おもしろコラム通信 5月号 2006.5.11 No.025

 

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「ボケ」と「ズレ」

第二次世界大戦中、アメリカ合衆国大統領、フランクリン・デラノ・ルーズベルト は、この大戦の最中に亡くなったことから、ノルマンディー上陸作戦や、ヤルタ会談でのソ連へのシベリア参戦要請などを始めとする、一連の決定は、果たして、正常な思考の元で為されたのか?ということが言われているようです。

ノルマンディ上陸作戦は、1944年(昭和19年)6月6日、敗色濃厚の感が強くなってきたドイツにとどめを刺すべく、連合軍によって為された、ヨーロッパ本土への強襲上陸作戦です。ところが、実は、当時、相手方であるドイツ側には、もう一カ所、別の上陸予想ポイントがあったそうです。

それが、パ・ド・カレー地区です。

当時、ヒトラーを始めとするドイツ首脳も、ここを連合軍の上陸予想地区の第一に掲げ、実際に連合軍がノルマンディに上陸したときも、一部の司令官の中には、これをパ・ド・カレー上陸の為の陽動作戦だと思い込み、早期の反撃を指示しなかったとさえ言います。

それほどに、パ・ド・カレーが重要視された。その理由は「イギリス本土から大陸への最短距離である。」、「空軍・海軍からの支援が受け易く、港も確保し易い。」、「イギリスにとって脅威であったドイツ側のロケット兵器基地がある。」ということと、もうひとつ、何より、この地は「ライン川からドイツの心臓部にかけての最短距離。」であったことです。

つまり、ここを攻撃することは、ドイツ心臓部への最短距離でもあることから、ドイツ側の頑強な抵抗が予想されるとしても、結果として、早く戦争を終わらせることが出来た可能性もあったわけです。

となれば、ソ連のベルリン進駐は間に合わなかった可能性も有り・・・。

さらに、その上、連合軍はミスを犯します。

連合軍は、ノルマンディ上陸後も、一路、首都ベルリンを目指すことをせず、まず、残存するドイツ軍部隊を撃破することを優先し、ベルリンから90度曲がって、残存部隊に殺到してしまったことです。

その間に、ソ連軍が「腐っても鯛!」とばかり、ベルリンを制圧してしまったことで、その後の東西冷戦と軌を一にして、ドイツの東西分割が決まってしまったと言われています。

その後、翌1945年2月4日からのヤルタ会談を経てドイツ降伏の1カ月前、日本降伏の4カ月前の4月12日昼ルーズベルトは突然、63歳で脳溢血により任期半ばで世を去ります。

この点について、私見を言わせて頂くなら、ルーズベルトの頭脳は、やはり、正確な判断ができない状態であったと思います。

私自身の体験としても、こういったルーズベルトのような症状は、いきなり、痴呆というものになるのではなく「ボケ」というよりも、「ズレ」という形で出てくるもののようだからです。

日常会話には支障はないから、極々、身近な一部の人以外このズレには気づかないのですが、逆に、家族や秘書など身近にいるものにはよくわかります。

ところが、こういう英雄の微妙なズレは、そういう身近ではない人たちには、なかなかわかってもらえないんです。

ズレた決定が過去の実績と相まって、深謀遠慮とさえ映る・・・。

さらには、困ったことに、ズレに気づいたところで、いくら異議を唱えようとも、逆に意固地になって一喝される・・・老人特有の症状です。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

 

甘いものの食べ過ぎと胃アトニー

ケ〜キ、どら焼き、おまんじゅう、チョコレート、どれも美味しいですよね〜。

特に、頭が疲れているときや、ストレスが多いときは、食べたくなります。

デスクワークや、神経を使うお仕事の方ほど、甘いものは欲しくなりますよね。

これは、脳の細胞は、ブドウ糖しか栄養源にできないためです。疲れた時の少量の甘みは、もちろん効果的です。

ただし、当然のことですが食べ過ぎはよくありません。

保健室には、体が冷えて血流が悪く、体調がすぐれない方や、胃腸が弱い方が、毎日たくさんいらっしゃいますが、みなさん例外なく、甘い物の間食がだあい好きなんです。ついつい口に運ばれてしまうんですね。

糖分の過剰摂取が、なぜ悪いかといいますと・・・。

一つ目は、糖分は、赤血球同士をくっつけて、固まらせやすくして、毛細血管への流れを悪くしてしまします。

血流が細くなるので、当然、冷え性、低体温、体力、免疫力の低下を起こしやすくします。

もう一つは、皆さん甘いものを食べると笑顔になり、リラックスするでしょう?

すると胃の平滑筋も、同じようにリラックスして、ダラ〜となります。これを続けていると、どんどん胃が力をなくして下垂し、未消化物や水分が留まったり、消化能力も落ちてくるんです。

胃の機能が低下すると、他の臓器にも影響して、どんどん悪循環を起こしてしまいます。運動せずに甘いお菓子を食べて、座り仕事とかをしていますと、体脂肪もひと月で5〜10くらい、簡単に増えます。

スイーツは、確かに魅力的ですが、度が過ぎないよう、ご注意くださいね!

