おもしろコラム通信6月号 2010.6.05 No.074

 

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サクランボの小悪魔的な魅力

初夏の果物と言えば、何といってもサクランボですね。今回は、サクランボの栄養成分について紹介します。

 サクランボは、正式には「桜桃(オウトウ)」と言います。また、俗に「赤い宝石」と呼ばれることもあるようですが、サクランボの紅色は、まさに宝石のように鮮やかですね。この紅色の色素成分はアントシアニンなどのフラボノイドに属す成分です。それらのフラボノイド類は、抗酸化作用を持っていて、動脈硬化などの生活習慣病を予防する働きがあるほか、眼精疲労などに効果が期待されています。

 また、サクランボにはソルビトールという糖アルコールに分類される甘味成分が、多く含まれています。ソルビトールは腸管での吸収性が悪いという特徴があり、そのために下剤として働くという有用な面も持っています。したがって、便秘の解消に役立つのですが、余り多食しますと効き過ぎて下痢を起こすということにもなりかねませんので、程々にしておきましょう。

 さらに、サクランボはバラ科に属す植物ですのでバラ科の植物に広く分布するアミグダリンという成分も含まれています。アミグダリンは分解すると猛毒の青酸を発生する有毒物質ではありますが、適量であれば咳を鎮めたり、痰を切るという有用な作用も持っているようです。尚、アミグダリンがガンに効くと言われたり、ビタミンB17という呼び方をされるなど、その薬効が過大評価されていた時期もありましたが、現在では抗がん作用やビタミンとしての働きはいずれも否定されています。

 アミグダリンはバラ科植物の実の種子部分に特に多く含まれていますが、未熟な果実の果肉部分にもわずかに含まれていることがあります。中国ではサクランボが鎮咳・去痰作用を持つ漢方薬として用いられていたというのも納得できる話ですね。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永)

 

肝を養う睡眠法

肝を養うためには何よりも睡眠が大切です。昼間に摂った食物から血肉が作られ、いらない老廃物が解毒されるのは、寝ている間です。特に、午後10時〜午前2時に熟睡すると、成長ホルモンが分泌されて、その働きにより解毒も高まります。同じように、成長ホルモンの恩恵を受けるために、筋力を鍛える事が大切です。

腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワット等の筋肉トレーニング゙をゆっくりとした動作(スロトレ)で行います。頻度は1週間に2〜3回まで、10 〜20分程度のトレーニングで十分です。

筋肉が鍛えられると、熱の産生も増え、体が温まり解毒代謝も促進されます。肝を養う食べ物は、色の濃い野菜です。人参、ほうれんそう、パセリ、小松菜などを積極的に食べてください。

また、あさり、ひじき、レバー、いか、タコ、木耳(きくらげ)、黒豆、黒ごまなども血を作り肝を養います。とくに、疲れがひどいときは、酢の物、レモン、梅干しなどの酸味を補ってくださいね。

最後に肝を傷めないためには、リラックスすることが大切。イライラ、ウツウツは、その日のうちに解決して、毎日生まれ変わる意識で過ごしてくださいね。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

美しい花には毒がある(紫陽花) 

 紫陽花《アジサイ》の花が美しく咲き誇る季節になりました。小さな花びらが集まって一つの丸い花を形成する梅雨時の代表的な花。多くの家庭の玄関先や庭先を彩り、過ぎゆく人の目を楽しませてくれます。

 紫陽花の一番の魅力は色が変わることでしょう。咲き始めと終わりでは違う表情を見せてくれます。土壌が酸性なら青、アルカリ性なら赤になると言われていますが、土壌を調べずにどんなふうに色づくのか待つほうが楽しみですね。

 紫陽花の歴史は古く、漢字で『紫陽花』と最初に表記したのは中国の唐の詩人だったそうです。日本最古の和歌、万葉集にも季語として使われています。そして江戸時代には蘭学者のシーボルトが長崎で出会った女性、お滝さんの名前を取ってHYDRANGEA OTAKUSA《ヒドランジアオタクサ》と命名しました。紫陽花は時代を問わず国籍を問わず人々を魅了する花と言えましょう。

 そんな紫陽花ですが、毒があることを、ご存知でしょうか。あの可憐な小さい花びらにも、葉にも根にも毒があるのです。食べるとめまいや吐き気、神経の麻痺が生じて最悪の場合は死に至ってしまいます。実際二年前に、ある飲食店でそれを知らずに料理に使い、食べてしまった客が中毒症状を起こしたという事件が発生しています。触るだけなら何の問題もないのですが、口に入れると胃酸などの酸性物質によって青酸化を引き起こすと考えられています。

