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気象病とは

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(絵:吉田たつちか)

 1〜12月初旬までは秋晴れをもたらす移動性高気圧と、温暖前線と寒冷前線を伴う温帯低気圧が交互にやってきて、目まぐるしく気候(晴雨、気温、気圧、湿度)が変化します。これが実は体にとって多大なストレスをもたらします。
 気圧の変化を感じ取るセンサーは耳の内耳(鼓膜の奥のカタツムリ形の器官)にあり、気温や気圧の微妙な変化を脳に伝えて自律神経を刺激します。特に1日に10度以上の温度変化があったり、10ヘクトパスカル以上の気圧の変化があると、自律神経は大きく揺れ動きます。
 症状の出方には個人差がありますが、低気圧が近づいて天気が崩れる前に、自律神経はストレスを感じ取り、交感神経が異常に緊張して血圧が急激に上昇したり、心臓の鼓動が激しくなり動悸や息切れを感じやすくなる方があります・・・タイプA
 又、気圧の低下に伴い、体内の圧力も低下し、血管や器官は緩んで力を失い(血流の悪化)、だるい、眠い、疲れやすい、立ちくらみ、めまい、貧血、喘息、頭痛、関節痛、古傷が痛むなどの症状が現れる方もあります・・・タイプB
 さらに、低気圧が東へ進み、寒気を伴う移動性高気圧が張り出してくる時には、交感神経が異常に緊張しやすく、血圧上昇、脳梗塞、心疾患などの循環器のトラブルが起きやすくなります・・・タイプA
 このように、私たちの体は知らず知らずの間に自然からストレスを受けていて、何気なく不調を感じている原因が実は気象がもたらす要因である事がとても大きいのです。特に、普段はさほど気にしておられない方でも、台風接近時には明らかに不調を感じられる方が多いのではないでしょうか?最近では、気象病、天気痛などの言葉が普及してきて、ウェザーニュースなどには地域毎の天気痛情報がスマホで検索できるようになっています。
 タイプAの方は、日頃から交感神経が緊張しやすい、更年期に伴いホットフラッシュ、下半身冷え、上半身逆上せなどの傾向があり、気圧と温度の変化にとても敏感で、飛行機の離着陸時にもトラブルを起こしやすいです。このタイプの方は、お天気が崩れ始める時と回復するときに自律神経を調整する漢方や肺の気を高める漢方を服用しておくと発作が8割くらい予防出来て、症状も軽くなります。
 又、タイプBの方は、普段から低血圧、低体温、胃腸が弱い、乗り物酔いしやすい傾向があり、お天気が崩れ始め、雨が降り出すまでの間が特に不調になります。
 空に鱗雲、いわし雲、ひつじ雲などが現れたら、お天気が崩れる前兆ですので、漢方で水捌けを良くして、血流を万全にしておくと、こちらも8割以上の確率で発作が予防できますよ。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2020-11

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