おもしろコラム通信9月号 2010.9.01 No.077

 

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夏ばて回復に効く「ナシ」

秋に入り、ナシの美味しい季節になりましたね。

ナシは比較的地味な果物ですけれども、いくつかの健康機能をもっています。今回はナシの効用について紹介致します。

 まず、栄養成分の紹介の前に、「ナシ」という名前についてですが、語源については諸説あるようです。一例を挙げさせていただきますと、江戸時代の学者新井白石は中心部ほど酸味が強いことから、「中酸(なす)」が転じたものであるとしています。

 この一風変わった名前の「ナシ」は、忌み言葉「無し」に通じることから、家の庭に植えることを避けるという風習がある一方、鬼門の方角にナシを植えることで「鬼門無し」として、むしろ積極的に利用されることもあるようです。ものは、考えようですね。

 さて、栄養成分についてですが、ナシにはソルビトールという甘味成分が多く含まれています。ソルビトールは、糖アルコールというものに分類される特殊な糖分ですが、水に溶けるとき熱を吸収する作用があります。よく、ガムなどに配合されていて、ソルビトール入りのガムを口に入れたときにとスーッと清涼感がするのは、ソルビトールの吸熱反応によるものです。

 また、ソルビトールは低カロリーかつ虫歯になり難いという特長があります。さらに、ソルビトールには炎症を抑える働きもあり、民間療法としてナシはのどの炎症に効くとされています。

 ナシには、特有のシャリシャリした食感がありますが、これは果肉に含まれる「石細胞」とよばれるものが原因です。石細胞は、リグニンとペントザンと呼ばれる食物繊維で出来ています。なお、前述のソルビトールは下剤としての働きも持っていて、食物繊維とソルビトールのダブルの効果でナシは便通改善効果の期待できる食品です。

 また、ナシに多く含まれているアスパラギン酸には疲労

回復効果、カリウムには血圧を下げる働きが期待されています。

 

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永)

 

“知恵”が富を生む

徳川家康が勝利間近となった、大坂夏の陣。豊臣方だった、淀屋常安という土木建設技術を持った男が、家康に接近します。

「この戦は、必ず家康様の勝利でございます。そのお祝いとしてご本陣を建てさせていただきとうございます」と、申し出たのです。無料で建てるということに疑いを持つ家康に、常安はひとつのお願いをします。「戦が終わったら、豊臣方で討ち死にした者が、城の近辺に遺棄されることでしょう。その後始末をさせていただきとうございます」。あくまで、豊臣方の兵を想ってのことと家康に思わせたのです。

 家康はこの申し出を受け入れ、やがて、茶臼山に立派な本陣の建物が完成。喜んだ家康は、常安に褒美として、八幡の山林地三百石を与えました。しかし、常安の本当の目的はそんな褒美ではなく、遺体がまとっている、鎧、兜、刀、槍など、大量の武具を手に入れることでした。これらを売り捌き、大きな利益を得て、ひと財産を築いたのです。死者を利用しているようにも見えますが、遺棄されることを思えば、死者のためにもなっています。武具を手に入れるために、無料で本陣を建てる。まさに、先行投資型ビジネスのお手本とも言える話です。知恵の勝利です。

 この話に似たような民話が山口県にあります。「厚狭(あさ)の寝太郎」。厚狭という里の長者の息子・太郎は、毎日何もせず寝てばかり。村人からは、「寝太郎」と呼ばれ、バカにされていました。その太郎が三年三ヶ月寝た後、突然起き上がり、「おとっつぁん、すまんが千石船をいっそう、こしらえてつかぁさい」と言いました。父親である長者は、何か考えがあるのかもしれんと、千石船を作ります。太郎は、水夫を雇い、船一杯にわらじを積み、海へ出て行ったのです。

