おもしろコラム通信11月号 2012.11.01 No.103

 

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新大陸発見が世界の料理を変えた!

 

 コロンブスの新大陸発見は、色々な意味で世界を変えました。ヨーロッパの人にとって、それは新たなる希望と侵略先の発見であり、アメリカ大陸先住民にとって、自分たちがヨーロッパ人たちに大虐殺され、さらにヨーロッパ人たちが持ち込んだ病原菌のため、民族絶滅の危機に追い込まれるという悲劇のはじまりであり、やがてアメリカ大陸に侵略した白人たちは20世紀に世界を支配するほどの世界覇権国に発展することになります。

 この新大陸発見は料理の世界にも強烈な変化を与えます。これまでユーラシア大陸にもアフリカ大陸にもなかった植物がヨーロッパに入ってくることになり、やがてそれらは全世界に伝わって行くことになります。それはわたしたち現代日本人にもおなじみの野菜たち。ジャガイモ・トウモロコシ・サツマイモ・トマト・カボチャ・ピーマン・ピーナッツ・唐辛子・インゲン豆・パイナップルなどなど……これらは南北アメリカ大陸からヨーロッパを経由し、世界に広まった食べ物たちです。これらの食べ物はただ世界に広がっただけではなく【世界の歴史】をも大きく変えていくことになります。

 なかには「え? これって日本原産じゃなかったの?」という野菜もあるかも知れません。そんな野菜たちでも名前から、原産国が外国であることがわかるものもあります。

 たとえばジャガイモ。ジャガイモは中南米あたりが原産と言われていますが、日本にはインドネシアのジャカルタから持ち込まれたため、ジャカルタの当時の言い方「ジャガタラ芋」が「ジャガイモ」になりました。トウモロコシは“唐から来たもろこし”つまり唐の国=外国から入ってきた“もろこし”とい意味。“もろこし”とは「蜀黍」と書き、黍(きび)というイネ科の雑穀を意味します。つまりトウモロコシとは「外国から来た黍」という意味となります。トウモロコシもイネの穀物ですから、間違った言い方というわけではなさそうです。

 サツマイモは、薩摩藩(鹿児島)から伝わってきた芋が語源。しかし、その薩摩では“唐芋(からいも)”と呼ばれていました。カボチャは「カンボジア」経由できたのでカンボジアが訛って「カボチャ」。トウガラシは、「唐」つまり外国から来た辛子。インゲン豆は、明の国から来た禅僧、隠元が持ってきたという伝説からそう呼ばれています。

 これらアメリカ大陸出身の食べ物たちは、はるかアメリカからヨーロッパを経て、さらに中国や東南アジアなどから日本に入ってきたため、その途中経過の町の名前が付いていたりします。なんだかおもしろいですね。

 トウモロコシがヨーロッパに伝わると、これまでの小麦や大麦の代用品として、人々の口に入るようになりました。トウモロコシは14世紀のはじめにヨーロッパに伝わり、16世紀には日本にも伝わっています。ヨーロッパに入ってきたトウモロコシは、多くの日人に食べられるようになりますが、それは“美味なる食べ物”というより“貧乏人の小麦の代用品”として人々に食べられるようになったといいます。

 トウモロコシは収穫率が高く大量に作ることが可能なので、貧民のみならず豚や牛の飼料としても使われるようになり、食肉の生産量も増える結果となりました。いまやトウモロコシは米、麦と並ぶ三大穀物と言われていますが、ヨーロッパに入ってきた頃は、貧乏人を飢えから救った食べ物であり、家畜の餌だったのです。

 そういえば、筆者が漫画家のアシスタントをしていた若い頃たまたま住んでいたアパートの前にトウモロコシ畑があり、酒のツマミがなかったため、こっそりその畑のトウモロコシを失敬したことが何回かあります。そのトウモロコシは家畜の飼料用であったらしく、スイートコーンのような甘みもなく、家畜用ということで、それほど農薬も使っていなかったのでしょう茹でると必ずゲジゲジのデッカイのが浮かんでいるようなトウモロコシでした。でも、食べてました。当時のわたしは、貧民どころか家畜並の生活をしていたということでありましょう。

(食文化研究家 巨椋修)

 

 

 

美しい景色を眺める季節

 

 十一月の二十四節気にはまず七日、立冬(りっとう)があります。これはいわば「冬入り」、高い土地では雪が積もり始める時期です。歳時記には「冬立つ」「冬に入る」ということばで表現されるようです。

