おもしろコラム通信 1月号 2008.1.09 No.045

 

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戦争を知らない時代の老武士が殺気を知る太平の世  

 

昔、昭和48年(1973年)に放送されていたテレビドラマに、「大久保彦左衛門」というのがあったのですが、覚えておられますでしょうか。

このドラマは、主演の老旗本・大久保彦左衛門に進藤英太郎、魚屋で、その一の子分・一心太助に関口 宏という配役だったと思うのですが実はそれほど詳しく覚えておりません。

元々このドラマ自体、多分、祖父が見ていただけで私はそれほど熱心に見ていたわけではなく、この回にしても、風呂に入ったか何かでその場面だけを見ただけでしたが、30年以上経った今でもはっきりと記憶に焼き付いているある一場面があります。

それは、元武士上がりの魚屋、一心太助が、何かの話で、妻から「どうして、あんたにそんなことがわかるのさ!」と言われ、少し、詰まりながら

「そ、そりゃぁ、おまえ、あれだよ、殺気ってやつだ」と。

「ふん、あんたに殺気なんてわかるのかい!」

「俺だって、元は武士だ。いざって時には、殺気でピピーンとくるのさ」と。

で、その夜、太助の家に泥棒が入り、奥さんが気づいて、慌てて、大騒ぎして泥棒を撃退したところ、布団を見れば太助は高いびきで寝ており、怒った奥さんから、「なーにが、殺気だかねぇ」とつねりあげられると。

で、場面は変わって、同日同時刻の大久保彦左衛門の屋敷・・・。

物音一つしない、大きな座敷で独り寝ていた老武士・大久保彦左衛門が、突然、跳ね起きて、鴨居の上に掛けてあった槍を手に取るなり、障子を開けて、縁側に仁王立ちになる・・・。

「何事で御座りまするか!」と言って慌てて駆けつける家臣に、「わからぬ。わからぬが、そこに誰か居おった」と。

「誰もおりませぬが」という家臣に対し、汗を浮かべながら、「いや、殺気を感じたのじゃ」と、まあ、こういうシーンでした。

確か、このときの、その怪しい奴というのは、徳川家によって大阪夏の陣で滅亡させられた豊臣家の旧臣で、最後の豊臣家当主、豊臣秀頼の子供をかくまっているという設定だったと記憶しておりますが、それはさておき、思えば、このドラマの設定は、すでに、三代将軍家光の治世で、二代秀忠がすでに没していたことを考えると、おそらく、1635年頃の話だろうと考えられます。

となれば、この時代、最後の戦争となった大阪夏の陣からでもすでに20年、その前の、事実上の戦国最終戦争である関ヶ原の戦いからだと35年が経っていたわけで、人間の寿命が50歳と言われ、40歳になると隠居していた当時からすれば、戦争というのは遠い昔の出来事になっていたわけですね。

(関ヶ原当時、15歳だったとしても、ぎりぎり、生きているかどうか。)

無論、架空のドラマですから、一々、真に受けるわけではありませんが、ただ、考えさせられる話ではありました。

つまり、現代の日本と一緒で、戦争を知っている人たちというのは、皆、わずかな老人たちだけであり、本当に戦場を知っている侍というのは殆ど居なかったわけですね。

ちなみに、あるマンガで、夜中に、東京タワーを警備していた警官隊へのテロが行われたときに、付近の住宅で寝ていた老夫婦が、この、ただならぬ物音に目を覚まし、夫人が怯えた声で、傍らの夫に、「お父さん、あの音、何でしょうか?」と言うと、夫は寝たまま、「ああ、あれは機関銃の音だ。昔、南方で聞いたよ」と平然と答えるというシーンがありました。

平和は尊い物です。永遠に続く限りは。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

聞いてビックリ!今時の若い人の食事

 

今月から、本格的に食養生相談を始めました。

西洋医学的な栄養指導とは違って、薬膳食養生は、食物の性質を主眼としたものです。

皆様の体質も、冷え性、のぼせ性、胃腸が弱い、体に余分な水が溜まりやすい体質などとあるように、食材にもそれを解決してくれるものがそれぞれにあります。

例えば、お腹を温めるものには、ニラ、鮭、鱒、黒砂糖など。ストレスを発散してくれるものには、らっきょう日本蕎麦、柑橘類、ジャスミン茶など。

これらを一覧にしたシートを作り、好き嫌いチェックしていただくのと、3日分の代表的な食事(朝、昼、夜、間食)を書いて持ってきて

いただくことで、それぞれの問題点と、今の体質を改善してゆく食事法をアドバイスすることができます。

シートを持ってきていただくと、なるほど!何故その方がその病気になっているのかがとてもよくわかります。

例えば、ストレスを溜めている方にかぎって、ストレスを発散する理気類は殆ど口にしていなかったり、冷え性で胃腸が弱く悩んでおられ

るのに、朝食がヨーグルトとバナナ(毎日)、野菜は生のサラダばかり、夕食は殆ど毎日おさしみをいただくなど。

しかしこれならまだ普通の方で、もっと信じられないことに、主婦なのだけど、家には包丁もまな板もなく、毎日スーパーのお総菜を並べ、お昼はハンバーガーか、コンビニ弁当。そして、この方の子供さんはアトピー中には、朝夕液体プロテインだけが食事という方もありました。これでは体質以前の問題です。

何でも揃う、便利な世の中になりましたが、それが原因の病気が急増しています。アトピー、不妊症、ガン、糖尿病・・・などなど、なかなか治らない病気!その殆どが食事に問題があるように思われます。

皆様もご自分に合った食養生を始めてくださいね。

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

油の特長を生かした調理

 

