おもしろコラム通信7月号 2011.0703 No.087

 

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「提灯はまっすぐ下がる」の理に感嘆!

 先日、たまたま、つけていた車のラジオから福岡市出身の武田鉄矢さんの声が流れてきました。実は私は、この方は同郷ながら、あまり、好きではありませんで、そしてそれは、会ったことはないものの、氏の七光り的に光を甘受しようとするような姿勢が見え隠れしていた武田家の人々も同様でした。

 で、聞くとも無しに聞いていると、傍らの女子アナが「武田さんは、実は、お姉さんが神戸で飲食業をやっておられたそうで、阪神・淡路大震災の時の被災者なんですよね」と前置きし、武田氏にその話を促したところ、氏はその姉が被災して福岡に帰って来た時の、母・イクさんと姉との会話について話し始めました。

 うろ覚えですが、

 「実は、姉は地震の半年ぐらい前に少しずつ貯めたお金が1億円貯まったと言って、1億円貯金パーティーというのをやったんですよ。それだけに震災で全て失ったのがショックだったんでしょうね。実家に帰ってきて、居間でぼそっと、『うち、もう、神戸から帰ってくるわ』と言うのを聞いて、風呂上がりだったかの母が怒るでもない、実にさらっとした語り口で、『商売人が帰って来てつまるもんね(ダメよ)』と言うんですよ・・・と。

 すると、姉が「お母ちゃん、何も知らんからそんなこと言えるねん。うちの店、柱傾いてるねんで。のれんがかからへんねんで・・・」と言うと、母が「のれんがかからんなら提灯ば下げれば良かたい。提灯ならどこでん、まっすぐ下がろうが」と言うんですよ」・・・と。

 「提灯ならまっすぐ下がる・・・」、この、当然といえば当然の理論に私は、思わず、「ほーーー!」と声を挙げましたよ。

物理的な視点の斬新さもながら、「のれんが掛からないから商売が出来ない」という意見に対して、諦めない発想の転換の見事さと、何より、悲嘆に暮れる愛娘の声に対して無条件で同情しないその気丈さ・・・。

 

以下、簡単にその時の話を会話風に再現すると、

姉:「お母ちゃんは簡単に言うけど、たくさんの人が死んだんやで」

母:「あんた、そげなこと言うなら戦後の時の話ばしちゃろうか。戦争で日本人は300万人死んだとばい。ばってん、戦争に負けた日の夕方には豆腐売りが豆腐ば売りに来たばい」

姉:「でも、お母ちゃん、そんなこと言うても何も売る物無いねんで」

母:「売る物が無いなら、お湯ば沸かして店で売れば良かたい。とにかく、店に灯りば点けとかな。明かりば点けとけば、灯した明かりが表に出て街頭になろうが。そげんして通りば作るったい」

 

・・・まあ、時期が時期だけに、武田さんもこの話をするのにかなり、言葉を選んでおられたように思えましたが、とにもかくにも、一介の巷の主婦の口から「通り論」まで聞かされるとは・・・。

本当にここ最近、これほどに感銘を受けた話は最近は無かったですね。

少し、この一族を見直しました・・・。

 

 

(小説家 池田平太郎/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

「何もできない」人はいない  

貧乏人は、人にモノをあげたりして、相手を喜ばせることはなかなかできません。でも、お金が無くても、人を笑顔にしたり楽しませたりして、喜ばせることはできます。

 仏教の教えに、「無財の七施(むざいのななせ)」という言葉があります。これは、宝を蔵の中に貯め込むのではなく、自分の心の中に貯めよ、それがとても大きな徳につながる、という教えです。

 無財、つまり財力の無い人でも、人に対して与えられる施しが7つはあるということです。この「無財の七施」を行なうことにより、開運、金運、商運を呼び込める、と言われています。

