おもしろコラム通信 10月号 2006.10.12 No.030

 

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    季節の実りが病を防ぐ

今年の夏は例年になく暑い日が続きました。体に湿気と熱がこもり、具合の悪い方が続出しました。

この夏に特に調子を崩されたのは、普段から血虚(貧血であったり、血が少ない流れが細い)の方です。

血虚の方は、ちょっとしたストレスが入ったり、外気温が高いと、すぐに体に熱をもち、上へ昇ります。

顔、頭が火照る、体が熱い、胸がバクバクする、眠れない、不安感が強い、イライラするなどの症状が現れます。

またお腹が張り、足はむくんでだるいのが特徴です。

皆さん、ヤカンの水を沸かすとき、水が十分入っていると沸騰しにくいですが、量が少ないと、火をたくとすぐに沸き上がりますよね?

それと同じで、血が少ないと、少しのストレス(火)でも体に熱をこめ、消耗してしまうのです。

この暑さで、体の陰分をかなり消耗しているので、これから秋口にかけて、血が粘りやすくなります。

このような事から、今年は特に脳梗塞心筋梗塞などが秋〜冬に増える可能性があります。

未だに体の火照りがとれていない方はセロリ、きゅうり、トマト、お豆腐などの清熱類の食品を摂ってください。

また、秋は乾燥の季節です。肺の経絡を傷めやすいので、びわ、柿、梨、れんこんなどの肺を潤す食べ物もとってゆきましょう。

さらに、血虚の方は、レバー、かつおひじき、にんじん、黒豆、黒ごま、ほうれんそう、プルーン、レーズンなど血を作る食べ物を積極的にとりましょう。

 

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

犬による事故の防止策

犬は走るものを追いかける、これはまさに世界共通ルールと言えるでしょう。

土佐犬の事故が相次ぐ熊本市では、犬による事故は、2万人に1人の確率、12日間に1件の割合で発生しています。

交通事故に遭うよりは低い確率にしても、基本的な注意は知っておきたいものです。

すべての犬がいつも噛もうと思っているわけではありません。犬が噛むのは最期の手段、噛むには彼らなりの理由があります。

まずは、犬が本能的に嫌がることをしない心がけが必要です。

1.犬のテリトリーに近づかない

2.食べている時、寝ている時、仔犬といる時、何かを噛んでいる時は近づかない

3.見知らぬ犬、ケガや病気の犬には近づかない

4.いきなり犬にさわらない、目をあわせない

5.犬の前で走ったり、叫ばない

しかし、それでも犬が追いかけてきたら、落ちついて、順番に次の方法をお試し下さい。

1.走らない=止まれば、犬も走るのをやめ、興奮も収まります。

2.叫ばない=キャーという甲高い声は、犬をさらに興奮させます。

3.気をつけの姿勢でじっと動かない

4.目をあわさない=但し、犬の動きを見るため全体として捉えること。

5.優しく、はっきりした口調で話しかける=「大丈夫だよ」「いい子だね」など。

6.「おすわり」など命令してみる=多少なりとも訓練を受けていれば、命令に反応することがあります。

7.かばんや雑誌、木の枝、ゴミ袋、上着など何でもくわえさせる

8.後ろずさりでゆっくり逃げる

9.塀、電信柱、木、車など高い所に登るか、狭い所へ隠れる

10.それでも襲ってきたら、両腕で耳と首を覆い、膝を抱え丸くなり動かないこと

最後の方法は本当に怖いですが、立ち向かうよりはケガが少なく、急所を狙ってくるので、必ずガードすること。犬は肉を食べるために噛むわけではないので、相手が屈したと思えば、去っていくのです。

 

(文:フラウ山田/絵:吉田たつちか)

 

ボケのカタチ

戦国時代、勇猛揃いで知られた戦国武者の中でも、特に勇猛で名を馳せた人物に、薩摩(現鹿児島県)の島津義弘と言う人物が居ます。

この人は、あの関ヶ原の戦いのとき、味方がすべて敗走する中、敢然と敵の中央を突破して戦場を離脱することに成功したことでも知られる人物ですが、晩年はボケて自分で飯も食えなくなったそうです。

衰弱していく義弘を見て、心配した家臣たちが相談し、それならば!と、義弘の食事の時間になると、膳を用意させた上で、庭に若者を集め、ドラや鐘を打ち鳴らし、鬨の声をあげさせたところ、何と、このボケ老人のそれまで視線も定まらなかった眠たげな目がクワッと開き、おもむろに箸と茶碗を手にとるや、飯をガブガブと食べ始めたそうです。

