おもしろコラム通信 5月号 2008.5.05 No.049

 

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現代医療の落とし穴

高血圧、糖尿、アトピー性皮膚炎、ガン・・・等、見かけ上なかなか改善しない病気。こんなにも現代医学は発展しているのに、何故治すことができないのだろうか?

それは、治す方向がずれているから・・・。

例えば、風邪! 風邪は体力の低下、冷え、度重なるストレスなどで免疫力が低下したときにもらってしまう。

従って、十分に体を休め、胃腸をいたわる食事をすれば、自然に回復し、風邪をひかない体質を作ってゆける。

風邪をひいたときの発熱は、ウイルスをやっつけるための体の防衛反応であり、鼻水や咳もウイルスを排泄するための反応。

ところが、人間はこれをイヤなもの、あってはならないものとして、忌み嫌ってしまったのですね。

だから治療家は、民の声に応え、不快な発熱は解熱剤で抑え鼻水や咳は無理矢理に止めてしまう。不快感が消えれば治ったとする。それで、自力で治る機会を失うわけです。

高血圧にしても、糖尿にしても、ガンにしても、皆同じ。原因が判らないのに表に出ている所を消そうと必死になっている。

何で体は血圧をあげているのか?どうして血圧を上げなくてはならない状況なのか?という事を無視して、ただ無理矢理に症状を抑えこもうとする!だから治らないわけです。

これは、医療者ばかりを攻めても仕方がないです。もともと自力で養生する!という医療教育が我が国にはありません。

だから病気になったら即病院に行って、治してもらうのが当たり前!

不快な症状がとれれば、病気が治ったという錯覚!

しかし患者さんが「とにかく痛みを早く何とかしてくれ!」と訴えているのに、「今の症状は治るための、大切な治癒反応!もうしばらくの辛抱です。・・・となれば、おそらくその病院は潰れてしまいますよね・・・。

安保先生は大多数の常識を覆すようなこの事実を、「辛抱強く啓蒙してゆく必要があるね!」とおっしゃっていました。

私の薬局には、病院に長年かかっても良くならず「何かおかしい!」という気づきがあった方ばかりが訪れます。(中途半端な気持ちの方はわざわざご遠方からやってこられませんから・・・)

世の中の9割以上の方が「漢方は、高い!効き目が遅い!怪しい!養生なんてなまぬるい!面倒だ!そんなもので病気が治るか!」と思っておられるので、ごく僅かの気づきがあった方のみしか、わざわざやってこられません。

ですので、こちらも真剣になって養生の仕方をアドバイスすることができ、皆さん真から元気になってゆかれます。

多くの方が体の反応を知り、それを助ける漢方や養生と出会えば、治癒する病気が山ほどあるのに、残念ですね。

ただ、これ以上患者さんが増えると、丁寧なアドバイスができなくなるので、このくらいでよいのかも(笑)啓蒙するには、養生をアドバイスできる治療家も増やさないといけませんね。(安保先生との対談からB)

(薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

低気圧の通過

中緯度帯に位置する日本では、梅雨前線等の前線が停滞する時期以外はおおむね、高気圧と低気圧が、西から東へ交互に通り過ぎ、日々のお天気を変えています。

高気圧の前面は下降気流域になっているため、それそのものによるお天気の崩れはほとんどありません。

しかし高気圧後面から低気圧前面にかけては上昇流域になり、空には高いところに雲が現れ始めます。気温も上がります。

このころ、しとしとと雨が降ることがありますが、それは温暖前線が通過することによるものです。そのあとは南よりの風が吹き込んでさらに気温は上がりますが、空は次第に暗く、厚い雲に覆われるようになってきます。

やがて雲が低くたちこめるようになってくると、激しい雨になります。これが寒冷前線の通過です。このとき、場合によっては、雹(ひょう)が降ったり落雷が起こったりすることもあります。

そして雨が上がると、急激に風向きが北寄りに変わり、風速も強くなり、気温も一気に下がります。

しかしそのころには低気圧の下降流域に入っていて、次の高気圧につながっていくので、次第に風お天気ともに安定してきます。

そうしてまた高気圧の中心が過ぎると空高くに雲が現れて……、と、それを繰り返して日本のお天気や、大きく言えば季節は変化を繰り返していくのです。

高気圧や低気圧の進行速度は、上空を流れる偏西風・ジェット気流の速度に影響されます。上層から下層までの風や湿度等の要素を考慮して週間天気予報などが毎日発表されているのです。

「風の向くまま」とか「風にまかせて」ということばもあるように、お天気の移り変わりにもおおらかでありたいと願います。

(気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

福澤諭吉は勝海舟が嫌いだった? 