 美しく咲き誇る季節の花を部屋に飾りたいもの。紫陽花の茎を切ってキッチンに飾る時は、くれぐれも花びらや葉が食事に混じらないよう注意が必要ですね。

(携帯小説家 華山姜純)

 

人類史上最古の世界標準

うちは息子の一人が左利きなのですが、左利きというのは昔はむりやり右利きに矯正(?)されましたね。

 今は、左のままでも良いということのようらしく、それでそのまま左利きになったのですが、でも、左利きの人はそんなこんなで生活の多くが右利き対応が前提となっているからか、結構、右左混同の人が多いですね。

 私の友人でも、「鉛筆は右で箸は左、ボーリングは右投げで野球は左投げ右打ち・・・」というのがいました。 昔はむりやり、右利きにしたというのは、個性軽視の全体主義の発想・・・という批判もわからないではないのですが、うちの息子を見ていて「やはり、仕方ないことだったのかな・・・」という感も強くします。

 まず、飯を食うときは私の右に座ると、肘と肘が当たるんで、席順を考えないといけない・・・。それから、回転寿司も右利きの人は去っていくのを追いかける形ですが、左利きの人は向かってくるのにぶち当たる形になるんです。ズボンのファスナーも右手で触るのが前提ですし、パソコンのキーボードもテンキーが右にあることを考えると、やはり、右利き対応なんでしょう。

 その上で、見ていて一番思ったのが、「文字」です。漢字なんてのは、「はらい」とか、「はね」とか、「止め」とか明らかに右利き前提なんです。その意味では、英語やフランス語などのアルファベッドも然り。続き字では、左から右へと書いていきますね。

 あれなども、右利きの人はまだ何も書いていない白紙のところを手が滑っていきますが、左利きの人は文字を書いた上を滑っていくことになるわけで、手や手紙が汚れる可能性は高いでしょうし、左から右に流れるのは右利きの人が有利な動きだと思います。(槍を連続で突き出す動きというのは、自分からして左から右へと逃げる相手には対応しやすいが、右から左へと逃げる相手には対応しにくいそうで、続き字もこれと同じ原理なのでしょう。)

 そう考えれば、「右利き」というのは、日本だけのことではなく、中国でも西洋でも古くからそういう発想があったと言うことであり、これは人類史上最古の世界標準だと言えなくないでしょうか。(小説家 池田平太郎)

 

ビーチサンダル、ジャンダル、水雪駄

灼熱の太陽の下、キラキラ輝く海での日光浴、そして毎年なぜか懐かしい気持ちになる夏祭りの屋台。日本の夏には様々な行事がありますが、夏の夜空を華麗に演出してくれる打ち上げ花火や、色とりどりの浴衣は、夏を代表する風物詩と言えますね。さて、この浴衣に欠かすことができないのが下駄ですが、同じように鼻緒の付いたカジュアルな履物はと言えばビーチサンダルですよね。

 実はビーチサンダルという言葉は和製英語であって、実際のところアメリカなどでは、「フリップフロップ」と呼ばれています。これはパタパタと歩く音を表した言葉ですが、私が住むニュージーランドやお隣のオーストラリアでは、また別の呼び方があります。

 ビーチサンダルは1952年に日本で作られた草履がはじまりである為、今や世界で定着しているビーチサンダルは日本の発明品なのです。こういった背景が関係している為、ニュージーランドや豪州ではビーチサンダルを「ジャパン」と「サンダル」を掛け合わせて「ジャンダル」と呼んでいます。冗談のような言葉ですが、ニュージーランドではビーチサンダルを日常に履きます。少し暖かくなってくると、町でビーチサンダルを履くのは当たり前で、町中の人が全員海に向かう様な、いでたちに見えます。

最近では、ビーチサンダルがニュージーランドのシンボルマークの一つとなり、お土産物ショップなどで、ビーチ サンダルを模ったアクセサリーや壁掛けなども見かけます。私もビーチサンダル愛用者の一人ですが、私が生まれ育った和歌山ではビーチサンダルを「水雪駄」と呼んでいるので、ビーチサンダルを履くたびに「水せった」と言って和歌山県外の知人に通じなかった懐かしい思い出が蘇ります。皆さんも今年の夏はカラ

フルなジャンダルを活用し楽しい夏を満喫してくださいね。 (ニュージーランド在住 Reeoko)

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=13本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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