おもしろコラム通信 12月号 2006.12.08 No.032

 

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竜巻発生のメカニズム

竜巻は、日本でも年平均約17個は発生しています。

多い年は40個近かったり、少ない年は数個しか発生しないこともあります。

発生数は、沖縄県がトップです。が、1年当たり、1万平方km当たりの発生数を調べると、1位はやはり沖縄ですが、2位は東京都で、関東地方でも竜巻がよく発生することが伺えます。

竜巻は、すぐに消滅してしまう現象で日本の場合は平均して、長さ3.2km、幅119m程度です。お隣の家は全壊なのに、この家は無傷といったこともざらにあります。あっという間もなく被害だけを残して去っていくんですね。しかし竜巻の本場アメリカでは、平均して長さ100km、幅10kmほどということで、一目瞭然の桁外れです。

竜巻は、台風や強い低気圧に伴って発生します。こういった条件下で、上層と下層で、風向風力の差が非常に大きくなったときスーパーセル型ストームというのが発生しやすいくなります。これは、一つの上昇流と一つの下降流を持つ、直径20〜30kmの、一つの大きな積乱雲です。これは激しい雷雨や雹、航空機に影響を与えるダウンバーストを発生させることもあります。

この大きな雲に伴って竜巻も発生します。しかし、スーパーセル型ストームができたからといって、必ずしも竜巻が発生するとは言えません。

一般的に、竜巻の発生する条件は、以下の通りです。

・大気の状態が不安定(上層が非常に冷たくて下層が非常に暖かい)こと

・大気の下層に次々と暖湿な空気が流れ込み続けていること

・上層と下層で風向風力の差が大きく特に上層の風が強いこと

この条件が揃ったときに竜巻は発生することがあると言われています。

(気象予報士 チャーリー)

 

 

元気で長生きするには?

皆さんは、どんなことで老化を感じられますか?

よくあるご意見が、目が見にくくなった、耳が遠くなった、足腰が弱くなった、しわが増えた、気力がなくなった・・・など

これらの老化は、大きく3つの原因が考えられます。

1,胃腸の働きが低下し、エネルギーの元になる気血の量が減り、内蔵の機能が低下してくること

2,年とともに、気を巡らす力が弱り、血の巡りも悪くなり体が冷えやすくなり、免疫力も低下してくること

3,解毒排泄能力が弱まり、体に毒素が溜まりやすくなること

もう少し具体的に言うと

脾胃の力が弱まると=気血が減り、貧血、気力が低下、筋肉が下垂する、肌に潤いがなくなり、乾燥してしわが増える

肝の力が弱まると=目が見にくくなる、疲れやすい腎の力が弱まると=白髪、抜け毛、めまい、耳鳴り、耳が遠くなる、骨が弱る、歯が抜ける

心の力が弱まると=動悸、息切れしやすい、頑張りがきかない、不安が募る体が冷えやすい

肺の力が弱まると=風邪をひきやすい、免疫力が低下などが起こりやすくなります。これらの五臓を正常に機能させているのは、気血の働きです。

私たちは誰しも、親からもらった先天の気がありますが、その後は食べ物と呼吸による後天の気でエネルギーを補います。

したがって、元気で長生きするには、脾胃の働きをしっかりさせて、気血を補充することと、深呼吸などで、良い呼吸をすることが大切です。

1,穀類、芋類、豆類、お野菜などをよくかんで食べる

2,深呼吸、ストレッチ、体操、軽い散歩で気を巡らす

3,解毒排泄を高める、タンポポ茶、玄米、キノコ、海藻を取り入れる

などをまず実行しましょうね。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

12月の季語「漱石忌」

12月9日は明治の文豪・夏目漱石が没した日、この日を「漱石忌」といって現代俳句の世界では12月に用いられる季語ともなっています。

漱石自身も、大学の同窓で同じく近代文学の発展に多大な功績を残した明治を代表する文学者で俳人・歌人であった正岡子規との出会いにより俳句を学び、自らの俳号を愚陀仏(ぐだぶつ)としていました。

漱石の出生は数代前から続く名主の家でありましたが、事情により生後すぐに里子に出されたり、一度生家へ戻った後も父の友人であった夫婦の元へ養子に出されるなど、その生い立ちは大変複雑なものであったようです。

養父母の離婚により再び夏目家に戻ったのちも実父と養父の2人の父の対立により夏目姓への帰籍は成人以降まで遅れ、復籍した後も養父からの金の無心が止まなかったなど不穏な生活が続いたといわれています。

漱石は母校である大学の講師や、後に代表作「坊ちゃん」の背景となる愛媛県・松山での中学教師などを経た後英国へ留学し、帰国後は新聞社へ入社しました。

その在職中に「我輩は猫である」を発表して脚光を浴びその後も次々と作品を世に出して文壇での地位を確固たるものとしていきますが、この頃職業作家になるよう薦めたのは、先述の漱石の同窓・正岡子規に師事していた高浜虚子であったと聞きます。

こうして文学者としては恵まれた境遇であった漱石ですが、私生活では精神の病や病没の原因ともなった胃病に長年苦しめられるなど安穏とは程遠い日々が続き、幼少期から続く様々の経緯を知ってから作品を読むと、随所にその苦悩やエピソードの片鱗を垣間見る事ができます。