「目による施し」=心を清らかに保ち、目つきも穏やかにすれば自分も気持ちが良く、人も気分が良くなる。

「笑顔による施し」=いつもにこやかな顔でいれば、自分も人も幸せになる。

「言葉による施し」=悪口を言ったり、グチをこぼしたりせず、真の心で、真の言葉を遣う。

「まごころによる施し」=つねにまごころで人に接していれば、良いことが起こる。

「労働による施し」=弱い人やお年寄り、困っている人には、無償で力を貸してあげよ。

「席を人に譲ることによる施し」=乗り物では、お年寄りや身体の不自由な人に、席を譲ってあげる。

「住まいによる施し」=どんなボロ家に住んでいても、いつも清潔にしておけば、自分も健康になり、人にも好ましく思われ、みんなが清々しい気持ちになる。

 お金が無くても、これだけのことができます。施しを心がけ、自分の心に徳を積めば、運も開けてくるということです。

ちょっと説教臭いのですが、正しい教えだと思います。

(コラムニスト 佐藤きよあき/絵:吉田あゆみ)

 

 

夏の健康の味方「スイカ」

スイカのおいしい季節になりました。この時期キンキンに冷えたスイカにかぶりついたときの至福感は何ともいえないものがありますね。実は、スイカは単に渇きを癒しくれるだけでなく、健康に役立つ様々な機能も持っている健康食品なんです。今回はスイカの健康機能について紹介したいと思います。

 スイカは、熱帯アフリカのサバンナ地帯や砂漠地帯 が原産地とされていますが、日本には室町時代以降に中国から伝来したようです。中国では、西から伝わってきた瓜ということで西瓜(シーグァ )と呼ばれていて、日本へは漢字も発音もそのまま伝わって来たみたいです。

 スイカの学名は、「Citrullus vulgaris」と言います。スイカやキュウリ、ゴーヤなどウリ科植物に含まれるアミノ酸シトルリン(Citrulline)はスイカから初めて見つけられたためにスイカの学名に因んでこのように名づけられました。

 実は、このシトルリン、とてもすばらしい健康機能を持っています。まず、シトルリンは尿の素である尿素の材料となる物質であることから利尿作用があります。尿がスムーズに排泄されると尿と一緒に様々な老廃物の排泄も促進されます。

また、この利尿作用とシトルリンのもう一つの作用である血管拡張作用の二つの働きによって血圧を下げる効果も期待されています(なお、利尿作用にはスイカに含まれるカリウムも関わっています)。

さらにシトルリンやスイカの赤色色素リコピンは、がんやその他の生活習慣病の原因になるなど万病の元である悪玉の酸素「活性酸素」を消去してくれる優れた抗酸化作用も持っています。このように、身近な食品の中にもすぐれた健康機能を持つものが数多くあります。それらの健康機能を上手に使い分けながら、上手く食生活に取り入れていきたいものです。

スイカに感謝!

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:吉田あゆみ)

 

 

花(蓮)よりラーメン

 池に浮かぶ大輪の花、蓮(ハス)。七月の誕生花であり、夏の季語でもあります。白やピンクの花びらが幾重にも重なり、水面に映ったその様は、一時の清涼感を与えてくれます。

 蓮の花の原産はインド。それ故か、古くから宗教と密接な関係を持っています。仏教でも、蓮が芽吹いて花を咲かせ、やがては枯れてゆく姿を人間の一生に例えています。寺院でよく見かける御釈迦様の台座には蓮の花が用いられ、仏教絵画にも蓮と共に御釈迦様が描かれています。良い行ないをして死んだ者は、極楽浄土の世界で一つの蓮の花の上に身を託して生まれ変わる――。そんな考えが、仏教にはあります。そこから生まれたのが『一蓮托生(いちれんたくしょう)』という言葉。結果の良し悪しに係わらず行動や運命を共にするという意味で、身近なところで蓮が私達の生活に関与しているのです。

 それ以外にも蓮は私達の生活に関与しています。地下茎はレンコン(蓮根)として食卓に並び、種子は甘納豆に変わります。蓮を国花としているベトナムでは、花をお茶にして飲む習慣があり、日本でもベトナム料理店で飲むことができます。また、鎮痛・滋養強壮作用もあるので生薬としても用いられています。

