おもしろコラム通信5月号 2014.05.01 No.121

 

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焼肉発祥は日本?韓国?

 

   いまや日本人の大好物となった焼肉ですが、戦前の日本人はあまりお肉を食べませんでした。江戸時代以前であれば、薬の変わりに食べるくらいでした。

 明治になって、欧米から肉食文化が入ってきます。そのときもほとんどの日本人は肉食に抵抗があったようです。

 明治から現代にかけて、日本料理として作られた肉料理としては、有名なものとして牛鍋から発達した『すき焼き』や『とんかつ』、あるいは『しゃぶしゃぶ』、他には『肉じゃが』などがあります。

 ここで何か気付きませんか? そうです。お肉を直火で焼く料理がないということ。お肉を直火でまったく焼かなかったわけではありません。

 猟師さんなどは、狩った獲物を串にさして直火で焼いて食べたり、囲炉裏や七輪で網焼きにしたこともあったことでしょう。でも、直火でお肉を焼くという文化は育たなかったようです。鉄板や鉄鍋で焼くという文化も育たなかった。

 明治に入ってからも『牛鍋』や『すき焼き』に見られるように“焼く”料理というよりも“煮る”料理でした。昔話でも『たぬき汁』は出てきますが『たぬき焼き』は出てきません。また、内蔵料理のことを臓物(ぞうもつ)から「モツ」と呼びますが、日本では「モツ焼き」よりも「モツの煮込み」のほうが一般に広く食されているようです。

このように、日本ではお肉は「焼く」よりも「煮る」ほうが一般的で、お肉を直火で焼く『焼肉』が日本の人々に広まるのは戦後になってからのことなのです。

 お肉を直火で焼くという料理法は、原始時代に人類が火の利用を発見したときに生まれたものでしょう。そして世界中のほとんどの民族がお肉を焼いて食べています。世界には豚や羊の丸焼きもあれば、ステーキやバーベキューもお肉を焼く料理です。

 しかしいまここでいう『焼肉』とは、いわゆる日本各地にある『焼肉店』で売られている網で焼きタレをつけて食べ『焼肉』のこと。この『焼肉』は、戦後になって日本に広まりました。この料理を広めたのは戦前戦後に日本にやってきた在日の韓国・朝鮮の人たちです。ただタレを付けて食べる『焼肉』は、朝鮮半島にはない料理法でした。

 元々、朝鮮半島の人たちが食べていたのは『ノビアニ』と言われる料理でした。この『ノビアニ』というのは、醤油、ゴマ油、砂糖などを混ぜ合わせたタレをお肉に漬け込んで焼く料理のことです。古くから朝鮮半島ではこのタレに漬け込んだ肉を台所で焼いた肉を、お皿に盛って食べていたのです。

 いま、わたしたちが食べる『焼肉』というのは、目の前の網などに自分で焼くというものであり、タレは小皿に入れたタレをつけて食べるという違いがあります。

 朝鮮半島の焼肉は、いまでは『ノビアニ』ではなく『プルコギ』(韓国語で焼肉という意味、そのままですね)と言うのですが、この『プルコギ』という言葉は1945年以前の辞書ではみられないものであり、『プルコギ』は、タレに漬け込んだお肉を焼き、さらにお肉を小皿に入れたタレをつけて食べる方法。そして1945年は昭和20年つまり終戦の年です。

 どうやら、在日韓国・朝鮮の人たちが、日本でタレをつける方法を作り出し、戦後になって朝鮮半島に逆輸入されたもののようです。よって韓国では、日本からやってきたタレをつける焼肉を『日式焼肉』といいます。

 さらに違いをいえば後述するようにお肉は日本では牛肉がメイン、韓国では豚肉が中心。焼き方は、韓国ではお店の人が焼いてくれますが、日本ではお客が自ら焼くやり方。お肉のサイズは韓国式だと大きくて、ハサミなどで切りますが、日本はひとくちサイズと、いろいろと違いがあり、世界的に見ると、日本の焼肉と韓国の焼肉は別の料理と見ているようですね。

 

