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土用の丑の日に鰻

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10-07-2暑くなってくると夏バテ防止のために土用の丑の日にスタミナ満点の鰻を食べる風習がすっかり定着しています。しかしこの「土用の丑の日」について詳しくご存知の方は意外に少ないのでは。
本来土用とは中国の陰陽五行説において「土の気がひときわ旺盛になり万事にしっかりと用い得る」の意で立夏・立秋・立冬・立春それぞれの前日から遡って18日間を指し,夏だけでなく春秋冬と年に4回あるのです。夏の土用の丑の日に鰻の蒲焼を食べれば夏負けしないというのは、江戸中期の学者、平賀源内が知り合いの鰻屋に頼まれて客寄せのために唱えた宣伝PR。
思惑通り効果は絶大で、すこぶる商売繁盛したといいます。その名残が今日の「土用の丑は鰻」として定着したのです。
関東は切腹に通じることから腹開きを嫌って、「背開き」にし、蒸してからタレをつけて焼きます。関西は「腹開き」にし、蒸さずに白焼きにしてからタレをつけて焼きます。
日本は世界の鰻の生産量の3分の2を消費しており、その99%以上が養殖です。アリストテレスが「泥の中から自然発生する」と考えてから2300年余り。その生態はいまだ謎に包まれていて天然の卵さえ見つかっていないため、稚魚を捕獲し養殖場の池の中で養殖します。
ともあれ栄養豊富で夏バテ防止にピッタリの鰻を、夏に食べるというのは非常に理にかなっているのです。
(文:現庵/絵:吉田たつちか)

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