おもしろコラム通信2月号 2010.2.03 No.070 |
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大久保利通・田中角栄に見る権威の淵源 私には、「座右の銘」的な意味合いで使っている言葉があります。それが、「季布ノ一諾ニシカズ」です。 季布という人物に対しては、まあ、晩年は生身の人間らしいエピソードもあるようですが、ともあれ、「季布ノ一諾ニシカズ」とは、「彼が一旦、『諾!』と言ったことは、どんな物よりも価値がある!」と言われた・・・ということであり、言うならば、「約束を守りましょう・・・。」的な意味なのですが、こう言うと、若い人には煙たがられそうですがそういう説教的な意味ではなく、私には、具体的な例として思い浮かぶことがあります。 明治以降の日本の権力者で、とかくの批判はありながらも知恵者・くせ者・切れ者・・・といった多くの政敵が、それぞれに、様々な手段で挑みながらも、誰も、どうにも倒せなかった不倒翁とでも言うべき人物が二人います。 私には、この二人の強さと言うものは、「実力」・・・というものを通り越して、もはや、ある種、運命的ですらあったようにさえ思えます。それほどまでに、誰も排除することが出来なかった2人の人物、それが、大久保利通と田中角栄です。 大久保には、江藤新平、西郷髏キらが、田中には福田赳夫三木武夫ら、様々な個性が様々な手段で挑みましたが、結果的に誰も彼らを追い落とすことができませんでした。(大隈重信、中曽根康弘という人たちは、独特の臭覚で彼らに挑む不利を感じ取ったと言えるでしょうか・・・。) で、しばらく経ってから、ふと、この二人に共通点があることに気づきました。この二人の強さの秘密・・・、それこそが、「一諾を守る」ということだったように思います。 大久保は、OKの時は「それは、御裁可になるでしょう。」久保利通・田中角栄に見る権威の淵源という言い方をし、田中は、一言、「わかった。」と言ったといいます。そして、二人が一旦、OKと言ったモノは、絶対に、実現したそうです。 それこそが、単なる権力者とは違う、この二人の、運命的にまで強い権威というものの淵源となっていたように思えます。 田中は、選挙になると、各地の首長のところへ直接電話をかけ、「以前陳情があったあれだが、やることに決めた。」とだけ言った・・・というのは有名な話ですよね。 「代わりに誰々を応援しろ。」などとは言わない。 ただ、「やる」。 それだけで、事足りる・・・。 田中が「やる」と言うのは、絶対に「実行される」ということでもあり、空手形に終わる可能性がないという点で、他の権力者の「やる」とは、重みがまるで違ったわけで、これが、闇将軍と言われながらも、田中が求心力を持ち得た大きな要素だったと思います。 一方、大久保は、目を開けていたら、誰も、まともに顔を見ることが出来なかったと言われるほどに威厳があり、このことは、明治初期、維新の元勲の一人、木戸孝允が、自らが主催する会議で、いくら「静粛に!」と言っても、幾多の戦いをくぐり抜けてきた豪傑たちは、一向に静かにしようとはしなかったところ、遅れてきた大久保が着座すると、一瞬にして、水を打ったように座が静かになったとか・・・。 これなども、権威というものの本質を、よく物語ってくれているように思えます。権威というものは、権力を持てば自動的に付いてくるものではない・・・。 (文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)
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海の薬用人参!? 冬至も過ぎ、昼間の時間が徐々に長くなって行きますが、寒さはこれからが本番です。そして、この厳寒期に旬を迎えるのがナマコです。漢方では薬用人参に匹敵する滋養強壮効果があると期待されていて、干しナマコは別名海参とも呼ばれています。今回はナマコの効用について紹介したいと思います。 ナマコは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラル類の他、ビタミンB群やビタミンEなどを豊富にバランスよく含んでいます。さらに、何といっても滋養強壮効果の高いタウリンを多量に含んでいるのが特長です。また、肌や関節によいとされているコラーゲンやコンドロイチンも多く含まれています。 その他のナマコの栄養学的な特徴として、サポニンと呼ばれる成分を含んでいることが挙げられます。サポニンは薬用人参の有効成分として知られている他、植物界には広く分布する成分ですが、動物界ではナマコ以外にヒトデや海綿などわずかな例が確認されているだけです。サポニンは、油を溶かす作用(界面活性作用)があることから、ナマコは食用だけでなく石鹸などにも利用されています。また、サポニンには細菌などの細胞膜を破壊することによる殺菌効果もあります。 実際にナマコのホロトキシンと呼ばれるサポニン成分は水虫の原因となる白癬菌を殺す作用があるので水虫の外用薬として実用化されています。 中国では主として干しナマコが利用されますが、日本では生のまま酢の物としていただくのが一般的なようです。酢の物にする際には、身を柔らかくするために熱湯をくぐらせる「湯通し」がよく行われますが、湯の代わりに番茶を使う「茶ぶり」を行うと生臭さもとれて一石二鳥です。地味な食品ですが、意外と優れものの食品です。 (文;医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:吉田たつちか) |
