おもしろコラム通信10月号 2008.10.08 No.054

 

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明治維新は日本人的うろたえの賜物   

私は「西洋史」というものを初めて読んだとき、それまで慣れ親しんでいた日本や中国といった「東洋史」との、そのあまりの異質さに驚いたことがあります。

即ち、それまでの日本や中国の歴史では、敵軍を打ち破って敵将を捉えたなら、そのまま首を刎ねて戦いに決着を付けるのが常識だったのに対し、西洋社会(特に中世)では敵将を捉えたら、何と、身代金を要求し、身代金を受け取ったら敵将を釈放するという、戦争と経済とを密接に結びつけて考える、西洋独特の思考法です。

明治以降、日本が世界の中に乗り出すに当たって、この斬新な考え方を理にかなった物として捉え、日清・日露戦争などに代表されるように、勝ったら賠償金に代表される利益をもらう・・・などという考え方を取り入れたのは、当時の日本人にとっては「新思考法」と言ってもいいような発想の転換だったのではないでしょうか。

ただ、日本人は、これらの発想の転換を、子供のように受け容れたこところまではよかったものの、口では脱亜入欧などと言いながらも、やはり、哀しいかな、首から下はしっかりとアジアのDNAが充ち満ちていたようで、時を経るに連れ、段々と、領土欲という、単なる自己満足への傾斜が著しくなっていったことが、バランスシートで見たならば大赤字でしかなかったと言われる不毛な侵略戦争の実態であったと思われます。

ここで、日本という国の特徴を挙げると、四囲を海で守られていたことで、近隣諸国と接触することなく、言うならばギアナ高地状態で独自の進化を遂げてきたことにあるでしょう。

そのギアナ高地に緊張を与えた外部勢力からの受動的接触を挙げるなら、第一が渡来人(大和朝廷)による縄文人侵略、第二が白村江敗戦、第三が元寇、第四がペリー来航であるかと思われます。

これを見ると、グローバル化が進む以前は、面白いものでほぼ600年周期で起こっており、つまり、外国が日本に興味を示すのは、600年に一回程度のことだったと見ることができるのではないでしょうか。

日本人には、もともとが、そういう経験、免疫が極端に少なかったところへ、ある日突然、ペリーが艦隊を率いてやってきたのですから、周章狼狽、清国のように異人の奴隷にされるのではないかという恐れが生まれ、それが、そうならない為にはどうすればいいかという真摯な姿勢で対処することに繋がり、ひいては結果的に、夷敵の優れているところを学ぼうという虚心坦懐な思考へと変化していったことのように思えます。

ところが、中国や朝鮮半島などは、日本と違い、地勢的に孤立していないことから、古来より、異民族による侵略の洗礼を受けてきており、そのことが欧米列強の進出に対する反応を鈍くしたと思うのです。

それまでの、モンゴル人にしても満州族にしても、皆、中原に侵入しきたものの、その後は、「己の蛮風を恥じ、中華の徳に倣う」ことを良しとしてきたわけですが、ところが、19世紀になってやってきた「西洋」という新たな蛮族は、愚かにもそれをしなかった。

「西洋人」は決して、中華に同化しようとはせず、寄生虫のように、ただただ、利益だけを吸い続けたわけで、おそらく、彼らが「西洋」という、これまでの蛮族とはまるで違う、異質な存在に気付いたのは、日本が脱亜入欧などと言い、いち早く、西洋化を進めたことで、列強化した時点であったのかもしれません。

(文:小説家 池田平太郎)/絵:吉田たつちか)

 

とれない痛み

長く臨床をやっていると、不思議にとれない痛み・・・というものに遭遇することがあります。

炎症があれば、清熱剤。血行が悪く、不通則痛であれば、温め血行を良くして通じさせるお薬。湿が原因であれば?風湿薬。虚痛であれば、補気類、補血類。等など原因に応じてお薬を出せば、どんなにお年寄りで頑固な痛みであっても、一週間もすればそれなりに効果が現れてくるものです。

ところが、きちんと弁証してお薬を出し、微調整しても全くプンともスンとも反応してくれない痛み・・・というのがまれにあります。 勿論こういった中には、お薬をきちんと飲んでいなかったり、養生を全くする気がない方があり、これは問題外!

この不思議な痛みを持つ方に共通する傾向は・・・

1、とても痛いと訴えるが具体的な痛さが答えられない(こちらからは元気に見える)

2,病院の検査でも全く異常なし

3,薬を次々に試したくなる (即効性を求められる)

4,被害者、犠牲者意識がとても強く、この痛みのせいで、何もできない!と訴えられる

5,精神的ストレスで悪化する

私は、この種類の痛みは、潜在意識的な痛みであると考えています。例えば、右腕に痛みがあったが、交通事故に遭い、右腕が切断されてしまったその後も、無いはずの右腕に痛みを感じる・・・・という話があります。これは、脳の右腕の部分が痛みを発していると考えられています。

もしも、幼い頃、あるいは過去世、またはご先祖等に、忘れられないような強い痛みを伴う出来事があり、その気持ちや感情が癒されていない場合、潜在意識的に痛みを受け継いでしまうことがあっても不思議ではありません。

こんなことを言うと、中医薬剤師らしくはありませんが、まずは自分が生を受けていることに対する感謝の気持ち、有り難さをかみしめてください。そして、「ありがとう」の一言でよいので、ご先祖さまにその気持ちをお伝えください。

特に潜在意識が開いてくる寝入りばなに、毎晩「ありがとう、ありがとう、ありがとう」を心で唱えてみてください。

あとは、アドバイスした食養生+漢方を、前向きにコツコツと続けて、治す意志を持っていただければ、必ず良くなると思います。痛みばかりでなく、抜けられない症状でお悩みの方も、これを実行してみてください!

