おもしろコラム通信2月号 2011.2.01 No.082

 

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おもしろコラム通信発行月の前月によせられたコラムの内、採用されたものを絵入りで掲載しています。

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体のお日様が昇らないと慢性疲労に

 皆さん朝のお目覚めはいかがですか?

 朝起きたときに清々しく気分良く目覚め、“さあ、今日も一日頑張るぞ!”と思える方 はいたって健康です。

 眠っている間に昨日の疲れが解毒され、目覚めとともに元気が沸々と沸いて、陽気が上昇している状態です。

 これとは反対に、朝いつまでも寝ていたい、スッキリと目覚める事が出来ない方。こんな方に多い症状は・・・

・頭がボーとして思考力がない

・目が見えているのだが、ぼやっとした感じ

・耳も塞がった感じで、自分の声や人の話し声が遠くから聞こえる感じ

・ニオイや味がはっきりしない、

・食欲がわかない

・指先にグローブでもはめているような使い辛さがある・・・・などです。

 これらの症状は清陽が上がらないために起きる症状です。清陽が上がらないとは、体のお日様が昇らない状態で、頭と五官に栄養が行かないために感覚が鈍くなります。これを九竅(両目、両耳両鼻穴、口、尿道 肛門)が塞がれた状態といいます。

 清陽が上がらない原因には、脾胃の疲れ、体の冷え、湿濁の伏飲があります。

 しばらく前の生活を振り返ってみて、暴飲暴食と寝不足が続きませんでしたか?

 ここで言う暴飲暴食とは、胃腸を冷やして脾胃を傷めるアイスクリーム、ケーキ、甘いお菓子、揚げ物、揚げ菓子、味の濃い料理、冷蔵庫で冷やされたビール、ジュース、牛乳、 ヨーグルト、冷や奴などを欲しいがままに食べることを言います。

 これらの食品は、脾胃を傷め、冷えを作り、湿濁を生む元になるためです。

 慢性の虚労は、生活の質を著しく落とし、長く続けば致命的な疾患に陥りやすいので、一刻も早く養生しましょう。

 

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

ネギで風邪知らず!?

今年も、新型インフルエンザが大流行するきざしがみえてきました。風邪と言えば民間療法としてネギがよいと昔から言われていますが、今回はネギの健康効果について紹介したいと思います。

 ネギにはカルシウム、カリウム、鉄などのミネラル類、カロテン、ビタミンB1、B2、Cなどのビタミン類が含まれています。その他、ネギに含まれる特徴的な成分として、アリシンとネギオールという成分があります。

 アリシンは、ネギの他にもニンニクやタマネギなどネギ属に共通に含まれる滋養強壮効果のある成分です。血小板の凝集を抑制して動脈硬化を予防する働きが期待されている他、抗菌、抗ウィルス、抗炎症作用もあることが知られています。

 ネギオールは、ネギの白い部分に多く含まれている精油成分ですが、アリシン同様に抗菌、抗ウィルス作用があるほか、発汗促進作用などもあるそうです。

 ネギが風邪によいとされるのはアリシンやネギオールなどの働きによるものだと思われますが、実際に動物実験による検証も進められています。富山大大学院医学薬学研究部の林利光教授らはマウスを使ってネギの風邪予防効果について研究されています。

 林教授らは、マウスに1週間、ネギの抽出物を経口投与した後インフルエンザウイルスに感染させました。ネギの投与はその後も続け、最も増えるとされるウイルス投与から3日後のウイルス量を、肺と気管支で調べたところ、ネギを与えたマウスのウイルス量は、与えなかったマウスの3分の1程度に抑えられていました。また、ウイルス投与から3週間後に、マウスの体内にある抗体の量を調べた結果、ネギを与えたマウスの血液中などの抗体はそうでないマウスに比べ、3倍近く多かったということです。

 これらの研究成果からネギは免疫力を高めることによって風邪を予防しているのではないかと考えられるそうです。

 伝承的に風邪によいとされてきたネギですが、科学的に解明される日も近いのかもしれません。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:吉田たつちか)

 

 

英雄と富士山は遠くで見る物

 かつて、司馬遼太郎さんは、「歴史上で一番仕えてみたい人物は誰?」と問われ、迷わず「織田信長」と答えたそうですが、司馬さんに限らず、歴史上の人物・人気ランキングでは、信長は今でも、「坂本龍馬」と並んで、もっとも人気がある人物だそうです。

