おもしろコラム通信7月号 2009.7.01 No.063

 

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損な役回り、蒲冠者範頼  

源 範頼という人をご存じでしょうか。

「源」と名が付くことでもおわかりのとおり、源氏の一門で、源 義朝の六男、つまり、源 頼朝の異母弟にして源 義経の異母兄に当たり、通称、蒲冠者範頼と呼ばれる人物です。

ただ、二人の才人の兄と弟の間に挟まれ、どうしても影が薄く、また、源平絵巻を構成する上では、義経の功績を光り輝かせる上で損な役回りを背負わされたようですが、実際にはそれほど無能な人物でもなかったようです。

源平合戦に置ける源氏軍の構成は、二人が共闘した宇治川、一ノ谷の両合戦に置いては本軍司令官・範頼、別働隊司令官・義経という割り当てになっており、それは、「凡将範頼が苦戦しているところを、天才・義経が寡兵を率いて姿を現し撃破」・・・という構図になりがちですが、義経の働きも結局は正面で敵を引き付けた本軍の激闘あってのことであり、範頼にしてみれば、「殆ど、戦ったのはこちらなのに、美味しいところだけ持って行かれた」・・・的な感もあったでしょう。

また、一ノ谷合戦後、義経が干された際には、範頼が単独で平氏追撃戦を行ったものの、その進撃は停滞してしまったのに対し、再び登用された義経は、あっさり、平家の前線基地・屋島を攻略し、そのまま、壇ノ浦まで義経の快進撃が続いたことも範頼無能説を裏付けることになったようですが、義経の屋島攻略もまた平氏の主力を牽制した範頼の本軍あってのものだったと言え、さらに言えば、範頼軍のもたつき自体、補給に目処が立たぬのに、頼朝が無理矢理、進撃を命じたことにあったわけで・・・。

補給は本来、後方業務を担っている頼朝の責任だったのでしょうが、頼朝としても大消費地である京都で3

万もの兵士の食糧を調達することは容易ではなく、このまま、京都に置いておくことは、木曽義仲の二の舞になる可能性が危惧されたということだったのでしょう。

つまり、何でも良いからとにかく出発しろ・・・と。

その後、範頼は兵糧不足などの厭戦気分から勝手に帰国しようとする御家人たちを説き伏せ、豊後国(大分県)豪族の協力などを得てようやく、兵糧と兵船を調達すると、一路、九州に上陸し、そのまま北部九州を制圧・・・。

これにより、平氏軍は最後の砦とする長門国彦島(下関市)に孤立することとなってしまったわけですから平氏の滅亡はこのとき、決まったと言ってもよかったでしょう。

そこへ、屋島を制圧した四国担当の義経が合流してきたわけですから、範頼からすれば、苦労しながら王手を掛けたところへの合流だったわけで・・・。

結局、壇ノ浦合戦は範頼が憂慮していた通り、義経の一人勝ちのような形となってしまうも、それらのスタンドプレーは、やがて頼朝との対立を招き、結果、義経は都を追われ、奥州の地で自害。

しかし、頼朝の後継資格者排除の動きは、義経の轍を踏むことの愚を憂慮していた範頼にも向けられ、建久四年(1193年)、範頼は色々と言いがかりを付けら

れた挙げ句、ついに、伊豆国修禅寺に幽閉され失脚、後に誅殺されたと伝わっています。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

 

海に沈むことのない2つの星座   

一年中海に沈むことのないおおぐま座とこぐま座。この二つの有名な星座が海に身を隠すことができないのには、とても悲しい理由があるのです。

ギリシア神話の大神ゼウスがまた人間の美女カリストに浮気をしました。当然ゼウスの正妻ヘラはそれを許しません。ヘラは夫の心を奪った罰として、カリストを人よりもはるかに大きな熊に変えてしまいました。人の心が残っていて、自分の身に起きた悲劇をいくら嘆いても、それは恐ろしい熊のおたけびにしかなりません。カリストは人目を避けて森へ逃げ込みました。

それから何年かしたある日のこと、カリストを狙う狩人の青年と出会いました。それはなんと、カリストとゼウスのあいだに生まれた息子の成長した姿だったのです。カリストは自分が熊の姿をしていることも忘れ、青年を抱きしめようと思い近寄りましたが、青年にはそれが母だとは思いもよりません。当然のように、向かってくる熊に槍を突きたてようとしました。

それを、間一髪、ゼウスもさすがに見かね、息子を小熊の姿に変えました。ゼウスはヘラがカリストを熊にしてしまったことにも長年悔いを感じていたので、二人がもう決して離れることのないように、おおぐま座、こぐま座として天上に置いたのでした。

しかしヘラは、自分がカリストを熊にしたことが彼女たちが天へ上がってくる結果を招いてしまった上に、天でも一番目に付くところに置かれたことに対して腹の虫が治まらず、海の神々に頼んで、この二つの星座が決して海に沈まないようにしてくれと頼みました。ヘラは、カリストが海に隠れたあいだにまたゼウスと親しくなるのではと嫉妬したのです。

だからこの二つの星座が海に沈むことはないのです。

(気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

ちょっとの心がけで、豊かな暮らし

最近、少しだけ風水の本を読み、実践してみることにしている。この不況のご時世、何とか開運してみたいではないか!