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

 

 

雷にご用心

5月はさわやかで過ごしやすい季節です。が、上空にはたまに冬の寒気が居座って、メイストームという荒れたお天気になることもあります。そんなときに油断できないのが、雷です。

一番身近な雷は、寒冷前線の通過によるものです。これは5月に限らず一年中発現の可能性があります。

また、積乱雲が発達したときも、落雷のおそれがあります。積乱雲と言えば夏というイメージが強いですが、テレビ等でよく耳にする「冬型気圧配置に伴う筋状の雲」あの正体も、実は列を為した積乱雲で、よって冬の日本海側の地域では非常によく雷が発生します。

積乱雲というのは、上空寒冷下層暖湿、つまり上層と下層の温度差が大きければ大きいほど、その差を解消するために対流が活発になり、発達します。積乱雲の中で、-10℃くらいの層は負の電気を帯びており、それより上の-30℃くらいの層と-10℃くらいの層では正の電気があり、これが雷の原因になります。

さて、雷鳴とはどういう現象かご存知でしょうか? 

電圧十億ボルトの雷が、本来絶縁体で電気を通さない空気をぶち破る音なのです。「ゴロゴロと雷鳴が聞こえてくるのは10kmから」と言われています。よく知られているように、雷は高いものをめがけて落ちます。

雷鳴が聞こえたら、たとえそれが遠くても、姿勢を低くし、いち早く建物の中に逃げ込んで、雷鳴が聞こえなくなるまで用心して避難していて下さい。また、直撃を受けた物や人から近くにいる人に放電する「側撃」ということもあります。集団で登下校する子どもには要注意です。

5月というレジャーシーズン、サーフィンやゴルフでも、雷には充分にご注意の上お楽しみ頂きたいと思います。

(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

 

 

端午の節句

どんな時代であっても、親が子供の成長を願う気持ちは同じもので、今年も五月の空にこいのぼりが沢山泳ぐだろう。こいのぼりは江戸時代から始まったと言われ元々は将軍家に男児が誕生した時に門前に馬印や幟を立てたことを、他の武士や庶民が真似をし、商人のアイデアからその幟が鯉の形になったという。鯉が滝を昇り切ると、龍になるという言い伝えから、男児にも大きく出世をしてもらいたいという意味を持たせた。

今はこどもの日に端午の節句を祝うようになっているが五月の最初の午の日が端午である。戦後間も無く、五月五日に定められた。端午の節句は古く奈良時代からあり宮廷では厄災を払う為に、菖蒲やよもぎの葉を軒先につるした。臣下の者もまた、冠に菖蒲の葉を冠につけていたという。武士が台頭し、鎌倉時代になると、「菖蒲」を「尚武」にかけ、武を尊ぶということで、武士にとっても大切な年内行事になった。

鎧兜を飾るようになったのは江戸時代からで、厄を払う為の端午の節句は、男児が強く丈夫に育つのを祈る為のものになっていく。江戸時代に流行した絵草子の影響もあり、金太郎の人形を飾ることも多く、強い男の子の象徴として人気があった。

忘れてはならないのが、菖蒲湯だ。菖蒲の葉を浮かべた風呂につかり、厄をはらう。菖蒲は強い薬効があり、解毒消毒作用、神経の緩和、血行促進という効き目がある。最初は酒に葉を漬け込んだものを口にしていたらしいが、風呂に入る習慣が出来た時期から、菖蒲湯はメジャーに成っていった。表で泥んこになって遊び、擦り傷や切り傷の多い男の子が入るお風呂として、とてもいい湯だ。儀礼行事には、先人の知恵が詰まっていて、単なる飾りではなく、願いが込められていることを覚えておきたい。

(文:講談師 旭堂花鱗/絵:吉田たつちか)

 

 

風の香り

「薫風のみぎり−」、「風薫る清清しい季節となり−」と5月の時候の挨拶には、新緑のこの季節に吹く爽やかな風の事を「風が薫る」と表現する慣用句が使われます。しかし本当にこの時季の風に香りがあるのをご存知でしたか?

樹木は太陽の光エネルギーを利用して光合成を行い、炭酸ガスと水を取り込んで酸素を放出します。更に夏が近付くと「フィトンチッド」と呼ばれる芳香性のある物質を盛んに作りだし発散するのですが、実はこの物質こそが「薫風」と表される香りの正体なのです。

「フィトンチッド」には、その物質を発散する樹木自身を護る様々な働きがあります。自分の領域を守るため他の植物の成長を阻害する作用、昆虫や動物に葉や幹を食べられないための摂食阻害作用、病害菌に感染しないように殺虫・殺菌をする作用、など実に多才です。

「フィトンチッド」の主成分は「テルペン」と呼ばれる揮発性の天然有機化合物で、一般に良く知られている「森林浴」とはこの拡散している状態のテルペン類を人間が浴びる事を呼ぶのです。

「森林浴」にはストレスを和らげて心身共にリフレッシュさせる効果がある事はよく知られていますが、実はこの効果こそが「フィトンチッド」によるものなのです。爽快感を求めてハイキングに出掛け、緑溢れる森林の中に入って行くと清清しい森の香りに気がつきます。この森の香りこそが「フィトンチッド」の芳香なのです。

自然界では外敵に対して攻撃的な働きをもつ「フィトンチッド」も、人体に対しては有益であることが古くから経験的に知られていて、その抗菌作用からまな板や飯台にヒノキを用いたり、クスノキから防虫・防臭効果のある樟脳を精製したり、ヒバを住宅建材に用いればシロアリ・ダニ等に対し防虫効果が高いとされてきました。ヒノキ風呂に入ると気分が安らぐのもやはり「フィトンチッド」の効果によるものです。

土に根ざして生きる樹木が自らを護るために作り出す「フィトンチッド」、優しい天然の成分が私たちをも癒し護ってくれるのです。

(文:現庵/絵:吉田たつちか)

 

 

 

 

 

 

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