おもしろコラム通信10月号 2012.10.01 No.102

 

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テロを力で押さえ込む事への割の合わなさ

 

 先般、イギリスでロンドン同時多発テロ以降、捜査に当たっていた警察官にブラジル人の無実の若者がテロリストと誤認され射殺された事件がありましたがその件で、最近、また、監視カメラがどうのこうの、警察の言い分と違っていたのどうの・・・ということが話題になっているようです。

 事件そのものは、当然、私などのあずかり知ることではありませんが、その経緯に関しては、知れば知るほど、考えれば考えるほど、イギリス人とアメリカ人の違いについて感じるところが強くなります。

 事件後、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)はすぐに誤認射殺であったことを認め謝罪しました。

これを見ていると、絶対に謝らないことで世界的に有名なアメリカ人を思い浮かべてしまいます。

 一般に「米英」とひとくくりにして言われることも多い両国ですが、こういった違いはあらゆる所に見て取れるようです。

「靴を履かない民族に靴を履かせなかったイギリス人に対しアメリカ人はむりやり靴を履かせて嫌われる」とは、よく靴を民主主義にたとえて言われることですが、このテロ対策においても違いが見て取れるようです。

 アルカイダ以前から、すでにIRA(アイルランド共和軍)のテロの脅威にさらされていたイギリスは、テロを力で押さえ込むことへのコストの高さを知り尽くしているのでしょう、テロを力で押さえ込むのではなく、テロに走ろうとする者たちを走らせないようにする政策、つまり、テロの温床を無くす政策を根気よく実行しています。(この辺のことは、映画「マイケル・コリンズ」をご覧頂ければ、背景的なモノはまあおわかり頂けるかと思います。もっとも、当のアイルランドでさえも、この映画に対しては、とかくの批判があるとは言いますが・・・。私も、随分前にこの映画は見ましたが、ヒロインは何と!今をときめくジュリア・ロバーツだったんですね。今、知りました。

 それに対し、アメリカはアフガンからイラクと、ひたすらに力で押さえつける・・・。まさに、北風と太陽の世界でしょうが、こういったことを考えれば、どうしても、世界帝国の先輩としては、イギリスに一日の長があるように思えますが、如何でしょうか?

 これは何も、9.11以降に限ったことではなく、アメリカという国は、元々、建国以来、力といういものをひたすら信奉することで成長してきた国(開拓していく上で頼りになるのは自分の力だけという、いわゆる、フロンティア・スピリット(開拓者魂)。つまりは、西部劇のジョン・ウェインの世界。)であり、これがアメリカという国の価値観だとはよく言われることですが、ただ、かつてのイギリスがそうであったように、もう、アメリカもテロを力で押さえ込む事への割の合わなさというものに気付くべきではないでしょうか?

 もっとも、アメリカの言う国のアイデンティティがそうである以上、それを放棄するということは、アメリカの凋落を意味することになるのかもしれませんが・・・。

(小説家 池田平太郎/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

秋の風情

 

 十月の暦は、八日に二十四節気の寒露(かんろ)、二十三日に霜降(そうこう)があります。

 寒露は寒さを感じなくなる日が続くころという意味で初候「雁(かり・がん)が飛来し始める」、次候「菊の花が咲く」、末候「キリギリスが戸で鳴く」となります。

 霜降は、朝降りる露が霜に変わることという意味で、初候「霜が降り始める」、次候「小雨がしとしとと降る」、末候「もみじや蔦が色付いてくる」となります。

 二十七日は旧暦の九月十三日で、「十三夜」、このころの産物にちなんで、「栗名月」「豆名月」と呼んで日本ではこの日のお月さまを愛でる習慣があります。ちなみに九月の満月「十五夜」仲秋の名月の別名は「芋名月」。日本人がいかに農業、食べ物に密接な関わりを持って暮らしてきたかがうかがえて面白いなぁと感じます。

 秋は雁など、日本で冬を越すための渡り鳥が多くやってくる時期でもあります。歳時記では「渡り鳥」ということばそのものが秋の季語とされています。反対に「燕(つばめ)帰る」も秋の季語です。燕はもっとあたたかい国へ帰って行く時期になるのですね。