韓国の焼肉は豚肉がメイン

 

 さきほど、ちらりと述べたように、日本の焼肉は牛肉が中心ですが、韓国の焼肉は豚肉がメイン。韓国の焼肉屋さんでは牛肉を置いていないところもあるくらいです。韓国の焼肉屋さんではお客もあまり牛肉を頼まないためか、値段が豚肉の2~3倍ということで、ますます牛肉への嗜好が少なくなったそうな。

 さらにいうと、韓国の焼肉では、牛肉の評判がすこぶる悪いのです。ためしにネットで調べてみたところ「肉がパサパサ」とか「味がない」「不味い」と、韓国焼肉における牛肉は高い上に不味いと、評判はさっぱりなのです。

 逆に韓国の焼肉では豚肉が絶品! もし韓国に旅行して焼肉屋さんに行くのなら、牛肉ではなく豚肉を食べることをオススメします!

 

ホルモン焼きのホルモンって?

 

 焼肉屋さんにいくとホルモン焼きも食べることができます。いわゆる『ホルモン焼き』というのは、牛や豚の内臓を焼いて食べるもの。

 その語源として多くの人は大阪弁で捨てるものという意味の「放る(ほうる)もん」がホルモンになったという説があります。

 戦前、肉食に慣れていなかった日本人は、牛や豚の内臓を食べるということをあまり知らず、内臓のほとんど捨てていたため「放るもん」=「ホルモン」になったという説です。なかなか説得力のある説ではありますが、残念ながら事実ではありません。

 ホルモン焼きのホルモンは、いわゆる男性ホルモンや女性ホルモンなど、体内の化学物質のホルモンから来ているのです。

 男性ホルモン、女性ホルモンといった名前でもわかるように、性や精力に関係があるこのホルモンが「いかにも精力がつきそう」ということで、戦前に動物の内臓料理や、精力がつくとされる卵や、山芋などが「ホルモン料理」と呼ばれるようになりました。

 牛や豚を焼肉同様に内蔵を焼いたものをスタミナ料理として「ホルモン焼き」と呼ぶようになったとのことです。

 

(食文化研究家 巨椋修(おぐらおさむ))

 

 

 

 

端午の節句と柏餅

 

 五月五日は端午の節句。この時期に食べる和菓子のひとつに柏餅があります。

 柏餅とは上新粉で作った餅を平たくのばして二つ折にし、その間にあんを入れ、外側を柏の葉で包んだもの。あんは小豆で作られた粒あん、こしあん、味噌でつくられた味噌あんがあります。東海地方や九州地方ではあまり味噌あんは売られていないようです。

 この柏餅が食べられるようになったのは江戸時代から。文献によると、九代将軍徳川家重から十代将軍徳川家治のころ作られるようになったそうです。当時の江戸では塩あんの柏餅を食べていました。やがて参勤交代によって江戸から全国に広まっていき、あんも塩あんから小豆のあんに変わっていきました。

 なぜ、柏餅が端午の節句に食べられるようになったかと説明すると、柏の葉が縁起物だから。柏の葉は古くなっても新芽が育つまで地に落ちません。落ちないことから家系が途切れないことに結び付けられ、子孫繁栄の象徴になりました。また、柏の葉の形は神社を参拝する時に打つ柏手に似ています。そういったことから縁起物と言われるようになりました。

 柏の葉は関東では多く生息するのですが、関西ではあまり多く生息していません。よって、サルトリイバラ(サンキライ)の葉で代用することもあるようです。

 端午の節句は中国から伝来したもの。それと同時にちまきをいただく風習も伝わりました。しかし、柏餅を食べる風習は日本独自で発展したもの。今ではちまきに負けず劣らず、いやそれ以上に親しまれています。柏餅を食べないと端午の節句を過ごした気にならないのは私だけでしょうか。いいえ、きっとみなさんも同じでしょう。

(フードアナリスト 愛川いつき)

 

 

 

橋について考える

 

