おもしろコラム通信8月号 2012.8.01 No.100

 

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おもしろコラム通信発行月の前月によせられたコラムの内、採用されたものを絵入りで掲載しています。

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芸で飯が食えるということの定理

 

 以前、人気お笑い芸人のぐっつぁんこと、山口智充さんが、素人時代に、スナックのカラオケで北島三郎さんの物まねをして歌ったら、向こうに座っていた強面のおじさんたちから大喝采の挙句、ボトルが差し入れられてきた・・・という話をしておられました。

 この話を聞いて、なるほど、一芸で飯を食っていくということが出来る人というのは、こういう人のことを言うんだろうな・・・と。そして、ここにこそ、興業というものの本来的な姿、つまり、本質があるような気がします。

 世の中、単に歌や物まねが上手い人なら掃いて捨てるほどいますよ。100点満点の100点かもしれない・・。

 しかし、それで飯が食っていける人というのは、それ以上の何か・・・、魚が、海底から、一気に浮き上がって海面すれすれまで行けるのを100点だとしたら一瞬でも海面を突き抜けて、水がない世界でひるがえって見せることができるような・・・、つまり、120点がとれる者こそが一芸で飯を食って行くというこを為し得る者だと思うのです。

 そういう人の芸域に、初めて、人は金を払って見に来る・・・と。

 そのことを、上述の北島三郎さんは、「僕の兄弟は皆、歌がうまい。しかし、歌で飯が食えるのは、僕だけ」と言ったといいます。

 そのことは、同様に、明石家さんまさんは、芸人辞めて東京の喫茶店でアルバイトをしていた頃、「おもろい兄ちゃんがおる!」ということでさんまさん目当てに来る客が激増し、店の売り上げが飛躍的に伸び、店のマスターから給料を上げるから残って欲しいと言われたといいますし、島田紳助さんは、芸人辞めてキャバレーの支配人をしていた時代には、若くして、名支配人の呼び声高く、かなりの収入を得ていたといいます。

 まあ、こういう、違う仕事に就いていても、それなり・・・、いや、それ以上に光ることが出来る人こそが、一芸で飯を食って行くことが出来る人なのでしょう。

 その意味では、敬愛する大橋武夫氏の著書に描いてあったことですが、旧帝国陸軍のバイブル、「統帥綱領要項」には、「まず計算し、しかる後にこれを超越せよ」という言葉がありますが、まさにこれではないかと。

 計算するまでなら、参謀というのは、大体、秀才と名が付く人ばかりですから、出来不出来はあったとしても、それなりに出来る・・・と。

 しかし、計算して出てきた物を、ただ、実行に移すだけなら司令官はいらないわけで、司令官は、その計算値をさらに超越した答えを出さなければならない・・・というような意味ですね。

 まあ、そこで求められるのが、経験であり、それに裏打ちされた直感力だったりするわけでしょうが、しかし、いくら頭が良くても、やはり、参謀止まりの器の人というのはいるわけです。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田あゆみ) 

 

 

 

酸化から身を守る

 

 老化の3大原因の一つが酸化ストレスです。人は、酸素を利用して、生きるエネルギーを作り出していますが、その反面、酸化反応も受けることになります。

 酸化反応とは、いわゆる鉄さびと同じで、酸素に触れることで組織に炎症が生じ、ダメージを受けて細胞が老化してゆきます。

血管が硬くもろくなる、筋肉が萎えてゆく、皮膚にハリがなくなり硬くなってゆく、骨がスカスカになってゆく、ガン化が促進される・・・などは酸化による老化現象です。

 酸素を吸っている以上、酸化反応を受けないわけにはいかないので、なるべく酸化反応を強く受けないように、守りの養生をしてゆく必要があります。これには、積極的に、植物(野菜や海藻豆類)を摂ってゆくことです。

 植物というのは、ある意味、動物よりもうんと賢く生きるバイタリティーに富んでいます。彼らは動いて獲物をゲットするしくみを持っていないため、同じ場所で佇み、土のミネラルを吸い上げ、太陽からのエネルギーで光合成して、生きるためのエネルギーを作り出しています。直射日光による酸化反応をもろに受けてしまうので、それを防ぐべく、強い抗酸化物質を持って自らを守っています。言い換えれば、植物は抗酸化物質とミネラルの宝庫です。

 その他にも不思議なことがあり、植物の葉をちぎったり、傷めたりすると、そこから免疫物質や伝達物質が発せられ、回りの植物に危険が知らされます。知れば知るほど、植物には生き延びるための智慧が隠されていることに驚きます。

 酸化から身を守るためには、古い油、熱した油、動物性の脂肪酸化油脂などを避けて積極的にお野菜類を摂ってゆきましょう。

 又、特に病院の医薬品を飲んでおられる方(抗ガン剤、鎮痛剤抗生剤、血圧の薬、糖尿の薬、コレステロールを下げる薬など)や、起床時に昨日の疲れが抜けない方には、強い抗酸化作用をもつコルマータQ10がお勧めです。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

夏バテには赤身魚

 

 夏が来るたびに、夏バテになるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。何かと疲れやすいこの時期には、赤身魚が役にたちます。

 魚は、身の色によって赤身魚と白身魚に大別されることはよくご存知だと思いますが、なぜそのような差があるのでしょうか。それは、ズバリ筋肉に質的な違いがあるからです。筋肉は、働き

