おもしろコラム通信5月号 2010.5.03 No.073

 

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人に優しい、「土佐藩」  

 今年の大河ドラマ「龍馬伝」が、なかなか好評のようですね。私も「娯楽作品」としては毎週、楽しく見ています。

 特に、武市半平太とその一派が、何かあるとすぐに目を吊り上げて「攘夷!」・・・と叫ぶシーンなどは、現代の、ネットなどで過激な意見を吐いている人たちと二重写しに見えます。(この手の輩が中途半端な理論武装を振りかざすところも、また、底の浅さが露呈したときのヒステリックな反応もまったく同じに見えます。)

 もっとも、実際の武市がどの程度、本気で攘夷思想を推進する意思があったのかは別にして、彼には「攘夷」を唱えなければならない「事情」があったのは事実でしょう。

 まず、土佐藩という藩は歴史的に関ヶ原の戦いでの勝者側である山内家武士団が進駐することによって始まった体制だけに、上士の下士に対する抑圧は他藩に比べても著しかったと言われており、また、一旦定着した支配体制が堅牢な物であればあるほど、下層に置かれた者がはい上がるのは、事実上、不可能に近く・・・。

 となれば、その憤懣も一方ならぬものだったでしょうが、そんな時に、土佐藩の上部団体である徳川将軍家とは別系列になる天皇家が、将軍家とは違う意向を持っていることがわかったわけですから、これは抑圧されている側にとっては文字通り、千載一遇の好機だったでしょう。(そういう視点で見れば、楠木正成が哀しいまでに献身的に南朝方に尽くしたことも理解できるような気がします。)

 また、上士と下士の間には厳格な一線があると言ったところで、上士の数だけでは限りがあり、一旦、有事の際には下士も動員しないことには絶対数が不足することは明らかなことから、下士と言えども「殿様(体制)を守る」という意味での「防衛」を唱えることは、ちょうど、今の中国やロシアなどに置ける「愛国心」のようなもので、官憲側も安易に取り締まれない・・・という面があったでしょう。

 ただ、その土佐藩ですが、まったく奇妙な藩ですね。

それほどに下士を抑圧したくせに、坂本龍馬、武市半平太はおろか、彼らよりさらに一段下の出である岩崎弥太郎までも、しっかり江戸遊学を許している。

 いくら有事の際には一翼を担う・・・と言ったところで、剣術修行なら金メダルを獲ってくる訳でも無し、藩内で十分であり、学問したところで幕僚に登用するわけではないわけで、被支配者階級が都会へ行くなど、百害あって一利なしで、よくぞ許したものだと思います。

 本来、支配者階級にとって、被支配者層が余計な知恵を付けるのは迷惑至極な話であり、遊学どころか、外部情報からは一切の情報途絶状態に置いておくべきで、実際、彼ら下士が「攘夷」だの「天皇」だのと、余計な情報を知ったからこそ、下士の発言力拡大からやがては大量脱藩などという形に繋がってしまったわけで・・・。

 この点、古代、大和朝廷などは朝鮮半島や中国大陸からの使節が到着すると、自国の民と親しく交わったりせぬよう厳重に隔離したと言いますし、鎖国を導入した江戸幕府にしても、国民が必要以上に清国人やオランダ人と交流を持つことに神経質なまでに制限を加えてます。

 そう考えれば、土佐藩というのは随分と「人に優しい藩」だったんだな・・・と。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

アサリは女性の味方

 気温も徐々に上がって来て、心うきうきする春。

 春といえば、なんと言ってもアサリですね。アサリは、貝殻の幾何学模様が鮮やかで、かつ同じものが二つとないくらい多種多様な模様をしていて目にも楽しい生き物ですが、美味しくて優れた栄養成分を持つ食材でもあります。

 アサリに比較的多く含まれている栄養成分は、カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛・銅・クロムなどのミネラル類、ビタミンB12、タウリンなどです。これらの栄養成分の中で特に注目したいのは、鉄分とビタミンB12です。鉄分もビタミンB12も共に造血に関わる栄養成分ですが、アサリには貧血対策としてよく知られているレバーにも匹敵するほど豊富に含まれています。

 ところで、女性は妊娠すると赤ちゃんに鉄分を奪われて貧血傾向となりますので、かつては鉄分の多いレバーを食べることが妊婦さんに勧められていました。しかし、レバーにはとても大量のビタミンAが含まれています。近年、妊娠初期の女性がビタミンAを過剰摂取すると奇形児が生まれやすくなることがわかって以来、妊娠初期の女性がレバーを多食することは避けるべきとされています。

 うれしいことにアサリには鉄分もビタミンB12も多く含 まれていますが、ビタミンAはレバーほど多く含んでいません。妊婦の方も安心して食べることができます。

 なお、ビタミンAが不足気味になる妊婦さんは、緑黄色野 菜などに含まれるカロテンを摂取すると必要な分だけ体内でビタミンAに変換されますので、過剰摂取になる心配がありません。

 このようにアサリは女性の味方の食材ですが、滋養強壮効果や動脈硬化予防効果にも優れたタウリンも多く含んでいますので、女性に限らずお疲れ気味の方や生活習慣病の気になる方にもお勧めしたい食品です。

(文:医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:吉田たつちか)

 

 

目を使うと血液を消耗する!? 