 太郎は佐渡島に渡り、そこで働く人夫の古いわらじと、持って行った新しいわらじを無料で交換し、古いわらじを大量に持ち帰ったのです。なんと、そのわらじを水に漬けると、たくさんの砂金が出てきたのです。太郎は、佐渡島の金鉱で働く人夫が履くわらじには、砂金がたくさんついていることに気がついていたのです。三年三ヶ月もの間、このことを考えていたのです。

 太郎は、手に入れたお金で、村に土手や用水路を作ったり、沼地を水田に換え、村人に分け与えたということです。

 この2つの話は、思いつきのアイデアではなく、よく考え抜かれた、まさに“知恵”の逸話です。

(ビジネスカウンセラー 佐藤きよあき)

 

三食玄米のお勧め

先日、大阪にて免疫学者の安保先生と対談する機会があり、玄米食についてお話を伺いました。

   安保先生は相変わらずとてもパワフルで、以前にも増してスリムな体型でしたので、食事の内容をお聞きしたところ、基本は3食玄米を召し上がっておられるとのことでした。先生は、「玄米食を本当にしているかどうかは、その人の体型と顔色を見ればすぐわかるよ!」と、おっしゃっていました。

   また、「一週間でいいから、朝・昼・晩の3食とも主食を玄米にしてごらん♪体にどんな変化が現れるか楽しみにするといいよ!」ともおっしゃいました。

   私は、お昼を玄米のおにぎりにしていましたが、それもあまり徹底せず、蕎麦の日もありますし、要するに中途半端な玄米食だったので、体にあまり変化を感じることができなかったため、これを機会に朝昼晩と玄米にすることに決めました。

   まず、一週間続けたところ、

1,食後に指先までポカポカと血が流れている感覚がわかり、食事の度に、じわっと汗をかくようになった!

2,とても気持ちの良い便がスッキリと排泄され、一日3〜4回便が出て残便感がなく、便が臭わない

3,お腹がしょっちゅう張って気分が塞がっていたのがなくなりガスも減ってお腹がへこんでいる

    そして一ヶ月経ち、自分の顔を鏡で見て驚きました。右目の回りは、運転による日焼けでたくさんのシミとソバカスができており、とても目立つ大きなシミがありましたが、よく見ないとわからないほど薄くなっています。また、夏は紫外線による日焼け炎症、黒ずみが激しく、指先や関節の部分が黒ずんでくるのが悩みでしたのに、ほとんど日焼けをしなくなり肌に透明感が出てきたため、改めて玄米の解毒排泄力と抗酸化力に驚きました。

   炊きたて玄米はおにぎりでいただき、冷蔵庫に保存したものは玄米雑炊や玄米チャーハンにして楽しんでいます。冷たい麺類で胃腸を冷やさないせいもあり、今年の夏は暑さにめげず快調ですヨ♪  (薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

9月の暦

毎月二十四節気の始まりに当たる日が2つはあるのですが9月は、白露と秋分がそれに当たります。

 白露は毎年8日頃。秋分は23日頃になります。白露を3つに分けた七十二候では、初候「草露白くさのつゆしろし 草に降りた露が白く光る」、次候「鶺鴒鳴 せきれいなく せきれいが鳴き始める」、 末候「玄鳥去 つばめさる つばめが南へ帰ってい

く」となります。

 また秋分は、初候「雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ雷が鳴り響かなくなる」、次候「蟄虫坏戸 むしかくれてとをふさぐ 虫が土中に掘った穴をふさぐ」、末候「水始涸 みずはじめてかるる 水が凍り始める」です。

 七十二候には頻繁に雷に関することが出てきます。しかし気象の観点から見ますと、雷というものは、日本全国をとってみてもいつ起きても不思議ではない自然現象です。さらに季節風の影響を受けて、大雑把に言えば夏場は太平洋側に多く、冬場には日本海側で多く発生しています。二十四節気や七十二候は中国から渡ってきて日本で修正を加えられたとされていて色んな説がありますので、どこで作られたものが広く残っているかは断定できませんが、江戸時代、江戸で使われていたものが有力なのではないかと察します。