の違う2種類の筋肉があり、長距離走のような持続運動に適した赤筋(遅筋)と短距離走などのように瞬発的な力を発揮するときに使用される白筋(速筋)に分かれます。マグロやカツオなどの

回遊魚はゆったりと泳ぎ続けるので赤筋が発達し、ヒラメやタイのような近海魚は、ちょこまかと泳ぐので白筋が発達したという訳です。生活スタイルの違いが筋肉の色に反映されているというわけです。

 回遊魚は寝ているときでも泳ぎ続ける程の抜群のスタミナを持っていますが、その疲れ知らずの体力の源になっているのが、アンセリンやカルノシンなどのイミダゾールジペプチドと総称され

る特殊なペプチド(アミノ酸が結合してできたもの)です。

 運動をすると活性酸素によって組織が酸化傷害を受け、それが疲労の一因となっていることが知られています。そして、イミダゾールジペプチドはその優れた抗酸化力で酸化傷害から守ってく

れるため疲労を防ぐと言われています。

 なお、イミダゾールジペプチドは、イミダペプチドと略されることもあります。また、マグロやカツオなどの回遊魚の他に鶏の胸肉などにも多く含まれていますので、魚が苦手という方には、

鶏の胸肉もお勧めです。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

異様にお米を食べる日本人

 

 瑞穂の国(みずみずしい稲の穂という意味の国)と自ら名乗るほど、お米大好きな日本人ですが、昔の日本人はほとんどお米ばかり食べて生きていたといっても過言ではありません。

 特に玄米はビタミンBも豊富であり、たんぱく質も含まれている完全食に近いわけですから、戦前より前の日本人は大量のごはんと、わずかなおかずで食事をすませていたのです。

 具体的にいえば、茶碗に山盛りのごはん、ほんの少しの漬物と魚、あとは味噌汁と、ごはんが8割以上でおかずや汁物がほんの少しという内容でした。

 日本人は海外の人から見れば異様にごはんばかり食べる民族に見えたことでしょうね。

 ただ、完全食なのは玄米であって「白米と書いて粕(カス)と読む」というくらい白米となると不完全食となります。

 江戸時代、白米を主食にできたのは江戸や大阪のような大都市のみで、そのため白米を過食した人々はビタミンB1欠乏症である「脚気(カッケ)」という病気にかかり、多くの人が命を落としました。

 ビタミンB1は玄米や胚芽米には入っているのですが、白米には入っていないのです。江戸や大阪以外の土地では、白米だけではなく麦や、稗(ヒエ)、粟(アワ)といった雑穀と一緒に食べていたので、脚気にはらなかったのです。

 当時、脚気の原因はわかっていませんでしたが、田舎から江戸に来た人が脚気になり、江戸を出たとたん脚気が治るため、人々は「脚気」を「江戸患い(エドワズライ)」といって恐れたといいます。

 

(食文化研究家 巨椋修<おぐらおさむ>/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

8月のこよみ

 

 八月の二十四節気はまず7日に立秋(りっしゅう)があります。暦の上ではもう秋に入ります。しかし一年で一番気温の高い時期に当たります。またこれを3つに分けた七十二候は、初候

「涼しい風が吹き始める」、次候(12日ごろ)「ひぐらしが鳴き始める」、末候(17日ごろ)「深い霧が立ち込める」。

 この時期はお盆の時期を含みます。お盆を過ぎると陽の強さが変わると昔は感じたものですが、今年はどうでしょう? 暦の上で秋に入ったということで、「ひぐらし」「霧」、いずれも秋の季語になっています。

 歳時記をめくっていて驚いたことは、「昼顔」が夏の季語なのに対し「朝顔」は秋の季語とされています。

 次の二十四節気は、23日処暑(しょしょ)です。だんだんと涼しさが増してくる時期です。初候「綿の包むがくが開く」次候(28日)「暑さが鎮まってくる」、末候(9月1日)「稲が実る」。「稲」や「稲穂」「稲刈り」など、稲と付くことばは秋の季語になっているものがたくさんあります。

 さて。なぜ夏は暑いのでしょう? 簡単に説明すると、理由は太平洋高気圧が、熱帯地方の暖かく湿った空気を運んでくるからです。つまり、太平洋上の空気が暖められてどんどん日本の方へその勢いを強めてきて、暑くなるのです。

 真夏の天気図を見ると、太平洋高気圧を縁取る等圧線が朝鮮半島にまで伸びることがあり、これを「クジラの尾型」と呼び猛暑の典型的な天気図とされています。また、さらに暑くなると、アジアの方からも、「チベット高気圧」というのが張り出してくることがあります。クジラの尾とチベット高気圧とが同時に天気図に見られるとこれは日本全国暑くてたまりません!

 日本海側も決して過ごしやすくはありません。太平洋から吹きこんだ風は、日本列島を南北に連なる山々を超えるとき、湿り気を落とし乾燥し、太平洋側に吹き付けたときよりも気温が高くなります。空気が乾いているので、火の元にはご注意下さいね!

 そうして日本どこでも、午前中によく晴れたら、暖まっ

た空気は上昇して入道雲(積乱雲)を発生させるます。そ

の雲は午後や夕方に激しい雨を降らせます。

 夕方に打ち水をするのは、気温を下げるのにはとても効

果的です。節電の夏。快適に過ごされますように。

 (気象予報士 チャーリー/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=15本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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*8月号の原稿締め切りは8月12日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

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