以来、義弘の食事の時間には、毎日、この光景が繰り返されたとか。

戦国が終わった後の天下泰平、即ち太平の世というのはこの戦国を駆け抜けた老雄にとっては、ただ、退屈なだけの時間だったのかもしれません。

私も別にボケたいとは思いませんが、もしボケたなら、男としては、こう有りたいものだと思っています。

 

 

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

菊の咲き誇る時節

旧暦9月9日(新暦では10月)を「重陽(ちょうよう)の節句」といいます。

万物の化成は「陰と陽」という相反する2つの気の消長によるという中国の陰陽五行(おんみょうごぎょう)説では、奇数を陽数、偶数を陰数といって、陽数が重なることを重陽と呼び吉祥の徴とされてきました。

日本でも1月7日の人日(じんじつ・古く中国では1月1日を鶏の日として、数えて7日を人の日とする風習があったことから)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽、を五節句として陽数の重なる日を祝う風習が古くからありました。

9は数字の中でも最大の陽数で陰陽五行説では陽数の極まる数とされ、その9が重なる9月9日は重陽の中でも吉日とされてこの日の行事を特に重陽の節句と呼ぶようになったのです。

また菊の咲き誇る時節であることから菊の節句とも呼ばれ、重陽の行事に菊の花は欠かす事ができません。

古く中国では菊の慈液には不老長寿の効能があると信じられていたため、日本にも伝わった重陽の節句に菊花を浮かべた菊酒(きくざけ)を飲む風習も、もとは薬草として日本にもたらされた菊のその薬効を期待しての事に他なりません。

また重陽の前日、咲いた菊が夜露に濡れないよう綿で覆う「菊の被せ綿(きせわた)」は、翌朝露や香りが移ったその綿で顔や体を拭うと若さを保つと信じられていたため、女性達は菊から外したその綿で願いを込めて手足や顔を拭ったといわれています。

現在でも中国では小さな菊を乾燥させた菊花茶(きっかちゃ)は延命長寿のお茶と呼ばれ、解熱・解毒作用、眼精疲労回復、高血圧予防など様々な効能があるとされています。

特有の香りが強いので苦手な方は普段飲んでいるお茶に一つ浮かべて飲むだけでも、立ち昇る香りにはイライラを解消するなどの芳香効果があります。その美しさから四君子の一つとされる菊の花。長い冬を迎える前の最後に咲き誇る花として古人は菊をこよなく愛したといいます。

いにしえの習しに従い菊を愛で重陽の吉事を祝ってみてはいかがでしょうか。

(文:現庵/絵:吉田たつちか)

 

歴史で見つかる料理

料理にも歴史あり。

たとえば、お子様の好きな料理の万年トップ、ハンバーグ。もともと、タタールの料理だ。形を整えた肉を皮袋に入れ馬の鞍にくくりつけて走らせる。しばらくたってから皮袋の中を取り出すと、熱の入った肉が出てくるというわけだ。ハンブルグで売り出されて大好評を博したことから、「ハンバーグステーキ」となった。

上記は残念ながら再現不可能だが、再現できる料理は多い。1:中世ヨーロッパの貴族が愛したワイン

<作り方>

・ワインに胡椒を入れる→完成!

注意;市販の粉胡椒ではなく胡椒の実である可能性が高い。とはいえ、一番手軽に楽しめる。ご存知のとおり、胡椒は高級品のため、貴族はワインなどに胡椒を入れて楽しんでいたという。

2:三国時代の英雄・曹操の好物

 

<作り方>

・脂肪分の高い牛乳をなべに入れる

・弱火でコトコト煮込む

・煮込んでいる間は、なべの底が焦げ付かないよう、しっかりかき混ぜる

・水分がなくなったら器に移して完成!

注意;器に「一合」と書かないように。書くとしても横書きで。ずる賢いやつが「一人一口だろ?」と都合よく解釈するので。

ちなみに、私も作ってみようとしたが、雪平なべの底が焦げ付き、見事に失敗。以来、金額がもったいなくて手をつけていない。

(文:HERMIT/絵:吉田たつちか)

 

 

 

9月新規登録のコラムニスト

 

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・片岡 ゆたか

・和歌山県在住

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<編集後記>

・今月の投稿総数=9本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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