 立冬を、およそ五日ごとに分けた七十二候では、初候「つばきの花が咲き始める」、次候「地面が凍り始める」、末候「水仙の花が咲き始める」と移っていきます。

 つばきや水仙の花、「凍る」ということばも冬の季語になっています。

 次に二十二日、小雪(しょうせつ)。これは、所によっては雪が降り始める時期ということです。初候「虹が見えなくなる」、次候「北風が木の葉を払う」、末候「橘の葉が黄色く色付き始める」となります。

 歳時記によると、霰(あられ)、霜、雪は冬の季語ですが、雹(ひょう)は夏の季語になっています。気象に照らすと雹は、太平洋側では夏場に発達した入道雲(積乱雲)が降らせることが多いため、夏を現すことばにされているように思われます。

 また霧についても、単に霧だけでは秋の季語ですが、「冬霧」とすることで冬の季語として使うことができるようです。

 十一月はあまり目立った気象現象というのはありません。しかし暦の上では冬に入るように、次第に寒さが増してくる月です。朝晩も冷え込むようになり、衣服や寝具の調節をしましょう。夜にはそれこそ「冬霧」が立ち込める地域も出てきます。朝は車に霜が降りるようにもなります。紅葉がきれいな月ですが、山のお天気は一年中変わりやすいものなので、日中でも冷えないように衣類を調節して美しい景色を眺めるように心掛けて下さい。

 毎年十一月にはしし座流星群がやってきますね。流れ星はもちろん夜にしか見ることができませんが、流星群を見に出かけるときこそ、衣服はもちろん突然発生する霧に、充分注意して下さいね。特に標高の高い地域で見るときには霧に注意は必要です。

 また、十一月は二十八日が満月です。ちょうど真夜中ごろに満月を迎えるようです。この時期は空気が澄んでいて、完全に満ちる数時間前のお月さまを会社帰りなどに見ることができます。次第に日の入りの時刻も早くなってくるので、早い時刻から満ちていくお月さまを楽しむことができるでしょう。

(気象予報士 チャーリー)

 

 

 

更年期と鬱

 

 更年期は、誰にでも訪れるもので、女性ばかりではなく、男性にもあります。皆さんは、更年期をイヤなものと捉えがちですが、決してそうではなく、生き方のターニングポイントとして捉えていただければ・・・と思います。即ち、子宝と子育てをする体から解放されて肉体は衰えても精神は日々進歩する、精神的充実の世界へ突入するためのホルモンの変換期ではないでしょうか?

 更年期にホットフラッシュやめまい等の血管運動系の症状が多いこと、そして気分が憂鬱、やる気が起きない・・・などの鬱症状が起きやすいのは、女性ホルモンと、脳内の神経伝達物質が密接に関連しているためです。

 女性ホルモンが減少すると、精神を穏やかにしたり安定させ、脳の意欲を整えるセロトニンの分泌が減少し、非常に気持ちが不安定になります。更年期の時期には、女性ホルモンが減少してしまうのですが女性ホルモンは、コレステロールから合成されるため、成人病を気にするあまり、極端なダイエットをやっていたり、過激な菜食主義、そしてコレステロールを下げる薬の服用等で、急激に落ち込みやすくなります。

 また、脳は電流を流している細胞なので、漏電を防ぐために神経細胞は脂肪に取り囲まれています。したがって、コレステロールが経れば、脳細胞はダメージを受けやすく、ボケやすくなったりします。同時に、脳の栄養源はブドウ糖です。脳の重量はたったの2パーセントなのに、体全体の20パーセントのブドウ糖を消費する組織なので、炭水化物抜きのダイエット等を続ければ、頭は栄養されず、鬱になるばかりか、ボケやすくなりますよ!

 将来ボケないためにも、この時期の過ごし方はとても大切!!ポイントとしては、女性ホルモンとセロトニンを作る食事。豆類黒い食べ物、色の濃い野菜、かつお、芝エビ、しらす、ナッツ類

そして、オシャレを楽しむ、音楽、ダンス、異性とのふれ合いを楽しむなども、女性ホルモンとセロトニンを増やしますよ!

