おもしろコラム通信4月号 2012.4.01 No.096

 

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お茶のTPO

私達の生活からはずせないものにお茶があります。

食事のときのお茶は勿論、来客時にはまず、お茶でおもてなし・・・。ちょっと一息・・”お茶しませんか?”

一日に何度もお茶タイムがありますね?

 お茶は五臓に入り、私達の体のバランスを保ってくれる素晴らしい働きをもっています。

 例えば

肝に入り・・・ほっと一息、気持ちを和らげる

心に入り・・・血流を良くする

脾に入り・・・消化を助ける

肺に入り・・・免疫力を高めて、風邪やインフルエンザを予防する

腎に入り・・・不安や緊張をとりのぞく、尿の出をよくして解毒力を高める

など、嬉しい効果がいっぱいですね。

 それではもう少し詳しく、TPOに合ったお茶をご紹介しましょう!

☆食前には・・・・ほうじ茶やお番茶がお勧めです。これらのお茶は、お腹を温めてこれから入ってくる食事を受け入れる準備をします。発酵したお茶ですので、腸内

の免疫も高まり食物を血肉に変える働きも強化します。 貧血の方や、なかなか太れない方にお勧めです。

 また、同じ食前でも、揚げ物や炒め物などアブラの多い料理の前には、プーアル茶をお飲みください。脂肪を溜めずに洗い流してくれる働きがありますよ。

☆食事中には・・・煎茶やウーロン茶がお勧め。これらのお茶は、消化を助ける働きが強いです。

☆食後には・・・緑茶がお勧めです。解毒を強化し、胃熱を収めます。胃熱があると、食べても食べてもお腹が空き、ついつい食べ過ぎて食毒を溜めてしまいます。

☆朝一番のお茶は・・・冷え性や、胃腸の働きが悪く疲れやすい方なら、発酵紅参茶や梅醤番茶をお勧めします。朝一番は胃腸が目覚めていないので働きも不十分

ですから、胃腸を温めて元気をつけるお茶を飲むことが大切なのです。このような方は朝はこれらのお茶と、麩菓子(ふ~ちゃん)で十分です。

 ふ~ちゃんは、ミネラルたっぷりの黒砂糖を、麩にコーティングしたお菓子で、岐阜県の名産品です。消化吸収もよく、脳の働きを助けます。

またもしも、夕べは食べ過ぎて胃もたれ気味・・・であればタンポポ茶(ショーキT1)を飲んでください。

 朝は解毒が高まる時間ですから、タンポポ茶のみにして、排便を促しましょう。

 ストレスが溜まってイライラしたときは、コーヒーや紅茶よりも、緑茶やジャスミン茶をお勧めします。緑茶には、心熱をとり、焦り、不安、煩燥を和らげる働きが

 

あります。またジャスミン茶は、気の巡りをよくして、抑鬱気分を和らげます。

 TPOに合ったお茶を選んで、毎日を楽しんでくださいね♪

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか

 

しあわせをもたらす春の季語

4月の二十四節季には、5日ごろ清明(せいめい)、20日ごろ穀雨(こくう)があります。

 清明では初候で「つばめが南からやって来る」、次候で「雁が北へ渡っていく」、末候では「雨のあとに虹が出始める」と季節が移り変わります。また穀雨では、初候「葦(あし)が芽を吹き始める」、次候「霜が終わり稲の苗が生長する」、末候「牡丹の花が咲く」となっています。

 歳時記によるとこの中で「つばめ」は春の季語で、家の軒先に巣を作り害虫を食べてくれるので、しあわせをもたらす鳥として大切にされています。「鳥雲に入る」という季語もあり、これはまさしく「雁」などの冬鳥が越冬を終えて日本を離れて行くことを意味しています。

 葦(蘆)は春に芽吹くので、「蘆の角(つの)」という表現で春の季語とされています。牡丹そのものはもう夏の季語で、「牡丹の芽」という形で、牡丹などの「草の芽」が芽吹き始めることで春の季語として用いられます。

