おもしろコラム通信7月号 2013.07.01 No.111

 

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ときめいて過ごしましょう!

 

 先日、大阪にて帯津良一先生と春名伸司さんと鼎談する機会を頂きました。

 帯津先生は「日本ホリスティック医学協会会長」「帯津三敬病院の名誉院長」で、がん患者さんが最も会いたいお医者様として著名な方です。

 また、春名伸司さんは、末期の中咽頭がんを乗り越えられ、いきいき健康長寿研究会を立ち上げられ、がんの語り部として講演活動を行っておられる方です。

 帯津先生は、どこまでもお優しくユニークで心温まるお人柄。春名さんは、笑顔が爽やかで、ご一緒するだけで心が朗らかになれるような方で、お二人とお話させて頂くだけで、心の免疫力がぐっと上昇しました。

 今日のお話の中で最も印象に残ったのは「毎日をときめいて過ごす」こと、そして「凜として老いる」という言葉でした。

 生き物には全て平等に死の時が訪れますが、それは何十年後かもしれないし、明日かもしれません。

 故に、何時そのときが訪れても心に後悔がないように命ある今日、只今を大切に生きてゆくこと。

 元気に長生きに越したことはないのですが、その内容が味わいのあるものでありたいですね。

 春名さん曰く、元気で長生きされる方は、小さな事に喜びを見つけることが上手で、感動しやすく手先が器用という共通の特徴を持っておられるようです。

 「ときめき」の気持ちは生命を躍動させ、治癒力を高めたり、エントロピーの増大を最小限にし、老化を遅らせるようですね。

 一日には昼と夜があり、朝に活動が始まり夕には休息が始まります。

 あたかも朝に産まれ夕に死すかように、人は毎日生まれ変わっており、昨日の自分と今日の自分では、別物です。

 昼間(陽・動の時間)は活動し、発散しエントロピーは増大しますが、夜間寝ている時(陰・静の時間・・・あたかも死と同じ時間)は、成長ホルモンの働きなどにより、その日受けた心的エネルギーと摂取した食物等をもとに、身体の作り替え(整合)の作業を行います。即ち逆向きのエントロピーが増えて、翌日のエネルギーがチャージされています。

 陽の世界で活動し消耗したら、陰の世界で補い、再構築され、また生まれ変わる・・・という輪廻を日々繰り返し、やがてエントロピーの増大が極限になった時に、陰と陽が離れ陽の世界にあった身体は消滅します。

 しかし、命(心)は消滅してしまうのではなく、陰の世界でその記憶を再構築し、リスタートのスイッチが入る瞬間(受精)を待っているのです。

    そして再び…

 これはあくまでも私見ですが、このように考えたら、死は怖いものでも、忌み嫌うものでもありませんね。

 そう思うと、ぐっと気持ちが楽になりますよ。まずは今日一日・・・就寝までの限りある時間に楽しみを見つけ、そして喜びワクワクと時めいて過ごしましょう。

 結果としてその連続が、あなたを豊かで自信と輝きに満ちた「凜」としたものにしてゆく事になると思います♪

 

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:そねたあゆみ)

    

 

 

 

体育会系薩摩藩士が見た長州の同志的放言

 

 慶応2年(1866年)、坂本龍馬、中岡慎太郎らの仲介の下、薩長同盟締結を目指す薩摩藩は長州藩に対し、使者として28歳の薩摩藩士・黒田清隆(後の内閣総理大臣)を送り込みます。

 到着後、大坂での薩摩の西郷隆盛と長州の桂小五郎(木戸孝允)との対面を提案したところ、慎重居士の桂は逡巡する姿勢を見せたそうで、すると、この時、同席していた長州側の主要人物の一人で桂の6歳年下になる高杉晋作が、桂に対し、「桂一人死んでも長州が滅びるわけではあるまい」と、まるで尻を叩くかのように言い放ったとか。

 体育会系である薩摩藩では、下っ端の黒田君が12歳上の西郷先輩や10歳上の大久保利通先輩らに対して、「西郷や大久保が一人死んだくらいで・・・」などいうような発言は絶対にあり得ないことだったそうで、黒田はこれには本当に驚いたそうです。(ちなみに、高杉は黒田の1歳年上。)

