おもしろコラム通信 6月号 2007.06.08 No.038

 

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常山の蛇

太平洋戦争は、日本から見ると、「すわ、開戦!」となった後、一斉に太平洋に散らばる戦略的要衝の島々を占拠していった・・・つまり、戦線を拡げていったように見えるが、これを、攻めるアメリカの側から見ると「すわ、開戦!」と同時に、主城の防備を強化する為に太平洋に散らばる島々に砦を配して、防御を固めたと言う風にも見えるでしょう。

さしずめ、天守閣は東京、本丸は関東、二の丸は本州、三の丸は九州・四国・北海道、硫黄島や沖縄などは掘り割りの外に突出した出丸といったところだったでしょうか。

つまり、アメリカからすれば、日本という城を落とすには、まず、太平洋中に散らばった砦を一つ一つ潰しながら、出丸から三の丸、二の丸・・・そして、本丸へと進む「攻城戦」だととらえればいいわけ。

となれば、籠城戦というものの要旨は、まず、第一に、「援軍が来る当てがあるかどうか?」ということですが日本にとっての援軍と言えば、ドイツしかなかったでしょう。

実際に、昭和16年11月5日の御前会議で決定された太平洋戦争開戦の際の「帝国国策遂行要領」を読み解いていけば、そこには、徹底して「アメリカには単独では勝てない。ドイツが英ソを屈服させてくれれば、アメリカは単独で戦うことになる為、戦意を無くすであろうことを期待する。」ということが書かれていたという。

じゃあ、ドイツが負けたらどうするの?ていうか、ドイツは勝てるの?ていうか、「期待する」って、それ何?という疑問には、敢えて触れないとして、次に、では、籠城戦を戦う上での要諦とは何か?と言えば、それ即ち、砦同士が有機的に結びつき侵入してきた敵を袋だたきにするという点にあったでしょう。

であれば、当然ながら日本側としてはその前提として、末端の砦に栄養を運ぶべき補給路が、本来、毛細血管のように張り巡らされてなければならないのだが、(これこそが太平洋戦争を戦っていく上で、もっとも必要だったことなのでしょう。)この点で、ご承知の通り、残念ながら、日本軍には補給という発想がまるでなく、これでは、攻める側から見ればぽつんぽつんと、そこに点在する砦を、ひとつひとつ各個撃破していけばよく、これでは、まさに何をか言わん・・・だったかと。

日本軍は、軍政・軍制という点で、日露戦争以来、作戦や砲術・戦艦というものが軍の主流であり続けたことから、料亭の女将が、所属部課によって、その軍人の将来性を判断し、ツケを加減したと言う話からも窺い知ることができる通り、予算会議でも、どれほど戦局が悪化しようとも、いや、むしろ、悪化すればするほど、作戦課が予算の大半を持って行き補給は極端に軽視されるという。

その結果、本来であれば、これらの砦に栄養を運ばなくてはならない補給が、ろくに護衛も無い裸同然で物資を運搬せねばならず、となれば、当然、次々に撃沈されていくということになってしまい、砦に籠もる将兵を飢餓地獄に落としたばかりか、主城を守る手足となるはずの砦を無為に失うということにも繋がり、またもや、一層の戦局の悪化を招くという悪循環を招いたと言えるでしょう。

孫子の一節の中に、「常山の蛇」という言葉があります。

「よく兵を用うるものは、たとえば卒然の如し。卒然は常山の蛇なり。その首を撃てばすなわち尾至り、その尾を撃てばすなわち首至り、その中を撃てばすなわち首尾ともに至る。」

「常山」という、河北省曲陽県にある山に棲む、素早い動きをすることでしられた伝説上の大蛇の話ですが、「頭を攻撃されると尾がこれを叩き、尾を叩くと頭が噛みつく、ならばとばかり、胴体を叩くと、頭と尾で反撃する。」ということで、よく、「理想の組織」のたとえとされてきた話ですが、太平洋戦争とは、本来、戦う以上はこういう風に戦うことを求められた戦いだったのではないでしょうか。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

