おもしろコラム通信12月号 2011.12.01 No.092

 

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上司に恵まれない時の政治判断

 

 官房長官時代の枝野幸男氏を評して「頑張っているのに上司に恵まれない」ことを「エダる」と言う流行語があったそうですね。

 まあ、いつの時代もこの手の話はあることのようで、

「判官びいき」という言葉で知られる悲劇の名将・源義経という人は軍人としては優秀でもやはり、高度な政治判断とは無縁の人だったのでしょう。

 彼は自らのその後の保身のことを考えれば壇ノ浦で平家を滅ぼしてはいけなかったんですよ。平家の脅威が健在であれば、上司で兄の頼朝も「狡兎死して走狗煮らる」*の典型のような酷い仕打ちを科すことはなかったでしょうから・・・。

 この点で、同じような立場に立たされた時の鋭敏な政治感覚を備えた人の対処例としては、三国志で有名な司馬懿 仲達の場合があります。

 仲達という人は、三国志演義の中では、「死せる孔明、生ける仲達を走らす」などと言われ、天才軍師・諸葛亮孔明にいつもいいようにやられる引き立て役のように描かれていますが、実際には孔明に勝るとも劣らない第一級の名将で、そのことは、都合5度に渡る両者の名勝負が「孔明の名采配の前に仲達が毎度苦境に陥りながらも最終的にはなぜかそのたびに孔明が撤退して終わる」という不思議な様相を呈していることを見ればよくわかるでしょうか。

 三国志演義などはこれを「孔明の不運」として描いていますが、運などというものはそうそう一方にばかり加担するものではないはずで、実はこのとき、仲達が所属していた魏の王宮内では仲達の敏腕ぶりを危険視する反仲達派の人々がいたようで、(事実、最終的に魏を滅ぼし三国を統一したのは仲達の孫・司馬炎です。)、かといって、彼らにしても名将・孔明がたびたび攻め込んできている以上、これと対等に戦えるのは仲達しかいないということは衆目の一致するところで、となれば反対派も安易に仲達排除には乗り出せない・・・ということだったわけです。

 ただ、その一方で仲達は惨敗を喫したならば、反仲達派ももはや仲達に頼らなければならない理由はなくなるわけで、そうなると、この時とばかり仲達の責任が追及され生命の危険に瀕することになったでしょうから、その意味では、仲達は実績を上げてもいけない(=孔明軍温存)、上げなくてもいけない(=孔明軍撃退)という難しい課題を背負わされて、この戦いをやっていたというわけです。

 相手を完全に撃滅してしまうことが自身に与えられた役割であり、それが国益なのでしょうが、それをやっては我が身が危ない・・・という場合、上手に自分の身を守りながら、その上で国益を追求する必要があるということでしょうか。

*すばしこいウサギが死ぬと猟犬は煮て殺されてしう。利用価値のある間はこき使われるが、無用となると捨てられてしまうことのたとえ。

(小説家 池田平太郎)

 

 

大根の効用ともみじおろしのタブー

 

 秋も深まって参りましたが、秋冬に旬を迎える食材と言えば、大根があげられるのではないでしょうか。大根は様々な料理に利用され、非常にレパトリーの広い食材ですが、効用においても実に多様な働きを持っています。栄養学的には、ビタミンA、B、Cに富み鉄分・リン・カルシウムなどのミネラルを含んでいます。また、食物繊維が豊富で、低カロリーです。

 大根にはでんぷんを分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼなど各種の消化酵素が含まれていますので食物の消化を助け胃もたれを防ぐ働きがあります。

 製薬会社三共の創業者高峰譲吉は、麹菌からジアスターゼ(アミラーゼ)を抽出することに成功し、自身の名の「タカ」とラテン語の「TAKA(強いという意味)」を掛けてタカジアスターゼと命名しましたがこのタカジアスターゼの開発には、古くから餅を食べるとき大根おろしをつけて食べると胃がもたれないと言う事が大きなヒントとなったとも伝えられています。

 また、大根には白菜やキャベツと同様にアブラナ科に属す植物に特有の辛味成分であるイソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは抗菌作用、抗癌作用、血栓防止作用などの働きを持つことが知られています。イソチオシアネートは大根を刻んだりすりおろすなどしたときに酵素の働きで生成しますが、刺身のツマに白髪大根が用いられるのはイソチオシアネートによる防腐効果も期待され理にかなっていると言えます。

料理の彩りによいということで用いられる大根と人参をすりおろした「もみじおろし」というものがありますが、以前は栄養学的にはよくない組み合わせだと言われていました。人参に含まれるビタミンCを酸化させる酵素が大根のビタミンCを破壊するからというのがその理由です。しかし、酸化されてしまった酸化型ビタミンCも人が摂取した場合、体内で容易に元の還元型ビタミンCに戻り、ビタミンCとしての機能を十分に発揮するということが近年の研究で明らかにされました。もみじおろしのタブーは今では迷信となってしまったということです。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永)

 

 

 

 

 

 

心をときめかすクリスマスツリー

 

 デパートや大型スーパー、駅や空港など、大きなクリスマスツリーが、色とりどりの光を放ち、明るく楽しく出迎えてくれます。家庭でも「今年はどんなクリスマスツリーにしようか」と、親子で嗜好をこらしているのではないでしょうか。

 世界で初めてクリスマスツリーを飾ったのはパン職人でした。それは一四一九年のこと。ドイツ南西部の都市、フライブルグの聖霊救貧院に飾りました。その時のツリーは、もみの木にリンゴやナッツの実をつけたシンプルなものだったようです。ドイツではクリスマスイブにアダムとイブの物語を上演していたので、リンゴがクリスマスの象徴となりました。

