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魅惑の星「すばる」

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魅惑の星「すばる」  日本でいう「すばる(昴)」は、「プレアデス星団」と呼ばれ、それを含む星座はおうし座です。おうし座にはこのほか、ヒヤデス星団、かに星雲、赤く輝く1等星アルデバランといった、有名なものを持った大きな星座です。このおうし座自体は例によって大神ゼウスが人間の女性エウロパ(英語「ヨーロッパ」の語源になった女性)に近づくために変身した牛の姿が星座になったとされています。
さて、すばるは、歌謡曲にもあるように、青白い星々の集まりです。ギリシア神話などの影響により、目立って明るい7つの星からできていると思われていることが多いようですが、実際には25個くらいは観測されており、昔は洋の東西を問わず、すばるの中にいくつの星を見つけることができるかで視力の良さを競ったそうです。
日本でも、最古の和歌集『万葉集』に「すまるのたま」「すばるのたま」という表現ですばるについて描かれています。そもそも「すばる」とは、連なるとか結ばれるとか要は「集まっている」という意味を持っているそうです。
ギリシア神話では、ゼウスたちの神々が現れる以前に天上界を支配していた巨神(きょしん)の一人、アトラスの七人の娘たちがプレアデス星団になったとされています。
すばるは、地球からは約400光年も離れているにも関わらず、明るい星は1等星よりも明るく見えるものもあります。星々が青白く見えることは、それぞれが約6千万から1億年と、比較的若い星であり、同時に非常に温度が高いことを意味しています。我々の太陽は黄色っぽく見えますが、太陽でも摂氏6千度ほどなので、青白く見えるシリウスなどの星は1万度近くあるということです。青白く見えると涼しげな印象を持つものですが、逆なんですね。ちなみに、赤く見える、たとえばさそり座のアンタレスのような星の温度は低く、3500度程度しかありません。
(気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)

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