おもしろコラム通信11月号 2010.11.01 No.079

 

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ややこしい?名前の付け方

 フランスの英雄・ナポレオンのことを、フルネームで「ナポレオン・ボナパルト」と言いますが、これって、どっちが名字でどっちが名前なのかな?。

 日本などアジア諸国では名字が先で、名前が後に来るのに対し欧米諸国では名前が名字の前に来るわけで、であれば、西洋人の名前を日本の書籍などが使う場合、日本風に名字を先にして名前を後にする方式にしているのか、それとも、そのまま西洋風に使っているのか・・・。

 ナポレオン王朝やナポレオン家、ナポレオン一世などと言いますから、ナポレオンが名字なのでしょうが、ナポレオンの甥のナポレオン三世の名は「ルイ・ナポレオン」。じゃあ、やっぱり、ボナパルトが名字で、「ボナパルト・ナポレオン」が正しいのか・・・と思うと、ナポレオン三世こと、ルイ・ナポレオンの兄の名前は「ナポレオン・ルイ」だったりするわけで・・・、もう、ややこしいったら仕方がないわけです。

 さらに言えば、ジョン・F・ケネディなどというのは、明らかにケネディが名字ですよね。ついでに言うと、ブッシュ前大統領の名前はジョージ・ウォーカー・ブッシュなのに、その父で、同じく元大統領の父の名はジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュなわけで、これまた、何ともややこしい・・・と。

 私は、「名前というものは人を識別するためにある」という考えから、自分の子供たちには、私と父に共通していた一文字を使わずに、敢えて、皆、まるで違う名前にしたのですが、そんな私からすれば、これらナポレオン一族やブッシュ父子などに見られる西洋人の名付けに関する考え方というのはどうにも理解に苦しむわけです。

 この辺は日本でも伊達政宗などは祖先にあやかって同姓同名としたような例もあるわけですが、もっと言えば、古代ローマの英雄・ユリウス=カエサルは、主に英語読みの「シーザー」で知られており、一方で、ロシアの女帝・エカテリーナは英語読みで「キャサリン」、フランス語では「カトリーヌ」であり、イングランドの王妃にはやたらと「キャサリン」がいるし、おまけにフランス王シャルル6世の娘カトリーヌはイングランド王ヘンリー5世に嫁いでキャサリンになっているし・・・で、もう、こうなると本当にややこしいったらありゃしないです。

 ちなみに、他の地域はどうかというと、西洋と東洋の中間に位置する中東地域では、基本的に名字という物は存在せず、名前だけしかないのだそうです。

 となれば、当然、同じ名前の人はたくさん存在するはずで、ではどうやって、それらの人を識別しているのかというと、自分の名前だけでは誰だかわからない場合、その上に父の名前を付け、それでもわからないときには、さらにその上に祖父の名前を付けるのだとか。

 サッダーム・フセインという人物を例に取ると、彼は正式にはサッダーム・フセイン・アブドゥル=マジード・アッ=ティクリーティーであって、そのうち、サッダームが自分の名前、フセイン・アブドゥル=マジードが父の名前、アッ=ティクリーティーは祖父の名前なわけです。

 従って、我々、日本人は良く、「フセイン大統領」などと言ってましたが、死んだ父の名前で彼を呼んでいたわけですから、本当はこれはおかしな話なわけです。 (小説家 池田平太郎)

 

秋の養生法

 あれほど暑かった夏が過ぎ去り、過ごしやすい秋が来るはずなのに、今年は一気に冷え込んでしまいました。

朝夕と昼間とでは10度以上の気温差がありこれは体にとってはとても大変なことです。

私達の体は大体36度くらいの体温ですべての酵素反応が成り立っています。

 つまり、食べ物を分解しエネルギーを作り出し、生命活動の営みを維持し、解毒代謝を円滑に行って、不必要な物は排泄するという一連の反応は、この体温上で成立っています。

外界の気圧や気温が変化するたびに、これを察知し自律神経系が働いて血管を収縮や拡張させたり、血液の分布を変化させたりして体温を一定に保たせてくれているのですが、今年のように気温の変化が激しいと、自律神経は緊張しっぱなしです。

 現在の店頭で多いめまい、体のだるさ、のぼせたり冷えたりして気分が悪い、風邪のように寒気がしたり熱感があるが、鼻水や咳はない、胃腸の不調などは、自律神経が上手くバランスをとれず悲鳴をあげている状態と言えます。

今年は暑さが激しかったために、皆さん例年よりも体は消耗しています。

 自律神経の失調は、

1,寝不足や無理のしすぎ、汗のかきすぎ、栄養不足、頭や目の使いすぎなど体が消耗しているとき

2,ストレスによる気の滞りとオ血、冷たい水分の摂りすぎなどによる冷え、運動不足+油ものや甘いものによる痰湿などによる閉塞状態のときに起こりやすくなります。

 この機会に八証の体質チェックをして、不足を補い不用は捨てる養生を実行して下さい。

また、気温の変化に対応するため、衣服でこまめに調整してくださいね。(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

イチョウの由来はアヒルの足

 青々と茂っていた葉が赤や黄に色づき私達の目を楽しませてくれる季節がやってきました。紅葉の代表格はなんと言ってもモミジですが、今回は黄金色に輝くイチョウにスポットライトを当てたいと思います。

 イチョウの葉の形を思い浮かべて下さい。先端に浅い切り込みがあり、葉が二つに割れたような形になっています。それを動物の足にたとえるとしたら、どんな動物が想像できますか?