 漢方としてのお勧めは、プラセンタと新ノーゲンの併用です。

プラセンタ(Wリンクル)は、摂ったアミノ酸を女性ホルモン、血液、骨などに変換するタンパク同化作用に優れています。新ノーゲンは、脳細胞を栄養し、セロトニンを増やしたり、伝達をよくする脳の栄養剤です。この二つの併用で、快適に更年期を過ごし、第二の人生にスイッチしてくださいね♪

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

 

 

道標となるもの

 

 「敵を知り、己を知らば、百戦するとも危うからず」って、ご承知の通り、これは有名な孫子の兵法の一節ですよね。この点で最近、良く若い人の間で、「金が欲しい」、「金持ちになりたい」って言葉を耳にしますが、では、これをこの孫子の論法で説くならば、まずは、「金を知る」ことが必要でしょう。

 では、そもそも「金」って何ですか?お金の持つ交換、時間、保存などの特徴を述べるのは、今更、釈迦に説法ですのでここでは述べませんが、自分なりにこれを突き詰めて考えてみるならば金とは「サービス券」ではないかと思うんです。

 子供が父の日に、お父さんに肩たたき券を1枚あげる。お父さんはその日でなくとも、肩が凝った日にそれを出して肩を揉んでもらえるし、もっと集めて別のサービスと交換してもらうよう交渉することもできる・・・。それをさらに高度化、複雑化したのが「お金」だと。

 何が言いたいかというと、要は「金が欲しい」と言うのなら、人が「して欲しい」と思うサービスを提供すればいいわけで「人はこれをして欲しがっている」とか、「これがあったら皆、便利だろうな」などということを積極的に人に施してやればいいんですよ。

 逆に、自分がそれをして欲しいなら、相手にも何らかのサービス券をあげてしてもらわなければならない。どれくらい、自分のサービス券を相手に渡してまで、それをして欲しいか?ということでしょう。ただ、皆がそのサービス券が欲しくなればそこに競争が生まれるわけで、となれば、人がして欲しいことを言われてやっていたのではもらえる確率は低くなります。たくさんサービス券が欲しいなら欲しがるであろうサービスを言われる前に提供しなければならないわけで、かつ、満足させればなお良しです。

 ところが、この論理には範疇外の事象があります。それは誰かの持っているサービス券を奪ってしまうこと、即ち、泥棒です。

だから、泥棒は公権力によって厳しく取り締まられているわけでしょうが、でも、現実には、「浜の真砂は尽きるとも・・・」ではないですが、泥棒の種は尽きないようです。

 この点で、分かれ道で、もし、迷うようなときには「倫理」というのは、確実に一つの「道標」(みちしるべ)にはなるでしょう。まったく迷わないならこの限りではありませんが、もし、わずかでも迷うようなら倫理に背かない方に行けば、とりあえずは間違いないと思いますよ。(小説家 池田平太郎)

 

 

 

何もしない贅沢な時間

 

 旅行が大好きな私は今回、友人と2人で『ネパール・インド1ヶ月の旅』へいってきました。日本で予約したのは、航空券のみ。バックパック1つかついで気ままに各都市をめぐる、いわゆるバックパッキングというものです。

 ネパールをバックパッキングしてから1週間ほどたった頃、ふ

と気付いたことがあります。「そういえばネパール人って何もしないでぼーっと景色を眺めてる人が多いな」

 どこの街のどの道を歩いても、あらゆる所に座り込んでぼー

っとしてる人達を見かけます。その数はもう日本では考えられないくらい!

 海外に来て、このような日本とは異なる非日常的な光景を目にすると“日本“について考えさせられます。「日本人は本当に忙しく毎日をすごしてるよな。忙しくしてないのがダメな事みたいに…俺なんか1日何もしないでダラダラ過ごしたら、その日の終わりにちょっと後悔してしまうわ」

 ある時、店の前に座り込んでいたネパール人に、尋ねてみました。「毎日こんな感じで過ごしてるの?」

「そりゃあ、お客さんが来た時は接客するし、毎日神様にお祈りしてる。友人とも喋るし、家に帰ったら家族がいる。でも何もする事がない時は、ここに座って考え事をしたり、何も考えずにぼーっと時が過ぎるのを待ってるよ」

 この話を聞いて、退屈そうな毎日だなあ と思う自分と そうい

う人生も羨ましいな と思う自分がいました。

 日本で過ごしていたら、ヒマな時間にはTVがある、携帯があ

る、ゲームがある。でも貧しい国には、のんびりと時間が過ぎるのを楽しむ贅沢な時間がある。

 日本人が考える充実した生活とは、ヒマな時間のない、毎日が忙しい生活。人生の目標達成のために、様々な事に挑戦したり、仕事したり、勉強したり、人と会ったり… そしてヒマができたら、それをまた何か別のもので埋めてしまう。

 でも、たまには何もない時間をゆっくり過ごすのもいいと思います。外の世界と自分を切り離して、今の自分について考えてみる。何も考えないでぼーっと空を見てみる。最初はそんな時間の過ごし方にすごい違和感を感じるかもしれない。

 でも、たまにそういう時間を入れるだけで、いつもの生活が一層充実したものになるんじゃないでしょうか。

(現役大学生 小川慎史郎)

 

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=15本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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