「風水」というと、どの方角に何色の物を置けば金運

が・・・というイメージで何やらお金が掛かりそうで我が家には敷居が高い。なので、できるところだけかじるのである。

まず、何を始めたかというと第一に「掃除」と「要らない物の処分」である。汚い空間やいらないものの多い空間には良くないエネルギーが充満するらしい。

いざやり始めると、着ない服やいらない物が案外多いのに驚いた。普段、ついつい後回しにしてしまう水周りの掃除も念入りに。リビングにマイナスイオンが出るという観葉植物を置いてみた。これで少しは陽のエネルギーが満ちてくると良いのだが。

少し実践してみて、感じたのは色んな意味で気持ちが

スッキリしてきたこと。ゴチャゴチャをスッキリさせるとこんなに気持ちがいいものなのか!綺麗な住まい万歳である。

宝くじの高額当選や庭から小判が出てくるなんてことは未だ起こりそうもないけれど、ちょっとの心がけで暮らしが豊かになってきたのは収穫だ。

綺麗に片づけたテーブルに小さな花を生けて、今日もおいしいごはんを作ろう。

何だかそういう風に思える事が既に「開運」なのかもしれない。でも欲を出せば、たまたま買った宝くじがまさかの当選!などをちょっぴり夢みながら日々掃除に励むのである。夢くらいは大きく持たなくっちゃ。

(主婦 ナナ/絵:吉田たつちか)

 

 

血に関する老化 

若い頃は血気盛んな方もだんだんと歳とともに衰えが見られます。それは、血の生成が衰えるためです。

ご存じのように、血は全身を栄養しているわけですが、特に血の消耗が激しい部分は、脳と目。そして肝や腎もそうです。

皆さんが物事に集中したり、考えをまとめたり、良いアイデアが浮かんできたりするのは、脳が十分に血で満たされているときです。

ひとたび血が少なくなると、頭がぼうっとして、考えがまとまらない。忘れっぽい。やる気や気力が起きてこない。そして熟睡できない・・・などの症状に見舞われます。

また、目は多くの毛細血管の集まりです。血液が勢いにのって順調よく流れていれば、目は明るいのですが、パソコンのやりすぎ、テレビの見過ぎ、夜の読書等により、血を消耗すると、いっぺんに毛細血管の血流が低下し、目がかすむ、見にくい等の症状が出てきます。

肝や腎も毛細血管の集まりです。細かい血管に目詰まりを起こしたり、流れが細くなると、本来の機能を発揮することができません。 肝は体の各要所に血液を分配したり、体に入ってきたものを解毒したり、ストレスを上手くコントロールする働きをもつので肝の働きが落ちると非常に疲れやすくなります。    

また、腎は、成長、老化防止、ホルモン系の産生に関わる臓です。腎の血流が低下すると、体が冷え、足腰が痛む、耳が遠くなる、白髪、禿など老化症状がでてきます。

血はとても大切ですね・・・。

次回は、血を増やす養生、血を無駄遣いしない養生についてお話しますね。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

食の宝庫、ニュージーランド 

ニュージーランドの町を歩くと、出くわすのは、中国人、インド人、ブラジル人、韓国人と多国籍だ。それもそのはず、国勢調査では人口の70%弱がヨーロッパ系、あとは少数ずつ先住民のマオリ族、アジア系、太平洋の島々から移り住んでいるアイランダーと呼ばれる人種で分類されている。

街中にはあらゆる国のレストランがあり、地元のスーパーマーケットにでさえ、イタリアコーナー、フランスコーナー、メキシカンコーナー、もちろん日本食品や、お隣の韓国コーナーも存在する。タイ料理の代表格、トムヤンクンが食べたければ、いとも簡単に全ての材料が買い揃えられる。中でも驚くのが、缶詰類の種類の豊富さだ。タイ産のバナナの缶詰、サモア産のココナッツの缶詰、リンゴや、アロエベラ 苺、白身魚、牡蠣と何でもある。ちなみに地元の人達に人気の日本食材といえば、

市販されているカレーのルーと、マヨネーズだ。

一般家庭でも日本のカレーのルーを使ってカレーを作りサラダには日本のマヨネーズで和えるというのも普通にありえる話だ。実際、私が働くカフェで日本のマヨネーズはありますか?と聞かれたぐらいだ。色々な人種が互いに生活しあう中で、美味しいものを探し求める。

てんぷらに凝っているカンボジア人がいたり、トルコ料理のケバブをほお張りながら歩いている日本人、ちなみに私はインドのスパイスを買いあさり、インドカレーにはまっている。

世界のどこからも遠い小さな島国ニュージーランドだがある意味、食の宝庫と言えよう。

(ニュージーランド在住、Reeoko/絵:吉田たつちか)

 

6月新規登録のコラムニスト

・徳地沙紀子(愛知県)

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=12本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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