おもしろコラム通信6月号 2013.06.01 No.110 |
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日本独特の鍋文化は囲炉裏が作った 鍋、それは暖かさ 鍋、それはハートフル。 鍋、それは愛…… ああ、鍋ゆえに日本人の心はどれだけ温かく豊かになれたのであろうか……と言えるくらい日本人にとって鍋料理は親しまれている料理です。 鍋料理というものは、世界いたるところにある料理で、シチューなども鍋料理なんですけど、日本のように家族や仲間たちが、土器や鉄器の鍋を囲んで、しかも火にかけたまま一斉に食べるなんていう料理は、ちょっとめずらしいのです。火を囲んで食べるなんて、キャンプファイヤーや炊き出しみたいだし。 そもそもヨーロッパでは、鍋で煮込んだ料理は、それぞれのお皿に入れてから出すもの。家族が調理器具である鍋から、しかも下から火で炊き込んでいる最中の料理を、おのおのスプーンやフォークで取るなんてことは、あまり聞いたことがない。 わたしたちは当たり前のように食べている鍋料理は、そんな世界的にみてちょっとめずらしい料理と言えるのです。 では、なぜ日本の鍋料理は独特の発達を遂げたかというと、日本の田舎などにはいまでも残っている囲炉裏の影響があったからではないかと考えられています。日本の場合、煮炊きするのは囲炉裏が居間の中央にある以外に、台所にカマドが主に調理に使われていました。 ヨーロッパの場合、カマドやコンロ、あるいは暖炉が調理に使われていました。カマドやコンロが調理のためだけにあるとすれば、囲炉裏や暖炉は、暖房にも調理にも使え、さらに照明にも使えるという一石三鳥の家具といっていいでしょう。 暖炉が壁に面して作られているのに対して、囲炉裏は居間の中央に設置されているので、囲炉裏を囲んでの食事となります。家族や仲間が、ひとつの囲炉裏を取り囲み、同じ鍋から食事をしていたのでしょう。これが日本の鍋料理を発達させたと考えられます。 ではなぜ日本は暖炉ではなく囲炉裏だったのか? おそらくヨーロッパは石と煉瓦の家で日本は紙と木と藁(わら)で出来た家という住宅文化事情が関係していると考えられます。紙と木と藁でできた家ですから、壁に炉を作りにくかったという事情もあります。 囲炉裏の原点は、室内での焚火(たきび)ですが、これにはいくつかのお得な事情がありました。 一家の中心に囲炉裏があれば照明器具であるロウソクも行灯(あんどん)の油もいらず、料理もできてなおかつ暖房になり、囲炉裏を中心に炎や鍋を囲みながら家族のコミュニケーションもとれるのですからいいことづくめといえましょう。 暖炉は煙突があり煙を野外に逃しますが、紙と木と藁でできいてましてや茅葺(かやぶき)が多かった古い日本家屋では、煙を逃すための煙突は特に必要ではなく、むしろ藁葺き屋根なので、防虫になってお得という面と持っています。 囲炉裏の燃料は、裕福な人は煙のでない炭を使いましたが、一般には薪(まき)を使いました。薪は裏の山にいけば、木がたくさんあり無料で手に入るものですから、ヒマのあるときに拾いに行き、適当な太さに割って軒下などに干して乾燥させます。しっかりと乾燥させておかないと、火がつきにくいうえ煙が出すぎてしまうのです。 さきほど、煙は防虫になってお得と書きましたが、それは多少の煙のことであって、江戸時代以前の家屋には煙突の文化がありませんでしたので、煙が多いと相当に煙かったはずです。煙のために眼病にかかる人も多くいたといいますから、ここは囲炉裏の損得でいうと損なところと言えるでしょう。 薪を拾いに行くのは年寄りや子どもの仕事です。むかしばなしに出てくる「おじいさんは山に柴刈りに」というのは薪拾いに行っていることで、決してゴルフ場の芝を刈りにいっているわけではありません。柴とは小さな雑木という意味です。小さな犬のことを柴犬といったがごとく、柴には小さいという意味もあります。ちなみにむかしばなしのおじいさんが山で柴や薪を拾っていたのは、自分の家のためだけではなく、他の家に柴や薪を売っていたと考えられています。 田畑で働いたり力仕事ができなくなった老人は、そういった人の代わりに山で薪を拾うことで生計に役立てることができました。 労働力が不足している家では、一家総出で働かなくてはなりませんでした。そういったとき、独居老人や力仕事が出来なくなった老人は、薪拾いをして売ることでお得。労働力が不足している家にとって薪を売ってくれてお得というわけです。 (食文化研究家 巨椋修)
