おもしろコラム通信11月号 2009.11.05 No.067

 

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厳父と言うべき、武家の教育  

 10月27日は吉田松陰の命日でした。寅次カ少年(松陰)は、幼時、叔父であり、師でもあった玉木文之進について兵学・政治学など、様々な学問を学んだと言われていますが、それ以上に教えられたのが、武士というもののあり方・・・というものだった。

 文之進にとっての「武士」とは、即ち、「私心を持たない」と言うことだったようで、あるとき、講義中に寅次カの額に虫がとまり、痒かったので、つい手でポリポリと掻いてしまった。それを見た文之進は、突如、烈火の如く怒り、寅次カに殴る蹴るの凄まじい暴行を加えたと言います。この光景を見た寅次カの母、タキは、後年、「息子は死んだと思った」そうです。

文之進に言わせると、「痒みは私。講義は公(おおやけ)に役立つ為にやるのであるから公。とすれば、掻くことは私の満足である。それをゆるせば長じて人の世に出たとき、私利私欲をはかる人間になる。だから殴るのだ。」ということだったそうですが、現代人から見ると、少々、理不尽なようにも思えますが、やはり、松陰という人格を形成する上では必要なことだったのかもしれません。暖かく前向きな母だけで、後の吉田松陰が出来たわけでもないということでしょうか・・・。

 一方で、こういった話は、武士の世界ではそれほど突飛なことでもなかったようです。豊臣秀吉の初期の軍師、竹中半兵衛重門についても同じような話が伝わっています。竹中半兵衛と言えば、当代きっての知恵者として知られていた人物ですが、我々のイメージでは、動の黒田官兵衛、静の竹中半兵衛といった印象の白面の物静かな文学青年といったところではないでしょうか?

 この半兵衛が子供たちへの軍学の講義中、子供の一人が黙って席を立ったそうです。戻ってきて、「どこへ行っていた?」と聞かれたので、「厠(トイレ)へ行ってました。」と答えた途端、普段、物静かな父が烈火の如く怒りだし、まさに玉木文ノ進状態で激しく折檻されたと言います。

 曰く、「竹中の家の子供が軍学の講義の途中で、尿意を催したのなら、何故、垂れ流さん!『竹中の家の子は、軍学の講義に夢中になった余り、尿意すら忘れて垂れ流した。』と言われてこそ、竹中の家の誉である!」と。

 これも、理不尽と言えば理不尽のようにも感じますが、これは私には何となくわかる気がします。要 は   「覚悟」の問題を言いたかったのでしょう。「竹中の家は軍学者の家である。その家の子供は、小便をすることすら気づかぬほど軍学に打ち込んでいる。」と。

 私がまだ子供の頃、材木の上に土足で乗ったところ父からほぼ同じような折檻をされたことがあります。大工の家の子供が、材木に土足で乗ったらいけないというのは、一々、教えられるまでもなく、当然、見知っておいてしかるべし・・・というものだったのでしょうか。

 しかし、文ノ進も半兵衛も、教育者とは言え、とんでもない教育者ですよね・・・。

 身近にいないでよかった・・・、居たか(笑)。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

魅惑の星「すばる」   

日本でいう「すばる(昴)」は、「プレアデス星団」と呼ばれ、それを含む星座はおうし座です。おうし座にはこのほか、ヒヤデス星団、かに星雲、赤く輝く1等星アルデバランといった、有名なものを持った大きな星座です。このおうし座自体は例によって大神ゼウスが人間の女性エウロパ(英語「ヨーロッパ」の語源になった女性)に近づくために変身した牛の姿が星座になったとされています。

 さて、すばるは、歌謡曲にもあるように、青白い星々の集まりです。ギリシア神話などの影響により、目立って明るい7つの星からできていると思われていることが多いようですが、実際には25個くらいは観測されており、昔は洋の東西を問わず、すばるの中にいくつの星を見つけることができるかで視力の良さを競ったそうです。

 日本でも、最古の和歌集『万葉集』に「すまるのたま」「すばるのたま」という表現ですばるについて描かれています。そもそも「すばる」とは、連なるとか結ばれるとか要は「集まっている」という意味を持っているそうです。

 ギリシア神話では、ゼウスたちの神々が現れる以前に天上界を支配していた巨神(きょしん)の一人、アトラスの七人の娘たちがプレアデス星団になったとされています。

すばるは、地球からは約400光年も離れているにも関わらず、明るい星は1等星よりも明るく見えるものもあります。星々が青白く見えることは、それぞれが約6千万から1億年と、比較的若い星であり、同時に非常に温度が高いことを意味しています。我々の太陽は黄色っぽく見えますが、太陽でも摂氏6千度ほどなので、青白く見えるシリウスなどの星は1万度近くあるということです。青白く見えると涼しげな印象を持つものですが、逆なんですね。ちなみに、赤く見える、たとえばさそり座のアンタレスのような星の温度は低く、3500度程度しかありません。

(気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

老化と一番関わりのある臓[腎]

