おもしろコラム通信6月号 2011.6.01 No.086

 

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おもしろコラム通信発行月の前月によせられたコラムの内、採用されたものを絵入りで掲載しています。

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島津斉彬の譲歩引き出し戦略

 幕末の名君として知られる島津斉彬という人物ですが、彼は愛弟子である西郷隆盛の後年の活躍から、少し、神格視されすぎている傾向があるようにも思います。

 一例を挙げると、斉彬は、安政の大獄に対して、局面打開のために軍事力をもっての形勢逆転を企図しましたがその決断などには、少し疑問を持ちます。あの時点では、遅かれ早かれ、斉彬にも何らかの処分が下されたでしょうから、彼としては他に手がなかったといえるのかもしれませんが、それにしても・・・と。

 まず、斉彬には勝算があったのか?ということです。兵力を率いて東上したとしても、途中の彦根には敵の大将である井伊直弼の井伊家が控えているわけで、直弼という人の性格からして、また、武士というものが本来、戦闘集団であることを建前としていた以上は、「はい、どうぞ」ということにはならなかったと思います。おそらく、直弼は幕府大老として、諸大名に出陣を命じ、かつ、幕府兵力を動員するでしょうから、精強でしられる島津軍

も迂闊には手を出せない・・・。となると、島津軍は、まず、京都で朝廷を押さえる挙に出たと思いますが、すぐ傍にいる井伊家がこれをみすみす指をくわえて見過ごすはずもなく、天皇はむしろ井伊家が保護下に置いたでしょう。

 その後、直弼としては島津軍に正面切って決戦を挑む、あるいは、そのまま薩摩に攻め込むなどというような愚かな策は採るはずもなく、斉彬が出兵した後に、斉彬と不仲の実父、斉興にお家安泰と引き換えに斉彬を廃嫡させればいいわけで・・・。島津軍は精強とはいえ、孤立無援のまま、立ち枯れするように壊滅したでしょうか。

 以前、誰だったか、「大塩平八郎の乱の時点で、西国雄藩のひとつでも立ち上がっていたら、幕府は倒れたのではないか?」という説を唱えておられましたが、私はこの論には否定的です。

 大国とは、ある日突然、衰えるのではなく、徐々に徐々に衰えていくものからです。その意味では、何だかんだ言っても、大国のその底力は侮りがたい物があるでしょう。(老いた大英帝国が新興国ドイツの挑戦を二度にわたって跳ね返したことや、古代ローマ帝国が東西分裂した後も、たびたび、西ゴート族の侵攻を跳ね返したことなどがその顕著な例でしょうか。)

 おそらく、斉彬も、本気で武力出兵を考えていたわけではなく、相手から譲歩を引き出すための手段として武力上洛を匂わせていたのだろうと思います。だからこそ、鹿児島城下で出兵のための練兵を繰り返していたのではないかと。つまり、ポーズとして・・・。

この辺は、井伊と島津の虚々実々の駆け引きだったと思いますが、「討って出るぞ!」を匂わせて譲歩を引き出す以外に、斉彬に活路はなかったでしょう。

もっともこれは、関ヶ原の戦い直後に島津氏が採った戦略でもあり、その意味では、島津氏の伝統的な譲歩引き出し戦略だったとも言えるでしょうが、相手がこれに乗ってこなかった場合、出兵せざるを得ないということになってしまうのではと・・・。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

 

 

中年肥満は老化現象  

 大多数の女性がダイエット経験を持ってみえると思います。若いうちは、食事の量を少し減らし運動量を高めただけで、簡単に体重が落ちていったのに、40歳を超えるあたりからなかなか痩せられないという嘆きの声が目立ちます。

 この大きな原因は、実は老化現象です。次の3つが大きな要因です。

1、【酸化に伴う解毒代謝力の低下】

   人は酸素を吸うことでATP(エネルギー)を作り出していますが、酸素は諸刃の刃で、活性酸素となって細胞を酸化させ、組織を傷つけます。加齢と共に、活性酸素の害から身を守る抗酸化酵素が減少するために、組織が錆びて老化し機能低下してゆきます。

