おもしろコラム通信2月号 2012.2.01 No.094

 

おもしろコラム通信は、おもしろコラムに登録済みのコラムニストが登録時に記したメールアドレスに無料で配信しています。

おもしろコラム通信発行月の前月によせられたコラムの内、採用されたものを絵入りで掲載しています。

当該コラムの内容を無断で他に使用・転用することを禁じます。

 

 

坂本龍馬暗殺犯異論

 慶応3年(1867年)の新暦12月10日夜、京都河原町近江屋において坂本龍馬、中岡慎太郎が暗殺された事件ですが、最近では犯人は京都見廻組説で落ち着いてきたようですね。

 私も、7割方はこれで異存はありませんが、まだ、釈然としない部分も感じております。

 まず、龍馬は以前にも司直の襲撃を受けたことがあることから十分に警戒していたと考えられ、その為、土佐藩邸の近くで、かつ、刀を振り回しにくい天井の低い部屋がある近江屋の2階を潜伏場所に選び、さらに、用心棒に元力士を雇っていたと言われています。

 それなのに、犯人は坂本・中岡を斬る前にその来訪を取り次ごうとしたその元力士を後ろから斬っていますが標的に辿り着く前に部屋の前で他の者を斬ってしまうのはリスクが大きすぎませんか?

 仕留め損なったら気づかれるし、普通、狙われる側は些細なことでも身構えて待つものですよ。

 それなのに彼らは取次者を斬った後、平然と座って挨拶し、「坂本先生は?」と尋ね、龍馬がこれに応えたのを見ておもむろに小太刀を抜いて斬りつけた・・・と。

 これも本来おかしな話で、座ることは当初からの予定であったとしても、暗殺犯は標的の警戒状況如何に関わらず座ってこれを決行したことになるわけで、だとすれば大胆にしてもっとも効果的、彼らの標的を仕留めるまでの20分足らずの動きには、一切の無駄も迷いも感じられず、そこには恐ろしいまでに暗殺慣れしているものを感じます。

 

 次に、犯人を絞り込むうえで、この時期、京都に居て、小太刀の名手で、かつ、室内戦闘の経験が豊富・・・となると、まず、室内戦のプロといえば、どうしても新撰組が思い浮かびますが、この時期、新撰組はますます佐幕色を強めており、であれば、龍馬を討ち取っていささかも隠す必要はなく、むしろ池田屋事件の時のように堂々と犯行声明(?)を掲げたでしょう。

そう考えれば、見廻組には小太刀の名手もいたのでしょうが、むしろ新撰組に比べれば影が薄かった観があるだけに、少なくとも、わざわざ新撰組の仕業に見せかける必要もなかったように思えますし、何より彼らが修練を積んできたのは「暗殺」ではなく「戦闘」だったわけで・・・。

(現場には新選組を疑わせる証拠物件が多数残されていたといいますが、これも、これほど鮮やかな襲撃を成し遂げた輩にしては少し粗雑すぎるように思えます。)

そう考えると、どうにもこういうことに恐ろしく慣れている連中、つまり、幕府の特殊暗殺部隊のような存在があったようにしか考えられず・・・、うがちすぎですかね。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

 

コラーゲンの効果?

 コラーゲンの美肌効果については疑問視する声もあります。今回は、コラーゲンの効果について検証してみました。

 コラーゲンとは皮膚や腱などに多く含まれるたんぱく質です。一般には、美肌効果があると信じられていますが、たんぱく質は基本的に食べると消化されて単一のアミノ酸やアミノ酸が2~3個程度つながったペプチドにまで分解されてから吸収されるためそのままの形で体内に吸収されるわけではありません。

 さらにコラーゲンを構成している特徴的なアミノ酸のヒドロキシプロリンも体内に吸収された後、皮膚のコラーゲンを作る線維芽細胞の材料としてそのままの形で使われることはありません。その他の構成アミノ酸であるグリシンやプロリンについてもコラーゲン以外のたんぱく質にも広く存在するアミノ酸です。

 以上のことから、コラーゲンを選択的に食べることが、体内でコラーゲンを作ることにどれほど役立つのかと疑問視されています。国立健康・栄養研究所の報告書「コラーゲンの安全性と機能性」においてもコラーゲンの美肌効果については懐疑的に書かれています。