腎は中医学では「先天の本」とされ生命の源泉であり、人間の生命や発育・成長などに深く関係していると考えられています。

 五行では「水」に属し、膀胱・骨髄・歯・脳・髪・耳・生殖器・肛門などが腎の働きの系統を形成しています。

 腎は人体を構成機能させる基本物資である「精気」を貯蔵します。精気は人間の成長・発育や生殖能力に深く関係しているので、腎の精気を蓄える機能が生命活動の根源になっています。腎の力が弱まると、まずは髪が白くなったり腎の府である腰に症状が出てきます。足腰がだるい、足腰の関節が痛む・・・・などです。

 また、腎は耳と通じており、耳に関わる症状も出やすくなります。耳鳴り、難聴、耳が遠くなった、眩暈、物忘れ・・・・等ですね。腎は水を主る。水液代謝の中心的な役割を果たしているので、力が弱まるとむくみやすくなったり、あるいは頻尿や夜尿で悩まされる こともあります。女性の方に多いのですが、咳をしても尿が漏れる・・・などの症状も腎の衰えです。

 恐れや不安の感情は、腎の老化を早めますので、取り越し苦労をしないでくださいね。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

体とは実に賢くできている

「栄養があるから食べましょう」幼い頃から口癖のように親や周りの大人たちに言われて育ってきたが、“えいよう”とは一体どんなものを指すのか、幼い頃には分からなかった。栄養についての勉強を始め、その“えいよう”に少し近づけたような気がしている。

 詳しく言えば食べ物が体の中に入り、消化・吸収を経て、働いて初めて栄養と言えることも知った。日常会話で使用されている“栄養がある”とは実は“栄養になる”という意味だったのだ。三大栄養素というのは、炭水化物・たん白質・脂質であり、その3つをうまく体の中で利用してくれているのがビタミン・ミネラルである。

 例えば栄養素の中でもっとも大切なたん白質。卵には体内で合成されない必須アミノ酸が一つも欠けることなく入っているスーパーフードなのだ。それとビタミンCのたっぷり入ったイチゴやみかんを一緒に食べてみると、肌がつるつるになること間違いなし。たん白質とビタミンCでコラーゲンが出来上がるというのはご存知だろうか。

 私がたん白質とビタミンCが効率よく摂れるのではないかと思いついたメニューは、卵サンドと、季節であればイチゴ、キウイフルーツを使ったフルーツサンド。できたら朝にいただく事をおススメしたい。

 甘いものは“えいよう”に程遠いイメージが強い傾向であるが脳にとっては糖質は唯一の栄養源。私たちが立っていられるのも様々な事を考えられるのも、糖質が血糖として働いてくれているお陰なのだ。ただし、食べる時間帯は選びたいもの。やはり、これから体をフルに使おう、仕事をしよう!という朝に摂ってもらいたい。

 朝は体内の吸収機構も活発な為、フルーツのビタミンが摂れるのも理にかなう。このように何かと何かがタイミングよく体に吸収され初めて栄養ができていく。体とは実に賢くできている。

(管理栄養士 栗本 碧/絵:吉田たつちか)

 

特定保健用食品[エコナの問題]

特定保健用食品(トクホ)である花王の食用油「エコナ」に

は安全性に関する懸念があるということで、メーカー側が販売を自粛し、世論の逆風を受けてトクホの許可も自主的に返上した。

 エコナについては、販売当初から主成分であり関与成分(医薬品でいうところの有効成分にあたる)でもあるジアシルグリセロールに発癌を促進するのではないかという疑念があったにも関わらず、メーカー側は安全性に問題はないと強弁し、販売を継続していた。内閣府の食品安全委員会で安全性に関する審議が継続されている中で、新たに発がん性の強く疑われているグリシドールに体内で変換する可能性の高いグリシドール脂肪酸エステルが他の植物油の10〜182倍も高いことがさらに発覚した。ここに至り、やっと花王は販売中止に踏み切った。

 通常の食用油は、トリアシルグリセロールというものが主成分であるが、花王は工業的にトリアシルグリセロールをジアシルグリセロールに変換することで、体に脂肪のつきにくい食用油を開発することに成功した。

 花王には食用油は長年の食経験があるから安心だという油断もあったものと思われるが、ジアシルグリセロールそのものは本来天然には余り存在しない微量成分である。ジアシルグリセロールの化学構造上の特性から従来のトリアシルグリセロールを主体とする食用油よりも製造工程でグリシドール脂肪酸エステルを大量に生成させてしまう結果となった。高度に加工されたものは、これまでの食経験による安全性をを単純に当てはめることができなかったということであろう。

 魚の焼け焦げやワラビなどのように発がん性物質の含まれるものは身近な食品にも潜んでいるが、常識的な摂取量では問題がないとされている。エコナも今後の審議によって、シロ(無害)という結果になるかもしれないが、現時点では「疑わしきは使用せず」の原則に従うべきであろう。(医学博士 食品保健指導士 中本屋/絵:吉田たつちか)

 

 

 

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<編集後記>

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