おもしろコラム通信 10月号 2007.10.11 No.042

 

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賢兄愚弟賢弟愚兄・・・いずれが是か非か  

かつて、ナポレオンを評して、「人格はともかく、能力の点では、あの男は、ウラル以西ではカエサル以来の物を持っていた」と評した人がいたという。

では、ウラル以東ヒマラヤ以北・・・、いわゆる、東洋世界ではどうだろうか。

一人は、そのナポレオンをして、「予の壮挙もあの男の前では児戯に等しい」と言わしめたモンゴルの英雄、チンギス・ハーンであろうか。

では、もう一人、カエサルに当たるのは・・・というと、三国志で有名な魏の武帝、曹操が思い浮かぶ・・・。

が、中国三千年の歴史には、あまり、知られていないが、その曹操を凌ぐほどの人物がいるのである。

同年代中国の歴史年表をひもとけば、前の方、古代王朝に位置する部分に、「前漢」と「後漢」という二つの漢王朝があるのに気が付く。

その、「前」の方の漢王朝を創始した劉邦という人物は、若い頃から、遊興放蕩の行いが強く、それに対し、その兄劉仲はまじめで実直、農作業にいそしむ親孝行な人物だったという。

従って、母はいつも、劉邦に向かい、「少しは兄さんを見習ったらどうだい!」と罵倒していたとか。

ところが、劉邦は、無頼の徒に身を投じた後、時運に乗り反乱軍の頭目となり、ついには、楚の項羽を破って、中国全土を統一し、漢帝国の皇帝となってしまった。

後に、母に、「どうです、兄さんと私とどっちが偉かったですか?」と聞いたという。

その後、さしもの隆盛を誇った漢王朝も紀元8年、王莽という人物により、帝位を簒奪され滅亡するが、王莽は古の政治を理想とし、現実を無視した政策を推し進めたことから、国内各地で叛乱が頻発するようになり、時代は再び、乱世となった。

このとき、たまたま、漢王朝の創始者・劉邦と同姓の者に劉秀という若者がいたのだが、この若者は実直で温和、質素で農作業に熱心な性格であったが、それと対照的に、その兄、劉えんは家業には手を貸さず、遊侠無頼の徒に交わることを好んだ。

22年冬、その劉えんが挙兵した。

最初は思うように兵が集まらずに苦しんでいたが、慎重な性格と評判であった弟の劉秀が参加すると、蜂起軍に参加する者が次第に増え、ついには、王莽の軍を撃ち破り、一躍、兄弟・・・、特に、劉秀の名は高まった。

その後、兄弟の名声の高まりを恐れた勢力により、劉えんが殺害され、このとき、劉秀にも危険が迫ったが、劉秀は巧みにそれをくぐり抜け、苦労の末、ついには、自立を果たし、自ら皇帝を名乗る。

これにより、中国大陸は光武帝劉秀によって統一されたのである。

光武帝は、前に滅亡した漢王朝皇帝家の劉家とたまたま同姓だったことから、自らの王朝を、漢王朝の復興政権と位置づけ、国号も「漢」と号したが、後に、これを区別するために、「前漢」、「後漢」と称されるようになった。

これが、後漢王朝の始まりである。

無頼がいいのか、実直でいいのか・・・。

兄が良いのか、弟が良いのか・・・。

その答えは、容易に見出せそうもないが、ただ、無頼派の代表、劉邦は、帝位についた後、功臣らの粛正に動いたことで、その治世に暗い影を落としているが、実直派の代表劉秀はそういうことはなく、逆に、必要に迫られたとはいえ、度々、奴隷解放令などを公布して、人身売買を厳しく規制するなど、極めて、ヒューマンな政策を実施し、また門限を守らなかったことで、家臣から、二度も城に入れてもらえなかったなどという微笑ましい逸話も残している。