 ところが、最近、京都府立医大の研究グループによってコラーゲンの美肌効果に関するメカニズムの一端が明らかにされ、その研究成果が学術雑誌に掲載されました。

 京都府立医大の佐藤健司教授らの研究によると、ブタや魚のコラーゲンを食べると、コラーゲンに多いアミノ酸のヒドロキシプロリンとプロリンが結びついたペプチドが血中に長時間にわたって増えることがまず明らかとなりました。そして、このペプチドがコラーゲンを作っている繊維芽細胞という細胞に働きかけ、その増殖を促進することを突き止めました。つまり、これまで考えられてきたようにコラーゲンは体内でアミノ酸やペプチドに分解されて単にコラーゲンを生成するための材料として使われるだけではなかったということです。コラーゲン由来のペプチドはコラーゲン生成のための材料となるだけでなく、コラーゲンを作る細胞に働きかけてコラーゲンの生成を促進するという重要な役割を果たしているのではないかということです。

佐藤教授らの研究ではまだ試験管レベルの研究でメカニズムを説明しているだけですので、実際に効果があるのかないのかは、今後の臨床研究によって証明されるべきものです。しかしながら、少なくともこれまでのコラーゲンの美肌効果に対する批判的な論調に楔(クサビ)を打ち込むものではないかと思います。

信じるものは救われるかも。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:吉田あゆみ)  

 

 

 

神経症的性格にサヨナラ

 鬱病や神経症で悩む方の典型的なパターンとして、行動できずに、最善の方策をいつも考えていることがあげられます。

 あなたは、次のどれかにあてはまっていないでしょうか?

1、物事にとらわれやすく、解決できないことを堂々巡りで考え続ける癖がある

2、計画や段取りばかり気になり、結局何も出来ないことが多い

3、過去を振り返り、反省ばかりしている

4、失敗を恐れてなかなか前に進めない

5、他人を自分のものさしで計ることが多く、自分の考えから逸脱すると不快になる

 いかがでしたか?

 実はこれらはすべて、脳を極度に疲れさせてやる気を失う思考パターンなんですね。このパターンに陥ると、気血をどんどん消耗して神経症的性格を形成してゆきます。

 脳は、適度な緊張感をもって物事に集中しているときに、最大の力を発揮します。

例えばゲームをしているとき、運転をしているとき、目の前の仕事に集中しているときなどです。

もっと簡単に言えば、”楽しいな!”という感情をもちながら、集中して作業を行うとき、脳の中では快感ホルモンが生まれ、非常にリラックスできて、素晴らしいアイデアが次々に浮かんできたり、思わぬ能力を発揮したりするわけです。 楽しみながら集中することは、脳の栄養になるのですね♪

それでは、神経症的性格にサヨナラするための訓練をしてみましょう。

1、何もやらないより、何かをやる方がマシと考え、目の前の仕事に集中してみる

2、結果を気にせず、チャレンジすることが喜び

3、反省は前向きの逆走・・・振り返らない、ひきずらない

4、ピンチもワクワク、ハラハラ。これも人生と楽しむ根性で

5、先々の事はどうなるか判らない。今できる事を精一杯やる

考えるのをやめて、とりあえずヤル!そうすることにより、必ず道は開けてくるものですヨ♪

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

お散歩スキーのすすめ

 平地をゆっくり散歩するように歩くクロスカントリースキーは山の少ない北欧で誕生したスポーツです。対して中央ヨーロッパのアルプス地方で生まれた、雪山を勢いよく滑走するスキーをアルペンスキーと呼び、一般的にはアルペンスキーがスキーの主流とみなされています。

しかし、最近はアルプスでも山の麓にクロスカントリースキーコースを併設したスキー場が増え、クロスカントリースキーの人気が高まっています。

雪の降らない時期でのクロスカントリースキーの練習ために開発された、ポールを使って大股で歩くノルディックウォーキングというエクササイズがあります。近年はウォーキングやジョギングが流行していますが、ノルディックウォーキングは、よりカロリーを消費し、全身の筋肉を使う有酸素運動して注目を浴びています。そのおかげで地味な存在だったクロスカントリースキーにもスポットライトが当たるようになったそうです。