一般的にサラダ油と呼ばれる油は、菜種、綿実、大豆サフラワー、ひまわり、コーン、落花生、米から作られた植物油を二種類以上混合し、精製され調合されたものを言います。サラダ油には、コレステロールの原因として有名な飽和脂肪酸が多く含まれていますが、植物油と言ってもすべて同じではありません。中でも、サフラワー油とキャノーラ油は、不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸を多く含む良質な油です。ごま油は、体内の過酸化物質や活性酸素の生成を防ぐ働きのあるセサミノールなどのほかカルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛などのミネラル、リノール酸やビタミンEを豊富に含んでいるので、炒め物や和え物に積極的に利用したいものです。荏胡麻油は、必須脂肪酸であるαリノレン酸が豊富です。米国で人気のフラックスシードオイルと呼ばれる亜麻仁油も、新陳代謝を高め、心臓血管や免疫システムなど体の機能を高めるオメガ3脂肪酸をはじめ、ビタミンEが多く含まれる素晴らしい油です。

どちらも発火点が低く加熱に弱いので、炒め物には向きませんが、マリネや和え物、またはスープやサラダにかけて取り入れるとよいでしょう。オリーブオイルは、他の植物油と異なり、種からではなく、果肉から作られる油です。ガン細胞を発生させる過酸化物質の形成を防ぐ働きのあるオレイン酸の含有量が極めて高く、豊富なビタミンEとポリフェノールが、活性酸素の発生を防ぎ、そのままでも美味しく、炒め物にも揚げ物にも利用できる大変理想的な油です。一番絞りとされる緑色のエキストラ・バージン・オリーブオイルは、栄養素的に味覚的にも優れているので、様々な料理に活用したいものです。風味も味もマイルドな黄色のピュア・オリーブオイルは、炒め物や揚げ物に利用するといいでしょう。 毎日の料理に使用する油を正しく選び、その特長をいかした調理が健康的な生活に重要な位置を示しているようです。

(文:アメリカ東海岸在住、フラウ山田/絵:吉田たつちか)  

 

 

愛煙家には厳しい時代に

 

愛煙家には耳の痛い話だが、近年の喫煙事情は世界中で変化しつつある。私が住むニュージーランドやノル ウェーなどは、公共の場での喫煙が禁じられている。レストランやカフェ・バー、飲み屋などがその対象の例に挙げられるが、基本的には屋外での喫煙は認められているため、オープンカフェなどが愛煙家に好まれている。この禁煙法が施行されてから、慌しく飲食店舗の外にテーブルと椅子を設置し、オープンエリアを作った店も少なくなかったようだ。そして、ここで注目したいのがタバコの値段だ。

日本での一般的な銘柄のタバコの値段が300円程度に対しイギリスやニュージーランドでの一般的な値段は1000円以上はする。こうして日本と他国との喫煙事情を比べると、 まだまだ日本はタバコに対して甘い側面をもっている。

例えば、ニュージーランドの法律で、喫煙者であることを理由に社員の雇用を拒否する権利が認められている。とんでもないような話だが、この権利の理由として、早死による会社への利益損失、勤務時間中の禁煙による業務の停滞などが挙げられるそうだ。実際、喫煙者によるイメージダウンや評判を懸念して、 喫煙者の雇用を禁止している企業もある。  とは言えども、これは喫煙者に対する差別だと悲鳴をあげる人も少なくない。日本に比べると喫煙者の比率はかなり少ないが、それでもやはり愛煙家に対して少し厳しすぎるのが現状で喫煙者が肩身の狭い思いをしていることに間違いはない。職場での喫煙の良し悪しは別にして、禁煙を希望している人に対して、国や会社からのサポートも重要なのではないかと思う。

(文:ニュージーランド在住、Reeoko/絵:吉田たつちか)

 

雲形で天気予報

 

天気を予報するときに気象予報士が使う天気図には、各観測地点の気温や湿度など、色々な気象情報が出力されています。雲も形も天気を予報する際に必要となるとても重要な要素の一つです。それを、高度や形状によって、国際的に10種類に分けたものを「10種雲形(じっしゅうんけい)」といいます。みなさんが普段使っている「入道雲」などの俗称に沿って10種雲形を説明していきます。 まずは空の高い所にできる雲から。「すじ雲」と呼んでいるものは、白くて細いすじ雲で、「巻雲(けんうん)」といいます。  

白くて小さい、やや丸みを帯びた、魚のうろこのような雲を「まだら雲」と言ったりしますが、10種雲形では「巻積雲(けんせきうん)」といいます。  

空に薄いベールがかかったような「うす雲」を「巻 層雲(けんそううん)」といいます。太陽や月は暈(かさ)をかぶります。  

次にやや高い所にできる雲。「ひつじ雲」や「むら雲」と呼ばれる雲を「高積雲 (こうせきうん)」といいます。 空を灰色に覆う雲「おぼろ雲」は、「高層雲(こうそううん)」といいます。

高層雲よりも暗く空を覆う雲「あま雲」を「乱層雲 (らんそううん)」といいます。  

さらに低い所にできる雲になると、「くもり雲」と 呼ばれる、決まった形のない黒いかたまりの「層積雲 (そうせきうん)」や、「きり雲」と呼ばれる灰色や 乳白色をした「層雲(そううん)」があります。  

また、「つみ雲」「わた雲」と呼ばれる、青空に浮かぶ白い雲を「積雲(せきうん)」、「入道雲」は、「積乱雲」といいます。  

国際天気図には、例えば「積雲から積乱雲に変化しつつあるもの」、など、変化の過程にあるものも表現 できるように、約30種類の記号で表現されているのです。

(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

 

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<編集後記>

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