先回、肺気を高める養生法についてお話しましたが、今回は脾気を高めるお話です。
気は、肺から吸う気と、脾が食物を体に必要な精微物質に変化させて作られますので、肺の働きとともに、脾を強めることはとても大切なことです。
私達にとって最も消化しやすく、胃腸に負担がかからない食べ物は、穀物です。正しい気を補うためには、ご飯はとても大切なんですね。お菓子やジュース、インスタント食品などでお腹を満腹にすると、正しい気が作られません。
また、動物性のタンパク質や油脂類は、消化のために多くのエネルギーを必要とするため、脾にかなりの負担をかけてしまいます。食事の中身として、全体の5割を穀物、3割をお野菜、2割をタンパク質やデザート等に配分すると良いでしょう。そして、脾に負担をかけないために、よく噛むことが大切です。
自分が、胃腸が弱いと感じておられる方は、一度にたくさん食べ過ぎず、一日何度かに分けて少量をいただいてください。また、お腹がすいていないのに、時間がきたから仕方なく食べるのは止めて、お腹がすいてからいただきましょう。脾気をより高めるためには、お腹を冷やさないこと。冷たい物を一気のみしたり、冷蔵庫から出した冷たい物は、そのまま食べず、少なくとも常温にして召し上がってください。
お野菜も生野菜よりも火を加えて調理したものがお腹を温めます。お腹が温かいと消化もよくなり、正しい気が効果的に生まれます。
(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)2009-06