おもしろコラム通信10月号 2009.10.02 No.066

 

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「国富て民貧す」と「民富て国貧す」  

 享保の改革で知られる八代将軍徳川吉宗に対し、尾張藩第七代藩主徳川宗春は、それを真っ向から否定するような政策を打ち出したことで知られています。

質素倹約、質実剛健を旨とし、大奥をリストラし、自らも質素な服をに身を包み、食事の品数を減らすまでして国家財政立て直しに奮闘した吉宗に対し、宗春は「消費を抑制することは国民生活を苦しめ、結果的に財政再建に逆行する」として、名古屋城下に遊興施設を誘致し消費拡大政策を採る・・・。

二人の主張は、今日でもどこかで聞いたような話にも聞こえますが、これは、どちらが一方的に正解で、どちらが一方的に不正解という類の物ではないように思います。

すなわち、民主制というのは、とかく、選挙民からの指示を得るために国民の歓心を買おうとする傾向があり、その結果、「民富て国貧す」となりがちであるのに対し、独裁制というものは、基本的に民意というものを顧みる必要がないことから、「国富て民貧す」という可能性が高くなるわけで、この辺は我々の生活が貧窮するのも困るものの、バラマキの挙げ句に国家財政が破綻するというのも、結果的に我々の生活に大変な災厄をもたらすということを考えれば表裏一体、自己矛盾のジレンマと言っても良いのかもしれません。

ちなみに、吉宗は紀伊家の四男から将軍に登り詰めた人ですが、宗春も尾張家の十九男として生まれており(吉宗が12歳年長。)、これは普通は家督を継ぐことなく、他家に養子に出るか、そうでなければ一生を厄介者として生きることを宿命づけられていた存在であり、それが、将軍と尾張藩主になったわけですから、当初、吉宗は自分と似た経歴のこの分家の当主に親近感を持ってこれを迎えたと言われています。

しかし、尾張藩主となった宗春は、紀伊家出身のこの将軍が気にくわなかったのか、あるいは厄介者であった頃に吉宗の財政再建のための緊縮財政による庶民の窮乏を目の当たりにしていたこともあったのか、吉宗の政策を真っ向から否定するような消費拡大策を打ち出します。

これにより、少なくとも名古屋城下に限っては、倹約令で停滞していた街は活気を取り戻しますが、当然、将軍吉宗としては容認しがたい話であり、宗春が参勤交代で江戸へ下った際には詰問の使者を差し向けています。

このとき、宗春は、一応、上意として受け賜ったものの、尾張藩主と幕吏という立場に戻った後は整然と反論し、使者を黙らせたと言いますから、単なる吉宗への当てつけなどではなく、彼には、それなりの自分の政策に対する理論的裏付けがあったように思えます。

しかし、この路線対立の結末は宗春の一方的敗北で終わります。

消費拡大によって経済の活性化を図るという政策は、どうしても爛熟退廃の気風に繋がりやすいもののようで、尾張藩のモラル低下も目に余るものとなった上、消費刺激策という名のバラマキを続けてきた結果、藩財政はついに破綻。

バブル崩壊により財政赤字に転落したことから、庶民に増税を課したことで民衆の支持も失い、頃合い良しと見た吉宗は、将軍家との対立を案じていた尾張家重臣団と呼応しクーデターを敢行、宗春は失脚に追い込まれました。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

インスタント、加工食品、外食の弊害   

 巷には、お手軽で美味しいインスタント食品、便利な加工食品が溢れており、一歩外へ出れば、外食には事欠くことはありません。手間をかけて手作りしなくても、簡単に便利にできる食事は魅力的ですし、かえって安上がりな場合さえあります。しかし、このような食事には落とし穴が四つあります。

@美味しいと感じる物は味が濃い、脂肪が多い、カロリーが高い、消化されにくい

 皆さんが美味しいといって口にするものは、ガンの育成三好食であることが多いのです。これらの食事は血液を汚し低体温を作り免疫力を弱め、ガンの成長を促進します。

A添加物がとても多く、下準備の手間がかからないので除去しにくい

 手作りの食事を心がけても、現代の食事事情からは年間4キログラムの 添加物を摂取すると言われています。加工食品や、インスタント、出来上がったお弁当やお総菜等を利用すると、加工が進んだ分だけ、添加物は加速度的に増えてゆきます。素材を利用して手作りすれば、農薬や薬品、添加物等をゆでこぼすなどの下準備で除去できますが、出来上がった食品の添加物を除くことはできません。幾種類もの添加物が重なれば、解毒の臓器である肝臓には多大な負担をかけることになります。

Bミネラルや食物繊維がとても少ない

 加工食品やインスタント食品には必須ミネラルや食物繊維がとても少ないばかりか、添加物を解毒するのに、どんどんとミネラルが消費されてしまいます。ミネラルは酵素の核になるもので、ガンをやっつけてくれる酵素も、ミネラルが不足すると働くことができません。

C家族の愛情が口から入らない

 私達は、食べ物の命をいただいて、元気に活動することができますが、インスタントや加工食品には、命の息吹が感じられません。また、作る人の真心や愛情も体に入ると免疫力を高める要素です。手作りしてゆくことは理想ですが、できることから始めてゆくことが大切です。例えば毎日外食のお弁当であった方は、週に1〜2度は玄米おにぎりを持ってゆく・・・・など

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

エコキッチンの油使い

 ホームセンターに行くと、必ず、キッチン道具コーナーに寄る。何か面白い物はないか?便利な物はないか?と探し回るのが好きだ。実際に買ってみると、アイデア倒れのものもあるが、思ったより便利な道具に当たると、うれしいものだ。

