おもしろコラム通信10月号 2010.10.01 No.078

 

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ぎっくり腰や背部痛にご用心

今年は観測が始まって以来の猛暑でした。

皆さんは例年よりも沢山汗をかかれたでしょうし、熟睡できない日々が続いただろうと思われます。

 また、アイスクリーム、清涼飲料水、冷たいお茶、スポーツドリンク、冷や奴、冷や麦や冷やし中華など冷たい食べ物や水分もかなり摂られたのではないでしょうか?

 実はこれらの物が夏バテの大きな原因です。皆さんの体は、夏の暑さで消耗し、気力も大切な体液も不足しているのですが、冷たいものの摂りすぎやクーラーにより、ことのほか冷えています。

 朝晩が少し過ごしやすくなった今、一気に体の疲れが出て、ちょっとフルーツを食べただけで下ってしまう方や、背中に痛みが出る、ギックリ腰を起こす方などが急激に増えて参りました。

 今の季節は体力とともに皮膚表面の免疫力(衛気)も低下しており、冬場以上に冷えが体に入りやすくなります。

 さらに体に余分な湿が多いと内臓や筋肉を冷やし、カチカチに凍らせてしまいます。(これを寒凝といいます)これがギックリ腰や背部痛、下痢などの原因です。

 漢方的に言いますと、夏の終わりは肺気虚と脾腎陽虚があわさった体質になる方が非常に多く、この先アレルギー疾患、喘息、アトピーの悪化が増加するのもこのためです。

 心当たりのある方は今日からすぐに次の3つを実行なさってください。

*その1=1日1食を玄米ご飯にしてよく噛みましょう。カップ1の玄米に対して、黒米と鳩麦をそれぞれ大さじ1入れるとさらによいですよ!

*その2=じわっと汗をかくまで、半身浴をしましょう。クーラーで足が冷えた方は食事中に足浴をすると良いのです!

*その3=肺脾腎を補う通竅を毎食後に服用しましょう!通竅は営衛不和を調節する働きもあるので、急な温度変化にも対応できる体力を養います。

 アレルギーのある方、環境が変わると便秘や下痢をしたり、寝付けない方、体のどこかに痛みがある方、そして先天的な難病や精神的な悩みをお持ちのお子様にも良い食品です。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

鮭は有用成分の宝庫

鮭の美味しい季節になりました。鮭といえば、赤い身が特徴ですが、実は、白身魚なのです。

 一般的に魚は身の色によって赤身魚と白身魚に大別されることはよくご存知だと思いますが、なぜこのような差があるのでしょうか。それは、ズバリ両者の筋肉には質的な差があるからです。筋肉には、働きの違う2種類の筋肉があり、長距離走のような持続運動に適した赤筋と短距離走などのように瞬発的な力を発揮するときに使用される白筋に分かれます。マグロやカツオなどの回遊魚はゆったりと泳ぎ続けるので赤筋が発達し、ヒラメやタイのような近海魚は、ちょこまかと泳ぐので白筋が発達したという訳です。生活スタイルの違いが、筋肉の色に反映されているのですね。

 鮭の筋肉も赤色なので赤身の魚だと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、鮭は白身の魚です。赤身魚の赤色成分は、ミオグロビンという酸素を貯蔵するための色素ですが、一方、鮭の赤色はアスタキサンチンという別の種類の色素なのです。このアスタキサンチンという色素は、エビやカニなどの甲殻類にも含まれているカロテノイドの一種です。なお、甲殻類のアスタキサンチンは普段たんぱく質と結合しているので黒っぽい青灰色をしていますが、熱などによってたんぱく質との結合が解けると元の赤色に戻ります。

 このアスタキサンチン、実はとても優れものなのです。アスタキサンチンの抗酸化力は、ビタミンEの550倍から1000倍、野菜に含まれるβ-カロテンの約40倍、ブームとなったコエンザイムQ10の約800倍という報告もあり、 「自然界最強の抗酸化成分」ともいわれています。このとても強い抗酸化力は動脈硬化など活性酸素の関わる多くの病気に予防効果が期待されています。

 さらに、鮭はアスタキサンチン以外にも様々な栄養成分を含んでいます。特にビタミンD(骨を強くするビタミン)とビタミンB12(造血に関わるビタミンで貧血によい)などはとても豊富に含まれています。その他に、必須脂肪酸のDHAやEPA、皮の部分にはコラーゲン(美容によい成分)、頭部の軟骨部分にはコンドロイチン硫酸 (関節によい成分)なども含んでいて鮭は有用成分の宝庫です。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:吉田たつちか)

 

 

凛と咲き誇る「菊

日本人なら誰しも見たことがある花・・・菊。秋の代表格であるこの花は日本の国花になっています。よって私たちの生活に深く浸透しており、五十円玉の表に描かれているのはご存知の通り。パスポートの表紙にも金色に輝く菊が描かれています。そして何より皇室の家紋であることが、菊が日本を象徴する花と決定づけたのではないでしょうか。

 菊の歴史は古く、約千五百年前に中国で交配によって生まれ、飛鳥時代に不老長寿の薬として伝来しました。漢字で「菊」と表記したのは花の印象が散らばった米を集めたようだからとか。平安時代には観賞用としても育てられ、小倉百人一種で凡河内躬恒が「心あてに折らばやをらむ初霜のおき惑わせる白菊の花」と歌っています。鎌倉時代に入ると後鳥羽上皇が非常に好み、刀や日用品に菊の紋様を入れたので、それが代々受け継がれて天皇家の家紋になったそうです。