 歳時記では春の空は「霞」「おぼろ月」といった季語も多く見られぼんやりとした印象を持たれているようです。同様に「虹」は夏の季語ですが、「春の虹」とすることで、虹が見え始める時期として春の季語になります。気象上では虹は一年中見られても不思議ではないと言ってしまうと身もフタもありませんね。

 また霜については、「霜降」という二十四節季もあるように、それだけでは秋の季語です。しかし日射しがあたたかくなり「別れ霜」「忘れ霜」という形で春の到来を喜ぶことがあります。とはいえ遅霜は農作物の新芽を枯らせてしまいます。また4月23日は霜の特異日で、まだまだ油断はできない季節でもあります。

 暦には出てきませんが、「桜」「花見」ももちろん春の季語です。「おぼろ月夜」のお花見は、女性的ななまめかしさを感じさせると言われています。

 あたたかくして、春のはんなりとした夜、心おだやかに散りゆく桜を愛でたいものだと思います。

(気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか

 

 

肉食とタブー

人が肉を食べるというのは、ライオンやチンパンジーが肉を食べるのと、ちょっと違います。 人間には宗教や民族によって『肉食のタブー』があります。 食のタブーというのは、「食べる気もしないおぞましいもの」ということで、どこの民族でもあります。

 例えば、日本人ならサルやイヌを食べる気はしないでしょう。

(昔の日本人はサルもイヌも食べてたけどね)世界的に見ると、イスラム教徒、ユダヤ教徒、一部のキリスト教徒は、豚肉を食べません。ユダヤ人とかは、豚を非常に穢らわしいものを考えていたようで、食べるどころか触ることも見ることさえ嫌悪したりしておりました。

 新約聖書にはイエスが、他人の飼っていた豚2000頭を殺すシーンが描かれていますが、イエスや弟子たちは、そのことにまったくといっていいほど、良心の呵責すら感じていない。 本当に殺したのなら、養豚業者の財産を奪う大犯罪だと思うのですが、イエスたちにとって穢れた豚を殺すのは、なんでもないことであったのでしょう。 (たとえ他人の飼っている豚でもね)

 一方、ヒンズー教徒は牛を食べない。仏教、ヒンズー教の僧侶や上級のカーストになると肉食を避け、ジャイナ教徒は、肉を食べない。 アフリカのある民族は海辺や川辺に住んでいるにもかかわらず、魚介類を「おぞましいもの」として食べない民族もあります。

 イスラム教やヒンズー教の肉食タブーは、家畜を飼育するときのコストである程度説明がつきます。つまり、イスラム教やユダヤ教が生まれた砂漠や荒野は、豚が好む水や森が少なく、豚の餌は人間の食べるものとほぼ同じなので豚を育てるのに、あまり向かない。

 ヒンズー教の場合、インドの人たちは、牛を神聖な動物としつつ牛の飼育にほとんどお金をかけない。その牛の糞を無料の燃料にし、無料のトラクターとして使用しているため、殺して食べるよりも、ギリギリ死ぬまで生かしておいたほうが、オトクなのです。

 また、東洋の宗教には、肉食や屠殺をゲカレと考えるところがあり、肉食を避けたり、屠殺する人を差別したりする風習があります。 江戸時代、日本で動物を解体するのは穢多非人身分だし、韓国の済州島は牧場があり、肉を扱う卑賤民として韓国人から差別を受けている。日本の在日朝鮮人には、済州島出身の人が多いが、これは済州島が朝鮮戦争でひどい戦場になったことと、差別のため日本に逃げてきた人が大変多いためです。

 かくのごとく、たかだか肉食ひとつに注目してみても、人間の営みというのは非常におもしろいものです。

(食文化研究家 巨椋修<おぐらおさむ>/絵:吉田たつちか

 

タケノコパワーでやる気まんまん!?