 これに対し、桂はしばらく熟考した後、「よし、行こう」と、上方行きを決意する・・・と。

 この辺の経緯を桂は「主命下るによりやむなく・・・」と記しているそうですが、実際には桂自身の意思と判断によって上方行きを決意したわけで、この辺のやりとりを見ていた黒田清隆は、「余計なことは考えずに黙って行けばいいんだ」という薩摩方式よりも、「自分で考えて納得して行く」長州方式の方を是とすべきなのではないか・・・と考えるようになったと言われています。

 つまり、下級生であっても自分で納得して決めるというプロセスを抜かさないということですね。

 この点で、私の知人にも典型的体育会系の人がいて、上からのウケは良い反面、下からは「上から言われたことに盲従するのではなく、少しは現場の現実を上に言ってください」などいう反発もあるとか。

彼の論理としては、「自分もその役職の時は上から言われることには黙って従ったのだから、彼らもその役職になった以上は従うのが当たり前」というもののようですが、でも、すべての人が彼のような体育会系上がりではないわけで・・・。

 別の体育会系の友人にこの話をすると、「体育会系というのはそういうものじゃない。最後は実力なんだ」と言いますが、でも、実力と言っても、「数字で評価できない部署にいる人達にそれをどう当てはめるの?ペーパーテストでもさせるの?」・・・と。

 残念ながら、黒田という人は酒乱で、酔って夫人を殺害したなどと言われるくらいに、あまり、良い印象を持たれていない人ですが、、体育会系で育ってきた人でありながら、違う考え方を認める辺り、やはり、見識はさすがに立派なものを持っていたようですね。

(小説家 池田平太郎/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

 

 

 

鍋とお箸の熱くない関係

 

  囲炉裏や火鉢、七輪などが日本の鍋料理に与えたことを述べてきたわけですが、もうひとつ、日本の鍋料理に強い影響を与えたものがあります。

 それはお箸。日本は中国や朝鮮といった箸文化圏の中でも、特に箸に特化しているのです。

 では鍋料理と箸とどのような関係にあり、どのような影響を与えてきたのか?

 鍋料理というのは、ぐつぐつと煮えている料理をお箸でつまんで食べることにその醍醐味がありますな。もちろん汁を自分の器に移すためにお玉を使うこともありますけど、お玉だけじゃあ鍋の醍醐味は味わえません。

 では欧米風にフォークを使って鍋を楽しもうと思っても、できないことはないけれどちょっとよろしくない。フォークや朝鮮半島で使われている金属製のお箸だと、熱伝導が早くて鍋にはちょっと不向き。

 中国式のお箸は、日本の箸にくらべて5センチほど長くて太さも太い。その結果当然重いのです。そして日本の箸の端(しゃれだけどしゃれではない)は細くなっていますが、中国の箸はあまり細くなっておりません。日本の箸の端が細いのは、魚など細かいところまで箸で食べやすくしている工夫です。

 朝鮮の箸も中国ほどではありませんが、やはり日本の箸より長く、金属製ですから当然重い。

 日本の箸は鍋の中を泳いでいるいろいろな具材を軽くキャッチできるわけですから、欧米のフォークや中国朝鮮の箸に比べても、もっとも鍋料理に向いている食事用器具なのです。

 日本の鍋料理は世界的にみてめずらしいものなのですが、箸やフォークといった食事用器具を考えてみれば、日本で鍋料理が発達していったことも理解できます。

 世界の食文化を見ると、手で直接料理を掴んで食べる『手食文化』が4割ほど。

 約3割が、フォークやナイフを使う『食文化』

 残りの約3割が『箸食文化』と言われています。

『手食文化』では、ぐつぐつと煮えている鍋に直接手を入れて食材をつまむことはできないから、当然、日本のような鍋の楽しみ方はできません。

 フォークやナイフを使う食文化や、中国朝鮮のような箸では、やはり鍋にはちょっと不向きとなります。

 そう考えると囲炉裏プラス日本式お箸が、日本の鍋料理を生んだというのも理解できます。

 

(食文化研究家 巨椋修/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

 

 

 

熱中症予防に『熱さ指数』

 

 ジリジリと照りつける太陽。あっという間に汗ばむ気節がやってきました。この時期気をつけなくてはいけないのが熱中症。 環境省のホームページによると熱中症とは、『高温環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破たんするなどして発症する障害の総称』だそうです。

 熱中症は四つの種類に分けられます。まずは熱失神。皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少します。症状としては、立ちくらみや失神、顔面そう白や唇のしびれ、呼吸回数の増加などが挙げられます。次に熱疲労。大量の汗をかき脱水症状をおこします。脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがおきます。

