おもしろコラム通信11月号 2013.11.01 No.115

 

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気陰・気血の不足解消法  

 

 今年の夏は気温が高い日が多く、発汗により体液が消耗して気力も低下した方がたくさんみえました。(気陰・気血の不足状態)不足した物は補給すれば良いということは誰でも解りますので、みなさん栄養ドリンクを飲んだり栄養価の高い食べ物をたくさん摂ったりします。

 これで体調が復活する方は良いのですが、中にはかえって体調が悪化してしまう方がみえます。

どういう方かというと、

1、胃気(胃腸の気力)が消耗して、消化吸収能力が落ちている方

 消化器系が疲労しているところへ、高カロリー高エネルギーの食品を処理しなければならないので、更に胃腸に負担が掛ります。

  胃酸や消化酵素などの働きが低下すれば、腸管が渋滞を起こして排泄までの時間が増えます。

  オナラや便が、すごく臭かったりしますが、このような状態では、せっかく取りいれた食品が身体に吸収されないばかりか、かえって有害な物をため込んでしまう事になってしまいます。

      

2、お酒をたくさん飲まれる方、激辛好きな方

 天候の影響や対人関係など、心身ともにストレスが掛るのは社会生活を営む上でやむを得ません。

  激辛食品や酒は精神的なストレスを発散出来るので、ついつい摂りすぎてしまいがちですが、弊害として深刻なのが「脱水」と「発熱」です。

  細胞組織から水を奪い、発熱することで発汗が増えるので体液の消耗が進みます。その結果口が渇くので消化管は水分過剰になり、腎臓・膀胱の仕事量が増えてオーバーワークになりがちです。

 腰の上部のだるさや痛み、足の裏や掌が火照るのは腎臓の疲労が関係しています。

    

3、睡眠不足の方

    

 人間に限らず生き物は皆、活動と休息を相互に繰り返す仕組みになっています。活動は「陽」で「発散」、休息は「陰」で「補充」としてのバランスがとれていれば正常です。

   仕事や趣味を優先して寝る時間をおろそかにしては「発散・消耗」が増加し、「補充」が不十分になりますので内臓を始め身体全体が衰弱してしまいます。

    

◎胃気が弱い方は、食事では胃腸に無理のない食材で量を加減しましょう。精神面ではクヨクヨ悩 んだり、妬んだりは止めて楽観的になるよう心がけましょう。

◎お酒をたくさん飲まれる方は、まずお酒の弊害を認識して下さい。そして何がストレスなのかを認識して、それを減らす方法を考えて飲酒量を減らしましょう。

◎睡眠不足の方は、身体全体が衰弱しては何の楽しみも無くなってしまいます。生活習慣を見直して「睡眠時間優先」の癖を身につけましょうね。

 

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

 

 

ご先祖様のおかげで

 

 三重県伊勢市にある伊勢神宮。二〇一三年十月には二十年に一度の式年遷宮が行われました。式年遷宮とは、神様のお社の引っ越し。新しくなった正殿にお参りに行こうと更に多くの参拝客が見込まれています。

 伊勢神宮は外宮と内宮からなります。先に外宮からお参りし、内宮に向かうのが正式な順序ですが、時間に余裕のない場合は内宮だけをお参りする傾向が強いようです。なぜなら内宮の前には「おはらい町」があり、そこで伊勢の名物を味わうことができたり、お土産を購入することができるからです。よって、いつも多くの人でにぎわっています。

 おはらい町のなかに「おかげ横丁」があります。伊勢神宮のおかげという感謝の気持ちをこめて開業されたそうです。横丁の一角に「おかげ座 神話の館」があり、伊勢神宮とおかげ横丁の歴史を学ぶことができます。そこでの話によると、江戸時代には遠方からお参りに来た人々へのおもてなしの意をこめて、全ての店で食べ物や薬などを無料で配布していたとか。その心意気は現代にも引き継がれ、おかげ横丁やおはらい町では試食や試飲をすすめて参拝客をもてなしています。よって、伊勢では試食や試飲を遠慮なくいただくのが礼儀と言えるでしょう。

 ところで、「おかげ」という言葉は、もとおもとはご先祖様に対して使われていたそうです。

「ご先祖様がいつも見守っていてくれるおかげで健康でいられる」「ご先祖様のおかげで今年も豊作になった」と言ううちに、「ご先祖様のおかげで」が省略されて「おかげ様で」になったそうです。

 私たちの生活は神様やご先祖様に見守られ、繁栄しているのです。伊勢神宮のおかげ横丁同様に、「おかげ様」という言葉を口にする時は感謝の気持ちを忘れないようにしないといけませんね。

(コラムニスト 愛川いつき)

 

 

 

歴代総理大臣出身地図に見る「たかが総理されど総理」

 