春といえば、山菜のシーズンですが、山菜のなかでもスーパーなど入手しやすいのがタケノコですね。

 タケノコは、低カロリーで食物繊維の豊富な食品ですが、ビタミン・ミネラル類なども適度に含まれています。タケノコの栄養成分の特徴としては、アミノ酸のチロシンが大量に含まれているということがあげられます。タケノコの表面に白い粉末が付着していることがよくありますが、これは、水に溶けにくいチロシンが析出したものだといわれています。

 チロシンは、体内でタンパク質の材料となるだけではなく、アドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質、甲状腺ホルモンの材料としても利用されます。アドレナリンやドーパミンは、ともに脳内に働きかけてやる気を起こさせる作用があります。

 また、甲状腺ホルモンも代謝を活性化するホルモンですから、気分の塞ぎ込みがちなときにはオススメの食材です。なお、甲状腺ホルモンの合成には、チロシンの他にヨウ素も必要ですので、ワカメなどのヨウ素の多い食品と組み合わせて摂取するとさらによいでしょう。

 タケノコはシュウ酸やホモゲンチジン酸というアク成分を含んでいますが、コメのとぎ汁や重曹水と煮ることによって除くことが出来ます。ホモゲンチジン酸はチロシンから酵素の働きによって生成するものなので、採取後すぐに過熱処理すれば酵素が失活し、アク抜きをしなくてもアクが回るのを防ぐことができます。

 一つ注意したいのは、タケノコには仮性アレルゲン(アレルギー症状を誘発する物質)であるアセチルコリンが含まれていますのでアレルギー体質の方が多食するのは避けた方がよいでしょう。

 

(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:吉田たつちか

 

 

三日見ざれば

先日、久々に、ある先輩と会食したのですが、その方は、何でも、最近ではボランティアで外務省の留学希望者の審査・選考などもやっておられるとのことでした。

 で、先日も、その面接があったそうで、その折、前もって用意された質問項目の中に、「最近、あなたが一番ショックだったことは何ですか?」というものがあったそうです。すると、ある若い女性が、「あのー、こんなこと言ってもいいのでしょうか・・・」と少し戸惑った様子で前置きした後、「長いこと、付き合ってきた彼と別れたことです」と言ったとか。

 その先輩は、それを聞いて、「『こんなんじゃダメだ!』と思った」とのことでしたが、私は「そうでもないですよ」と翻意をお願いしました。

 かつて野村証券元会長であった奥村綱雄という人は、若い人を見つけては、「人間は、若いうちに、失恋とか落第とか、ときには投獄といった、どん底の経験を味わわないと、一人前にはならないぞ!」と言っていたといいます。

 また、この人は、戦後、45歳の若さで野村證券の社長に就任した人なのですが、このとき、就任挨拶として、電力の鬼と呼ばれた老財界人、松永安左衛門の元を颯爽と訪ねたところ、逆に、「きみぃ、いやしくも経営者たるもの、投獄・倒産・大病3つのうち、2つを経験して一人前だという。僕はこのうち、投獄と倒産を経験した。君はいくつ経験したのかね?」と言われ、悄然として帰ったという話を聞いたことがあります。

失恋、落第、大病、投獄、倒産・・・、どれも好きこのんで経験したいものではありませんが、これらの体験は、いやがうえにも人間を成長させるものではないでしょうか。

まさに、「女子、三月見らざれば嘆息するも、男子、三日見ざれば刮目せよ!」とはこういうことを言うのでしょう。

今の世の中、男女平等ですから、男子女子というとらえ方ではなく、要は体験の内容という風に捉えて頂ければいいかと・・・(嘆!)。

もっとも、失恋、落第というもののステータス(?)は現代では随分下がったようにも思えます。

この点で、この定義を現代風に当てはめるなら、「失恋」ではなく「離婚」でしょう・・・。その意味では、落第はむしろ「リストラ」かと・・・。

それでも、この女性のように、こういった面接の場で、それを口に出来るということは、周りの見解は別にして、本人的にはもの凄いショックだったのでしょうから、その意味では、素晴らしい体験であったでしょう。

人間、誰しも、痛み方は人それぞれですから。

それに何より、まだ、こういったうら若い女性に、「大病、投獄、倒産、離婚、リストラ」の経験を求めるのも酷ではないかと・・・。

ちなみに私は、このうち、ようやく、2つ半を経験致しました。

(詳細は聞かないでください(笑)。)

まだまだ、一人前にはほど遠いですね。

ところで、いくつお済みでしょうか、御同輩・・・。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=16本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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*5月号の原稿締め切りは4月12日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

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*「楽しいくらし」はがき版

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