 江戸時代になると広く庶民にも親しまれ、花として観賞するだけでなく菊型の和菓子を作って味わったり、小菊をあしらって菊人形を作って楽しみました。幕末には中国を経由してヨーロッパに輸出され、やがてスプレー菊という洋菊が生み出されていったのです。

 このように愛されてきた菊の花ですが、平成の現代では仏花のイメージが強く、若い人達が好んで部屋に飾るという花ではなくなりました。秋の目玉だった菊人形展は来場者数を減らし、開催を取りやめてしまった所もあるのです。

 そんな状況に立ち向かったのが日本企業。酒造会社ではキリンマムという黄緑色の小菊を生みだし、たちまちフラワーアレンジメントで愛用されるようになりました。電力会社では甘い香りのアロマムの開発に成功。今後、女性から支持を得られるのが予想され、菊作りの活性化も期待されています。

 花言葉は「高貴」と言う菊の花。時代に合わせて変化し、日本人の心から忘れ去られることなく後世でも国花として凛と咲き誇ることを切に願います。

 (携帯小説家 華山 姜純/絵:吉田たつちか)

 

10月の暦

10月で二十四節気の始まりに当たる日は8日ごろ寒露(かんろ)、23日霜降(そうこう)の2つです。寒露を3つに分けた七十二候は、初候「鴻雁来 こうがんきたる 雁が飛来し始める」、次候「菊花開 きくのはなひらく 菊の花が開く」、末候「蟋蟀在戸 きりぎりすとにあり きりぎりすが玄関の戸の前で

鳴く」。

 また霜降は、初候「霜始降 しもはじめてふる 霜が降り始める」、次候「霎蔦黄 こさめときどきふる 小雨がしとしとと降る」、末候「楓蔦黄 もみじつたきばむ  もみじや蔦が黄葉する」。

 渡り鳥の訪れや草花の咲く時期、色づき始める時期など、いよいよ秋めいてきますね。霜降の次候に出てくる「雨」は、いわゆる「秋雨前線」が降らせる雨を現わしているのだと思います。

 冬から春に変わる時には「菜種梅雨」、春から夏に変わる時には正に「梅雨」、そして夏から秋へと変わる時にも「秋雨前線」というのが停滞して、日本付近を覆って季節を変化させる高気圧が変わります。

 そして季節の変わり目ごとに「土用」があります。夏の土用はやれ「うなぎを食べろ」などと言って騒ぎますが、実は土用も年に4回あって、10月20日頃が秋の土用の入りに当たります。これは、中国の陰陽五行の説に基づいています。季節は4つしかありません。しかし五行、つまり「木火土金水(もっかどごんすい)」を振り分けるには「土」が余ってしまう。そこでそれぞれの季節の変わり目ごとに「土用」というものを充ててバランスを取るようにしたと言われています。夏の土用が盛んに言われるのは現代では商業的目的も大きいですが、夏の土用が一番土の気が強いからだとも言われています。

 土用はそれぞれ約18日間ずつ置かれています。そしてそれが明けると季節の変わり目、二十四節気の立冬に入ります。

 (気象予報士 小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

今と昔の運動会

秋の風物詩の一つに運動会があります。春に執り行われる学校もありますが、祝日「体育の日」のイメージもあり、秋の行事として定着しています。徒競走、騎馬戦、玉入れ等、思い出深い競技が、どなたの中にもあるのではないでしょうか。

 意外かも知れませんが、陸上競技をメインとし、ほぼ全生徒が参加する運動会は、外国ではあまり行われていません。運動会が行われているのは、日本に統治されていた歴史を持つ、中国東北部、朝鮮人民共和国、大韓民国、この三つの国の一部学校だけです。統治時代の名残でしょう。運動会は、日本文化の一つなのです。

 最初の運動会は、1874年に海軍兵学校で行われたとされています。しかし、これは単発的な催しで、継続的ではありませんでした。私たちがよく知っている運動会の祖は、1878年札幌農学校でのもの。選ばれた生徒だけで無く、みんなで参加するスポーツの祭典は、当時としては画期的な催しでした。瞬く間に道内だけでなく、全国の学校に広まっていきました。

 運動会発祥から100年以上経ち、行事の目的も変化していきます。当初は、軍事国家であったこともあり、集団訓練がメインとされていました。現代はどうでしょう。協調性を培うことは勿論、子どものストレス過多が叫ばれる昨今、スポーツによる発散が目的になりつつあるように見えます。体を思い切り動かし、大きな声を出しての応援合戦は、内側のくすぶるエネルギーを昇華させるのに、最適と言えます。

 一方、大人にとっては、子どもの健やかな成長を見守る、この意味合いが濃くなっています。普段は子どもの頑張りを近くで見られないお父さんが、声を張り上げ、我が子を応援出来る、数少ない行事。それに、父兄同士の交流の場としても活用されています。また、少子化の影響もあり、親族一同が集まる機会にもなりつつあるそうです。

 いくつになっても、楽しみな運動会。素敵な思い出を作る為、今年も晴れますように。 (コラムニスト 朝比奈うろこ /絵:吉田たつちか)

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=20本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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*毎月の締め切りは15日です。特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

*新聞タイプ(楽しい暮らし10月号はこちらから閲覧ください。

 

★個人情報保護の見地から、コラムニスト紹介のページはHPから削除しました。

 

 

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