 キリギリスとかカマキリとかバッタなどといった虫も、秋の季語になっています。もちろんコオロギなど、夜に虫が鳴く様は、「虫すだく」といってもちろん秋の季語です。

 十月には霜降という二十四節気がありますが、霜は実は冬の季語になります。秋の季語にあてはまるのは、霧や露なので、時候のあいさつをするときなどには気を付けて下さいね。今年は末候の始まりがもう十一月二日になります。山が紅葉し始めても不思議ではない時期ですね。

 歳時記には秋の山、秋山、秋の峰、山澄むなど、秋の山につい

ての美しい季語がたくさんあります。野原についても花野、秋の野など、萩やすすきが盛んに咲いている野原を現すことばがあります。

 十月はお月さまも花も虫も、風情のあるものが多いですが、秋晴れ、秋うらら、秋高し、天高しなど、秋の澄んでよく晴れた空を描く季語もたくさんあります。

 その他、スポーツの秋、学問の秋など、十月にもなるとめっきり秋めいてきていると思いますが、みなさんはどんな秋を過ごされるでしょう? もちろん、食欲の秋も良いですね。

(気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

足のむくみに注意!

 

 長い夏を終えた体は、心身ともに疲労困憊しています。汗をかきすぎたこと、冷たい水分をどうしても摂ってしまうことなどで、一番堪えているのは五臓の中の心(心臓)です。西洋医学的に言えば、ミネラルバランスの乱れが、心に多大な影響を及ぼします。心に疲れが生じて現れる症状の一つが足のむくみです。

 足は体の一番下部にあり、重力の影響を受けますので、最もむくみやすい箇所なのですが、心臓が十分に機能しており、1回の拍出量が十分あれば、そのポンプ力により引き戻されてきます。

 ところが、心が疲れると、血液の勢いが十分でなくなり、組織液を戻してくる力が衰えますので、むくみが生じます。

 もうひとつは、長時間の立ち仕事、座り仕事により、ふくらはぎの筋肉がお休みしていることが原因です。立ちながら、あるいは、座りながらかかとを上げ下げする運動をしてみてください。

足の筋肉のポンプ力を強めると、心臓への負担が軽減されます。

足を冷やさず、適度に加圧するニーハイソックスなども利用してみてください。

 蛍光灯の下で、連続してパソコン仕事をすると、体に静電気が溜まりやすくなります。静電気は、血流を悪くしたり、活性酸素を発生させたり、細胞中のナトリウム濃度を高め、むくみを起こしたり、神経の伝達に悪影響を及ぼし、気持ちも体もラジカルになりがちです。静電気をアースさせるためには、なるべく土道を歩くこと。雨上がりや早朝に、緑のあるところに身を置くこともよいです。

 お勧めは、①海水のミネラルを吸い上げた薬草(しほよもぎ)

②」心臓の補酵素コエンザイムQ10を補給し、1回拍出量を増やす(コルマータQ10)③ビワ温熱+電位治療(シグマビワオンキュ)・・・・などです。

 

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

血栓予防に役立つ食事

 

 脳卒中を予防する方法として、まず血栓を防ぐ方法について紹介致します。

 一般的な生活習慣上の注意として、血液粘度を上昇させないように、運動や入浴、睡眠などで水分が失われた際には小まめに水分補給することや禁煙などがよく挙げられますが、ここでは食生活からの予防法について考えてみたいと思います。

 血栓を防ぐヒントは、エスキモー人の食生活にありました。

デンマークのダイアバーグ博士らの疫学調査によると、同じように動物性脂肪の摂取量の多いデンマーク人とグリーンランドに住むエスキモー人とを比較すると心筋梗塞、動脈硬化、脳梗塞などがエスキモー人の方がはるかに少ないことがわかりました。

 なぜそのような違いが現れたのかさらに調べますと、その差は食事の違いによるものであることが明らかにされました。すなわち、デンマーク人は、飽和脂肪酸の多い牛や豚などの獣肉を食べるのに対し、エスキモー人はEPA(エイコサペンタエン酸=EicosaPentaenoic Acid)やDHA(ドコサヘキサエン酸=Docosa Hexaenoic Acid)などの不飽和脂肪酸の多く含む魚肉やアザラシを多く食べていたからです。なお、DHAやEPAはまとめて魚油と呼ばれています。ここで、まず飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いについて説明します。