 加齢とともに、気になる一つの症状として、老眼、目が疲れる、かすむぼやける、視力低下、ドライアイ、白内障、緑内障・・・・など目に関する老化があります。

 目は細かい毛細血管の集まりで、物を見るためには大量の血液を必要とします。

 そして、目は感覚器官であり、見て得られた情報はすぐに脳に伝えられそれに対する処理が行われるため、脳によっても大量の血液が消耗されます。

 つまり目を長時間使うということはそれだけ血液を消耗すると考えてください。

 女性の方は、お産の後におばあちゃんから、「産後は、本を見てはいけない、音を聴くのもよくない、目や耳をなるべく使わず、何も考えずにゆったりしないとダメだよ!」 と言われたことがありませんか?

 これは、目や耳の感覚器官は脳につながり、大量の血液を消耗するために、子宮へゆく血流も不足し産後の回復が遅れるために、そう言ったものです。昔の人の知恵は理にかなっていますね。

 この大切な血液を貯蔵する臓が肝です。そこで、目の病は、肝を養うことで治します。

 偏食、精神ストレス、睡眠不足、深酒、薬の飲み過ぎ、喫煙、運動不足等は肝を傷め、結果的に肝の竅(つながっているところ)である目を傷めます。

 養生は、これらの不摂生を立て直すことからはじめます。

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

日本で最初にラーメンを食べたのは?

 控えおろう! ここにおわすお方をどなたと心得る。先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ! ええい、頭が高い! ハハーッ!

 そう、日本で最初にラーメンを食べたのは、黄門さまなんです。作った人が最初だろう、とか、お毒味役の人ではないのか? という疑問はさておき、黄門さまなんです。

 いまから、およそ340年前。徳川光圀は、中国の儒教に凝っていたそうで、その勉強のために、当時長崎に来ていた、中国の儒者「朱舜水(しゅしゅんすい)」を水戸に呼んだのです。勉強したければ、自分で長崎に行くのが礼儀だと思いますが、そのあたりは、お偉いさんのわがままですかね。そして、朱舜水を師と仰ぎ、ますます儒教にのめり込んでいきました。

 その儒教つながりで、中国の食べ物にも興味を持ち、珍しいもの、新しいものを集めまくります。昆布、胡椒、蜂蜜、亀、サンショウウオ、ナマコ、羊、ジャコウネコ、ヤマアラシなどを取り寄せました。

 そんな様子を見ていた朱舜水が、中国の麺料理を振る舞ったというのが、初ラーメン黄門説です。朱舜水は、中国からレンコンで作った澱粉を取り寄せ、平打ち麺を作り、「五辛(ウーシン)」という5つの薬味とスープを添えて、黄門さまに食べさせました。五辛というのは、今の山椒、ニンニクニラ、白い辛子、香菜だったそうです。

 このラーメンを食べた時の黄門さまは、さぞかしビックリしたことでしょう。なにしろ当時の日本には無い食材を使っていたのですから。そんな感動を味わってみたいものです。

(文:料理研究家 佐藤きよあき/絵:吉田たつちか)

 

MaRo のイラスト電子レンジクッキング

白菜のナムル : もやし・ほうれん草などに応用できます


他の料理を作っている合間に作れますヨ
    

出来上がり写真

(2人分)

トッピングに
細切り唐辛子をのせました。

白菜の葉

大 3枚


小さじ 1

一味
  (タカの爪)
ごま油
すりごま

小さじ 1
  (1〜2本)
大さじ 1
大さじ 2

すりごまは、少し粒が残っている状態の
ごまで、市販されています。
常備しておくと便利です。

作り方

@

白菜をよく水洗いし、芯と葉に切り分ける。

芯は5cmに切りそろえ、1cm幅の拍子木

切りにする。 葉は5cm角に切っておく。

A

大きめの容器に、切った白菜を入れ、

分量の塩をふり、手でよくなじませて、

10分以上置いておく。 

少ししんなりしてきたら、軽く手でもむ。

B

フタをして、レンジ500wで3分加熱する。

少し 生っぽい状態です。

加熱後フタを外し、充分さます。

さめたら、手でしっかり絞る。

C

絞った白菜に、分量の一味・ごま油を

加え、よく混ぜて、最後にすりごまをかけ

さっと混ぜる。

味をみてから、塩味が足りない時は
   塩を少量追加して下さい。
    でもあまり強くならないように〜

(電子レンジ料理研究家  MaRoママ/絵写真共)

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=11本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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*毎月の締め切りは15日です。特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

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