ストレスは万病の元

目に青葉の美しい季節です。日中、夏のように暑くなりましたね。 私たちの体も、この季節は、のびのびと解き放たれ、エネルギーが上へ上へと上昇するのが順当です。 ところが、ストレスが入り、上へ伸びる気が塞がれてしまうと、とたんに体の調子が悪くなります。

たとえば、動悸、息切れ、イライラ、のぼせ、肩こり、吐き気、お腹の張り、胃や胸の痞え、腹痛、便秘など・・・。

ストレスで、気が止まってしまうと、そこに風船玉のような空気の塊ができます。

この塊はとても厄介で、血の流れや水の流れまで滞らせてしまいます。

中医学的には、「気滞即お血 気滞即痰湿」といって、あらゆる病気の原因になります。

高血圧、高脂血症、脳梗塞、心筋梗塞、ガンなどは、おけつや痰湿と言われますが、元はストレスによる気滞です。

気滞は即対処することが大切!

気滞による空気溜まりを破って解決してくれる食べ物は、柑橘類、ジャスミン茶、日本そば、らっきょうなどです。

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

母の胎内・町石道 

慈尊院

「大師に会いたい母の思い

 時を超えて今もいきづく」

 高野の山懐に抱かれるように女人高野別格本山慈尊院がある。ご本尊は阿弥陀仏坐像である。

「母なくして子なし

 子なくして母なし」

大師も御母公あっての大師なり。

文字通り高齢の母君が善通寺から和歌山の高野山まで、我が子に会いたくて遠い道のりを来られたが、女人禁制の高野山への入山は許されず、ここ慈尊院へお迎えをされた。

大師は月に9度、20数キロの山道を母君を訪ねられたので、ここの地名を九度山と呼ぶという。母君はきっと夏の暑さにも冬の寒さにも大師のことを思いながら、慈尊院から奥の院へ続く町石道眺められたのではないだろうか?  

承和2年2月5日、御母公は入滅された。御年83歳。千年以上も経った今も、御母公の像は20数キロ離れた高野山奥の院の大師御廟を見つめておられる。

母の心が静かな慈尊院の境内に今も息づいている、そんな気がしてならない。千年前、大師は白い犬に導かれて高野山へ登られた。慈尊院では白い犬のゴンの話はあまりにも有名である。住職がゴンの話をしてくださった。 大師の祈りの道、町石道を奥の院へ参拝される人々を 道案内してきたという。常に50メートル先を、後ろを振り向きながら大門まで6、7時間の登り道を案内した。マムシが出る場所では吠えて知らせるという。

大門まで無事に送れば、振り向きもせず一目散に下り、3時間半かかって慈尊院へ戻って来たそうだ。ゴンは大師を案内したという白い犬の生まれ変わりなのだろうか。白内障で眼が見えなくなったゴン。4、5年前からは歩けなくなった。日本全国の沢山の人たちから心配されながら、去年の6月5日に亡くなった。奇しくも5日は大師の母君の月命日である。

今、山門では白い毛のむくむくのカイが可愛い愛嬌を振りまいている。カイが慈尊院へ来たのが3年前の6月5日なのである。大師を慕いながら町石道を登る人たちが迷わないようにと、御母公の大師への思いがゴンに道案内をさせたのであろうか?「町石道の一番目の卒塔婆は丹生官省符神社の石段の右にありますが、ゼロのスタート地点はここ慈尊院の弥勒堂なのですよ」と住職が話してくださる。母の胎内で命が生まれ、ゼロ地点で、もう始まっている。 スタートは「1」ではなく「0」なのだ。人生の大切な節目はすべて「かぞえ年」。死後の法事も「かぞえ年」であることを、住職は団体客の参拝でお忙しいなか、話をしてくださった。  

今の世の中、IT時代の到来で何事もスピードが要求される時代だ。だからこそ、時には命の不思議を考える一日をつくってみよう。

住職のお話の中に、心の中に忘れていた何か何かを気づくことだろう。千年以上も前に大師が歩かれた町石道。その同じ道を自分の内側に話かけながら歩いてみるもの、また違った自分に会えるかもしれない。木の葉づれの音や、高野の山から吹く風が、耳元でささやく声を肌で感じる。

(文:まこちゃん/絵:吉田たつちか)

 

異常気象って何?