クロスカントリースキーは、身体に激しい負担をかけずに、上半身と太ももの筋肉をリズミカルに動かすスポーツです。バストアップと二の腕のシェイプアップが期待でき、ウェスト、腰、お尻周りもすっきり引き締まります。1時間で500カロリー以上を消費すると言われ、年末

年始で食べ過ぎてダイエットしたい方、冬に運動不足になりがちな方にお勧めです。

仲間とハイキング気分で初心者でも気軽に始められ、雪に包まれた野原や森で自然を堪能できるのは、クロスカントリースキーならではの楽しみです。しかし中級者以上になると、個人で実践する人が増える傾向にあります。白い世界で孤独にただ前に進むことだけに集中すると次第に無心になります。目的地に到着する時には、今まで知り得なかった自分を発見したような清々しい気分が得られるのです。瞑想にも似た効果があり、この感覚は一度味わうと何度でも体験したくなるものです。

(コラムニスト びねくにこ/絵:吉田あゆみ)

 

 

 

梅と日本人

 冷たい北風が吹き続けるこの季節。梅の開花の便りが待ち遠しくなってきました。日本各地に梅の名所があり、休日には美しい白梅や紅梅を見に出掛けたくなります。

 梅は中国からもたらされたと考えられています。いつ、どのように伝来したのか、はっきりとは解っておらず、梅の実を食べた渡り鳥が種を運んだとか、弥生時代に米と一緒に持ち込まれたなどの説があります。しかし、平安時代までには人々に親しまれるようになっていました。その証拠に万葉集に数々の梅の花を用いた和歌が残されています。

 梅の花にまつわる伝説で有名なのが菅原道真の話でしょう。菅原道真は平安時代の貴族で学問の神様でもあります。京の都で天皇に仕えていた道真でしたが、藤原氏の陰謀により九州の太宰府に左遷させられます。道真は自宅に植えていた梅の花がとても好きだったので、去り際に「東風吹かばにほひをこせよ梅花主なしとて春を忘れそ(私がいなくなっても春が来れば梅の花を咲かせるのだぞ)」と歌いました。そして大宰府に赴いたのですが、なんということでしょう。その梅が道真を追って一夜で京都から大宰府まで飛んで来たのです。その梅は飛梅と呼ばれ、今でも太宰府天満宮に植えられています。そして毎年見事な花を咲かせています。

 日本では梅を観賞花として楽しむだけではなく、実を梅干しにして食しています。梅干しは道真のいた平安時代からありました。その当時はご飯のおかずではなく、医薬品として使われていました。日本最古の医学書「医心方」に梅干しは解熱作用があり、体の痛みや皮膚の麻痺を治し、下痢を止めると書かれているそうです。事実、村上天皇が病に伏した時、梅干しを食べて回復したとか。梅干しにそんな力があるなんて、知らなかったですよね。戦国時代には喉の乾きをうるおす食べ物として、戦地に向かう武士に持たせていました。

 このように重宝する梅干しですから、江戸時代には梅の木を植えることを大名が推奨しました。水戸の偕楽園もそのひとつ。あの素晴らしい梅林は梅干しのお陰で見ることができるのです。ふわふわと花が咲き誇る梅林公園を歩く時、梅干しを思い出してちょっと口の中が酸っぱくなってしまうかもしれませんね。

 

(小説家 華山 姜純/絵:吉田あゆみ)

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=15本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

*今月採用された方(上記挿絵入りのコラム)には掲載ニュースレターと稿料として5千円分のクオカードを2月15日に発送しますのでお受け取りください。

*投稿いただいたコラムが,編集部の都合により、後日採用になる場合があります。この場合の稿料は採用月に支払われます。

月号の原稿締め切りは2月15日です。

*特に季節を織り込んだコラムについては、翌月を想定して投稿ください。

*新聞タイプ(楽しい暮らし2月号はこちらから閲覧ください。

*電子ブック(1月)はこちらからご覧ください。

 

★個人情報保護の見地から、コラムニスト紹介のページはHPから削除しました。

 

 

おもしろコラム

http://omosiro-column.com/

(有)日本ジャーナル社「暮らし~」編集部

東京都武蔵村山市大南5-8-1

TEL 042-563-6961 FAX 042-563-0277

e-mail   atec@inv.co.jp