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10月の暦

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1408-1 10月で二十四節気の始まりに当たる日は8日ごろ寒露(かんろ)、23日霜降(そうこう)の2つです。寒露を3つに分けた七十二候は、初候「鴻雁来 こうがんきたる 雁が飛来し始める」、次候「菊花開 きくのはなひらく 菊の花が開く」、末候「蟋蟀在戸 きりぎりすとにあり きりぎりすが玄関の戸の前で鳴く」。
また霜降は、初候「霜始降 しもはじめてふる 霜が降り始める」、次候「霎蔦黄 こさめときどきふる 小雨がしとしとと降る」、末候「楓蔦黄 もみじつたきばむ  もみじや蔦が黄葉する」。
渡り鳥の訪れや草花の咲く時期、色づき始める時期など、いよいよ秋めいてきますね。霜降の次候に出てくる「雨」は、いわゆる「秋雨前線」が降らせる雨を現わしているのだと思います。
冬から春に変わる時には「菜種梅雨」、春から夏に変わる時には正に「梅雨」、そして夏から秋へと変わる時にも「秋雨前線」というのが停滞して、日本付近を覆って季節を変化させる高気圧が変わります。
そして季節の変わり目ごとに「土用」があります。夏の土用はやれ「うなぎを食べろ」などと言って騒ぎますが、実は土用も年に4回あって、10月20日頃が秋の土用の入りに当たります。これは、中国の陰陽五行の説に基づいています。季節は4つしかありません。しかし五行、つまり「木火土金水(もっかどごんすい)」を振り分けるには「土」が余ってしまう。そこでそれぞれの季節の変わり目ごとに「土用」というものを充ててバランスを取るようにしたと言われています。夏の土用が盛んに言われるのは現代では商業的目的も大きいですが、夏の土用が一番土の気が強いからだとも言われています。
土用はそれぞれ約18日間ずつ置かれています。そしてそれが明けると季節の変わり目、二十四節気の立冬に入ります。

(気象予報士 小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

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