近年ニュースの天気予報以外でも聞かれるようになったこのことば。一般の人々の世間にも頻繁に使われるようになったように思います。  

しかし、この「異常気象」ということば、気象庁では明確な定義があるのです。気象庁では「30年に一度起こるかどうかの現象」と定義しています。だから、「今年は去年より寒かった」とか「去年の今ごろはもっと雨が少なかったの に」などというだけでは、異常気象の定義には当てはまりません。  

異常気象と関連してメディアに流れるようになった 「エル・ニーニョ」ですが、これは確かに異常気象を もたらす一因ではありますが、 それ自体は昔から5〜6年周期で起こっている自然な現象です。エル・ニー ニョと逆の「ラ・ニーニャ」についても同じです。そしてそれらが影響して引き起こされる高温や低温、多雨や少雨のことを、特に「エル・ニーニョ現象」と呼んでいます。  

近年では、二酸化炭素等の温室効果気体の増加に伴い地球が温暖化し、観測史上最高気温を記録する地域 も増えてきました。これを異常気象と呼ぶのは否めません。

(しかし地球温暖化の原因については諸説あり、温室効果気体だけのせいだとはまだ断言できません)  

日本の梅雨は、太平洋上の空気が暖められ、東よりの風(モンスーン)となってユーラシア大陸に吹きつけ、インド半島を経由して西風に変わりますが、その際にヒマラヤ山脈を越えられない風が南北に分かれ、ちょうど中国東部から西日本で気流が「再会」することで起こります。(東日本の梅雨は、太平洋高気圧と オホーツク海高気圧のぶつかりあいと解釈できます)なので、モンスーンも梅雨も、ごく普通の地球大気の活動と言えます。もっと地球をいたわってあげて欲しいと思います。

(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

筑前煮

時間差加熱をするので、里芋はホクホク、れんこんはシャキシャキです。

完成写真 材  料 (2・3人分)
鶏肉
にんじん
れんこん
しいたけ
里芋
100g
中8cm
中3cm
3枚
中3個

しょうゆ
砂糖
250ml
大さじ1.5〜2
大さじ1

作り方

@ 鶏肉は一口大、にんじんは2つ割りにして

1cm幅に切る。 れんこんも皮をむき4つ割りにして

1,5cm幅に切り、しいたけは半分に切っておく。

里芋は皮をむいて一口大に切る。

A 容器に分量の水・しょうゆ・砂糖を加え、

よく混ぜる。そこに切った鶏肉・にんじん・里芋を

入れ、調味液が全体にかぶるように整える。

熱くなるので皿を敷き、フタをしてレンジ500wで

10分加熱する。
B 加熱後、れんこん・しいたけを加えて全体を

ざっと混ぜる。フタをしてレンジ500wで10分間

2度目の加熱をし、加熱後全体を混ぜ、あら熱が

取れるまでフタをしたままおいておく。

あら熱が取れたら、器に盛り付ける。



煮汁は濃い目の味になっているので、残った煮汁を別容器に取り、豆腐・オクラ等と

一緒に煮ると又おいしい1品になります。

 

(電子レンジ料理研究家 MaRoママ 絵・写真共)

 


 

 

5月新規登録のコラムニスト

・まこちゃん

・Reeoko=子供英会話専門講師、ニュージーランド在住

 

 

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<編集後記>

・先月の投稿総数=7本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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