 代謝力が低下するとエネルギーがうまく作られず消費することもできなくなり、脂肪を溜め込んでゆきますし、ますますお腹がすくこともあります。これには、食べ過ぎとストレスを上手くコントロールすることと、コルマータQ10や松康泉などで、代謝力を高めてあげることが大切です。

2、【糖化に伴う筋力の低下】

 タンパク質に過剰な糖が絡み合うことで、プロテインリンゲージというタンパク質の変性が起こります。すき焼きにお砂糖を入れると、お肉が硬くなることと同じで、筋肉が変性します。特に、ストレスにさらされると、筋肉からアミノ酸が溶かされ、血糖値が上昇し、余分な血糖はインスリンの働きで脂肪に変えられます。

 つまり、糖分の取り込みとストレスが多いほど、筋肉は脂肪に置き換えられ、体は冷えて代謝力は 低下してしまいます。 これを防ぐために、血糖値の急上昇を避けねばなりません。タンポポ茶や焙煎度の浅いクロロゲン酸を多く含むコーヒーを食事中に服用すると糖の吸収を抑え、糖化現象を抑制することができます。

3、【ホルモン変化に伴う気力の低下】

   40歳を超えると、ホルモン変化が起こり、成長 ホルモン、女性ホルモン、若返りホルモン(デヒドロエピアンドロステロン)等が減少しはじめます。これらのホルモンが低下すると、筋力、免疫力、意欲が低下したり、骨が弱る、脂肪が増えるなど好ましくない作用をもたらします。

 ホルモン変化を最小限に抑えるためには、補腎力を高めることが大切。Wリンクルや子羊袋、婦宝三膠などの補腎剤とともに、毎回黒い食材を摂取することで、ホルモン力を強化しましょう。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

綺麗な花にはトゲがある

 綺麗な花にはトゲがある。美しい女性には裏があるという慣用句です。この花とは薔薇のこと。チクチクして痛いトゲをうっかり触って怪我をした人もいるのではないでしょうか。そんなところが女性と同じだなんて、とても上手い表現だなと感心してしまいます。

 もともと薔薇のトゲは虫から葉や花を喰われないように備わっている武器です。けれども、その武器が役に立たずに食べられてしまう時代が来ました。食べるのは、なんと私達人間なのです。

 薔薇は昔から人々に愛される花でした。その香りは麗しく、シャンプーや入浴剤、芳香剤などに用いられてきました。近年、薔薇を香りとして楽しむだけでなく、食品としても楽しめないかと考えるようになりました。その結果、花びらからジャムやソフトクリームが作られるようになり、乾燥させて茶葉にしたローズヒップというハーブティーが売られるようになりました。食品としての薔薇は美容によく、肌を若返らせるので女性に注目されるようになったのです。

 そのせいでしょうか。人間とはどん欲な生き物。今度は加工した薔薇ではなく、薔薇そのものをカブっと食べてしまおうと考え始めたのです。しかし、花屋で売られている薔薇を食べたのでは農薬や延命剤が含まれているので人体によくありません。食べて安全な無農薬の薔薇を開発しなくてはなりませんでした。それは簡単にはいかず、数年に渡る思考錯誤の結果、ようやく生み出すことに成功したのです。その薔薇はエディブルローズと呼ばれ、イタリアンやフレンチレストランでサラダとして盛られたり、ウエディングケーキに彩られたりと、優雅で豪華な食の演出をして人々を楽しませてくれるようになりました。

 結婚式のブーケにも使われる薔薇の花。将来は花嫁が最後にブーケを投げた後、皆で薔薇の花びらを一枚ずつ食べて幸せを分かち合う……そんな日が訪れるかもしれませんね。

(小説家 華山 姜純/絵:吉田たつちか)

  

 

 

大人の野菜ピーマン   

 子供の嫌いな野菜ナンバーワンと言えば何といってもピーマンですが、実は、意外と優れものなのです。今回は、ピーマンの特長を紹介したいと思います。

 ピーマンは割と地味な夏野菜ですが、ビタミン類の補給源としては非常に優れていて、カロテンやビタミンC、Eなどを豊富に含んでいます。特にビタミンCはレモンに匹敵するほど多く含んでいます。さらにピーマンに含まれるビタミンCは加熱しても壊れないという特長を持っています。