 先日、ちょっと驚いたのですが多摩川って両岸にあれだけの人口を抱えているにも関わらず、人が歩いて渡れる橋って数えるほどしかないんですね。

 福岡市のような中堅都市でも橋は不自由しないくらいにたくさんかかっていることを思えば、渋滞緩和や物流阻害ということ以前に災害時の避難はどうなっているのでしょうか。

 多摩川も私が行った時は水量も少なくまあ、その気になれば歩いて渡れるような気もしましたので、それほど気にする必要はないのかもしれませんが、岡本かの子はかつて、この川を「悠久の時」と呼んだといいますから、ナイル川とは比べようも無くとも、おそらく上流にダムなどもない時代、水量はもっと豊富で川幅もあり、江戸川などとは比べようもないくらいに橋の架設は技術面でも費用の面でも負担だったのでしょう。

でも、それでも今どき・・・と。

そこまで考えてふと、思いました。

 もしや、人が川を不自由なく渡れるようになったのは比較的最近のことなんじゃないか・・・と。

たとえば、川幅が1mしかなくとも、もし、深さが10メートルあればその恐怖心たるや、軽々には渡れませんよ。

 実際、江戸時代までは橋といえば木造が大半だったでしょうから、「橋を架ける」というのは材木の切り出しから、加工運搬、組み立て・・・とすべて手作業で、せっかく架けても、大雨が降ればすぐに流されてしまう、何とも割の合わないものだったことがわかるでしょう。

 そう考えれば、「越すに越されぬ大井川」などと言いますが、あれも幕府が防衛のために橋を架けなかったというよりも本音は経費面で合わない・・・ということだったのかもしれません。

 となれば、川にはよほどのことがない限り、普通に橋は架かってなかったはずで、人々は渡し船や漁船などに頼み込んで川を渡っていたのでしょうが、まだ、船など無いもっと古い時代には川を渡ろうとする場合、殆どが浅瀬を見つけて渡る・・・というのが一般的な渡河の仕方だったでしょう。

 ただ、そうなると、距離的にも物凄い回り道をしなければならず、さらに、真冬や荷物などがある場合などは渡るには難渋していたと思われ、つまり、現代の人が考える以上に、川は農業用水、生活用水として絶対に必要とされた反面、陸上交通という観点から見た時には障害以外の何物でも無かった・・・ということになると思います。

 ちなみに、川を渡ろうとするのは当然、何も旅人ばかりではないわけで、軍勢が通過するに際しては、大体、古代ローマから日本の戦国武将まで共通するようですが、船を並べて、その上を板で固定する方法が一般的だったようです。

 もちろん、船は近在の漁船を強制的に徴収し、船を繋ぐ板などの資材は近在の家などを片っ端から打ち壊して調達したようですが、戦乱の時代、庶民にとってはこれだけで済むというのは、まだ、感謝しなければならない範囲のことだったのでしょうねぇ。(小説家 池田平太郎 )

(小説家 池田平太郎 )

 

 

 

 

 

夢で分かるあなたの体調

 

 皆さん、起床時に気持ちよくスッキリと目覚めていらっしゃいますか?

 誰もが寝ている間は夢をみていますが、熟睡できていれば、夢の内容にうなされたり、夢を覚えていたりすることはありません。何らかの原因で、陰陽、五臓のバランスが崩れていたり、五臓のどこかに邪気が入っていると、夢に現れてそれを覚えているので、逆に言えば夢の内容で体調を知ることもできます。