光武帝劉秀は、高祖劉邦に比べると、日本での知名度は低いものの、中国三千年の歴史の中でも、第一級の人物として、玄人筋では評価されている人物である・・・。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

ストレスによる不眠

誰でもそうですが、ストレスが溜まってくると、眠れなくなりますよね。ストレスといってもいろいろとあります。

例えば、暑さ、寒さなどもストレスになりますし、体調が優れないこともストレスです。

これらは、精神的なストレスとは性質が異なるので、別の機会に譲る として、今日は精神的ストレスによる不眠についてお話します。

精神的なストレスはこんなときに溜まります。

1,自分の思いどおりに事が運ばない

2,あれもこれもやらなくてはならないことがいっぱいで、パンクしそう

3,誰かにイヤなことを言われたり、イヤな環境に身を置かねばならないとき

このようなときに、誰かにおしゃべりしたり、趣味に打ち込めるなど、発散の方法があれば良いのですが、発散できないと、便秘と同じように、イヤなモヤモヤした感情をどんどん溜め込むことになります。

眠る時間というのは、意識が内側に向きますので、次々に昼間の感情がフィードバックされてきます。

頭の中で、明日の段取りを考えたり、解決しようもないことが堂々巡りになって、頭を休めようとしません。

ストレスによる不眠の特徴は、子午流注の肝胆の時間である午後11時〜午前3時までの眠りが非常に浅くなります。

この時間にトイレに起きたり目が冴えて眠れなくなります。

東洋医学的に言うと、この時間に肝は疏泄を盛んに行い、体に起こっているストレスに対して、対応する臓に血を分配してストレスを乗り切ろうとしています。

ところが、あまりにもストレスが溜め込まれていると、肝がオーバーヒートしてしまい、眠りに関係する臓である心に十分に血を送れなくなったり、熱をもたせて眠りを妨げます。

このような傾向があるときは、なるべく夕食は早めにすませしかも腹八分にしておくのがよいです。

動物性タンパクの多いこってりとした食事でなく、苦みのある野菜や大豆食品で、ストレスによる熱を冷ましましょう。

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

好きな服装  

日本では衣更えシーズンになると、季節の変化に応じて、みな一斉に衣服を取り替える。近所の学生さんが濃い色の厚い制服から清々しい純白のシャツに衣替えした時には、あ〜もうそんな季節なんだなと、よく思ったものだ。  さて、こちらニュージーランドでは日本と同じく四季があり、私が住んでいる町では、真夏でも最高気温28度、真冬の最低気温が5度と比較的住みやすい気候ではある。猛暑の日本とは逆で、今現在、ニュージーランドは真冬である。ニュージーランドの中でも この町は雪は降らずマイルドだが、やっぱり冬は冬。 私はマフラーに厚いコート、ブーツは手放せなくなった。しかし、街中を観察してみるとこの真冬に半そでを着ている人、ビーチサンダルを履いて町を歩いている人と、皆それぞれの服装を召している。太陽の日差しが強いこの国では、冬でも太陽が暖かく感じるからなのか、夏服を着ている人は少なくない。もちろんニュージーランド人でも私の義父のようにセーターを手放せない人はたくさんいる。こんな自由な街で生活していると自分が人と違う格好をすると恥ずかしいとか、風変わりだと思われるのではないかという恐れはなくなった。  

日本では、晩夏から秋にかけてブーツやジャケットなどが店頭に並びだす。そして女性は最新のブーツを履き始め、暑いのを我慢しファッションに専念する。皆がブーツを履いている中、サンダルを履いていた私は途端に恥ずかしさが込み上げてきた。友達が私に言う。「季節はずれの格好をするのはやめてよ。私まで恥ずかしいじゃない。」そんなこんなで、周りに流され、私も暑い中ブーツを履いているうちの一人だった。しかし、よく考えるとどっちが季節はずれなのか、、、(笑) この国に来てからはもう無理をして服を選ぶことはなくなった。やっぱり好きな服が一番ですよね。今日も、私はもちろんセーターに厚いコートを着ている。 私の旦那はやっぱり半そでのTシャツを着ている。

(文:ニュージーランド在住、Reeoko/絵:吉田たつちか)

 

意外と知らない?「天気予報の見方」

残暑も過ぎこれから秋本番! 運動会やこみじがり など、レジャーの予定がたくさんおありの方も多いと 存じます。そんなとき、特に気になるのがその日のお 天気ではないでしょうか?  