 クリスマスツリーはたちまち流行し、ドイツ全土に広まっていきます。リンゴのほかに色紙や紐など、いろいろな飾りをつけるようになりました。宗教改革をしたマルチン・ルターは、ロウソクをつり下げることを思いつきました。ロウソクの炎はクリスマスツリーをより美しく幻想的にさせたので、皆がこぞって真似をするようになりました。

 一つの国の流行が、世界に広まるのに時間はかかりませんでした。イギリスのビクトリア女王と結婚したドイツのアルバートは息子のために、バッキンガム宮殿にクリスマスツリーを飾りました。それを知った国民が、我が子のためにと自宅にツリーを置くようになったのです。アメリカへはドイツからの移住民が広めま

した。我が国では、一八六〇年にドイツの使節が公館に飾ったのが最初。西洋の文化を積極的に取り入れた明治の日本では、すぐにこの風習が受け入れられ、町でも家庭でもツリーが見られるようになっていきました。

 てっぺんに輝く大きな星。これはキリストの誕生を知らせる星です。天使やサンタの人形など思い思いの物を飾るようになり、ロウソクは火事の危険性から電飾に変わりました。時代と共に年々豪華に変わっていくクリスマスツリー。しかし、ひとつだけ変わらないことがあります。それは、ツリーには心をときめかせ、気持ちを豊かにさせる力があるということ。大人も子供も毎年クリスマスツリーを見るのを楽しみにしているのです。

(小説家 華山 姜純)

 

 

 

 

新種のウイルス?『esuba virus』

 

 こんな喩え話があります。

「『esuba virus』という新種のウイルスが発見された。このウイルスは子ども百人あたり二人に潜伏していて、重症では一割が命を落とし、三割に麻痺や障害が残ることが判明している。感染の初期に適切な『neihs』という特効薬を打たないと、多くの場合感染が持続し反復する。また、このウイルス は六割以上に垂直感染(親から子どもへの感染のこと)することで、次の世代にも深刻な影響を及ぼしているようだ。このウイルスは日本でも広く蔓延しており、二日に一人が亡くなっている。」

 恐ろしい病気であると感じるでしょうか。実は、これは「子ども虐待」の統計結果をウイルス感染に喩えたものです。ウイルス名の「esuba」は虐待という意味の「abuse」を逆から読んだ造語になっています。虐待を受けている子どもは子ども全体の2%に上り、重度の虐待では三割に後遺症が残り、一割が死亡してしまいます。虐待を受けた子どもは大人になって自分の子どもに虐待を繰り返すことがありますが、それはエイズウイルスよりも頻度の高い垂直感染であるとも言えます。

 新型インフルエンザへの日本の対策予算は一千億円を超えますが。児童虐待対策への予算は百七十億円にとどまっています。ウイルスに例えれば、子ども虐待も間違いなく優先順位が高まるでしょう。

 お気づきになられた方もいらっしゃるでしょうが、ウイルスの特効薬「neihs」は「shien」、つまり「支援」を逆から読んだものです。子供たちのためにも適切な支援が待たれますが、私たちも子どもを守るためにアンテナを張っておかなければなりませんね。(現役医大生 朽木誠一郎)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インフルエンザに負けない体作り

 

 空気が一段と冷たく乾燥してきました。インフルエンザや風邪に感染しやすい季節です。

 インフルエンザ予防には、まずワクチン!と考えがちですが、感染しても発病しない丈夫な体作りも大切です。

  インフルエンザ予防の決め手は次の3つ!!!是非マスターしてくださいね♪

1,体内浄化すべし

 体の中に余分な糖、脂質、未消化のタンパク質があふれていると免疫細胞はその処理に追われて、ウイルスをやっつける戦力が落ちてしまいます。食べ過ぎを避けて腹七分、間食やダラダラ食い、夜食は免疫力を落とします。

    一日一度じわっと汗をかいていますか?運動出来なかった日は、半身浴で気持ちよい汗をかきましょう。

2,体温を上げるべし

 体温が1度下がると免疫力は37%低下、酵素の働きは50%も低下し、ウイルスと戦う力が弱まります。

 水分の摂りすぎ、刺身やサラダ、果物などの体を冷やす食品を控え、根菜たっぷりの鍋物で温まりましょう。

 首のグリグリの下(大椎)を温灸で温めましょう。首筋や足首が冷えないよう、しっかりガードしてください。

 足こぎ運動やスクワットで下半身の筋力を高め、筋トレ後はストレッチで流れを良くしておきましょう。

3,腸内免疫を整えるべし

 質の良い味噌、醤油などの発酵食品をとりましょう。

 お通じがスムーズでない方は、殺菌乳酸菌+生薬製剤の証陽散で胃腸を整えてください。

 午後10時~午前2時の解毒再生時間に、熟睡できるよう心がけましょう。

 息を長く吐く腹式呼吸は、体をリラックスさせて腸内免疫を高めます。コンニャク罨法で、腹肝腎の手当てを行いましょう。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=12本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

*今月採用された方(上記挿絵入りのコラム)には掲載ニュースレターと稿料として5千円分のクオカードを12月15日に発送しますのでお受け取りください。

*投稿いただいたコラムが,編集部の都合により、後日採用になる場合があります。この場合の稿料は採用月に支払われます。

12月号の原稿締め切りは12月12日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

*新聞タイプ(楽しい暮らし12月号はこちらから閲覧ください。

*電子ブック(12月)はこちらからご覧ください。

 

★個人情報保護の見地から、コラムニスト紹介のページはHPから削除しました。

 

 

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