 その昔、中国ではイチョウの葉をアヒルの足にたとえていました。ですので、イチョウの木のことをイーチャオ(中国語でアヒルの足)と呼んでいました。木が日本に伝来した時に、その言葉が変化して「イチョウ」になったと伝えられています。イチョウの名前の由来がアヒルの足であったなんて、なんともかわいらしいですよね。

 そのイチョウの葉ですが、ドイツでは医薬品として使われているのです。なんでもイチョウの葉には脳の血流を良くする成分が含まれているとか。よって痴呆症の改善、脳機能障害の改善に役立つそうです。健康な人でもイチョウ葉エキスを摂取すれば記憶力が増大したという実験結果が報告されています。

 けれども我が国では医薬品として認可されていません。健康食品としてイチョウ葉茶やサプリメントなどが販売されているぐらいです。健康食品では医薬品ほどのイチョウ葉エキスが含まれておらず、同等の結果が得られるとは期待できません。だからといって過剰に摂取したり、イチョウ葉茶を濃くして飲んだりするとギンコナール酸という成分によってアレルギー性皮膚炎を引き起すことがあるそうです。頭痛や下痢といった副作用もあるようですから注意しなくてはなりませんね。

 脳梗塞や動脈硬化の予防にもなると研究されているイチョウの葉。黄金色に染まったイチョウが私達の目を楽しませるだけでなく、将来は痴呆症をはじめとした成人病の治療薬に使われる頼もしい新薬になるよう研究を進めていって欲しいものですね。   

(携帯小説家 華山 姜純)

 

柿が赤くなると医者が青くなる!?

 11月に入り、ぐっと気温も下がってきました。そろそろ、柿の実の熟す頃となりましたが、 昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われてきました。今回は、医者も商売あがったりとなるほどの柿の効用について迫ってみたいと思います。

 まず、柿の実が赤くなるのは、以前トマトの栄養成分をご紹介する際にお話しした通り、トマトと同様にカロテノイドの仲間リコペンによるものです。リコペンの効用については、すでにご紹介した通り、優れた抗酸化作用を持っています。

 柿の栄養成分のもう一つの特長は、ビタミンCが豊富に含まれているということです。柿の果実にはレモンにも匹敵する程の多量のビタミンCが含まれています。また、柿の若葉にはさらにその10倍以上ものビタミンCが含まれていて、柿の葉茶はビタミンCのよい補給源としても知られています。

 柿といえば、強烈な渋みがあるのも特徴ですが渋みはタンニンと呼ばれる成分が原因です。熟したり、干し柿にすると渋みがとれるのは、タンニンが渋みの感じられる水溶性タンニンから渋みの感じられない不溶性タンニンに変化するからです。この柿渋タンニンには防腐効果や撥水性があり、魚網などの耐久加工に用いられてきたという歴史がありました。近年の研究では、さらに血圧を下げる効果など様々な健康機能も持っていることが解明されつつあります。

 また、柿の実は、昔から二日酔い防止によいといわれています。それは、悪酔い物質アセトアルデヒドに対するタンニンの解毒効果と、豊富なビタミンCによる肝臓の解毒機能促進効果によるものであろうと考えられています。

 その他、柿のヘタは、漢方では「柿蔕(シテイ)」と呼ばれていて、しゃっくり止めに効果があるとされています。そろそろインフルエンザの流行する季節ですが、柿の豊富なビタミンCはインフルエンザ予防の心強い味方になってくれるかもしれませんね。ただし、柿の実には体を冷やす働きもあると言われていますので、食べ過ぎには気をつけましょう。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永)

 

日光の節約

 日増しに秋色も濃くなり、赤や黄色の木の葉に爽秋を感じつつ紅葉狩りを楽しみ、秋刀魚や松茸など旬の味覚に舌鼓を打ち、読書で秋の夜長を楽しんでいる人も多いでしょう。夏の猛暑が嘘だったかのように涼しく爽やかな秋を味わいながら、長い冬の到来を控え冬支度をする。これぞ典型的な日本の秋でしょうか。そう考えてみると時が過ぎるのは本当に早いものですね。私が住むニュージーランドでは日本と季節が逆ですので、今は日に日に暖かくなり、私達は首を長くして待望の夏を待っています。因みに、こちらでの真夏は12月から2月なのですが早くも9月末からサマータイムが始まり、夏を楽しむ準備が整いました。日本ではあまり馴染みのないサマータイムですが、デイライト・セービングとも呼ばれ、直訳すると「日光の節約」という意味になります。

 世界中でこのサマータイムが実施されている国とされていない国がありますが、1916年のドイツとイギリスで導入されたのが世界初で、その後は各国で導入されたり廃止されたりと繰り返されているようです。日本も実施された後に廃止された国のひとつですが、時間に正確な日本人の国民性には相応しくないとの声や、日本の東と西では日の出と日の入りの時刻に大きな差がある為、全国的に時間を変更する事は物理的に難しいとの意見などから、実験的な実施は度々あるものの本格的な導入には至っていないのが現状です。

 逆にニュージーランドではサマータイムの実施は大歓迎であり、夕方に仕事を終え、家族や友人とバーベキューや、海水浴、サイクリングなど、日の入りまでの時間を有効に過ごしています。いつもの起床時にまだ薄暗いことがデメリットですが、それでも終業後の楽しみには代えられないとのこと。それもそのはず、真夏は9時半頃まで明るいので、一日がとても長く感じられ、平日でも大いに遊ぶことができます。

 ニュージーランドのサマータイムは4月の第一日曜日までほぼ6ヶ月間続くので、遊び盛りのニュージーランドは活気に溢れています。ただ日本育ちの私には、昼間の明るさの様な中で夕飯を頂くのはまだ違和感がありますが、春先の陽気の中、早くもサマータイムを楽しんでいます。皆様も冬休みのご旅行の際には是非とも南半球で「夏休み」を満喫してくださいね。

 (ニュージーランド在住 Reeoko )

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=17本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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