おもしろコラム通信 9月号 2006.9.07 No.029

 

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田の実(頼み)の日

毎月の第1日ついたちの異称を朔日(さくじつ)といいますが、旧暦8月(新暦では9月)のついたちを特に八朔(はっさく)といって、古くから良くも悪くも重んじられてきた重要な日でありました。

この時節は稲の開花時期にあたり、古く農家ではこの日に新穂を刈り取り神に捧げたり、親戚に贈るなどして豊作を祈願する農耕儀礼が行われてきました。現在でも穂掛祭(ほかけまつり)などとして田の神に感謝する祭りが各地で行われています。

この祝いの日を「田の実の日」と言って、語感が「頼み」に通じることから転じて公家や武家、町民にまで贈答の風習が生まれたといいます。

一転して八朔は雑節のニ百十日、二百二十日と共に台風などが来襲する確立が高い天候不良の三大厄日とされていたため農家ではこの日を恐れ、また昔はこの日を境に夏の暑さを避けるための午睡を止め、方便(-たづき-)のための夜なべを始めると決まっていたため、八朔の行事に作る小豆餅を「八朔の苦餅」「八朔の泣饅頭」などと呼んだそうです。

因みに果物で蜜柑の一種のはっさくは旧暦8月1日頃から熟しはじめるとして名付けられたといいます。ものの辞書にも「甘酸っぱく、風味良好」とある季節の味覚です。

実りの秋、吉事と凶事がいちどきに訪れるとされた八朔は、紐解いてみるとそこここに名残りが感じられる古来より重要な日であったのです。

(文:現庵/絵:吉田たつちか)

 

 

 

台風という生き物

 

梅雨が明けたら間もなく台風が3つも天気図に並びました。これはさほど珍しいことはなく、いつかのオリンピックの年には5つの台風が現れて「五輪台風」と呼ばれたこともあったそうです。

さて。台風とは何でしょう? 定義としては「北大西洋海上で発生した熱帯低気圧のうち最大風速が17.2m/s(34ノット)以上ものの」のことです。おおむね、海面水温が26.5℃以上の海上で発生します。(地球の性質上、北緯5度より南側では発生しません)その辺りは一年を通して安定した東風(北東貿易風)が吹いているので、多くの台風はその風に運ばれて西へと向かいます。

ある程度北上すると、上空には偏西風という、今度は東向きの風が吹いていて、台風はそれに進路を乗り換えます。車がカーブ地点で減速するように、台風も向きを変えるときに速度を下げ、一つの場所に停滞することがあります。また、太平洋高気圧がドカンと腰を据えていると、さすがの台風もそれには勝てず、その縁を通ることになります。(だから、太平洋高気圧が弱まった9月に、日本に多くの台風が上陸することになるのです)

一方、台風のエサは暖かく湿った空気や海水です。風に流されて乾いた陸地や冷たい海域に向かうと、台風としての勢力は衰えますが、今度は暖かい空気と冷たい空気との戦い(温帯低気圧化)が始まり、台風より強い暴風雨をもたらすこともあります。

余談ですが。北半球では、風が吹いてくる方に背中を向けて、左手の前方に気圧の低いところがあります。(これを「ボイス・バロットの法則」といいます)台風が南から近付いてきている場合は大体それは台風の中心を示します。

今年は台風で被害が出ないことをお祈りしております。

みなさまもお気を付けて。

(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

解毒のしくみ

 

湿気の多い季節になり、アトピーやアレルギーが悪化している方が急増しています。

この季節は、特に外気の湿気が多いため、体の水分や熱がこもりやすく、解毒の力が落ちて、皮膚病が悪化しやすくなります。

人の体をコップにたとえると、コップの上部から飲食物(同時に添加物などの毒素も)を取り込みますが、通常はコップの下に大きな穴があいており、便や尿に解毒代謝されてゆきます。

ところが、ストレス、冷え、水分過多による代謝の低下などは、下の穴を小さくしてしまいます。

体に溜まり、代謝しきれない毒素は、コップからあふれて、外へこぼれますが、この分が皮膚に代謝された湿疹や発疹です。

また、添加物の多い、インスタントもの、加工食品などは、極力控えましょう。

逆に、この季節、解毒を促進する食べ物は、西瓜、苦瓜、胡瓜、メロンなどの瓜の種類です。

その他、玄米、海藻、きのこ、小豆、春雨などもお勧め!

悪い物はどんどん解毒してしまいましょう!

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

手綱さばきの妙

 

私が企業人として敬愛する藤沢武夫氏は、本田技研工業がレンタカー部門を立ち上げるに当り、公私ともにもっとも寵愛し、信頼する部下に、この新部門を任せたそうです。

この人物は、なかなかの才人であり、藤沢氏の期待に応え、新事業は順調な滑り出しを見せたとか・・・。

ところが、この人物は、成功に驕り、行きすぎた行動をとるようになり、藤沢氏も、再三、この腹心への行きすぎを注意しますが、この人物は、マスコミ出身者にありがちなうぬぼれもあり、一向に改めようとはしなかったそうです。

その結果、藤沢氏はどうしたのか?

この人物を責めれば、この有能な部下を失う結果になるかもしれない・・・。

逆に、このまま私情に任せ、彼の行動を黙認すれば、他の部下にも悪影響をおよぼしかねない・・・。

速く走る者に合わせるべきか、遅く来る者に合わせるべきか・・・。

藤沢氏は、苦慮した結果、この有能な部下を徹底的に干しあげたそうです。

その態度は、「干す」などという生やさしい物ではなかったとか・・・。

結果的に、この部下は、これにより自らの行きすぎを反省し、また、他の部下たちも、腹心と言えども容赦ない藤沢氏の行動に、一段と襟を正したと言います。

速く走りすぎる者は手綱を引き締め、遅く来る者は手綱を引き寄せる・・・。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

若返り・老化防止ビタミン

 

黒酢やウコン、ローヤルゼリーなどの健康食品をはじめ、ビタミンC、B、カルシウムなどのサプリメントを毎日飲んでいる方も多いと思いますが、ミドルエイジが忘れてはいけないのが、若返り・老化防止ビタミンと呼ばれるビタミンE。

本来は、活性酸素を除去する酵素が体に備わっていますが、中年以降になると、その酵素が減少し、ビタミンやミネラル、その他の栄養素の吸収や体内の代謝が悪くなり、体内毒素が蓄積されてしまいます。しかし、ビタミンEは、身体のサビとも言える過酸化脂質ができないようにする抗酸化効果が高く、新陳代謝と共に血液の循環を良くするので、肌に良いだけでなく、動脈硬化や脳卒中、心臓疾患を予防する他、白内障にも効果があるとされています。

野菜では、かぼちゃが最も多くビタミンEを含んでいますが、毎日摂るとなると、やはりサプリメントに頼るしかありません。人工合成ものと天然ものとは、効果に大きな差があるので、活性率が高いとされるdアルファ・トコフェリル・タイプのナチュラル・フォーミュラーのものを選ぶのがポイント。クリアーなソフトジェルっぽいものです。

多く摂取してもビタミンCのように流れてしまうタイプではありませんが1日あたりの摂取量の目安は400IU。さらに万能なのは、強力な抗酸化作用を発揮するコエンザイムQ10です。

(文:フラウ山田/絵:吉田たつちか)

 

 

 

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<編集後記>

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