おもしろコラム通信11月号 2008.11.09 No.055

 

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酒で3年、茶で10年   

「酒は呑め呑め呑むならば 日乃本一のこの槍を 呑み獲るほどに 呑むならば これぞまことの黒田武士」

黒田節という、大昔に流行った歌ですが、末尾に黒田武士とあるように(「節」と「武士」とを掛けたわけです。)江戸時代、筑前福岡藩主であった黒田家に由来する歌ですが、私が子供の頃までは、福岡では酒席などでは、よく耳にした歌です。

でも、最近では本当に耳にすることはなくなりましたし、若い人は知らないでしょう。

コミュニティでの宴会が崩壊している現状を嘆くばかりですが、曰く、黒田家がまだ、福岡に来る前、時の当主、黒田長政の家臣で母里太兵衛という人が、酒癖の悪いことで知られる福島正則の邸に使いしたところ、太兵衛が家中でも知られた酒豪であったことから、正則は大杯に並々と酒を注ぎ、「これを飲め」と執拗に勧め、固辞すると、なおも絡んできて、ついには、「飲み干したら、何でも好きな物をやるぞ!」と言いだしたことで、ついに、太兵衛は腹を決め、「それでは」と言って、そのまま、一気にその大杯を飲み干すと、そのまま、正則が豊臣秀吉から拝領した名槍「日本号」を所望した・・・と。

「あ、これだけは!」と言って蒼くなる正則に対し、「武士に二言はござるまい!」と言って、そのまま、持って帰ってきてしまった・・・という実話に由来するものです。

ところで、昔、プロ野球の広島東洋カープの監督に就任した方が、「選手にとって酒というのは身体能力の低下に繋がり、プレイの妨げになる」として選手に禁酒令を出したことがあったそうです。いわゆる、管理野球の先駆けみたいなものだったでしょうか。

その時、それを聞いた当時のオーナーが、「君ね、そう言うけど、『酒で3年、茶で10年』というように、お茶だと十日かかるところが酒だと三日で仲良くなれるんだよ」と言ったとか。

・・・結局、その監督は禁酒令を取りやめにしたといいます。

この点は、私も思い当たるところがあります。

同じ組織の一員とはいえ、全国から集まった初対面の人たちと、マジメな昼間の会議だけで意思疎通が出来るものでもありませんよ。会議とは、とかく、「何を言ったかではなく、誰が言ったか」が問題になるものですから。

昼間、いて好かない奴と思っていたのが、夜の会で話してみると、意外に良い奴だったりで・・・、同じ事は、軍隊にも言えたようで、私が敬愛する元帝国陸軍参謀にして、兵法評論家であった故・大橋武夫氏も、その著書の中で、「旧日本帝国陸軍では、昼間、軍事演習があるときは、夜は慰労と称して宴会があったが、実はこれが意外に大事だった。ここで、バカ騒ぎをして、懇親を深めると、戦闘中などに援軍を要請した際に、普段なら、『今、こちらにもそんな余裕はない!』と言われるところを、『おぉ、あのときの貴様かぁ、こちらにも余裕はないんだが・・・、仕方ない』ということになる」・・・ということを述べておられました。

理想としては、こういう緊迫した場面で私情を差し挟むべきではないのでしょうが、やはり、そこは人情でしょう。

確かに、良い悪いではなく、これが人間という感情を持った生き物の現実であり、業務を円滑に進める上ではやむを得ないことなのかな・・・とも思いますが、如何でしょうか、御同輩。

(文:小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)

 

飛行機雲でわかる天気

天高く馬肥ゆる秋も本番を迎えましたね! 青く広がる高い空を、細い糸を引くように飛行機が飛行機雲を走らせながら飛ぶ様子は、とても美しいものです。しかし、この飛行機雲、いろんなことを示しているのです。

どうして飛行機雲ができるかという説明に入る前に、水蒸気の性質について説明しておきます。私たちが暮らしている空気中にも、水は水蒸気として存在しています。「湿度」と呼ばれるもので現されるのが空気中に含まれる水蒸気の割合です。この水蒸気は、気温が下がるとともに、水滴、氷へと変化していきます。水蒸気が水滴に変化するとき、水蒸気はその温度に対して「飽和している」というのですが、大気中にはこの「飽和」を早くさせる分子が多く飛散しています。身近なところでは、排気ガスや工場の煙もそうです。

さらに、飛行機が上空を飛ぶときに飛行機が排出するチリやほこりもその要素になります。だから、上空に水蒸気が多ければ多いほど飛行機雲はできやすいのです。つまり、どんなに空が晴れていても、飛行機雲が何本もできてなかなか消えないときは、上空が湿っているので、お天気は下り坂だと思ってください。

また、水蒸気が水滴に変化するときにはわずかな熱を発生させます。だから、飛行機雲の発生も地球温暖化に影響を与えていると言われています。

さらに、飛行機雲が長い時間上空に留まっていると、上空の風に流されて形がぼやけてきます。以前テレビでそれを地震学者の方がまことしやかに「これが地震雲です」と言って写真を見せていて、驚きました! 気象の方の考えでは、「地震雲」なぞはないと思われています。確証があるわけではないので、惑わされないでくださいね。