 これら熱失神や熱疲労を発症した場合の応急処置は、涼しい場所に移動し、水分を補給すること。吐き気やおう吐で水分補給が出来ない場合は病院に運びましょう。

 長時間スポーツをする人に多いのが、熱けいれん。大量に汗をかき、水だけを補給して血液中の塩分が低下すると、足・腕・腹部の筋肉にけいれんがおきます。この場合は塩分を0.9%含んだ水を飲むと症状が改善します。具体的には1リットルの水に対して2グラムの食塩を溶かします。

 最後に熱射病。これが一番危険です。体温の上昇のため、中枢機能に異常をきたします。意識障害があらわれ、頭痛、吐き気、めまいなどが起こり、最悪の場合、脳・心臓・肺などの臓器障害をおこして死に至ります。熱射病と思われる場合は直ちに救急車を呼び、待っている間に全身に水をかけたり濡れタオルをあて

たりして体を冷やしてあげてください。

 このような熱中症にかからないためには、薄着を心掛けること、熱い日の外出は控えて冷房のきいた室内にいること、十分な睡眠をとって体調を整えることが大切です。

 2013年、6月1日より環境省では『熱さ指数』のメール配信を実施しています。この情報を基に、自ら熱さ対策をするのも熱中症を防ぐことにつながると思います。

 

(フードアナリスト 愛川いつき/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

旬を食す

 

 初めて映画を見て感激、自分は映画館を経営して人々を楽しませるのだと心に決めた少年が、その夢を実現し、熱海・伊東・沼津など静岡に10館もの映画館を経営し、日本の映画業界を影で支えた男の自叙伝の編集をお手伝いする機会を得た。

 戦後長らく、映画は庶民の最大の娯楽であった。

 日大芸術学部出身の彼の後輩達の話も出てくる。その1人である三木のり平が「旬というのは10日間のことでしょう。月に上旬とか下旬とかいうのと同じで、料理の材料になる野菜とか魚が本当においしいのは、1年のうちでほんの10日間しかない。料理屋では、昔から『1つの料理は2旬のあいだに出せ』といわれてますな。つまり、旬の材料を使うってのは、せいぜい20日間だということなんです。」と、熱海の山本旅館での会食時のくだりが書かれている。

 家庭菜園をやっていると、旬の意味がよくわかる。採りきれないほど毎日採れていた絹サヤがあっという間に枯れ始め、わずかに残った苺も、虫の餌になっている。

 夏野菜の代表であるトマトが次々に赤くなってきた。今では1年中スーパーに並んでいるトマトだが、やはり、露地で完熟した旬のトマトの味は格別で、毎日でも飽きない。キュウリ、ナスも同様、旬が忘れられた野菜だが、燦燦と照りつける強い太陽の光をあびたこの時期の野菜が味はもとより栄養の面でも優れている。シラス漁が解禁され、小アジが安く売っている。旬に採れたものは美味しいだけでなく安いのもいい。

 この本にはまた、こう書いてある「昔は色々な物売りの声が聞こえてきたものだ。朝は納豆売りが『なっと、なっと!』と声を張り上げ、豆腐屋はラッパを鳴らしながら朝晩決まった時間に家の前を通った。冷蔵庫のない時分は、むしろ、新鮮なものを食べることができた時代でもある。」

 近くにコンビにがあり、冷蔵庫には食材が溢れ、飢餓の恐れはなくなったものの、食材の旬を見失った現代、はたして、我々は贅沢になったのだろうか不幸になったのだろうか?。

 原子力の電力も必要でなかった時代の食生活の方がむしろ贅沢に思える今の時代だ。92歳になる彼の後輩達もすでに鬼籍に入り、本を配る人もほとんどいなくなったので、自叙伝は電子ブック化した。今でも毎日裸眼で新聞を読む彼は、ipadを繰りながら自分の若き良き日々を毎日、幸せな気持ちで思い起こしている。

 お礼にいただいた信楽焼きの立派な壷に良く似たものに、先日のお宝鑑定団というテレビ番組で1500万円もの高値が付けられた。壷の価値がわからない自分は今、この壷をネットオークションに出品するかどうか躊躇している。壷の旬はいつなのだろうか?

(コラ

 

(コラムニスト 井上勝彦/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=10本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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