 それだけではありません。意外ですが、ラーメン愛好家にも蓮の花は深い関係があるのです。ラーメンを食べる時に箸と一緒に使うレンゲ。レンゲは正しくは散蓮華(チリレンゲ)と言います。名の由来は、スプーン状の陶器の形が一枚散った蓮の花びらのようだから。その散蓮華という呼び名が簡素化され、今日では蓮華(レンゲ)とだけ呼ぶようになったのです。

 初夏を彩る美しい花、蓮。公園を散歩して池にぽっかりと浮かぶ蓮の花を見ると、花より団子……ではなく、ラーメンが食べたくなってしまうかもしれませんね。

(小説家 華山 姜純/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

ストレスと便秘(気滞便秘)

 ストレス性便秘のメカニズムはいわゆる詰まりによるものです。ストレスを受けて、うまく対処法がみつかり、発散できたり解決できる場合はよいですが、我慢して堪え忍ぶと、気の流れが止まってしまい動かなくなります。

 このような場合、多くの方が食べることで気を晴らそうとする行動をとりがちです。特にストレスがあると、甘いものを食べたくなりますし、焼き肉などのこってり系+ビールという晴らし方もありがち・・・・。

 ところが、肝腎な気が流れていないのですから、消化管の働きも鈍っていて、食べれば食べるほど詰まりやすくなります。甘い物は消化管をたるませ蠕動運動を止めてしまいますし、肉、乳製品などの飽和脂肪酸は腸壁にべったりとくっつき、善玉の腸内細菌を殺して、 腸内免疫を著しく低下させます。腸内が悪玉菌で支配されると、悪いガスが生じて消化管運動を低下させてしまい、便の排泄が阻止されます。

 ストレスでただでさえ動きが悪いところへ、どんどんとこれらの食べ物が入ってくることで、腸は正常な働きを失い、その結果五臓の解毒力、代謝力は低下してしまい、体は重くだるくなり、気力はなくなり、お腹がパンパンに張って動けないほどになります。(邪の湊まるところ、即ち虚す・・・といいます)

 このような状態を起こさないためにも、ストレスを受けているときにやけ食いなどで晴らそうとする行為は禁物です。ストレスでイライラしたら、タンポポ茶に大根おろし大さじ3と梅干し1個、そしてお醤油小さじ1を入れて服用してください。これでバッチリと疏肝されて気の流れが通ります。そして、甘い物と動物性食品を控えて、少食にとどめることが大切です。

 それでは、パンパンに詰まってしまったらどうするか?

まず、お腹がすくまで食べないこと、そして軽く歩く、半身浴で下半身を温める、寝ころんでお腹をのの字にマッサージするなどで、消化管の動きをつけてあげます。さきほどのタンポポ茶レシピを一日に2~3回まで飲むのも有効ですヨ♪

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=18本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

<読後通信簿

*今月から担当イラストレーターが吉田たつちか先生から吉田あゆみ先生に代わりました。吉田あゆみ先生は吉田たつちか先生のお嬢様で、長い間吉田たつちか先生のアシスタントを務めていましたが、このほどプロデビューしました。吉田たつちか先生ご夫婦の才能を受け継いだ新進気鋭のイラストレーターです。4つのタッチを自由に使い分ける吉田たつちか先生の境地には及びませんが、女性ならではのほのぼの感が魅力です。

 

*今月採用された方(上記挿絵入りのコラム)には掲載ニュースレターと稿料として5千円分のクオカードを7月15日に発送しますのでお受け取りください。

*投稿いただいたコラムが,編集部の都合により、後日採用になる場合があります。この場合の稿料は採用月に支払われます。

月号の原稿締め切りは7月15日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

*新聞タイプ(楽しい暮らし7月号はこちらから閲覧ください。

*電子ブック(6月)はこちらからご覧ください。

 

★個人情報保護の見地から、コラムニスト紹介のページはHPから削除しました。

 

 

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