 また、雑節の二百十日が9月1日に当たります。これは立春から数えての日数で、農家にとっては稲の花が咲き始め、ちょうど台風がやってくる時期に入ったという注意を促す意味があるそうです。

 25日は社日(しゃにち)で、これは最近ではあまり知られていませんが、豊作に感謝する日だと言われています。

 社日も秋分・春分の前後の雑節ですが、もう一つ、彼岸もあります。春分・秋分の日を挟んだ前後3日ずつの計7日が彼岸に当たります。

(気象予報士 小説家 チャーリー)

 

どこへ行くのかの日本人論

先日、友人と「日本人はどこから来たのか?」ということについて話していたのですが、私は以前見たNHK番組の受け売りで「縄文人が氷河期に凍った海を渡って北から入り込み、その後、西から中国大陸の動乱を避けた渡来人が、先住民を駆遂しつつ北上。他に沖縄方面から黒潮に乗りやってきた者、朝鮮半島から渡来した者がやがて混じり合ったもの」だと言ったところ、友人は「それでは蒙古斑が説明できない。蒙古斑は、韓国人も中国人も無いのに、日本人とモンゴル人だけにある」・・・言い、応えて私は、「それは、日本人と一口に言ったって、相当に混じり合っているからだ。現に、福岡の支配階級の大半は兵庫県民(福岡藩黒田家)だ」・・・と。

 などという話をなぜ、今頃したかと申しますと、私、先日、サッカーの日本代表対中国代表の試合を見ていて、少し、思うところがあったからです。

 それは、サッカーそのものではなく、出てる選手そのものについてで、韓国代表や中国代表というのは、明らかな黄色人種の、いわゆる、中国人、韓国人・・・という感じの人たちばかりなのに対し、日本代表というのは、ハーフや帰化人なども混じっており、また、純粋な日本人であっても欧米に感化されたようなスタイルの選手が多く、かなり、雑多な集団という感じがしました。

この点は先のバンクーバー・オリンピックもそうですが、キャシー・リード、クリス・リードが日本代表で、その妹はグルジア代表、長洲未来がアメリカ代表で、川口悠子はロシア代表・・・とかなり、グローバル化してますよね。(もっとも、北京五輪で銀メダルを獲得した女子卓球シンガポール代表は全員中国出身だったり、中東産油国が資金力を背景にアフリカの陸上選手を引っ張るケースがあったり・・・で、一概には言えないのでしょうが、日本は、中国や韓国に比べて、比較的、抵抗無く、世界と同化しようとしているように映るんです。)

 ただ、この点は誤解のないように申し上げておきますが、私は決して、ハーフや帰化した人たちを非難しているわけでも、その動きを排除すべしと言っているわけでもありません。むしろ、これが中国・韓国と違う、日本の特色であり、日本はこの方面で持ち味を活かしていくべきなんじゃないか・・・と思ったんです。

 日本という国は、中国・韓国と比べ、早くから欧米に門戸を開いてきたこともあり、また、古代より、先進国の文化を吸収することに抵抗が少ないDNAがあるからなのか、すっかり、欧米化してしまってますよね。ある意味、日本が欧米のそれに合わせてしまったことで、中国・韓国もそれに追随せざるを得なくなった・・・という側面があるのかもしれませんが、でも、「量」という面では日本は中国には絶対勝てないんですよね。

 であれば、中国が「量」を前面に打ち出す・・・ということになれば、日本は「質」に活路を求めるしかなく、であれば、「グローバル化」ということも選択肢の一つではないのか・・・と。

つまり、「日本・・・、早くから、欧米に門戸を開いてきたこの国は、他のアジア諸国の中では異質なほどに、世界との同化が進んでおり、独自の雰囲気を持っている」と紹介されることこそが今後、日本が進むべき道なのではないか・・・と。

(小説家 池田平太郎)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=17本

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