1916年12月9日、持病であった胃潰瘍が悪化し「明暗」を執筆中に未完のまま49歳の若さで逝去。

そんな漱石が残した俳句に、

腸に春滴るや粥の味(はらわたにはるしたたるやかゆのあじ)

という一句があります。この句は春に詠まれたものでは無いそうですが、大病の後に粥を食べられるまでに回復した喜びを季語の「春」に込め、その嬉々とした雰囲気が伝わってくるような一句です。

千円札の肖像が漱石から野口英世に代わって久しくなりますが、それでも未だ時折手元に回ってくる漱石の憂いのある肖像を見る度、偉大なる文豪への尊敬の思いが蘇るのです。

(現庵)

 

 

好漢惜しむらくは兵法を識らず

平安時代中期、前九年の役に際し、苦心の末、勝利した名将源 義家が都に凱旋してきたとき、その奮戦を賞賛する声が鳴り響く中、一人の公家が、「好漢、惜しむらくは兵法を知らず。」

(いいやつだが、戦争の仕方を知らない。)と言い放ったという話があります。

現代で言うならば、サッカー日本代表の司令塔、中田ヒデに対し「いい奴だが、サッカーを知らない。」と言い放つようなものでしょう。

当然、周囲の誰もが皆、この公家を白眼視し、冷ややかな視線を浴びせかける中、当の義家一人が、敢えて教えを乞うたといい、このとき、教えを受けたものこそ兵法法典の最高傑作として名高い「孫子」であったといわれており、これにより義家は間もなく勃発した第二次戦役をわずか三年で片付けることが出来たと言います。

いわゆる、後三年の役です。

このエピソードは義家の度量を顕すものとして有名ですが、私が言いたいのは、むしろ、「自分では出来もしないくせに・・・」という、世間というものの空気です。

理論と実践とは、一対のものであり、「実践無き理論は空論に終わり、理論無き実践は悲劇に暮れる。」と思います。

あるいは、このとき、無類の実践者義家も自分の中では、何か限界を感じていたのかもしれません。

かつて、小泉総理がその手法を「丸投げ」と批判されました。

でも、人間、すべてのことが得意という人は一般的ではありませんし、すべての物を持って生まれてきたという人も、また極めて稀だと思います。

そんな天才の出現を待つことは、現実政治においては無責任極まりない話であり、だとすれば、自分にない能力、得意でない分野を、能力者、得意な人に任せると言うこともひとつの手法なのではないでしょうか?

丸投げというのが問題なのは、任せておいて責任を取らない(信用しない)ときと、決定権がどちらにあるのかあやふやな場合のみでしょう。

(小説家 池田平太郎)

 

絵手紙のすすめ

手描きの絵葉書が流行している。年賀状でも、親しい人に送るものには、そうしている方も多い。挑戦してみたいけれど、絵は苦手という方もいらっしゃるだろう。しかし、筆を取らず諦めるのはもったいない。

まず、身近な物から描いてみる。最初に、普通の鉛筆でアウトラインを取っていく。この時に、一番、自分が綺麗だと思う場所はあまり手を加えないようにしておくこと。鉛筆の煤で、画面が黒くなってしまう恐れがある。

軽くアウトラインが引けたら、今度は、暗い部分から、色鉛筆で色を乗せていく。初めてならば、水彩絵の具よりも、色鉛筆の方が馴染みやすい。暗い所から明るい所へと色をおいていけば、失敗は少ない。ここで頭に置いていてもらいたいことが、暗い場所だからといって、黒を直接塗らないことだ。物をよくよく見ていくと、黒という色は、自然界には少ないことに気付く。

青に茶色を重ねて塗ってみると、自然な陰に見えてくる。単色で進めていくのではなく、色を重ねることで、奥行きをもたせていくのだ。

だんだんと色を置いていったならば、今度はねり消しゴムで、最初に描いた鉛筆の線を消していこう。ゴシゴシと擦って消すのではなく、押し付けるようにして消していく。こうすると、紙の痛みが少なくなり、色鉛筆でその上から描いても、デコボコが目立たない。

薄い色も乗せていったならば、仕上げに、一番明るい場所を、プラスチック消しゴムでハイライトを入れる。白色で書き込むのではなく、消していくことで、色を引き立たせるのだ。

出来上がった作品を、今度は眺めてみる。初心者ならば、あぁやっぱり上手く描けなかったと落胆することであろう。しかし、考えてみてもらいたい。最初から、上手な人間なんていないのだ。大事なのは、描こうと思った対象を、じっくり観察し、新しい発見をすることではないだろうか。その発見が楽しめるようになった時、絵も上達している筈だ。

(講談師 旭堂花鱗)

 

おしらせ

おもしろコラムのコラムニストMaRoママこと岡本雅子さんのコラムが本になりました。

本の題名は「シニアのための おいしい電子レンジ料理」

同書は、特にひとり暮らしのシニア向けにレシピをセレクト。和食を中心に、毎日の生活の中で基本となるおかずや体にやさしい料理ばかりを紹介。

また、電子レンジ初心者、単身赴任者、少人数の家庭でも、簡単に調理できるものばかりを収録している。

・A5判80ページ、オールカラー。

・定価=1,300円(税込み)

・発行=有楽出版社

・発売=実業之日本社

 

11月新規登録のコラムニスト

 

・柳坪 幸佳

・広島県在住

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<編集後記>

・今月の投稿総数=10本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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