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外国人が驚いた! 日本でしか食べられないもの事件簿

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(絵:吉田たつちか)

●戦時中、捕虜に木の根を食事に出した伝説
 日本人にとっては当たり前の食べ物が、外国人にとっては「未確認生命体」だった! そんな話は珍しくありません。
 食文化というのは、国ごとの歴史と信仰、そして“胃袋の耐性”がつくるもの。今回は、そんな「日本でしか食べられないおもしろフード」と、それにまつわる“事件”をいくつかご紹介しましょう。
 まずは伝説の「ゴボウ裁判」から。これは有名なのでご存じの人も多いかもしれません。
 第二次世界大戦の終戦直後、青森の捕虜収容所で日本軍がアメリカ兵にゴボウを食べさせたところ、戦後に戦犯裁判にかけられ、「木の根を食わせた虐待行為」と取られてしまい、処刑されてしまったと言う話しが伝わっています。
 ただし捕虜収容所職員が虐待で有罪になり、処刑された事例はあるのですが「ゴボウを食べさせたから」というのが理由ではないようです。
 ただゴボウを食用にするのは日本くらいなもので、ゴボウを食事に出した可能性は高いので「木の根みたいなものが出た」と話題になった可能性はあるのかもしれません。

●おにぎり、弁当、発酵食品
 一方で、外国人が感動する“日本独特の味”もあります。
 たとえば「おにぎり」。世界に似たような食べ物はありますが、塩と海苔で包んだシンプルな形は日本だけ。しかも冷えてもうまい。
 アジアの多くの国では冷えた米を嫌いますが、日本では「冷めたご飯を前提に味を整える」という技術を発展させていました。おにぎり、寿司、弁当、どれも“冷たくてもおいしい”日本人の知恵の結晶です。
 さらに発酵食品の世界でも日本はぶっちぎりです。
 納豆は外国人泣かせの定番。「におい」「糸」「見た目」の三重苦で、初めて見た外国人が「これは…生きてるのか?」とつぶやいたという話もあります。
 イカの塩辛も同類です。内臓を塩漬けして発酵させた珍味は、日本人には酒の友でも、外国人には「冷蔵庫の中で爆発した」と評されることも。けれど、これを“うまい”と思ってしまうあたり、日本人の味覚は恐ろしく進化しているのかもしれません。 そして何より、日本料理になくてはならない味噌や醤油も発酵食品です。

●和菓子のようかんはもともと……
 歴史をさかのぼると、羊羹(ようかん)にも面白い逸話があります。もともとは中国の「羊のスープ(羊羹)」が原型。それを日本の禅僧が肉を使わずに豆で再現し、やがて寒天を加えてスイーツになりました。
 つまり、「肉料理」が日本で「お菓子」に進化したのです。発想の転換もここまでくると芸術です。

●日本が誇る危険なグルメ、フグ
 世界では「食べると死ぬ魚」として恐れられていますが、日本だけは毒を取り除いてありがたくいただく文化を確立。フグ中毒の歴史は長く、日本では明治期~大正期から「フグを誤って食べて死亡した」という記録が多数あります。たとえば、1886年〜1963年の78年間で、約6,386件の中毒が記録されており、そのうち約59%が死亡という高い致死率だったと報告されています。
 最近のデータだと、2008〜2018年の10年間で、死亡者は 3人という報告があります。そのほとんどが、自分でフグを調理したためだそうです。料理に自信があっても、フグ調理師免許がない限り、フグを自分でさばくのはやめておきましょうね。
 このように、日本の食文化は外国人から“文化的誤解”の連続の中で発展してきました。
 でもそこには外国人が眉をひそめるものほど、実は長い歴史と知恵が詰まっているのです。
 考えてみれば、日本人は昔「毒の魚を食べ」「豆を腐らせ」「木の根を煮て」「冷えた飯を食べる」民族と思われていたのかもしれません。
 けれども、それこそが世界に誇る日本食文化の源泉なのです。
次に外国人の友人が納豆やゴボウに悲鳴を上げたら、こう言ってやりましょう。「ようこそ、人類最古のグルメ実験室へ」と。
   (巨椋修(おぐらおさむ):食文化研究家)2025-12

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