 福岡市博物館に、国宝「圧切」(へしきり)という刀があります。あの、織田信長の愛刀で豊臣秀吉の名参謀として知られる黒田如水が拝領し、以来、代々、福岡藩黒田家に伝わってきた名刀です。この刀が、なぜ、圧切というかと言えば、信長がまだ弱年の頃仕えていた茶坊主が、あるとき、カチンと来ることをしでかしたようで、すると信長公、たちまち、ぶち切れて、すぐに抜き身の刀を振り回して、城中、その茶坊主を追いかけ回したそうです。茶坊主も斬られたらかなわないから「ひえ〜」とばかり逃げまわり、ついには台所に逃げ込み、そのまま、膳棚の下に隠れて中からしっかりと戸を閉めてしまったとか。

 「ここを開けろ!」と言われたところで、茶坊主も必死だから絶対に開けない。しばらく、「出て来ぬか!」「お許しを!」の問答があった後信長公、ますます怒り狂って、ついに、膳棚の真ん中付近にある隙間に刀を差し込んで、そのまま、「えいや!」とばかり上から力を込めるや、何と見事に(?)、膳棚ごと、その茶坊主が真っ二つに切れてしまったそうです。

 信長公、この切れ味に大いに喜んだそうで、以来この刀を「圧切」と命名し、愛刀とした・・・って、戦国の英雄・織田信長も実際に生身で付き合った人間は、たまったもんじゃなかったでしょうね。茶坊主も何したか知りませんが、給料もらうのもマジの命がけですよ。

 また、信長は、自分自身が、超人的なまでの精力家だったこともあり、他人が休んだりするのが許せなかったみたいで、事実上の覇権が確立した後の安土城時代、朝、突然、「OOまで出かける!」と言って、そのまま、突然、馬を疾走して、出かけちゃったそうです。

 家来も大変でしょうが、もっと大変だったのは、「そんな遠いところまで行ったのだから、今日はお泊まりだろう」と思いこんで、息抜きに遊びに行っちゃった侍女たちで、何と、信長公、普通、一泊するところを日帰りで帰ってきてしまったそうで、侍女たちが不在なのを知ると、これまた激怒!

 侍女たちは、全員、茶坊主状態・・・つまり、死刑になったそうです。

 やはり、英雄と富士山は遠くで見る物・・・のようですネ。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

抜け毛予防にシクラメン?

 冬の花のひとつにシクラメンがあります。人気の秘密は育てやすいこと。鉢植えでもカーテン越しの暖かな場所に置けば、次から次へと芽を出して冬の間じゅう観賞することができます。近年のガーデニングブームでミニシクラメンも誕生し、お手軽な値段で購入できるようにもなりました。

 ベルベットのような赤い花びら、恋愛運が高まりそうな鮮やかなピンク色、そして昭和のヒット曲を想い出させる真綿色など、シクラメンは花の色も豊富なのでどれを買おうか迷ってしまいますね。

 そんなシクラメンですが、植物学における和名は『豚のまんじゅう』と言うから驚きです。全く結びつかないシクラメンと豚。なぜこのような名前になったのかは、花の歴史に理由がありました。

 シクラメンの原産はヨーロッパの地中海地方です。 花の起源は古く、紀元前から生息していたようです。 中世までは観賞するためではなく、その球根を食べる ために育てられました。

 大航海時代になってジャガイモが地中海地方に伝わると、シクラメンの球根は豚の餌に変わってしまったのです。日本に伝来したのは、そのようになってからの明治時代の頃。その時、シクラメンが『豚のパン』と呼ばれていたせいで日本では『豚のまんじゅう』と名が付けられてしまいました。パンをまんじゅうと訳すところが明治の日本人らしいですね。

 そして、もうひとつ面白い話があります。西暦一五十年頃に活躍した古代ローマの作家、アプレイウスが著書のなかで「シクラメンを鼻に詰めると抜け毛予防

に効果がある」と記しているそうです。古代の人々も抜け毛に悩まされていたのですね。効果の程は解りませんが、シクラメンの香りも楽しめて一石二鳥かもし

れません。勇気のある方は是非お試しあれ!

(小説家 華山 姜純/絵:吉田たつちか)

 

 

レンジで親子丼:卵が容器にくっ付かず上手にできます

 

完成写真 材  料 (1人分)
鶏もも肉

青ねぎ
80g
2個
2本
だし汁
しょうゆ
砂糖
大さじ3
大さじ1
小さじ1

だし汁---水+だしの素でもOK!

