おもしろコラム通信 7月号 2007.07.15 No.039

 

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幕末維新は、女たちの戦いでもあった

私は元々、大河ドラマは結構、好きだったのですが、以前に比べ、最近は何か視聴者にすり寄ってるよなーって感じを強くしています。     本来、すり寄らないからNHKなんでしょうが・・・。

最近の作品の中で一番よかったのは、モックンがやってた「コ川慶喜」でした。

その徳川慶喜ですが、彼の妻も母も養母も高級公家の出身であり、逆に慶喜の伯母さんは公家に嫁いでおり、関白は従兄・・・という、コ川家と朝廷とは幾重にも張り巡らされた縁戚関係にあったわです。

それから、先代将軍の未亡人は孝明天皇の妹、和宮であり、彼女が嫁ぐときに運動したのが岩倉具視であり、さらに、先々代将軍の未亡人は薩摩の島津家の出身、天璋院篤姫であり、彼女が嫁ぐときに主君、成彬の命を受け一切の世話をしたのが西ク髏キ・・・。

 

よくこれで、明治維新ができたなと思います。

(この辺は、第一次大戦の時のヨーロッパの王室もしかりですね。カイザーもツァーリもハプスブルグ家も皆親戚であり、まさか、これらの王室がいっぺんになくなるとは、当時は誰も思わなかったのではないでしょうか?

歴史というモノは、動くときには実にあっさりと動きますね。

たとえ、どれほど歯止めが打ってあっても・・・。)

孝明天皇なき後の慶喜にとっては、幕軍10万よりも、これらの人間関係のほうが、はるかに強力な援軍だったのではないでしょうか?特に「慶喜追討」の際には、先代、先々代のこの二人の将軍家未亡人から言われたら、西郷も岩倉も何も言えなかったんじゃないですか?

「岩倉、今度はこなたが私の願いを聞く番ではごじゃらぬか。」

「吉之助、そなたは亡き成彬公の命により嫁して参った私に兵を向けると申されまするのか!」

共に主筋であり・・・、輿入れには自分たちが深く関わったわけですから、もう、「ははー。」しか言えないでしょう。

改めて、幕末維新というのは、女たちの戦いでもあったのだと思いました・・・。

 

さておき、慶喜に対する歴史の評価は賛否あると思いますが、少なくとも普通の王様は自らの王朝が滅亡するなら、国も国民も道連れにしてやろうと思ってもおかしくはないわけですし、実際、オスマン・トルコのスルタンなどには、そういう動きがあったと聞いてます。

それを考えたなら、自らが汚名を受けながらも、それをしなかったわけですから、私はもっと、高い評価をされてもいいと思いますけどね・・・。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

不快サヨナラ、痰濁のめまい

ここのところの不安定な気候で、今年は本当にめまいに悩まされる方が多いです。昼間は真夏のように暑いので、皆さんかなり水分をとっておられます。のどが渇いたときに、冷蔵庫から出してすぐの冷たいものを一気に飲むと、胃袋が氷嚢のようになって、動きが鈍ります。

夜も例年のように暑ければ、自然に水がはけてゆくのですが今年は夕方から西風〜北風が吹き、秋〜冬の冷えた風なのでいっぺんに体が冷えてしまいます。

夜は毛布が未だに離せないほどなので、昼間にとった水分はそのまま胃腸に停滞し、まるで体内氷嚢のように体を冷やします。

西洋医学的には、体が冷えて代謝が悪くなった状態です。

明け方はますます体が冷えて、朝から鼻水が止まらない、頭が重い、胸が痞える、吐き気がする、食欲がない、眠たく体に力が入らない、体がだるく重い・・・などの症状を伴うめまいが起きやすくなります。こんなとき、舌をみてみると、べたっと白い苔がついています。

このタイプのめまいは、とにかく胃腸を温めて、消化管を動かし、水はけを良くすることが大切です。

昼間に暑くても、冷たいものを一気のみせず、西瓜や、メロン、トマトなどの瓜類で喉の渇きを癒してください。

また、温かい飲み物の方が吸収されやすく、喉の渇きを素早くとってくれます。

どうしても冷たい物が欲しい人は、ゆっくり一口ずつ飲んでください。

また、そうめんや、冷や麦なども、勢いよくズルズルと流し込むのは胃腸を傷める元!少し噛んでから飲み込まれた方が宜しいですね。

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

沈先生の風邪対処民間療法  

上海在住時、元上海農業大学日本語科で日本語の日常会話を教えていたときのこと。風邪で声がで出なくなった。学校を休もうとも思ったが 「声が出なくても授業は出来るぞ!」そう思った。やっぱり出かけることにした。ほとんど声になっていなくて、空気し出ない。

教壇に立って私は黒板に書いた。 「今日、私は風邪引きで声が出ません。漢字の書き取りをします」教科書の中から、最近勉強したページの漢字を黒板に書いた。みんな、それぞれ、喜んで前へ出てきて、書き込みを している。今日の授業は全て筆談だ!生徒達が「風邪で声が出なければ、私たちなら休みます。でも先生は授業をするために学校へ来た。先生の熱心な心が私たちはうれしい。私たちも日本語の勉強を頑張ります」と言ってくれた。声が出なくても学校へ来た値打ちは少しでもあったかと、自己満足する。  