 先日、歴代総理大臣出身地地図なる物を見る機会がありました。

それを見ると、生まれも育ちも山口県の菅直人氏が東京で、逆に、東京生まれ東京育ちの安倍晋三氏が山口県出身(出生時の本籍が山口県)となっており、まあ、そもそもが「出身地」などという概念自体あやふやなものでしょうが、それでも山口県に一度も住んだことがない安倍さんを山口県に入れるのはどうかという気はします。

 ただ、今の時代、親の転勤などで物心付く前に出生地を離れ、その後、全国を転々とするケースも少なくないわけで、その状態で一律に出生地なら出生地・・・と決めつけてしまう必要もないでしょう。

(この点は昨今の二世議員の多くが安倍さんと同様に、「選挙区は親の出身地」というだけの人達が多いことを考えれば、そういう人たちがこれから総理になることも十分に考えられるわけで・・・。)

 また、この点で言えば、第20代総理大臣の高橋是清翁などは東京(江戸)生まれの東京育ちですが、生後すぐに仙台藩の足軽の家に養子に出されており、従って、その後の海外留学なども「藩命」という形をとっており、つまり、彼は廃藩置県までの所属は仙台藩なんですよ。

 まあ、今で言う本籍みたいなものでしょうから、それほど深く考えなくてもいいのでしょうが、ただ、こちらも同様のことは実は結構多く、総理ではありませんが、乃木希典、福沢諭吉などもそれぞれ、長府藩士、中津藩士でありながら、出生は東京、大阪です。

もし、乃木や福沢が総理になっていたら、それぞれ山口県出身、大分県出身に括られるのではないかと思うわけで、ならば高橋は宮城県出身に括られるべきでしょう。

 

「そんな江戸時代の話!」と仰るかもしれませんが、これらは今なら、さしずめ、両親の仕事の関係でニューヨークで生まれ育った人が帰国後、総理になるようもので、その場合、出身地は「アメリカ合衆国」とするのか・・・ということになるわけですよね。

もちろん、ニューヨーク出身が決して悪いわけではないわけですが、その場合でもどこか日本国内で選挙区というのはあるわけで・・・。

まあ、結局、こういう物は、成人するまでの居住年数の多寡もさることながら、やはり、本人が人格形成上、もっとも影響を受けた土地・・・とするべきなんでしょうね。

 

ところで、この地図を見ていて意外なのは中国地方の突出ぶりが目立つ一方で、兵庫以東では大都市を除けば岩手、群馬、石川以外はなべて低調ということ。

特に、東京近郊は神奈川は小泉純一郎氏までは1人だけで、千葉も野田佳彦氏が初、埼玉、茨城、山梨に至っては未だ0。

さらに、在任期間という点でも、山口県出身の桂太郎、佐藤栄作が1.2位で、同県は他にも伊藤博文、岸信介も結構長くやってますから、数が多いばかりか、任期の面でも突出しているのがわかると思います。

確か、昭和の終わり頃に「内閣100年」とかいって特集やってたような気がしますから、総理大臣が登場して約120年・・・。

こうやってみると、「たかが総理、されど総理」・・・なんだなあって気がしてきます。

(小説家 池田平太郎)

 

 

 

 

痛くない注射針

 

 田舎暮らし、家庭菜園で悩むのは蚊との付き合い方だ。朝晩や雨の後は特に多い。今年は秋になっても蚊が居座っている。

 歳をとって免疫力が低下しているせいか刺されたあとの治り方が遅い。後頭部の刺され後は、かきむしった後がおできのようになってしまっている。家人はそんなに大きな痕にはなっていなというが、見えない後頭部の疵痕を触ると、大きく感じて、ついかきむしってしまい、直りを遅らせてしまうことになる。長女曰く確かに歳のせいだと思うが、最近の蚊刺されには、従来の薬が効きが悪くなっていると、テレビで見たことがあるという。

 自動車鈑金の職人さんは、凹んだ鉄板を修正するときに、凹み具合を手でさすって確認する。素人の目にはほとんどわからない凹凸でも、手触りでわかるのだ。見えないところを手でさするとよけい大きく凸を感じる。

 蚊といえば、以前から疑問に思っていることが3つある。戦国武士のように、耳元に飛んできて、「我○○蚊太郎なり、いざ立ち会え!」とばかりに、羽音を立てて近づく。黙って来れば、手で潰されまいに、正々堂々と来るのである。

 第2は、刺された時に痛くないことと、刺されたあとが赤く腫れてかゆいことだ。蚊が吸い取る血液など微々たるもの(1mg)だから、痛くなくてかゆくなければ、黙って吸わせてやるのに、なぜ、吸った痕跡をわざわざカユミで知らせる必要があるのだろか?

