おもしろコラム通信1月号 2010.1.05  No.069

 

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話し上手より聞き上手にみる金と銀の能力  

一般に、「話し上手より聞き上手」と言われます。

 この点で、誰だったか明治期の人の回想記において、「話し上手であるけれど、同時に、聞き上手・・・という人は、意外と少ない」というものがありました。

 なるほど、「雄弁は銀、沈黙は金」と言いますが、確かに金銀併せ持っている人というのは、周囲を見回しても、そう多くはないようにも思います。(私の取引先にも、来訪してくるるのはいいけど、延々と話し続けて、著しく業務に支障が出る人がいますが、そういう人は、話すばかりで落ち着いて人の話を聞くことをしませんよね。)

 その意味で、この明治人は、その、数少ない、「話し上手にして聞き上手」の両方を持った人の代表として、福澤諭吉を上げておりましたが、この、「金」と「銀」の兼ね合いこそ、現代の日本人に求められる物ではないでしょうか。

 最近、よく、国際化時代に置いて、外国、特に、アメリカ人やラテン系の人などから、「日本人は自己主張がなさすぎる」というような指摘があります。

 先日も、フランス在住経験がある、知り合いの女性と話していたところ、彼女が居たのは、フランスはフランスでも、南仏だったようで、向こうの人たちは、映画「トスカーナの休日」などでも見られるように、 うかうかとは道も歩けないほどに「礼儀として口説いてくる」のだそうです。だから逆に、日本人男性と結婚して日本にきたフランス人の友人などは、まったく、声を掛けられないので、「私って、それほどに魅力がないのか」と落ち込んでしまう・・・のだとか。

 でも、そんなこと言われたって、こちとらは、「雄弁は銀沈黙は金」とか、「武士は片頬三年」(武士は、三年に一度片頬をかすかに動かす程度の笑いで十分。)などという言葉にこそ価値を置いて来たわけで、それを「日本人はおとなしい」とか、「もっと、積極的に」などと言われても・・・。

 それに、「本当にあなたたちの価値観で間違いないの?」って気もしないでもありません。実際、交渉ごとなどでは、話しすぎるのは相手につけ込まれる隙を与えるだけだし、中国の古典などには、「交渉の時には、表情を読まれないように目は薄開きで話すべし」などと述べられているくらいで、私に言わせれば、あのラテン系の無駄な明るさは、確かに、多民族社会では融和を促す面もあるのでしょうが、同時に、他民族につけ込まれる隙を与えていることにも繋がっているような気もします。

 だからと言って、我々の日常で笑いがないわけではないのですが、彼らから見ると、「日本人は日常のジョークやユーモアには不慣れ」であり、欧米人から、「日本人のサラリーマンを月曜日の朝笑わせるには金曜日の夕方ジョークをいえばいい」などというブラック・ジョークを言われるのも、ちと、心外な気もします。

 ガイジンの皆さん、もし、日本人の庶民の笑いを知りたければ、いつでも、私が一献、お相手仕りましょう。殆ど、何がおかしいのかわからないと思いますが・・・(笑)。

 

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

「海のミルク」   

俗に「海のミルク」と呼ばれるほど、牡蠣は栄養価のとても高い食品です。亜鉛、鉄、銅、カルシウム、カリウム、マンガン、セレンなどのミネラル類をはじめ、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンEなどをバランスよくかつ豊富に含んでいます。特に亜鉛は100g中に13.2mgも含まれていて全ての食品の中でもトップクラスです(五訂食品成分表より)。

 亜鉛は非常に重要なミネラルで、遺伝子発現・たんぱく質合成など細胞の増殖や分化において中心的な役割を果たしています。不足すると、味覚障害や脱毛、皮膚炎、食欲不振、免疫機能低下、男性機能不全など様々な障害が現われます。

 また、牡蠣にはアミノ酸の仲間タウリンも豊富に含まれていて亜鉛と同様に食品中でトップクラスの含有量を誇っています。タウリンは、コレステロールを下げる働きがある他、肝機能や心機能を高めたり、目の新陳代謝を促進する働きもあります。

 さらに、牡蠣は消化吸収のよいエネルギー源であるグリコーゲンを多く含んでいて、滋養にも優れた食品です。

 栄養に優れた牡蠣ですが、生食用ではない牡蠣は細菌やノロウィルスなどを含んでいて食中毒をおこすことがありますので、加熱してからお召し上がりください。

 よく誤解されることがあるのですが、生食用と加熱用の違いは、鮮度の違いではありません。生食用は、水揚げした後、殺菌した海水を循環させて数日間飼育することにより除菌します。鮮度に関して言えば、水揚げしてすぐに出荷される加熱用の方がむしろよいのです。鮮度がよさそうだからといって除菌されていない加熱用の牡蠣を生食するのは避けましょう。

(文:医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:吉田たつちか)