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ipad読書のすすめ 昔、パソコンメーカーの営業担当者に、パソコンは中身はテレビと同じようなものなのに、なぜ5倍も10倍も値段が高いのだと問うたことがある、その時、彼は、テレビは何も使い方を説明しなくとも売れるが、パソコンはお客様が使えるようになるのに相当な手間隙がかかるので・・・・と言い訳していた。 小生が始めて買ったパソコンが、アップルのマッキントッシュだった。このパソコンは、ウインドウズに比べて、すぐ使えるようになるからだった。ところが、ウインドウズもマックの操作性に習って使いやすくなると、マックユーザーはウインドウズに取り込まれてしまった。私も、しばらくは我慢していたが、同じようなソフトでもユーザー数が多いウインドウズ版の方が割安なので、いつのまにか宗旨替えしてしまった。 青色吐息のアップルを復活させたのはipadだ。今や日本の家電メーカーまでアップルの下請け化しているありさまだ。それはさておきipadはメーカーが使い方を教えなくてもいいパソコンになった。かくて、価格もテレビと同等かそれ以下になった。 そのため、私のような老人でも、容易に使える。特に、ipad読書がおすすめだ。たとえば、生きていればノーベル文学賞間違いない紫式部の源氏物語。だれでも、知っている題名だが読破した人は、大学の文学部生でもまれだ。富士山と同じで、生きているうちに一度は征服したいと誰しも思っているに違いない。 ipad読書なら、これが可能なのだ、それも費用はそれほどかからない。 紫式部は当然ながら死んでからものすごく年月が経っているので、著作権は生じない。著作権がなくなった作者の小説等を無料で読むことが出来る「青空文庫」から源氏物語をまず、ダウンロードしよう。次に、「聴読本棚」という無料アプリをダウンロードする。これは、源氏物語をはじめ、古い日本文学を読み上げてくれるソフトだ。これだけでも、文字と音声が読み聴きできるのだが、文章の方はできたら別の電子ブックを使うとより読書をした雰囲気が味わえる。朗読のテンポに会わせて本を読むことができるので、目が疲れて、長時間の読書がおっくになっている高齢者でも、途中で挫折することがない。事前にその巻(全54巻)のあらすじを読んでから本編を聞くとより分りやすく楽しめる。あらすじでおすすめなのが「あらすじ源氏物語(もり語り>源氏物語)」http://www.rose.ne.jp/~mori/01_y_digest/だ。(コラムニスト 井上勝彦)
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「うつ病」にならないために 大型連休も過ぎ、梅雨が始まる六月がやってきました。毎日ジメジメとした天気ばかりで、なんとなく気分がめいってしまうという方も多いのではないでしょうか。 ただ気分がめいる、だけならいいのですが、そこから「うつ病」を発症してしまうこともあります。厚生労働省の調べによると、うつ病患者は年々増え続けているそうです。 では、どのようにしたらうつ病は防げるのでしょうか。うつ病の第一の原因はストレスです。もともと脳に何らかの障害がある人が、多大なストレスを受けると発症します。ストレスを受けないようにすればいいのですが、現代社会にストレスはつきもの。なかなかそうはいきません。 最近の国立精神・神経医療研究センターの研究で、うつ病の発症原因のひとつに『かたよった食生活』が関与されると発表されました。なかでも、肉中心で炭水化物を好み、甘いものを食べてばかりいる人にうつ病になる傾向が高いそうです。この食生活は糖尿病患者やメタボリックシンドロームに多いとされていたもの。うつ病も同じようです。 では、どのような食生活に変えればいいのでしょう。それは、野菜や魚介類を中心とした和食です。炭水化物を少なくし、DHA・EPAが多く含まれる、いわし・さば・まぐろ・あじを食べます。そして、ビタミンB6・B12・葉酸を含むモロヘイヤ・アスパラガス・ほうれん草・ブロッコリーなどの野菜を食べ、アミノ酸を含む鶏卵・牛乳・鶏レバーも食べます。これらの栄養素は脳内でうつ病の症状を緩和すると考えられているからです。また、鉄分が不足すると、うつの症状が出やすくなるとも言われているので、レバーや貝類、ひじきなど鉄分を多く含む食品を積極的に食事に取り入れて予防を試みてください。 食事療法をしても気分の落ち込みが治らない場合は、厚生労働省のホームページでご自分がうつ病かどうかをチェックしてみてください。早期発見が早期治療につながります。(http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_depressive.html)。 (フードアナリスト 愛川いつき)