大体、レジャーの予定があるようなときは「週間 天気予報」が気になりませんか? すでにご経験があ る方も多いと思いますが、週間天気予報は、確かにコ ロコロ変わりますよね。気象庁が天気予報に用いている数値予報モデルというコンピュータでは、「今日、 明日、明後日」の天気がもっとも精度良く予報されま す。だから、1週間後の予報を出そうとした場合、後半になるとその精度は60%にまで下がるといわれて います。(最近ではより高い精度を出す工夫も導入さ れているようですが)  

また降水確率はこの季節でなくても気になる要素 でしょう!これは「予報対象地域内の全ての地点で 降水が起きる確率」を意味しています。だから、予報 区域内の一つの地点では降水がなくても、別の地点で 降水があるかもしれないということです。 さらに「秋の陽はつるべ落とし」ということばもあ るように、秋は日が暮れるのが早いです。そうなる と、気温が下がるのも早くなります。朝晩の気温差の 目安になるのが最低気温・最高気温予報ではないで しょうか?「最低気温」とは、午前0時から9時まで の最低の気温、「最高気温」は9時から18時までの 最高の気温の予報を指します。 なお、どの季節にも言えることですが、お出かけの 前には今いちど最新の気象情報をチェックしていた だきたいです。特に、注意報や警報が出ていないかど うか! せっかく楽しみにしていたレジャーでも、災 害に遭っては元も子もありません。充分に用心をし て、実りの秋を満喫してください。

(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

 

 

お医者様へのかかり方

病院を上手く活用出来ていない人が多いように見受けられる。現代はインターネットなどである程度病気 のことを調べることが出来るが、覚えたことをそのままを医師に伝える患者が多いらしい。これは、良くないパターンだ。素人判断が、混乱を招く可能性があり、ますます病気を悪化させ兼ねない。知ることは大切だが、餅は餅屋、病気は医師に任せるのがいい。    

まず、病院にかかる際、この症状がいつからどのような状況で発生したのかを考える必要がある。これが、一番大切なのだ。もし、時間が経ってから病院の門を叩くのであれば、時系列を作って、それを医師に渡すのもいいだろう。日時とその時々の症状、また、 簡単な日常生活を記したものを作成する。これで、医師も患者の普段の生活が垣間見ることが可能になり、 発症原因を探る手がかりにも成る。    

どの科にかかれば判らない場合は近くの内科を訪ねてみる。そこで診察を受け、次にどこの科を受ける のがいいか、医師と相談をする。医師は、その地域の医師名簿を持っているので近くの病院や医師の間で評判の先生を紹介してくれるだろう。紹介状が必要な場合もあるが、診療所であれば、電話の一本で済むこともある。    

次に大切なのは、医師の指示に従うことだ。勝手に 服薬を中止するなど、言語道断である。言われた日数 飲まないと、効果が表れない場合もあるからだ。投薬という治療に抵抗がある方は、そのまま、医師に伝え ればいい。他の方法を考えてくれるだろう。    

病気を治す最大のポイントは、医師との信頼関係だ。健康イコール命であるのだから、真摯に向き合い、話し合うことが健康復帰への近道ではないか。 それが築けない医師とは、残念だが、もう付き合わない方がいい。最終的には、人と人との付き合いが、体も心も癒してくれる。医は仁術、これを患者も心に刻むことを忘れてはいけない。

(文:講談師 旭堂花鱗/絵:吉田たつちか)

 

 

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<編集後記>

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