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脾の老化と脾を養う方法 人は年とともに、あぶらっこい食べ物や、動物性のタンパク質をたくさん食べることはできなくなってきます。しかし、このような食べ物は、脾胃に負担をかける食べ物であるので、少なくなってもよいのです。 脾の力が弱まると、食べたものが消化されにくい、お腹がはってなかなか食欲がわかない、すぐに下ってしまう・・・などの症状がみられます。このような症状が出ているのならば、早めに手を打たないと、どんどんと体が弱くなってしまいます。 脾は食べ物からの栄養を血肉に換えて、体の元になる部分を作る働きがあるので、脾の働きが衰えると疲れやすい息切れがする、少し動いても疲れる、内臓が下垂しやすい痔が出やすい、不正出血しやすい、尿漏れ、おりものが多い、気落ちする、などの不快症状も出てきます。血肉が減ると、体を支える力が無くなってしまうのですね・・・。 脾が弱ってきた人は、一度にたくさん食べないように気をつけてください。腹6〜8分にとどめておくことが脾を守ります。 ごはん、イモ類、かぼちゃなどの穀物を中心に黄色い食べ物をよく噛みながら召し上がってくださいね。とうもろこし、はと麦などは、脾の働きを強めてくれます。バナナは焼きバナナで召し上がってください。また、動物性のタンパク質や、肉類、卵、乳製品、あぶらものの摂りすぎは厳禁です。脾は体が冷えると弱まりますので冷たい食べ物や飲み物を一気に摂らないことも大切です。 冷や奴、冷やし麺、牛乳、豆乳、白菜、などの白い食べ物や、きゅうり、トマトなどの夏野菜は、火を通して召し上がって下さいね。お腹を温める、韮、黒砂糖、生姜、鮭などの食べ物はこまめに取りいれてください。 また、脾を老化させないためには、内臓の筋肉をしっかりと鍛えることも大切です。一日一万歩を目安にウォーキングを続けると、効果があがります。床に仰向けになり、両膝を手で抱えて、前後左右にゴロゴロと揺さぶります。このとき、首を少しあげて、お腹方向を見るようにすると、お腹に効きます。この運動、腸のマッサージ効果と、腹筋、腰の筋肉を鍛える効果があります。お腹を支える筋肉が丈夫になると、脾の働きもよくなり負担も軽減されて一石二鳥です。 (文;薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか) |
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冬の夜空で青く美しい星 冬の夜空で一番よく目立つ、青く美しい星が気になったことはありませんか? これは全天で最も明るく見える星、シリウスという星です。そしてそのシリウスを鼻先として見立てた星座がおおいぬ座です。ちなみに冬の夜空には「こいぬ座」というのもあるのですが、この二つの星座は、残念ながら「赤の他人」です。 このおおいぬ座には色々な由来があるのですが、ギリシア神話では、テーバイという町に住んでいたケパロスという美青年の飼い犬だと言われています。ケパロスは美しいだけでなく猟が好きで、一日中森で獣を追いかける勇まし青年でもありました。ケパロスの妻はプロクリスといって、彼女も可憐な女性でした。プロクリスは猟の女神アルテミスのお気に入りだったので女神は二人の結婚のお祝いに、何よりも速く走ることのできる犬と、決して獲物を外さない投げ矢を二人に贈りました。この素晴らしい犬を二人はレラプスと名づけました。二人はお互いに愛し合いしあわせに暮らしていました。 しかし、狩猟するケパロスを見た暁の女神エオスがケパロスを愛してしまいました。ところがケパロスは結婚したばかりの妻がいとおしくてたまりません。エオスは自分のものにならないケパロスに憤りました。そしてテーバイの町に一匹の獰猛な狐を放ちました。 町の人々は恐れ、慌てふためいて、ケパロスが飼っているレラプスに、この狐を退治させることにしました。レラプスはさすがに猟の女神からの贈り物だけあって、すぐにその狐に追いつきました。そしてこの犬と狐が恐ろしい顔で睨み合っているとき……。気紛れな大神ゼウスがその美しさに魅入られて、二匹を石に変えてしまったのです。そしてゼウスは、町の人々を救ったレラプスを、おおいぬ座として天に迎え入れたということです。 (文;気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか) |
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鯛のアクアパッサ:イタリア風魚介の蒸し煮 加熱した器のまま召し上がって下さい
作り方
(電子レンジ料理研究家 MaRoママ/絵写真共)
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<編集後記> ・先月の投稿総数=12本 ・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/ CATEGORY=おもしろコラム
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★個人情報保護の見地から、コラムニスト紹介のページはHPから削除しました。
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