蚊の針口が刺さった時になぜ痛くないなかを真剣に研究している人がいる。その秘密は、蚊の口である針の形状にある。針はキチン質というしなやかな物質でできていて、太さは80マイクロメートルと非常に細く、先端がノコギリのようにギザギザしていて、この針を皮膚に突き刺すのではなく、上下に細かく振動させながら、皮膚や筋肉の細胞を押しのけるようにして、切り開きながら刺していくことで、痛みを感じさせないのだという。

すなわち、針自体が非常に細く、さらに先端がギザギザしているおかげで皮膚と接触する面積が小さくなり、摩擦が少なくなるのが痛くない秘密なのだ。

これをヒントに、東京の町工場の親父が痛くない針(マイクロテーパー針/岡野工業/テルモ)を作り評判になっている。

 2~3ケ月に1回、通風の薬を貰いに整形外科に行くたびに、血液検査をしてもらっているが、注射が大嫌いなので、採血に、この針を使ってくれと、先生にたのんだら、この注射器は

先端の外径0.2ミリ/内径0.08ミリという細さの中で、根本から先に行くほど細くなるというテーパー形状をしている特殊針を使っているので、少量の薬を注射するにはいいが、採血のような大量に血を抜く用途には適さないと、断られた。蚊だって、細い針で血を吸っているのにと、食い下がったが、採血量が違うと相手にされず、看護婦さんにも笑われた。

 (コラムニスト 井上勝彦)

 

 

 

 

 

 

消えてしまった北京宮廷料理

 

 3千年の歴史とも4千年の歴史とも言われている大中国。中国人が食べないのは2本足なら人間だけ、4本足なら机と椅子だけ空を飛ぶものは飛行機だけ、水を潜るものは潜水艦だけ、という言葉があるように中国は食文化においても大変な歴史を持っています。

 その中でも、最高峰はやっぱり首都であり宮廷があった「料理」は歴史も味も最高級と言えるでしょう……と、いいたいところなのですが、実は北京料理の歴史ってそれほど古くなく、いまの北京料理が生まれたのは60年ほど前。つまり中国共産党が政権をとり中華人民共和国が誕生してからと言われています。

 毛沢東率いる中国共産党の幹部たちが、北京にあるという山東省の料理を出す店で外国からの賓客をもてなしていたところ、この店の料理が評判になったことから、現在の北京料理が生まれたと言われています。もともと山東省は優秀な料理人が多く、北京の料理も山東省の影響を受けて油っこいものでした。

 いまの北京料理も充分油っこいのですが、この豊沢園飯庄の料理はそれらに比べて上品であっさりしたものであったようで。これが賓客たちに評判となりその名が広まっていき、また、北京の料理店もこの豊沢園飯庄の料理を真似して広まっていったといいます。

 

 北京は言うまでもなく、金、元、、といった国の都であり、そのうち以外は、中国の9割以上を占める漢民族ではなく異民族であった北方民族に支配されていたという歴史もあります。

 清の時代にあった宮廷料理は清国の崩壊とともに、全中国に散らばったとも言われ、清国時代の満干全席という、数日間をかけて100種類以上の料理を食べるという宴会料理も清の滅亡で廃れてしまい、現代ある満干全席は、宮廷料理の資料から想像して再現したものだといいます。

 もちろん、現代の北京料理にも宮廷時代の影響は強く残っているものと考えられますが、ただ、庶民料理ではなく“宮廷”料理ですからねえ。

宮廷料理人そのものが、それほど多くいたとも思えず、清が滅亡してから宮廷料理人が、どれくらい北京の市井に行き料理を伝えたかはよくわからないのです。一応、料理史においては、宮廷料理人たちは市井に下って宮廷料理を伝えたってことになっているのですが……

 これがフランス料理の場合、フランス革命後に宮廷料理人がレストランを開いたりしたことがわかっているのですが、中国の場合はちょっとわからない。

 また、中国共産党が中国を支配した後、1966年から1976年にかけてに起こった文化大革命で、過去の知識人文化人は相当数粛清され殺されているんですね。その数3千万人から7千万人。(3千人から7千人ではなく“万人”ですから、凄まじい大虐殺です)

 その粛清の嵐の中、異民族に仕えていた宮廷料理人が「わたしは清国の皇帝にお仕えした料理人でした」と、看板をかかげて商売ができたとは思えず、おそらく世に潜まざるを得なかったのではないでしょうか? 

 当時の中国では「旧世界を破壊せよ!」「新世界を建設せよ!」というスローガンの下、数多くの伝統的な物事やそれを伝える人々が大粛清されたときでもありました。

 事実、文化大革命のとき、中国の伝統料理店のほとんどが「美食はブルジョア的である」ということで破壊されてしまいました。

 さらに中国では個人経営の料理店が出せるようになったのは、1984年からなのです。

現代に伝わっている北京宮廷料理というのは、後に宮廷料理を資料などから再生させているものと思われるのです。

ただし、現代北京料理の歴史がたったの60年程度であったとしても、北京料理の価値が落ちるという意味ではありませんので念のため。

 そもそも現代の世界各国の代表的な料理のほとんどは、過去からの民族料理を原典としつつ、ここ100年くらいの間につくられたものですしね。

 (食文化研究家 巨椋修(おぐらおさむ))

 

 

 

 

 

 

<編集後記>

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