 これは共存するビタミンP(ポリフェノールの仲間)がビタミンCの分解を防いでいるからです。なお、このビタミンPは、血管を丈夫にするという働きも持っています。

 カロテンは油に溶けやすい性質があるので、油炒めなどにすると吸収率が高まります。このとき、通常の野菜の場合ビタミンCが熱によって損なわれてしまいますが、ピーマンのビタミンCは熱に強いので、安心して調理がすることが出来ます。

 日本では、伝統的にピーマンは青いものしか流通していませんが、ピーマンも、完熟すると赤くなります。赤く熟したピーマンは、青いものよりもビタミン類の含有量が3~4倍も高くなります。また、糖度も上がり特有の青臭さも抜けるので、子供にも食べやすくなって一石二鳥です。

 しかし、なぜ栄養価の高い完熟ピーマンが余り流通しないのでしょう?それは、ピーマンを完熟させるにはとても時間がかかるので生産効率が落ちるということと、完熟させると日持ちしないというのが理由のようです。家庭菜園で収穫している方は是非、赤いピーマンも食べてみてください。

 なお、ピーマン特有の青臭さはピラジンという成分が原因ですが、ピラジンには血栓が出来るのを防ぐ働きがあり、心筋梗塞・脳梗塞などの予防効果が期待されています。生活習慣病の気になる方は、大人味のピーマンがよいかも!

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:吉田たつちか)

 

 

 

父の日の白いバラ  

 母の日ほどポピュラーではないが、6月の第3日曜日は父の日です。父の日は1909年にアメリカ・ワシントン州スポケーンのソノラ・スマート・ドッドが、彼女(彼女を含む子供6人)を男手一つで育ててくれた父を讃えて、教会の牧師にお願いして、父の誕生月である6月に礼拝をしてもらったことがきっかけと言われています。

 1966年、アメリカ合衆国第36代大統領リンドン・ジョンソンは、父の日を称賛する大統領告示を発し、6月の第3日曜日を父の日に定めました。1972年になり、アメリカでは正式に国の記念日に制定されたのです。

 母の日の花がカーネーションに対し、父の日の花はバラ(それも母の日の赤いカーネーションに対抗したのか白いバラ)。前述したソノラ・スマート・ドッドが、父親の墓前に白いバラを供えたからとされています。

 母の日ほどではないものの、デーパートやショッピングセンターでは、父の日向けのプレゼントコーナーを設けて、盛り上げようとはしているものの、ネクタイ、ベルト、靴下、ハンカチなどあまり値の張るものは見られず、いまいち本気度が薄れているようです。

 6月の第3日曜日を父の日としているのはアメリカ、日本のほか 、 中国、 プエルトリコ、 インド、 イギリス、 カナダ、 チリ、  フランスなど17か国に及んでいますが、別の日を父の日としている国も少なくありません。

 たとえば、台湾では8月8日が父の日(父親節)です。これは、「パパ」(爸爸)と「88」の中国語の発音が同じであることに由来しています。

8という数字は、日本人にとっても、末広がりに通じる縁起のよい数字で、人気のある数字です。

8は、台湾だけでなく中国人もも大好きで、「8」を含むナンバープレートは高額で取引されるほどです。日本でも、相応のお金を払えば、車のナンバープレートに好みの数字をつけることができるようになりました。電話番号も同様で、会社やお店の経営者は、特に8の入った電話番号を欲しがるので、やはり高額で取引されます。

北京五輪が2008年8月8日午後8時に開始されたのは偶然ではないでしょう。

 

(コラムニスト 古屋麻耶/絵:吉田たつちか)  

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=12本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

<読後通信簿

 

 

*今月採用された方(上記挿絵入りのコラム)には掲載ニュースレターと稿料として5千円分のクオカードを6月15日に発送しますのでお受け取りください。

*投稿いただいたコラムが,編集部の都合により、後日採用になる場合があります。この場合の稿料は採用月に支払われます。

月号の原稿締め切りは6月15日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

*新聞タイプ(楽しい暮らし6月号はこちらから閲覧ください。

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