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

10月は乾燥が始まる季節!   

9月のあいだは、残暑がぶり返すことがあったり台風がやってきたりと、まだまだ雨が降ることも多く、湿度も高い状態が残ります。

しかし10月に入ると、もう本格的な秋を迎えます。

「女心と秋の空は変わりやすい」と言いますが、それもまた事実で、春先のように、雨が数日続いたかと思うと晴天が数日続くといったように、周期的にお天気は変化します。しかし春のお天気と決定的に違うのは、晴れた日の湿度です。

春先の晴天をもたらすのがおおむね温暖な高気圧なのに対し、秋口にやってくる高気圧は大体がシベリアからの高気圧です。シベリアと言えば真冬の冬将軍の出身地! 冷たくて重い空気のかたまりです。シベリアはご存じのように陸地ですので、陸で生まれ育った高気圧は乾燥しています。だから秋から冬の寒侯期には乾燥したお天気が続くのです。

また、年によっては10月に入ってもまだ完全な秋とは言えない年もあります。そういう年は、シベリアの高気圧と、夏の暑さをもたらす太平洋高気圧が日本付近で衝突し、いわゆる秋雨前線を形成します。これは梅雨前線や菜種前線と同じ停滞前線で、長期間に渡ってしとしとと雨を降らせ続けます。いちどきに降る雨の量は少しずつでも、山の斜面などでは水分がどんどん蓄積されていくので、あまり長く雨の日が続くと、土砂災害の危険も出てくるので警戒が必要です。

10月といえば秋も真っ盛り。一年でいちばん過ごしやすい月ではないでしょうか? それだけに登山に出かけたりスポーツをしたり、アウト・ドアでのレジャーの計画を立てている方も多いと思います。しかし、「女心と秋の空」です。

お天気の急変には気をつけてくださいね! (気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

鬼女紅葉を狩る

四季の移ろいを愛でる慣わしは、千年以上の昔より伝わっております。桜が咲いたら花見、中秋の名月を楽しむことを月見と称します。しかし、晩秋の声を聞かせてくれる紅葉だけは、「見る」ではなく、「狩る」と申します。

これには訳がございまして、平安の頃、妖術を使ったという噂により、京の都を追われた女が、現在の長野県、戸隠に蟄居しておりました。名は、紅葉。元々は、会津出身で、才色兼備。京都に上ってきた折、源経基の目に留り、腰元として迎えられることになりました。美しく、機知に富み、琴の名手でもあった紅葉は、経基の寵愛を一身に受け、局の官位まで賜ります。しかし、先に述べました妖術の噂により、都を追放。戸隠は鬼無村の人には、大事にしてもらいましたが、目を閉じ浮かぶは、華やかな都のことばかり。

紅葉は都に帰りたいという一心で、路銀を得ようとしました。その方法は、山賊を手下に、近隣の村を襲い、金品を奪う。度重なる強奪事件は都にも聞こえ、討伐隊を送り込む運びに。この頃、紅葉は本当の妖術を身に付け、都から自分を追った人々への憎しみを募らせていました。そこに、討伐隊が到着。「鬼女紅葉を狩るよう。」討伐隊隊長、平維茂が命令を下す。鬼と呼ばれた紅葉は、妖術を使い、抗戦。一時、討伐隊危うしと思われましたが、維茂が夢枕で謎の老人より授かった降魔の剣により、紅葉は遂に三十三年の命を散らしました。

この「女鬼紅葉伝説」が元となり、能や歌舞伎の台本が書かれ、上演を重ねていく内に、紅葉を見ることを、「紅葉狩り」と呼ぶようになったのです。

普段、何気なく口にしている言葉の背景に、悲しく哀れな物語があったことを覚えていてください。一説には、カエデが赤く色付くのは、紅葉の血潮がかかった為とも言われています。今年はただ、行楽をするだけでなく、鬼と呼ばれた女を偲んでみてはいかがでしょうか。紅葉の無念も、少しは晴れるでしょう。(文:コラムニスト 朝比奈うろこ/絵:吉田たつちか)

 

さんまのみぞれ和え  

昨日のさんまの塩焼きが・・・・・残り物がおいしく変身します

完成写真

材  料 (4人分)

さんまの塩焼き

2尾

大根
きゅうり
土しょうが

15cm
1/2本
ひとかけ

合わせ調味料
 酢
 砂糖
 塩


大さじ 2
大さじ 1
小さじ 1/3


作り方

@

さんまの塩焼きは、さめたまま 骨から身をはずして、

手で荒くほぐしておく。

A

大根は,布巾 またはキッチンペーパーを敷いた容器に

すりおろし、布巾を持ち上げ、水分を軽く絞る。

合わせ調味料を加え 味をなじませておく。


B


きゅうりは スティック状に タテ6本に切り、1cm

ぐらいの角切りにする。土しょうがは、みじん切りにする。
 


C


合わせ調味料を加えた 大根おろしに、さんま・ 

きゅうり・土しょうがを加え、軽く混ぜ合わす。           

(文絵写真共:電子レンジ料理研究家 MaRoママ)

 

9月新規登録のコラムニスト

・朝比奈うろこ

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=9本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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