作り方

@ 鶏肉は1cm厚さの一口大に切る。

青ねぎは4〜5cm長さの斜め切りにする。

冷やご飯のときはこの作業中にあたためて
 おいてください。
A 容器に分量のだし汁・しょうゆ・砂糖を入れ

よくかき混ぜ、切った鶏肉・ねぎを入れ軽く

ほぐす。フタなしでレンジ500wで2分30秒

加熱する。

鶏肉に火が通っているか確かめてネ。

B

鶏肉を加熱している間に、卵を器に割り、箸で

卵黄と卵白が大きく混ざる程度に軽くかき混ぜる。

鶏肉の加熱が終わったら、すぐに卵を回しかける。



C フタなしで、レンジ500wで1分加熱し(1度目の

加熱)
、取り出して大きく一度かき混ぜる。


D


再び
フタなしでレンジ500wで1分加熱する。

(半熟が残っているぐらいがベストです)

加熱後温かいご飯にそっとかける。

汁が多いときは、ご飯にかけてから具を
こぼさないように気をつけて、汁を捨ててください。

(電子レンジ料理研究家  MaRoママ/写真.イラスト共)

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=8本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

<読後通信簿

・当コラムでおなじみの池田平太郎の最新作。

・秀吉に恐れられた軍師・官兵衛が、礎を築いた福岡藩・黒田家。代々同じ葛藤が当主を苦しめる。才人たちが陥った深い闇が起こす、苦悩の顛末を描いた歴史長編。

・作者自身、家業が代々大工の棟梁であり、自身も家業である建設・不動産業に従事していることから、後継者問題について、自分の経験も重ねての黒田家の葛藤を解明かす展開が特に面白い。

・この小説を書くきっかけは、作者自身、福岡出身で現在も福岡侍従という、地元の歴史ということもあるが、少年時代父に連れられて見た「大坂夏の陣図屏風」に触発されたのだという。

< なぜ、今頃になって長政という人物についてる、いて書こうと思ったのかというと、きっかけは、一枚の屏風絵(大阪城天守閣に所蔵されている「大坂夏の陣図屏風」)の存在であった。

 この屏風絵は、別名、「元和服ゲルニカ」と呼ばれているとも聞くが、確かに、普通、こういった戦国絵巻は自家の功績を称えるために描かれたものが大半であるのに対し、この屏風絵、特に、戦いの終盤を描いた左隻については、戦争というものの裏で起こる民衆の悲劇というものを生々しく描い

ているという点で極めて異彩を放っている。白眉であるとさえ言ってよいであろうか。

 大坂城落城後、城下に居住する民衆に対し、勝利した徳川方の兵士らは一斉に襲いかかった。

 そこには、戦闘員、非戦闘員の区別などあろうはずもなく、大坂夏の陣図屏風の左隻には、勝ち誇った兵士らが手当たり次第に、略奪、陵辱、誘拐はもとより、民衆の首を獲って敵兵の首と偽り恩賞を得ようとする「偽首」と呼ばれる虐殺行為に励む様子や、さらに、それら地獄絵図を逃れて川までた

どり着いた民衆が追い立てられて溺死する様子、ようやく川を渡り切ろうとする民衆に対し、対岸で銃を向ける徳川軍の姿、果ては、ようやく生きて脱出出来た民衆の身ぐるみを剥ごうとする追い剥ぎまでが克明に描かれている。

 その、「大坂夏の陣図屏風」において、戦国というものの……、いや、現代にも通じる戦争というものの肺俯をえぐるような真実の姿を後世に書き残そうとした者、それこそが黒田長政その人であったのである。>

・惜しむらくは、この「大坂夏の陣図屏風」写真を扉に挿入していただきたかった。

・ともあれ、今回の小説は二足の草鞋から脱して、小説家として立つ渾身の傑作である。

(井上勝彦記)

 

(幻冬舎ルネッサンス刊 定価1,575円)

 

*今月採用された方(上記挿絵入りのコラム)には掲載ニュースレターと稿料として5千円分のクオカードを2月15日に発送しますのでお受け取りください。

*投稿いただいたコラムが,編集部の都合により、後日採用になる場合があります。この場合の稿料は採用月に支払われます。

*3月号の原稿締め切りは2月15日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

*新聞タイプ(楽しい暮らし2月号はこちらから閲覧ください。

 

★個人情報保護の見地から、コラムニスト紹介のページはHPから削除しました。

 

 

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