「黄帝内経」霊枢の淫邪発夢篇に、詳しい内容が書かれているので、ご紹介しましょう。

 例えば、陰陽の過不足により次のような夢を見ます。

・陰の気が盛んなとき=大河を徒歩で渡って恐れおののく夢を見る

・陽の気が盛んなとき=火事に出会って焼かれる夢を見る

・陰陽ともに盛んなとき=互いに喧嘩したり、殺害する夢を見る

・上半身の気が盛んなとき=空を飛ぶ夢を見る

・下半身の気が盛んなとき=深いところに落ちる夢を見る

・飢えているとき=略奪の夢を見る

・飽食のとき=物を与える夢を見る

 五臓の過不足により次のような夢を見ます。

・肝気が盛んなとき=夢の中でよく怒る

・肝に邪が入ると=山林の樹木の中を歩き回る夢を見る

・心気が盛んなとき=夢の中でよく笑う

・心に邪が入ると=恐れ萎縮する

・脾気が盛んなとき=夢の中でよく歌い、楽しむ

・脾に邪が入ると=破れ屋で風雨にあったり、さわで風雨にあい、体が重たく身動きできない

・肺気が盛んなとき=恐れてよく泣き、体がふわっと浮いた感じ

・肺に邪が入ると=飛び上がったり、金属製の奇怪なものを見る

・腎気が盛んなとき=夢の中で腰と背中が分解して離ればなれになったり、足腰に関する夢

・腎に邪が入ると=深い淵をのぞき込んだり、水中に沈む夢

 このような過不足によって起こった異常は、その夢をみたあと、その部位を補ったり、滞りをとったりすることで、直ちに改善する!と記されています。(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

 

 

 

 

整理整頓BOX

 

 我が家の隣に町内会のゴミBOXがある。

 先日、料亭で使うようなセット皿や器が大量に捨てられていたので、少し拾い、その中でも高そうな網目の果物用磁器があったので、ネットオークションで売ろうとして、類似のものをネットで調べたら1000円程度のしろものでがっかりした。

 数年前、断捨離という言葉がもてはやされた。やましたひでこ氏のベストセラー本「断捨離」は、読んだことはないが、この用語を彼女は商標登録しているようだ。ことばを商標登録するとはどういうことかよくわからにが、無断での商用利用はお断りしますと、彼女のHPにあるから、これをつけたお菓子やお土産物、あるいは、ダンボールなどを作ってはいけないということであろうと理解する。

 断とは、いらない物を断つ・買わないということで、100円ショップ好きの私などは、はなからペケである。捨は文字どおり、いらないものを捨てることである。前述の食器類は、昨年末に、昔、高級料亭旅館の板長をやっていた人が亡くなったので、奥さんが捨てたもののようだ。

 離は、物への執着から離れることで、これは、自分の性格では、簡単に実行出来る。もう、着る機会のなくなった背広のズボンは、農作業用に使っているし、特に買いたいものは、安い調理用具以外、最近、ほとんどなくなった。

 断捨離の類似の言葉で、「整理整頓」というのがある。人員整理などとつなげて使うことでわかるように、整理とはいらなくなったものを捨てることである。そして、整頓とは、使い終わったら、その物があった場所に戻すことである。ところが、最近、この、元に戻すというのが、難しくなってきた。途中、他の行動をはさむと、きっと忘れて元にもどらないで、物を探し回るはめになる。

 「終活」という言葉も最近、話題になっている。人生の終わりをより良いものとするため、事前に準備を行うことで、遺言書、お墓などのほか、前述した不要なものを捨てることも大切になってくる。

 整理整頓の新しいシステムがキングジムから新発売され、話題になっている。箱を開けなくてもスマートフォンなどの情報端末で中身が確認できる収納ボックス 「ニュートラルボックス」だ。

 使い方は、「ニュートラルボックス」に3桁のタグ番号を書き込み、その番号をアプリ「DIGITAL TAG」に入力し、箱の中身を撮影・登録するだけ。後ほどアプリで番号を入力すると、箱のふたを開けなくても、中身を写真で確認することができるというもの。

 これまで、透明BOXなどに入れたり、エクセルなど駆使して、内容物が分るデーターベースを作ってみたりしたが、いまいち長続きしなかったが、これならば、整理整頓しながら、BOXに入れ、これを積み上げておいても、必要なものが即座に探せるので便利でスペース的にも楽だ。残された家族が、不要な物を簡単に仕分けることが出来るので終活に役立つ。

ま、せっかく整理整頓して、自分の思い出をBOXに収納したのに、死後には、開けらけられることなく、BOXごとそのまま捨てられる公算の方が多いような気もするが・・・・・。(ジャーナリスト 井上勝彦)

 

 

 

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=10本

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