職員室へ帰ると、沈先生が「風邪で声が出ないときは、土生姜を皮のまま、スライスにして、氷砂糖と一緒に、鍋で炊く。氷砂糖は自然の氷砂糖であること。添加物が入ってないことね。その煮汁を熱いうちに飲むとよい。これは、私たち中国人の民間治療方法です」 と教えてくれた。  

早速、帰りに学校の近くのスーパーで、土生姜と氷砂糖を買って帰った。試してみると、土生姜が喉を通るときの、やさしい感じがする。 これは喉には効くと思った。勿論、引き始めの軽い時に! 何でも早い目早い目の手当てが大切ですね。

(文:ジャーナリスト、市野政子/絵:吉田たつちか)

 

新しい台風情報

気象庁では2007年から、台風情報についての改正を行いましたので一部をご紹介します。  

変更点の1つ目。これまでは進路予報を12時間後と24時間後としか表示していなかったものを、「24時間 先までの3時間刻み」と変更します。つまり、これまでは3つしかなかった予報円が、9つに増える訳です。  

そして2つ目。これまでは、予報時刻ごとに暴風警戒域を円で表示していましたが、今後はそれらを「一 つの円」で表示するようになります。つまり、円の重なりがなくなってわかりやすくなります。ちなみに、「暴風域」とは、平均風速25m/sの風が吹く可能性のある範囲、「強風域」とは15m/sの範囲を示します。しかし「突風率」というのがあって、平均風速の1.5〜2倍の風が吹くことがあるのです。だから、 強風域にすら入っていなくても、くれぐれもご注意下さい。  

また「予報円」ですが、これは「台風の中心が70% の確率で位置すると予想される範囲」です。だから、予報円の外を通る可能性もありますし、決して中心だ けが危険というものでもないので、用心して下さい。  

さらに3つ目。「熱帯低気圧の情報」も報道することになりました。熱帯低気圧は「台風の子ども」です。便宜上、「中心付近の最大風速が17.2m/sのもの」 を台風と呼んでいるだけなので、これが発達すると台風と呼ばれるようになる訳です。  

最後に4つ目。「温帯低気圧化する台風についての情報」を公開します。台風は、熱い空気だけからできていますが、そこに冷たい空気がぶつかったとき、前線を伴う温帯低気圧になります。それぞれの空気の寒 暖の差が大きければ大きいほど天気は荒れますので、普通の低気圧よりも警戒が必要になります。油断せず、充分に気を付けて下さい。

(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

 

幸せのおにぎり

つい最近、私が住んでいる町のメインストリートを歩 いていると、いつものように何人かのホームレスに遭遇した。彼らはいつも、「Give me money or food」と書かれたダンボールの切れ端を自分のひざの上に置き、通り行く人々を眺めている。お腹がすいているのか、生きる気力がないのか、トロンとした目でひたすら座り続け、人々の助けを待ちぼうけている。もちろん、そうそう手を差し伸べる人は現れないが、彼らは常に同じ場所で物乞いをしている。   

その日は薄暗いどんよりした一日でした。そんな中、ちょうど私がある一人のホームレスの前を通り過ぎようとした時、私の前を歩いていた女性が、そのホームレスに何かを差し出した。それは半分に切ったアボカドの皮にご飯とアボカドの実を詰め、サランラップで巻いたおにぎりのようなものだった。  

私はその様子を傍でじっと見ていると、そのホームレスの男性は両手にそのおにぎりを置きじっと見つめて食べようとはしない。長い間そのおにぎりを握りしめた後ゆっくりと食べ始めた。その男性の本当に幸せそうなほころんだ笑顔は私の心に焼きついた。 色々なことを考えながら私も家路へと急いだ。彼は間違いなく空腹であるのにもかかわらず、慌てて食べようとはせず、たった一つのおにぎりに感謝し、味わいながらゆっくりと食した。物が溢れるこの世の中、食べ物一つに対し感謝することを忘れていた私にブレーキがかかったような気がした。  

食事も沢山はいらない、少しの量を味わいながらゆっくりと食べたいと思うようになった。お酒もタバコ も気休めにたくさん吸ったり飲んだりするのではなく、一本一本味わって一つ一つに感謝したいと思うよ うになった。あのホームレスの男性に大切なことを教わった一日 であった。本当にありがとう。

(文:ニュージーランド在住、Reeoko/絵:吉田たつちか)

 


 

 

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<編集後記>

・先月の投稿総数=8本

・先日、池田平太郎さんが、拙宅を訪れてくれました。伊豆の温泉に入りながら薀蓄を伺い、楽しいひと時を過ごさせていただきました。他のコラムニストの皆様もお気軽にお立ち寄りください。セミリタイヤの身ゆえ、なんのおもてなしもできませんが、小生の育てた無農薬野菜での食事や近隣の温泉をお楽しみください。

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

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