 

ハーブのすすめ

パセリ、バジル、オレガノ、一般にハーブと呼ばれる物には様々な種類があり、世界各地でその地に相応しいハーブが栽培されています。日本でもハーブティなどは近年盛んに飲まれるようになってきました。

 スーパーマーケットの調味料コーナーの片隅にも、ハーブ&スパイスコーナーをよく見かけます。

 ちなみにハーブとスパイスの違いとは、一般的に葉や花を用いるのがハーブ、樹皮や果実、つぼみを用いるのがスパイスと分類されています。

 西洋料理には欠かすことのできないハーブですが、皆さんはそれぞれのハーブの効能をご存知でしょうか。

 何気なく香り付けやお肉などの臭み消しに使われるハーブにも、体に優しい成分がたっぷり詰まっています。例えば、カモミールにはリラックス効果があり、不眠症に有効な成分が含まれています。また鎮痛作用も期待できます。バジルには、胃腸機能を改善する効果があり、かゆみ止めの成分も含まれています。ローズマリーは、利尿、発汗作用や、腸管内のガスの排除などに力を発揮してくれます。中にはナツメグのように、摂りすぎると害になるものもあるので注意が必要ですが、そういった事も踏まえて勉強しておくと役に立ちますね。

 ちなみに、ナツメグは大量摂取すると激しい興奮作用が働きますが、普通に料理する程度であれば、摂り過ぎてしまうことは先ずないでしょう。

 普段よく使うハーブの効能だけでも覚えておくと、料理をする時の楽しみや、家族を想う気持ちが倍増しますよ。皆さんも香り豊かなハーブに包まれての生活をエンジョイしてくださいね。

(文:ニュージーランド在住 Reeoko/絵:吉田たつちか)

 

北極星を探す目印「カシオペヤ座」

一年を通してほぼ頭の真上にある「W」に似た形の星座に気づかれたことはあるでしょうか? これは「カシオペヤ座」といって、北極星を探す目印にもされています。

 このカシオペヤというのは、ギリシア神話では、エチオピエの王妃でした。しかし自分が美人であることを自慢して、海の妖精と競争をしたせいで、神々の怒りを買い、自分の娘であるアンドロメダを怪物のえじきにするよう命じられました。少女アンドロメダは鎖で絶壁の波打ち際に縛られ、美しい頬を蒼ざめさせて涙を流して打ち震えていました。ちょうどそこに通りかかったのが、勇者ペルセウスでした。ペルセウスはかつてメデューサという怪物を退治したことがあります。それは髪の毛が全て蛇でできていて、一目見ただけで人を石にしてしまうほど恐ろしいと言われたものでした。ペルセウスがメデューサを退治したとき、その血が地面に染みこんで、翼の生えた馬となり、それをペガサス(天馬)と呼びペルセウスはそれに乗って空を駆けているときに岩場に縛られた美少女を見つけたのです。

 ペルセウスはアンドロメダに近づいて、どうしてそんなところに縛られているのかと尋ね、アンドロメダにそのいきさつを知らされました。そうしているうちに遠くの海からはゴーっという轟音とともに真っ黒で大きな、赤い口と尖った白い歯を見せた蛇が迫ってきつつありました。

 するとペルセウスは、ペガサスを巧みに操りながらその怪獣に剣を何度も突き立て、とうとうその蛇を退治することに成功しました。それを見て喜んだアンドロメダの両親たちはペルセウスに感謝し、アンドロメダと結婚することになりました。

 冬の夜空では、カシオペヤとアンドロメダ、そしてペルセウスとペガサスが、それぞれお互いにとってなくてはならないもののように寄り添って見ることができます。

(文:気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

老化は足から来る

年をとると、何が怖いか・・・・皆さん声を揃えて言われるのは、寝たきりになることです。長生きしても、トイレを自分で足せないことは、誰しも辛いことです。

 老化は足から来る・・・・とも言われるように、寝たきりになるといっぺんに足の筋肉が衰えます。若い方でも、1週間以上入院された方はご経験があるかと思いますが歩かないと足の筋肉はあっという間にタルタルになります。全身の筋肉の70パーセントが下半身に集中しており足の筋肉は熱を産生し体を温め、代謝を促進します。また、足の筋肉によって、全身の血流が心臓へ戻されるのです。

 したがって、足が衰えると、低体温、血流不全、解毒能力の低下等を招き、生きる屍状態といっても過言ではありません。

 現代人の足腰は、車、家電の発達に伴い、どんどん弱っています。過剰なサービスや過保護は、結果的に寝たきりを招きます。どんどん歩くこと、階段を昇ることは足腰を鍛え、筋肉と骨を強め、生命力である腎を守ります。

 危ないから歩かない・・・のではなく、こうすれば歩けるという工夫をどんどんしてゆくことが、老化予防につながります。

 

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=15本

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