明治草創期、新政府で勢威をふるった薩摩・長州の二大派閥。

薩摩人は、新政府構築についての意見を勝 海舟に仰ぎ、長州人は福澤諭吉に求めたといわれています。

二人は、まさしく、当時を代表する新時代の知識人だった。

勝も福澤も、共に、当時の社会体制にあっては優遇された立場からのスタートではなかったこともあり、門閥優先の封建制度を激しく嫌悪しており、優れた能力者同士、一度出会えば、すぐに肝胆相照らす仲であったように思えるのですが、実際には、両人の仲はあまり良好なものではなかったようで、特に福澤は、勝が維新後に栄達を得たことを批判するなど、生涯にわたり批判的でした。

この、福澤の「勝嫌い」は、元を辿れば万延元年(1860年)、咸臨丸での太平洋横断に始まります。

このとき二人は、遣米使節団の一員としてアメリカ合衆国へ渡ったのですが、後に福澤をして、「蒸気船を初めて目にしてから、わずか7年たらずで、日本人の手によってのみ行われた世界に誇るべき名誉」と言わしめたほどのこの大航海ですが、実は、初めて経験する太平洋の荒波の前には、日本側乗組員の大半はまるで使い物にならず、事実上は、同船していたアメリカ側乗組員の手によって、相当の部分が運行されていたとか。そして、この点は事実上の指揮官として、また、海軍通の第一人者を自認していた勝も例外ではなく、特に、伝染病の疑いが懸念されたこともあって、航海の大半を自室に閉じこもって終えたのに対し、逆に福澤は医学的知識が豊富だったこともあって、船酔いもせず病気にもならなかったことで、福澤の、勝を見る目は太平洋の海面よりも冷たかったでしょうか。

さらに、福澤の目を厳しくしたのが、勝が艦長・木村摂津守喜毅に次ぐNO.2として、事実上の操船指揮官であったのに対し、福澤は、その、木村の従者として、自費での乗船だったことでした。

そういうと、従者待遇への不満が原因であったかのようですが、ことは勝の「上司」にして福澤の「主」である、この木村という人物に起因します。

木村喜毅は、勝・福澤と違い、浜御殿奉行の嫡子という名門の家に生まれました。従って、叩き上げの実力派を自認する勝からすれば、木村という男は、「名門の出」というだけで艦長の役職を与えられた唾棄すべき存在であり、このため、勝はこの航海中、木村を露骨なまでに無視・・・、というよりも、いじめ抜きます。

しかし、一方で、木村は、元々、幕臣でも何でもない福澤の乗船を許したくらいですから、身分を鼻に掛けるだけの無能な人物などではなく、航海中も、外に出るときは福澤を従者として扱ったものの、一旦、自室に戻ると、年下の福澤を自分と同じ椅子に座らせ、「師」として遇し、真摯にその意見を聞いたとか。

これなどは、「同じ価値観を持つ一級の人物同士でも、見る位置が違えば、これほどに違って見える」・・・という好例でしょうか。

従って、福澤からすれば、勝というのは、木村の人となりを見ようともせず、「ボンボンだから無能」と決めつけ、ことあるごとに偉そうなことを言うくせに船酔いばかりで何も出来ない嫌な奴以外の何ものでもなく、一方で、勝の度重なる嫌がらせにも温顔を崩すことなく耐えている木村の姿・・・。たぶん、私が福澤だったら、たとえ、勝の学識や人物は認めたとしても、「こいつとは、一生、付き合うことはない」と思ったでしょうね。もっとも、勝からすれば、木村はともかく、何で自分が福澤からこんなに嫌われているのかは困惑ものだったでしょうが・・・。

 

体調が悪い時の食事  

日本ではようやく春が到来し太陽が燦燦と照る真夏までカウントダウンが始まりましたが、南半球のこちらではサマータイムも終わり冬が訪れようとしています。

気温がぐんと下がり体調を崩す人も多く見られるようになりましたが、皆さんは調子が思わしくない時は何を召し上がりますか?やはり定番はお粥でしょう か?

できるだけ水分をしっかりと摂り、消化の良いものを食し熱のある時には良質のたんぱく質やビタミ ンCも不可欠ですよね。

我が家ではお粥に梅干しやうどんがお決まりのコースでしたが、知人の病気の時の定番コースを聞いて驚きました。

カンボジア人の友人が体調が思わしくないと言い出し、お粥を炊きはじめました。さすが同じアジアなだけあり、日本と変わりないなと思っていたところ、お粥のトッピングにカリカリに焼いたベーコンと、ニンニクで炒めたこってり味のビーフをのせ始めたのです。私は心の中でベーコンにビーフ?と疑問を抱きながら、消化に悪いなと思っていると、それを見たイタリア人シェフが、そんな消化の悪い物を食べるなら食べない方がマシだと、彼の為にトマトソースのパスタを作り始めた。え?パスタ?私は思わずイタリア人シェフにイタリアではパスタを食べるのか聞いてみた。日本では病気の時にパスタを作って食べる人はまず居ないであろう。するとシェフは彼の故郷では野菜をふんだんに使ったトマトソースのパスタが定番であると教えてくれた。

また他の国の人に出会う機会があれば是非、病気の時の食事を聞いてみようと思う。ちなみにカンボジアでは火傷をした時は、患部に歯磨き粉を塗るか醤油を垂らすそ だ。試すのに少し勇気がいるが、いつか一度トライし てみたい。

 

 

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材  料 (1束分)
ふき 1束
大さじ1


(電子レンジ料理研究家 MaRoママ//絵写真共)

 

 

 

 

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<編集後記>

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