、日本が開戦するハラを固めたことを推察したとか・・・。)

 それまで、陸軍内部でも盛んに開戦論をぶちあげ、時には政府首脳に対し直訴・懇請さえした若い参謀らが多数いたそうですが児玉大将が総参謀長に就任し、参謀本部に乗り込んできたとき、「開戦ですか!」と色めき立つ幕僚らに児玉は軽く頷きながら、「さぁ、主戦場となる満州の地図を出せ」と言ったら、その場にいた青年将校たちが、皆、顔を見合わせ、「地図・・・ですか。有ったか?」と言い合ったとか・・・。

早速、「何ぃ!貴様ら、戦争、戦争と騒いでおったくせに地図も用意しとらんで言うておったのかぁ!」と児玉大将のカミナリが落ちたと言いますが、この話は大変、考えさせられる話です。

 散々、「今しかない!」と名論卓説をブチあげていたエリート参謀たちが、実際には地図も用意してなかったと・・・。つまり勝てるかどうかを詳細にシュミレーションした上で言っていたわけではなかったわけですね。

 まあ、彼らには彼らなりの考えがあったのでしょうが、とかく、若者とは大声で騒いでいるうちにお互いに自分たちの名論卓説に酔ってしまうという所があるのも事実なわけで・・・。

昨今でも時々、こういう人たちを見かけますが、果たして、彼らのうちのどれだけが「地図」を用意した上で言っているものなのでしょうか・・・。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか )

 

 

 

鯖の味噌煮は大人気

 

 定食屋さんで人気のメニューに鯖の味噌煮がありますね。スーパーのお惣菜でも見かけるメニューです。みなさんはお好きでしょうか。私が働いていた和食店でも、ナンバーワン人気は鯖の味噌煮定食でした。サラリーマンのおじさまはもとより、近くで働く美容部員のお姉さんや、もりもり食べる運動部の大学生男子にも好評で、直径50センチくらいの大鍋で煮た鯖がどんどんなくなってしまうのです。刺身定食ではあっさりしすぎ、でも天丼ではカロリーが・・・と迷ったときにぴったりなのが鯖の味噌煮だったのかもしれません。

 店での仕込みは大仕事です。まず脂の乗った鯖を20匹から30匹用意。ほとんどの場合ノルウェー産の船内冷凍された鯖でしたが、これがほどよい脂具合でおいしいのです。半解凍の状態で頭としっぽの先を落としたら、幅6センチ程度の大きさで輪切りにしていきます。そして内臓を外してきれいにしますが、内蔵が凍っているうちであれば指で押し出すだけでするりと外れます。

この鯖を大量の味噌と砂糖、みりんで長時間煮ていくわけです。ポイントは初めにきちんと昆布で出しをとること。この昆布は最後まで一緒に煮ておいて、後で取り出して刻むと味噌味の佃煮のようでおいしい。また生姜の薄切りを入れることも生臭みをとるためには大切です。

 けれども、家庭で同じ味を出したいと思って作り方そのままにやってみましたが、どうもうまくいきません。あれは大量に仕込むからこその味だったのですね。家庭で作る場合には輪切りではなく三枚おろしにしたものを短時間で煮付けた方が、おいしくできるようです。

家庭用の基本レシピは以下の通り。

<材料>

鯖 1匹

出し昆布 15センチ1枚

生姜 1かけ

味噌 100グラム

砂糖 40グラム

みりん 50cc

水 200cc

<作り方>

①鯖は頭を落とし、三枚おろしにし、血合い部分をきれいに洗い流す。食べやすい大きさに切っておく。②鍋に水と薄切りにした生姜、昆布を入れて火にかける。③味噌を溶き、砂糖、みりんも加える。④ぐつぐつと沸騰したら、鯖を入れる。このとき、昆布をなべ底に敷いた状態になるようにして入れると身が焦げ付かず良い。⑤火を弱め、落し蓋をして10分ほど煮て火を止める。煮汁に浸したまま一晩寝かせるとしっとりする。

(調理師 いなふくそのか/絵:吉田たつちか)

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=13本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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10月号の原稿締め切りは9月12日です。

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