 飽和脂肪酸はその化学構造に二重結合をもっていない脂肪酸で不飽和脂肪酸は二重結合を持つ脂肪酸です。二重結合はあればあるほど融点が下がるという性質がありますが、融点が下がるということは固まり難くなるということです。逆に二重結合のない飽和脂肪酸の融点は高く、固まり易いということになります。

 すなわち、ラードのように常温では固化してしまう脂になるというわけです。陸上動物は体温が高いので、飽和脂肪酸でもよいのですが、魚のように低い温度で生活する動物は、体温も低いので飽和脂肪酸だと体内で固まってしまうため、不飽和脂肪酸の方が体に適しているのです。

 さて、不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは悪玉コレステロールを下げる働きを持っていて、これだけでも動脈硬化予防によいのですが、さらに血栓を防ぐ働きも持っています。

 血栓がどのような仕組みで形成されるかと言うと、血管が傷ついたときにそれが刺激となって血管壁にある不飽和脂肪酸の一種アラキドン酸からプロスタグランジンという物質が作られ、そのプロスタグランジンの働きで血小板が凝集することによって起こります。DHAやEPAにはプロスタグランジンの生成を抑制する働きがあり、DHAやEPAを多く含むサバやイワシ、マグロ、ハマチなどの青魚を摂取すると血栓を防ぐことができるのです。

 なお、DHAやEPAはアレルギーの発症に関わるロイコトリエンの生成も抑制するので、花粉症などのアレルギー性疾患に対する効果も期待されています。

 今回は特に魚油について詳細に説明しましたが、魚油の他にも、タマネギやにんにくに含まれる硫化アリル、イチョウ葉エキスに含まれるテルペノイド、黒酢に含まれるクエン酸などにも血栓を防ぐ働きがあります。さらに、納豆に含まれるットウキナーゼには血栓を溶解する働きがあるといわれています。これらの食品を上手く食生活に取り入れられて血栓の予防にお役立ていただきたいと思います。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋幸永/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

マイクロシエスタのすすめ

 

 南ヨーロッパでは、正午から午後三時くらいまで商店が閉まっているのが当たり前。家に帰って昼食をとり、そのあとは軽く昼寝をしたり家族とのんびり過ごしてから、午後の仕事に戻ります。経済重視主義の現代では、大型チェーン店や中規模以上の都市ではこの習慣は消えつつありますが、今でもお昼時に南欧の小さな村を訪れると、街路には人っ子ひとりいなく、すべての店には当然のごとくシャッターが閉まり、村全体がしーんと静まり返っています。まるでそこだけ時間が止まったような、そして永遠にこの時間が続くような錯覚にとらわれます。

 働き者の日本人からすると、昼の休憩時間、いわゆるシエスタは「単なる怠け癖、のんびりしすぎ」という感想を抱きがちですが、本来、人間らしい生活リズムを守る上でとても大切な習慣なのです。人間の体内リズムはもともと起床から約6時間後には疲れを感じ、休むことなしに動き続けると脳の働きが鈍くなり、集中力を失うだけでなく活動の生産性も低下します。しかし、食後にきちんと休憩をとると、消化も良くなり、脳が活性化され、午後の活動がよりはかどるのです。さらに、昼食後の睡眠のクオリティは高く、数十分でも夜の二時間分の睡眠に該当するほど深い眠りにつけるそうです。もちろん健康にも影響を与え、習慣的にシエスタを実践している人は、心臓や血管など循環器の病気にかかる確率が低いことがわかっています。

 さて、南ヨーロッパの人のように何時間もシエスタの時間はとれなくても、5~10分程度の「マイクロシエスタ」を実行ことは可能ですよね。最近の研究でも、机に突っ伏して数分間眠ったり、目を閉じて休憩するだけでも、コーヒーをがぶ飲みしながらぶっ続けで活動するよりも効率がアップすることが明らかにされています。一日の真ん中で活動リズムの一時停止を押すことで、気分もリセットでき、改めてやる気も起きるでしょう。ほんの少しの休憩をムダな時間だと思わずに、そのあとの活動のための大事なひとときとみなせる余裕のある生活が理想ですね。

(コラムニスト びねくにこ/絵:そねたあゆみ)

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=13本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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11月号の原稿締め切りは10月12日です。

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