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腐っても「タイ(台)」

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04-09-01「大型で強い台風○号は……」という表現はもうみなさんよく聞き慣れたものだと思いますが、さて、「大型で強い」とは、具体的に一体どういうことか、考えたことはありますか?
まずは大きさの定義から。風速15m/s(強風域)以上の半径の大きさで決まります。
大型;500km以上800km未満
超大型;800km以上
次に強さ。中心付近の最大風速によって決まります。
強い;33m/s以上44m/s未満
非常に強い;44m/s以上54m/s未満
猛烈な;54m/s以上
また別に台風の定義として、「熱帯や亜熱帯で発生する熱帯低気圧のうち、域内の最大風速が17.2m/s以上のものを台風と呼ぶ」というのがあります。だから、「強い」などという表現がついていなくても、風速が15m/sもあればそれは充分に強い現象ですので、充分に注意が必要です。
一方、普通の低気圧、温帯低気圧の定義とは、何なのでしょう?
温帯低気圧とは、暖かい空気と冷たい空気がぶつかってできた、前線をともなう低気圧のことです。熱帯低気圧や台風は、熱い空気だけでできているのでほぼまん丸な形をしているのに対し、温帯低気圧は前線の部分で外側に膨らんでいます。「台風が温帯低気圧に変わった」ということばは、何だか視聴者に安心感を与えようとしているように聞こえがちですが、決して安心はしないでください! 温帯低気圧といえども、決して穏やかな現象ではありません。ましてや台風から変じた低気圧であれば、域内の寒暖の差は従来の低気圧よりも大きくなり、より激しい風雨を伴うようになるのです。
だから表題の「腐っても『タイ(台)』」ということが言われるのです。台風や低気圧を侮るべからず! お気を付けください!!

(気候予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか) 2004-09

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