先日買った「 炭ろ過オイルポット」は、ひさびさのヒットだった。天ぷらなどの揚げ物に使った油を天然パルプに活性炭を織り込んだ高性能特殊フィルターでこすシステムだが、従来のオイルポットに比べ、かなり良質の油が得られる。炭ろ過フィルターに通すことで、油のにごり、肉や魚のにおい、焦げ色などを取り除いてくれるにので、次に使うときに、料理の風味を損なわない。

 食生活改善研究家の魚柄仁之助氏によれば、一度揚げ物に使った油はもう揚げ物には使わず、この油は炒め物に使うのだそうだ。毎日のように野菜を炒めているので、そのときに茶匙一杯ずつ使っていき、油缶(オイルポット)の油が全部なくなったら、新しい油で揚げ物をするという。揚げ物の栄養分や味のコクも含まれている油を使うことで、炒め物の味もグレードアップする。このようにすると油を全部使いきるので、廃油も出ない、究極のエコキッチンが実現する。

 実際には、フィルターは約2Lのろ過、また前回の使用から2ヶ月以上過ぎた場合に交換するよう使用マニュアルに書いてある。この、使用済みのフィルターは、燃えるごみとして捨てることが出来る。

<参考>

・炭ろ過オイルポット=高木金属製

・魚柄仁之助著=元気食実践マニュアル155

(文:家庭料理研究家 古屋麻耶/絵:吉田たつちか)

 

アンチエイジ体操

 小学生のころ、夏休み後半の朝のラジオ体操に出かけるのがおっくうだった。先生に「家の手伝いやスポーツで身体を動かしているのだから体操なんてやらなくてもいいんじゃないか」と、憎まれ口を叩いたら、先生が「普段使っていない筋肉も使うのが体操の目的で、これをやることで、身体のバランスが保たれ、怪我もしにくくなり、健康になれるんですよ」と、優しく諭してくれことを思い出す。

「はっぱっぱ体操」なる体操が今、千葉県柏地区(柏の葉キャンパス駅)でブームになっている。柏の葉エリアでは、環境・健康・創造・交流のまちづくりを目指していろいろな活動に取り組んでいるが、この、新しい体操もその一環として誕生した。

発案は小林寛道先生(東京大学・日本大学・静岡産業大学の特任教授および客員教授)で、振り付けはバレーダンサーで振り付け師でもある斉藤美音子さんが行った日本産まれの新しい体操だ。

この体操は、体の中心深くにある「ボディ・インナーマッスル」を鍛えるのに効果的だという意味でも注目を浴びている。

また、運動生理学に基づいた動きを取り入れているため、身体への効果も最大限に発揮するほか、脳へも心地よい刺激を与えてくれるという、アンチエイジ体操でもある。

私も長年、中国健康法普及協会の体操に参加している。この体操はストレッチ体操、練功十八法、広播体操(中国のラジオ体操)の3つを行う(全部で約25分)。この中では練功十八法が中心となる体操で、これは、中国上海の漢方医である荘元明氏が考案したもので、気功と太極拳の要素を取り入れ、老若男女だれでも簡単に習得でき、健康に良いとして世界中で普及の兆しをみせている体操だ。「病気があれば病気を治し、病気がなければ、病気を予防する」というのが、この体操のキャッチフレーズだ。筋を伸ばし(親指を目一杯伸ばした状態)、足は平行で(ハの字に立つのに比べバランスが不安定な状態)、呼吸法も取り入れたユックリした体操だ。私の参加している会場では、平均年齢60余歳の熟年男女30名以上が毎朝7時に公園に集って行っている。体操は一人ではなかなか持続しないものだ。やはり何人かが集って行うことで、相互に励ましあって続けられるのだ。

台湾や中国に行くと、朝の公園で大勢の人が体操を行っている光景を容易に目にすることができる。中国では、広播体操(ラジオ体操)、太極拳、練功十八法を普及三操・医療保険体操として国を挙げて普及に努めている。高齢化社会の医療費軽減のためにも、日本でも、体操を国を挙げて推奨すべきだ。お金がほとんどかからない施策でもあるし。ちなみに、日本では、ラジオ体操(テレビ体操)を毎日放送しているのはNHKだけだが、なぜ、民放は行わないのだろうか。制作費もかからず、こんなに安定した視聴者を得られる番組は他にはなかろうに。「はっぱっぱ体操」や「練功十八法」が民放のラジオ体操(テレビ体操)として、毎日定時放送されることを期待したいものだ。

*はっぱっぱ体操=http://gokan-gakkou.jp/project/happappa/

(文:ジャーナリスト 井上勝彦/絵:吉田たつちか)

 


MaRoのイラスト電子レンジクッキング

 

キツネの目



完成写真 材  料 (1人分)

薄あげ 小さいもの1枚
1個
だししょう油 大さじ3
刻みねぎ 適量

    作り方       

@ 薄あげは 大きいものなら2枚に切り、小さいものは

端を切り落とし、中を開いて袋状にしておく。

「薄あげ」が破れていると卵が
     吹き出てくるので注意してください。

A 小さい容器に卵を割って、黄身の2・3ヶ所を楊枝で

突き刺して穴をあける。穴をあけないと爆発します

袋状にした薄揚げの中に、卵を流し込み、

口の所を楊枝でとめる。
B 小鉢に 卵を入れたあげを立てたまま入れ、

フタをしないでレンジ500Wで1分加熱する。

油で揚げるとカロリーは高くなりますが
  カリッとしておいしいです。揚げるときは気をつけてね。

C

楊枝を外し 2つに切って器に盛り、だししょう油を

少し濃い目の味に調節して かける。

刻みねぎなどを天盛りにする。

(電子レンジ料理研究家  MaRoママ//写真イラスト共)


 

 

   

 

9月新規登録のコラムニス

.後藤

名古屋市在住

 

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=10本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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