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感情変化と痛み お客様で、しばしば三叉神経痛を起こす方があり、原因をよくお伺いしてみると、いつもイライラした後や我慢を強いられた後など、情志不遂を感じた後に痛み発作が出現することが判明。 皆様も、イライラしたり怒ったり、嫌な気分になったときに、頭痛が強くなったりした経験はありませんか? 実は、痛みと感情ストレスとは密接な関係があることがわかっています。感情ストレスがあると、副腎皮質や髄質を刺激して、発痛物質を誘発します。 そしてまた、慢性的な感情ストレスにより、不安な気持ちでいるときや、鬱気分になり気力が低下しているときは、セロトニン神経の活動が低下しています。 セロトニンは、中枢では痛みに関係する神経の活動を抑制し、痛みを緩和する働きがあるため、イライラや鬱により、セロトニンの働きが抑えられると、痛みが強く感じられます。 普段から、頭痛持ち、神経痛持ちなどの方は、感情を乱さないことが、痛み発作の予防につながります。 これには、健脳食といわれる大豆食品(味噌、納豆、厚揚げ、豆腐高野豆腐、湯葉など)やクルミなどを常食することがお勧めです。 脳が養われると、怒りや不安で消耗して、神経伝達物質の無駄使いをすることが防がれます。 お店では、多くの慢性疼痛や痛み発作のある方に、証に応じた漢方と脳の栄養剤・・・新ノーゲンを併用していますが、明らかに疼痛頻度が減っており、喜ばれています。 病は気から・・・・痛みも気からなのですね!
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)
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社会が変革し、定着するときのリーダーのタイプ3態 「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 座りしままに 食ふは徳川」の落首でも知られる、織田信長、豊臣(羽柴)秀吉、徳川家康の三将ですが、この「変革」「啓蒙」「定着」という三つのタイプは日本の歴史が大きな社会変革を迎え、それが次の時代へと定着していく時には割りと良く見られるもののようです。 また、三者の性格は、よく、信長の「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」、秀吉の「泣かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」、家康の「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」で知られていますが、要は「激烈」「機略」「重篤」・・・ということだったのでしょう。 それらを踏まえた上で、平安朝という、長く続いた秩序が終わり、武士という新興勢力の台頭という形で社会変革をもたらされた時代に当てはめると、平清盛、源頼朝、北条義時・・・となり、同じく、徳川幕府という古い秩序が、外圧によって近代国家への変革を余儀なくされたケースでは、高杉晋作、坂本龍馬、大久保利通・・・と。 まあ、もっとも、これは、そもそもが、まったくの別人格なわけですから、時代の要請によって微妙にタイプが異なってくるのは当然でしょうが、大久保は家康を敬し、家康は頼朝を敬した・・・という話も聞いていますので、あながち、こじつけという話でもないと思います。 もちろん、北条執権政権も北条義時の代ですべてが定まったわけでもありませんし、幕末維新期だって、何より、西郷隆盛などのように、他に引けをとらない大きな足跡を残した人物を、タイプに当てはまらないからと言って、名を挙げないのも適当ではないでしょう。 (その意味では、幕末維新期というのは、それまでと違い、世界が視野に入ってきたということから考えれば、人材が順番に・・・ではなく、一斉に群がり出たということだったのかもしれません。その意味では、幕末維新期とせずに、長州では吉田松陰、高杉晋作、伊藤博文・・・、薩摩では、島津斉彬、西郷隆盛、大久保利通・・・、土佐では、武市瑞山、坂本龍馬、岩崎弥太郎と分ける・・・という見方もあるでしょうか。)
で、このパターンを戦後に当てはめてみると、信長は「ワンマン宰相」と呼ばれた吉田茂、秀吉は「今太閤」と称された田中角栄・・・とまあ、面白いくらいにピッタリですよね。 ただ、家康・・・となると、特に類推される政治家はいませんでしたが、「戦後政治の総決算」を掲げ、また、角栄さんとも微妙な盟友関係にあったという意味でも、中曽根康弘さんだったのかもしれません。 ついでに言うと、小泉純一郎さんは良く、信長に例えられましたが、行き詰まった戦後体制に変革をもたらそうとしたという意味ではそうとも言えるのでしょう。 後は、秀吉、家康が続けばいいんですけどね。(小説家 池田平太郎)
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<編集後記> ・先月の投稿総数=13本 ・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/ CATEGORY=おもしろコラム
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