(文:気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

 

 

十二支の動物物語   

年末になると、次の年の干支にちなんだ行事や商品が目に付きます。元々は、暦を示すものであり、戦国時代からは、方向や日付、年月、時間を記す為にも用いられました。一年が十二ヶ月であるので、十二支、庶民が覚え易いように、身近な動物を組み入れていったという説があります。

では、何故、子丑寅…という順番になったのでしょう。こんな昔話が残っています。お釈迦様の下に、新年のご挨拶に動物達が行くことになりました。ネズミは体が小さいので、誰かに乗せてもらった方が、楽です。そこで、優しい牛に声を掛けました。牛は歩くのが鈍いので早目に出るが、それでもいいならばと、快く引き受けてくれました。ネズミは飛び上がって喜びました。さて、ネズミの天敵、ネコはどうでしょう。

身近な動物であるにも関わらず、十二支の中に入っていません。実は、ネズミはネコに、挨拶に行く日を一日ずらして教えたのです。

ご挨拶前日、牛はネズミを背中に乗せて、ゆっくりながらもお釈迦様の下に参ります。一番乗りだと、牛は思いました。所が、ネズミが背中からひょいと飛び降りたので、一番を逃してしまいました。ネズミはチチッと笑い、牛は「モウー」と悔しがったとのこと。

ネコはというと、一日ずらされた情報により十二支には入れず、悔しさにネコんでしまい、腹立ち紛れにネズミを追い回すようになったそうです。

犬猿の仲と言われる、申と戌の間には、仲をトリ持つ、酉が入っています。お釈迦様の前だけでは、喧嘩をしてくれるなと。

十二支は、中国から伝わり、日本のみならず、ベトナムやタイ、意外にも東ヨーロッパでも使用されています。国により、多少の動物の違いはありますが、ほぼ同じと考えて間違いありません。ロシアでは、日本や中国と全く同じ、十二支が使われているようです。遠く離れた異国でも、同じ干支を使っていると考えたら、ぐっと近くに感じますね。

(文:コラムニスト 朝比奈うろこ/絵:吉田たつちか)

 

朝粥のすすめ

随分と朝晩は冷えるようになりました。世間では、バナナダイエットが人気で、あちこちの八百屋さんでバナナが売り切れだとか・・・。

元気で熱が盛んな方にはよいかもしれませんが、冷え性や、痰湿タイプ(水っぽくブヨブヨ太り)の方にはお勧めしません。

特にこれからは寒い季節です!朝は、お腹を温める食べ物をいただき代謝を良くした方が健康にもダイエットにも良いですヨ。

お勧めは、生姜や青じそを使ったお粥や雑炊です。生姜や青じそは、醒脾といって、眠っている胃腸を目覚めさせ、体を活性する働きがあるためです。今朝は、生姜と、青梗菜(活血作用)の雑炊を炊いてみました。

 <作り方>

1,生姜を薄くスライスし、さらにせん切りにする

2,青梗菜は食べやすい大きさに切る

3,少量の胡麻油で、1と2を炒める

4,鍋にお湯をわかし、鰹節を入れ、お茶碗1杯のご飯を入れ、煮立ったら、3を入れ、塩で味付けして出来上がり

・胃腸に優しく、うっすらと汗をかいて、体が軽くなるメニューです。毎日、具を換えて工夫するとよいですね。

・人参とシーフードミックスを、生姜と炒めて入れれば、養血の働きたっぷりのメニューに。

・南瓜や、山芋を入れれば、補気作用バツグンです。

・青じそは、トマトと相性がよいですね。

・シーフードリゾットにしてみてはいかがでしょうか?

(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)

 

かぼちゃの煮物:短時間で美味しく作れます

完成写真 材  料 (3・4人分)
かぼちゃ 中 1/4個
だし汁
しょうゆ
砂糖
1カップ(200ml)
大さじ1
大さじ1/2

だし汁---水+だしの素でもOK!

作り方

 @
かぼちゃは皮の部分を良く水洗いし

スプーンで種をすくい取り3cm角に切る。

A

容器にだし汁・しょうゆ・砂糖を入れよく

かき混ぜる。その中に3cm角に切った

かぼちゃを重ならないように並べる。
B フタをしてレンジ500wで9分加熱する。

(竹串などで刺して柔らかくなっていなかったら、

様子を見ながら1分づつ追加加熱する)

加熱後、あら熱が取れるまでそのままにし、

崩れやすいのでスプーンで器に移し変える。

 

 

10月新規登録のコラムニスト

天地人

 

 

 

 

 

 

<編集後記>

・先月の投稿総数=9本

・ブログ=http://blog.goo.ne.jp/tebra/

CATEGORY=おもしろコラム

 

 

 

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